ひょんなことから女の子
I'm my sister 6
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hyon
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24 :I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 :2007/03/06(火) 01:33:55.82 ID:KnSchEY10
恵は考えていた。
今…英雄は…加奈子のこと…どう思ってるんだろ…。
今…英雄は…加奈子のこと…どう思ってるんだろ…。
現代文のテスト中である。
小説の問題の中に「英雄」という名前が出ていた。
「英雄」と「加奈子」とは婚約者らしい。
なぜだかちょっぴり切なくなった。
最後には婚約破棄したけどね。
「はい、そこまでー。」
ああ、あとここだけだったのに…。
現代文は一年だろうが三年だろうがあまり関係なかったな。
迷ったのは漢字がちょっとだけ。
次は…生物。これで最後か。
小説の問題の中に「英雄」という名前が出ていた。
「英雄」と「加奈子」とは婚約者らしい。
なぜだかちょっぴり切なくなった。
最後には婚約破棄したけどね。
「はい、そこまでー。」
ああ、あとここだけだったのに…。
現代文は一年だろうが三年だろうがあまり関係なかったな。
迷ったのは漢字がちょっとだけ。
次は…生物。これで最後か。
さて、一学期は三年生にとっては最後らしい球技大会と終業式を残すのみとなりました。
3 :愛のVIP戦士:2007/03/09(金) 02:57:05.01 ID:TTzDSlMF0
真っ赤な太陽! 白い砂!
「めぐみぃ、本当にサッカーなんて出来るの?」
「ふっふーん、いつもの私と一緒にしないでよ。」
「それはそうと準備体操いつまでしてるのよ。」
「いやー、待ちきれなくってさ。」
「ふふっ、去年はあんなに嫌がってたくせに。」
恵になってから勉強ばかりだったので、必要以上に気合が入っているようだ。
「よし、行くか!」
本日は球技大会。
恵の出場種目はサッカー。
どうやら恵の運動音痴は酷いものだったらしく、友人達からは遠回しにあんまり目立たないように言われた。
しかしまあ本人がやる気満々なのでどうしようもない。
ちなみにこの球技大会では一クラス一種目につき三回、全学年と一回ずつ当たる仕組みで、
上の学年ほど有利になっている。
「めぐみぃ、本当にサッカーなんて出来るの?」
「ふっふーん、いつもの私と一緒にしないでよ。」
「それはそうと準備体操いつまでしてるのよ。」
「いやー、待ちきれなくってさ。」
「ふふっ、去年はあんなに嫌がってたくせに。」
恵になってから勉強ばかりだったので、必要以上に気合が入っているようだ。
「よし、行くか!」
本日は球技大会。
恵の出場種目はサッカー。
どうやら恵の運動音痴は酷いものだったらしく、友人達からは遠回しにあんまり目立たないように言われた。
しかしまあ本人がやる気満々なのでどうしようもない。
ちなみにこの球技大会では一クラス一種目につき三回、全学年と一回ずつ当たる仕組みで、
上の学年ほど有利になっている。
恵の一回戦、対ニ年三組。
クラスメイト達は唖然としていた。
「めぐみ…何があったの?」
「たしか弟も彼氏もサッカー部だったけど…教えてもらったとか?」
「ないない、あの恵が教えてもらったからってあんなに…。」
3人抜いてシュートを決めた。恵一人で、二点目。
「ほらそこ! 何ぼーっとしてんのよ!」
やっぱヒトは陸で生きていくべきだ、うん。
ちょっと息きついけど…楽しいから気にならない。
「まあ…活き活きしてるし…いいんじゃない? それより私達もちゃんとしましょ!」
「うん、そうだね!」
結局、五対一の圧勝となった。
クラスメイト達は唖然としていた。
「めぐみ…何があったの?」
「たしか弟も彼氏もサッカー部だったけど…教えてもらったとか?」
「ないない、あの恵が教えてもらったからってあんなに…。」
3人抜いてシュートを決めた。恵一人で、二点目。
「ほらそこ! 何ぼーっとしてんのよ!」
