ひょんなことから女の子
I'm my sister 5
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hyon
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236 :I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 :2007/03/02(金) 22:52:02.76 ID:qpsaIcFt0
週末は大変だったなぁ…。
金曜日は…思い出したくない。
土曜日の模試は散々な結果。
で、昨日はその復習で先輩と勉強会。
まあ先輩は「一年の時点でこれだったらすごいよ」って褒めてくれたけどさ。
それにしても…なんかだるいな…。昨日までは朝練行ってた影響で六時には目覚めてたのに…。
月曜病ってやつかな? …布団の中で考えてても時間が過ぎるだけだ。
「トイレ行こ…。」
そこで彼女はだるさの犯人を目撃する。
一瞬頭の中が真っ白になった。
よくよく考えてみると当然だ。恵はもう17、十分オトナの体である。
と、いうことはあの三日月の印は…こういうことだったのか。
どうすればいいだろう…母親…いや、『恵』にとっては初めてじゃないんだから不審がられるだけだ。
…しょうがないか。
金曜日は…思い出したくない。
土曜日の模試は散々な結果。
で、昨日はその復習で先輩と勉強会。
まあ先輩は「一年の時点でこれだったらすごいよ」って褒めてくれたけどさ。
それにしても…なんかだるいな…。昨日までは朝練行ってた影響で六時には目覚めてたのに…。
月曜病ってやつかな? …布団の中で考えてても時間が過ぎるだけだ。
「トイレ行こ…。」
そこで彼女はだるさの犯人を目撃する。
一瞬頭の中が真っ白になった。
よくよく考えてみると当然だ。恵はもう17、十分オトナの体である。
と、いうことはあの三日月の印は…こういうことだったのか。
どうすればいいだろう…母親…いや、『恵』にとっては初めてじゃないんだから不審がられるだけだ。
…しょうがないか。
237 :I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 :2007/03/02(金) 22:52:40.89 ID:qpsaIcFt0
「もしもし。」
「せ…先輩ですか?」
「うん、こんな朝っぱらからどうしたの?」
「あ、あの…こんなこと男の人に聞くことじゃないって分かってます…、でも他に頼れる人がいなくて…。」
「何?」
「…え、えっと…生理…きたん…です…け…ど…。」
最後の方は消え入りそうな声になっていた。
「…」
「…」
「うーんと…部屋かトイレに…あると思う。…ごめん、あとは説明書読んで。」
「は…はい…、あの…、」
「ん?」
「ごめん…なさい…。」
「…いや…初めてだからしょうがないよ。こっちも助けにならなくてごめんね。」
「いえ…じゃ、じゃあ学校で!」
もう恥ずかしすぎて慌てて電話を切った。それにしても先輩…落ち着いてたな…。
否、落ち着いてたのは声だけであった。英雄は大量にかいた冷や汗を流すために洗面台に来た。
「顔…真っ赤だな…。」
話は戻って立花邸、恵の部屋のタンスの隅に、隠すように「それ」は置いてあった。生理用ナプキン。
「よかった…。」
とりあえずは安心だ。見つからなかったらと思うとぞっとする。
「わ、遅刻しちゃう! 早くしないと…。」
時計を見ると時刻は八時半を回っていた。
「せ…先輩ですか?」
「うん、こんな朝っぱらからどうしたの?」
「あ、あの…こんなこと男の人に聞くことじゃないって分かってます…、でも他に頼れる人がいなくて…。」
「何?」
「…え、えっと…生理…きたん…です…け…ど…。」
最後の方は消え入りそうな声になっていた。
「…」
「…」
「うーんと…部屋かトイレに…あると思う。…ごめん、あとは説明書読んで。」
「は…はい…、あの…、」
「ん?」
「ごめん…なさい…。」
「…いや…初めてだからしょうがないよ。こっちも助けにならなくてごめんね。」
「いえ…じゃ、じゃあ学校で!」
もう恥ずかしすぎて慌てて電話を切った。それにしても先輩…落ち着いてたな…。
否、落ち着いてたのは声だけであった。英雄は大量にかいた冷や汗を流すために洗面台に来た。
「顔…真っ赤だな…。」
話は戻って立花邸、恵の部屋のタンスの隅に、隠すように「それ」は置いてあった。生理用ナプキン。
「よかった…。」
とりあえずは安心だ。見つからなかったらと思うとぞっとする。
「わ、遅刻しちゃう! 早くしないと…。」
時計を見ると時刻は八時半を回っていた。
124 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/03/04(日) 14:24:32.42 ID:uIhmlOPa0
今日は時間が過ぎるのが果てしなく長く感じる。
これから一ヶ月に一週間、三、四十年続くのか…と思うと、鬱。
あと五分、と思い始めて二十分経ったころ、ようやく四時間目の終了の合図が鳴った。
同時に女の子がニ、三人、恵の元へ寄ってきた。
「めぐ、大丈夫?」
「え?」
「いや、調子悪そうだったし…。」
「そう? 別に…大丈夫だよ?」
とは答えたものの…。
うーん、なるべくいつもどおり振舞っていたつもりなんだけどなあ。
やっぱり女の子は鋭い?