やっぱヒトは陸で生きていくべきだ、うん。
ちょっと息きついけど…楽しいから気にならない。
「まあ…活き活きしてるし…いいんじゃない? それより私達もちゃんとしましょ!」
「うん、そうだね!」
結局、五対一の圧勝となった。
4 :トリ忘れた ◆iIl1lB4oT2 :2007/03/09(金) 02:57:51.62 ID:TTzDSlMF0
「ヒデー!」
「恵、お疲れー。」
「どうですか、そっちの方は?」
「いやあ、もう大変だよ。」
英雄は、サッカーはもちろんのこと、バスケットボール、テニスと三種目に出場、まさに引っ張りだこだ。
「人気者なんだね。」
「ああ、あの…、」
「ん?」
英雄は恵の耳に口を近づけ、
「恵も結構人気者だから…気をつけてね。」
とささやいた。
「ヒデー、次サッカーだから早くー!」
「じゃあ、また後でね。」
「うん、頑張ってね。」
そして英雄は去っていった。それにしても、何に気をつけるんだろう…。
「あ、めぐー、バレー応援しに行かない?」
「うん、いくいくー。」
ま、今は楽しもっか。
「恵、お疲れー。」
「どうですか、そっちの方は?」
「いやあ、もう大変だよ。」
英雄は、サッカーはもちろんのこと、バスケットボール、テニスと三種目に出場、まさに引っ張りだこだ。
「人気者なんだね。」
「ああ、あの…、」
「ん?」
英雄は恵の耳に口を近づけ、
「恵も結構人気者だから…気をつけてね。」
とささやいた。
「ヒデー、次サッカーだから早くー!」
「じゃあ、また後でね。」
「うん、頑張ってね。」
そして英雄は去っていった。それにしても、何に気をつけるんだろう…。
「あ、めぐー、バレー応援しに行かない?」
「うん、いくいくー。」
ま、今は楽しもっか。
5 :I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 :2007/03/09(金) 02:58:25.29 ID:TTzDSlMF0
二回戦は対一年で楽勝だった。
三回戦、三年四組対三年六組。ちなみに恵のクラスは六組の方だ。
対戦前、相手選手の一人が恵に言い寄ってきた。
「あなたが立花さんですね?」
「え? まあ、そうだけど…。」
「私、ヒデのことが好きなの。私が勝ったら別れてくれない?」
何だよいきなり。マンガみたいなこと言う奴だな…。
「それって別に私が勝ってもメリット無いですよね。」
「…と、とにかく! 勝負するの!」
「で、名前は?」
「あ…忘れてました。工藤真紀、よろしく。」
「…お願いします。」
握手。何かよく分からないけどこれは負けられないな…。
という間にキックオフ。
まあさっきまでの調子なら負けないだろうな、とボールを運んでいると早速目の前に真紀が出てきた。
いっちょ実力の差でも見せ付けてやろうか…とトラップをかます。
…あれ? ついてくるぞ…あ、とられた。…え?
「現役なめないで。」
現役? うちに女子サッカー部なんてあったっけ?
あ、呆けてないで追いかけない…と…。
ピーッとホイッスルの音。時既に遅し。
「え、と…どういうこと?」
「市営競技場あるでしょ? あそこでクラブチームやってるの。」
なるほど。これはまずいかも。
三回戦、三年四組対三年六組。ちなみに恵のクラスは六組の方だ。
対戦前、相手選手の一人が恵に言い寄ってきた。
「あなたが立花さんですね?」
「え? まあ、そうだけど…。」
「私、ヒデのことが好きなの。私が勝ったら別れてくれない?」
何だよいきなり。マンガみたいなこと言う奴だな…。
「それって別に私が勝ってもメリット無いですよね。」
「…と、とにかく! 勝負するの!」
「で、名前は?」
「あ…忘れてました。工藤真紀、よろしく。」
「…お願いします。」
握手。何かよく分からないけどこれは負けられないな…。
という間にキックオフ。
まあさっきまでの調子なら負けないだろうな、とボールを運んでいると早速目の前に真紀が出てきた。
いっちょ実力の差でも見せ付けてやろうか…とトラップをかます。
…あれ? ついてくるぞ…あ、とられた。…え?
「現役なめないで。」
現役? うちに女子サッカー部なんてあったっけ?