「あ、ほら、王子様来たよ。」
「…その王子様ってのやめてくれない?」
とは言うものの、笑顔。
「まあまあ、さ、いってらっしゃい。」
廊下に英雄が顔を出していた。
これから一ヶ月に一週間、三、四十年続くのか…と思うと、鬱。
あと五分、と思い始めて二十分経ったころ、ようやく四時間目の終了の合図が鳴った。
同時に女の子がニ、三人、恵の元へ寄ってきた。
「めぐ、大丈夫?」
「え?」
「いや、調子悪そうだったし…。」
「そう? 別に…大丈夫だよ?」
とは答えたものの…。
うーん、なるべくいつもどおり振舞っていたつもりなんだけどなあ。
やっぱり女の子は鋭い?
「あ、ほら、王子様来たよ。」
「…その王子様ってのやめてくれない?」
とは言うものの、笑顔。
「まあまあ、さ、いってらっしゃい。」
廊下に英雄が顔を出していた。
125 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/03/04(日) 14:25:05.81 ID:uIhmlOPa0
腰のあたりが痛い。
「やわらかい椅子に座りたいな。」
しかし学校にそんなものがあるとすれば保健室か校長室くらいのものだろう。
屋上にはベンチが数脚。
英雄はそのうちのひとつに座り、自分のひざをぽんぽんと叩いた。
「座る?」
「バカっ!」
思いっきり叫んでいた。体が熱い。
剣幕に圧されたのか、返す英雄の声は小さくなる。
「いや、冗談…。」
「そんな冗談、やめてください!」
そのまま恵は元来た階段を下りる。
一階下まで降りきってから気付いた。
何であんなことで怒ってたんだろう。
慌てて屋上に引き返したが、英雄の姿はない。
そういえば屋上へ上がる階段はもうひとつあったんだ。
再び怒りがこみ上げてきて、つぶやいた。
「なによ…。」
「やわらかい椅子に座りたいな。」
しかし学校にそんなものがあるとすれば保健室か校長室くらいのものだろう。
屋上にはベンチが数脚。
英雄はそのうちのひとつに座り、自分のひざをぽんぽんと叩いた。
「座る?」
「バカっ!」
思いっきり叫んでいた。体が熱い。
剣幕に圧されたのか、返す英雄の声は小さくなる。
「いや、冗談…。」
「そんな冗談、やめてください!」
そのまま恵は元来た階段を下りる。
一階下まで降りきってから気付いた。
何であんなことで怒ってたんだろう。
慌てて屋上に引き返したが、英雄の姿はない。
そういえば屋上へ上がる階段はもうひとつあったんだ。
再び怒りがこみ上げてきて、つぶやいた。
「なによ…。」
126 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/03/04(日) 14:29:23.79 ID:uIhmlOPa0
結局恵は放課後図書室へも行かず、友達数人と下校した。
女の子だけと数人で、こんなに長い時間話し合ったことないな…。
そう思っていると。いきなり、誰かが話を切り出した。
「ケンカでもしたの?」
黙ってうなずく。
「どっちが悪いの?」
自分…だよな、どう考えても。
でも認めたくない。あいつだって…。
「謝っときなよ。」
無言の意味を察して、別のひとりが言った。
それからは、元の話で盛り上がった。
女の子だけと数人で、こんなに長い時間話し合ったことないな…。
そう思っていると。いきなり、誰かが話を切り出した。
「ケンカでもしたの?」
黙ってうなずく。
「どっちが悪いの?」
自分…だよな、どう考えても。
でも認めたくない。あいつだって…。
「謝っときなよ。」