あ、呆けてないで追いかけない…と…。
ピーッとホイッスルの音。時既に遅し。
「え、と…どういうこと?」
「市営競技場あるでしょ? あそこでクラブチームやってるの。」
なるほど。これはまずいかも。
6 :I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 :2007/03/09(金) 02:58:50.42 ID:TTzDSlMF0
体が思うように動かなくなってきた。
あっちは自分の体だもんな、しかも鍛えてるし。
あれから両者点は入らず、後半終了一分前。
ここは男のプライドにかけて負けたくない所だが…。
ボールが回ってきた。回りが塞がれているというのに。
「唯!」
味方のスポーツ万能少女に託す。
その間に左側から走り込む。足、ガクガクだな。
「めぐ!」
よし、いける。この位置からなら…。
ちょっと、クドーだっけ? 邪魔するな!
もう一度唯に…ちっ、向こうも塞がれてる。
後ろをチラッと見る。よし。
ボールはゴールに吸い込まれた。
ナイスフェイント、俺。
その後すぐに試合終了の笛が鳴った。
「はあ…。」
恵はその場に座り込んでしまった。
「引き分けね…、どうする?」
「あなたが…『勝ったら』…でしょ?」
「そうね。ごめんなさい。」
真紀は恵に手を差し伸べ、体を起こしてやった。
なんかさ、スポーツで得る友情っていいよな、とか思ってみる。
あっちは自分の体だもんな、しかも鍛えてるし。
あれから両者点は入らず、後半終了一分前。
ここは男のプライドにかけて負けたくない所だが…。
ボールが回ってきた。回りが塞がれているというのに。
「唯!」
味方のスポーツ万能少女に託す。
その間に左側から走り込む。足、ガクガクだな。
「めぐ!」
よし、いける。この位置からなら…。
ちょっと、クドーだっけ? 邪魔するな!
もう一度唯に…ちっ、向こうも塞がれてる。
後ろをチラッと見る。よし。
ボールはゴールに吸い込まれた。
ナイスフェイント、俺。
その後すぐに試合終了の笛が鳴った。
「はあ…。」
恵はその場に座り込んでしまった。
「引き分けね…、どうする?」
「あなたが…『勝ったら』…でしょ?」
「そうね。ごめんなさい。」
真紀は恵に手を差し伸べ、体を起こしてやった。
なんかさ、スポーツで得る友情っていいよな、とか思ってみる。
7 :I'm my sister ◆iIl1lB4oT2 :2007/03/09(金) 02:59:22.95 ID:TTzDSlMF0
どうやら他の種目が全部終わってこれで最後らしい、男子バスケ。
「めぐ、困るねえ。」
ニヤニヤしながら友達が聞いてくる。
そう、英雄の三組と恵の六組の試合だ。
「別に。六組応援するに決まってるじゃん。」
「ほう、彼氏より勝利を選びますか。」
「だって…あんなに頑張ったんだよ?」
「まあ、ね。運動嫌いの恵がね。」
本当は違うんだけどね。
色々話しながら見てるうちにあれよあれよと時間は進んでいく。
女の子同士の話って、男の時は迷惑なだけだったが、入ってみると結構面白い。
そして試合は六組が勝ってしまいました。
「恵、ちょっとくらい応援してくれても…。」
「世の中そんなに甘くないのよ。」
コートの中と二階の観覧席で話し合う。ちょっと恥ずかしくない?
「後でね。」
恵がそう言うと、英雄は一回息を深く吐いて、更衣室に向かった。
「めぐ、困るねえ。」
ニヤニヤしながら友達が聞いてくる。
そう、英雄の三組と恵の六組の試合だ。
「別に。六組応援するに決まってるじゃん。」
「ほう、彼氏より勝利を選びますか。」
「だって…あんなに頑張ったんだよ?」
「まあ、ね。運動嫌いの恵がね。」
本当は違うんだけどね。
色々話しながら見てるうちにあれよあれよと時間は進んでいく。
女の子同士の話って、男の時は迷惑なだけだったが、入ってみると結構面白い。
そして試合は六組が勝ってしまいました。
「恵、ちょっとくらい応援してくれても…。」
「世の中そんなに甘くないのよ。」
コートの中と二階の観覧席で話し合う。ちょっと恥ずかしくない?
「後でね。」
恵がそう言うと、英雄は一回息を深く吐いて、更衣室に向かった。