無言の意味を察して、別のひとりが言った。
それからは、元の話で盛り上がった。
127 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/03/04(日) 14:29:54.56 ID:uIhmlOPa0
「ただいま。」
ひとりごとのようにつぶやいて、一直線に自分の部屋。
ベッドに倒れこんだ。
今日は勉強も、何もかもやる気がしない…。
ふいにドアをノックする音が聞こえた。
「姉ちゃん。」
「…入っていいよ。」
マッキーと話したら、少しは気がまぎれるかな。
「いやー、『マッキー』すっかり学校で流行っちゃったよ。」
「そう…。」
「うん…。」
何だよ、すぐ会話切るなよ。
一分ほど気まずい沈黙が続いた後、マッキーが切り出した。
「…あのさ、姉ちゃん、先輩とケンカした?」
…こいつ…。
「図書館に本返しに行ったらさ、先輩がなんか怒った顔で入り口の方じっと見てた。」
「あんた本なんか借りるんだ。」
「ああ、サッカーの本。って話そらすなよ。」
「…なんて?」
「いや、怖かったから話しかけられなかった。先輩の怒った顔初めて見たよ。」
そういえば…。
また少しの沈黙の後、
「姉ちゃん…仲直りしろよ…。」
「お前に…、」
「え?」
「お前に俺の気持ちが分かってたまるか!」
近所迷惑も考えず、ボリュームマックス。
「ご、ごめん…。」
マッキーが逃げ出すように出ていった、そのあとで我に帰った。
まただ…。
ひとりごとのようにつぶやいて、一直線に自分の部屋。
ベッドに倒れこんだ。
今日は勉強も、何もかもやる気がしない…。
ふいにドアをノックする音が聞こえた。
「姉ちゃん。」
「…入っていいよ。」
マッキーと話したら、少しは気がまぎれるかな。
「いやー、『マッキー』すっかり学校で流行っちゃったよ。」
「そう…。」
「うん…。」
何だよ、すぐ会話切るなよ。
一分ほど気まずい沈黙が続いた後、マッキーが切り出した。
「…あのさ、姉ちゃん、先輩とケンカした?」
…こいつ…。
「図書館に本返しに行ったらさ、先輩がなんか怒った顔で入り口の方じっと見てた。」
「あんた本なんか借りるんだ。」
「ああ、サッカーの本。って話そらすなよ。」
「…なんて?」
「いや、怖かったから話しかけられなかった。先輩の怒った顔初めて見たよ。」
そういえば…。
また少しの沈黙の後、
「姉ちゃん…仲直りしろよ…。」
「お前に…、」
「え?」
「お前に俺の気持ちが分かってたまるか!」
近所迷惑も考えず、ボリュームマックス。
「ご、ごめん…。」
マッキーが逃げ出すように出ていった、そのあとで我に帰った。
まただ…。
128 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/03/04(日) 14:30:34.55 ID:uIhmlOPa0
夕食の席で、弟には一言謝っておいた。
風呂は…こういうときは最後に入るのが礼儀(?)なんだろう。
夕食を食べ終え、部屋に戻り、またベッドにもぐる。
このまま寝ちゃおうか…。
と思っていると、携帯電話が鳴った。
誰からかは分かってる、取るか取らないか悩んでいると切れた。
二回目。今度は迷わず取った。
「今日はごめん…。」
先に言われてしまった。
「私こそ…。」
「いや、なんていうか…不安だったでしょ?」
「…うん。」
あれ、自分の声がなんか変…。
気付くと、泣いていた。そんなつもりないのに。
今日は感情より先に体が動いてる。
女の子って…生理中って…こんな感じなの?
男の目から見れば、彼女でもない限りいつがソレなのか全く分からないのに…。
こんなのを理性で押さえてるんだ。女の精神ってすごいなあ…。
で、俺もそれができなくちゃいけないのか…。
「でも…甘えてちゃ…ダメでしょ?」
「そんなこと! そんなこと…ないよ。」
堰が切れた。恵は、声を上げて泣いていた。
風呂は…こういうときは最後に入るのが礼儀(?)なんだろう。
夕食を食べ終え、部屋に戻り、またベッドにもぐる。
このまま寝ちゃおうか…。
と思っていると、携帯電話が鳴った。
誰からかは分かってる、取るか取らないか悩んでいると切れた。
二回目。今度は迷わず取った。
「今日はごめん…。」
先に言われてしまった。
「私こそ…。」
「いや、なんていうか…不安だったでしょ?」
「…うん。」
あれ、自分の声がなんか変…。
気付くと、泣いていた。そんなつもりないのに。
今日は感情より先に体が動いてる。
女の子って…生理中って…こんな感じなの?
男の目から見れば、彼女でもない限りいつがソレなのか全く分からないのに…。
こんなのを理性で押さえてるんだ。女の精神ってすごいなあ…。
で、俺もそれができなくちゃいけないのか…。
「でも…甘えてちゃ…ダメでしょ?」
「そんなこと! そんなこと…ないよ。」
堰が切れた。恵は、声を上げて泣いていた。
129 名前: I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 2007/03/04(日) 14:31:17.36 ID:uIhmlOPa0
気付けば日付は変わっていた。
あのまま…泣き疲れて寝ちゃったのか。
電話は切れていた。
お風呂入んなきゃ…。
部屋を出ると、マッキーの部屋から呼ぶ声がした。
「姉ちゃん、ちょっと来て。」
言われるがまま部屋に入ってマッキーの第一声。
「泣かされた?」
そんな言葉が出るとは思ってなかったので、少し戸惑った。
確かに隣の部屋で聞いたらそうとも取れる。
マッキーは真剣な顔で続けた。
「もし先輩が泣かしたなら、先輩にだって容赦しないから。」
「いや…あの…。」
「姉ちゃんは俺が守るから。」
気付くと抱きしめていた。
マッキーがかっこよくて、でも可愛くも見える。これってナルシスト? それともブラコン?
「大丈夫。仲直りできたから…。」
「そう…。良かったな。」
「じゃ、お姉ちゃん風呂入ってくるから。」
マッキーの頭をぽんと叩いて部屋から出る。
今日は、大変な一日だったな…。
あのまま…泣き疲れて寝ちゃったのか。
電話は切れていた。
お風呂入んなきゃ…。
部屋を出ると、マッキーの部屋から呼ぶ声がした。
「姉ちゃん、ちょっと来て。」
言われるがまま部屋に入ってマッキーの第一声。
「泣かされた?」
そんな言葉が出るとは思ってなかったので、少し戸惑った。
確かに隣の部屋で聞いたらそうとも取れる。
マッキーは真剣な顔で続けた。
「もし先輩が泣かしたなら、先輩にだって容赦しないから。」
「いや…あの…。」
「姉ちゃんは俺が守るから。」
気付くと抱きしめていた。
マッキーがかっこよくて、でも可愛くも見える。これってナルシスト? それともブラコン?
「大丈夫。仲直りできたから…。」
「そう…。良かったな。」
「じゃ、お姉ちゃん風呂入ってくるから。」
マッキーの頭をぽんと叩いて部屋から出る。
今日は、大変な一日だったな…。