矜持ーーーーー自分の能力を信じていだく誇り。自負。プライド。
広辞苑より
「どうやら……始発列車は出発したようですな」
「そうね。残念だわ」
ゴロツキ駅を目指していたピーチ姫とそれに同行する奇狼丸はA-3ハイラル駅へ到着したが、時刻表を確認したところ残念ながら一足遅かったようだ……
「どうなされますか?時刻表を確認するかぎり、次に列車が来るのは放送後のようですが」
奇狼丸の言葉を受け、ピーチ姫は駅に設置されている時計台で時刻を確認する。
「列車が来るまで、時間がかかりそうね。だけど、この視界が悪い夜の中を歩き回るのは危険だわ。ここ(ハイラル駅)で少し、仮眠をとりつつ待つのが最適じゃないかしら?奇狼丸さんはどう思う?」
「は!神様のおっしゃる通り、土地勘がわからぬ見知らぬ場所を闇雲に歩くのは危険です!それでは、私がここで寝ずの番をします!神様はどうぞ安心してお休みください」
「そう?ならそうするわ」
(神様…もしかして奇狼丸さんはキノコ王国の住民になりたいのかしら?)
ピーチ姫は奇狼丸の自分を「神様」と呼ぶことに首を傾げながらも申し出を受け、駅のベンチに腰を下ろし、仮眠をとる……
「すぅ…すぅ…zzz~……」
「……」
(しかし……王族か……)
少しの安眠をとっているピーチ姫を眺めつつ奇狼丸の脳裏に浮かぶのは、文献に残されたかつて非能力者を奴隷とした国の帝の言葉。
「最初に拍手をやめた者から100人までをこの禊の日の生贄とする!」
神聖サクラ王朝五代目大歓喜帝による蛮行。
(話し方や所作を観察する限りでは、この人間からそのような王政を敷いてはいないように見受けられる。だが、所詮は人間。パラレルワールドとはいえ、神を自称する支配者と同じ……)
奇狼丸は、ピーチの言動や行動から自分達バケネズミを管理する人間とは違うと感じつつも長年の高圧的態度を受けていたせいか完全に気を許してはいない。
(だが、この状況、人間と手を結ばなければ元の世界に帰ることは困難。友好的に接するのが一番)
☆彡 ☆彡 ☆彡
「ふはははは!まさか、こうも早く姫と再会できるとはなんとも幸運!」
仗助とキョウヤを取り逃がしたバツガルフはその後、近くにあるハイラル駅へ立ち寄ったのだ。
「しかし、あの犬っころは邪魔だな……駆除するか?……いや、まてよ。駒があればアイツら(仗助・キョウヤ)のように徒党を組んだクズどもにも対抗できるかもしれぬな」
始めは奇狼丸を有無も言わさずに処理しようと考えたバツガルフだが、手ごまが欲しいと考え直した。
「神様!起きて下さい!!あれは、神様が警戒為されていた人物のようですぞ!!!」
「え?……バツガルフ!?あなた生きていたのね!」
「ほう!?やはり犬っころだけに鼻が効くようだ。……ふん!私がそう簡単にくたばると思ったのか?」
「姫よ。お前はマリオへの切り札(ジョーカー)となる。私に従え!」
「フン!それとそこの獣(ケダモノ)私の駒として働けること光栄に思うがよい」
「…断る。それに私は「奇狼丸」だ。犬っころではない」
「ふん!じゃあ、呼び名を変えてやろう。獣(ケダモノ)でどうだ?」
「!!??…ギキョルキ」
バツガルフの横暴に奇狼丸は怒りを見せる。
駅内に緊迫が走る。
「ファイアウェーブ!!」
バツガルフの十八番が先陣を切る!!
「フン!」
ファイアウェーブを避けると、奇狼丸はバツガルフを一刀両断しようと駆け寄る!
(体が軽い!この刀……やはり、呪力のような力が込められているようだ)
そう奇狼丸に支給され装備している刀……正宗の効果。
正宗には所有者の動きを俊敏にする効果があるのだ。
「…タイムストップ」
パキ―――――ーーン
「なッ!!??」
なんと、一瞬でピーチ姫と奇狼丸の時が止まった!!
(う…動けない!?)
「動きが速いのなら止めてしまえばいいのだ」
「ファイアウェーブ」
ーーーーー紅蓮の炎が奇狼丸の体を包むと同時に時が解除された。
「グオオオオオォォォオオ!!」
「キャ!?」
「チッ……」
(時止めは、一瞬かッ!?クソ!!余計な制限をかけおって!!)
自身の能力の制限にバツガルフは舌打ちする。
「しかし……所詮は獣。クズだな」
(威力も先ほどよりも上がっている…この杖がなじんできた証拠か)
重度の火傷を負った奇狼丸を見下すバツガルフ。
「だが、ここで駒を失うのは痛い…どうだ?今一度問おう。ここでワタシに頭を垂れてつくばえ!そうすれば、命だけは助けてやろう」
(命だけは……だと?)
奇狼丸にとってそれは、元の世界と同じ境遇を意味する。
バツガルフに頭を垂れることはバケネズミとしての尊厳を捨てる行為!!
奇狼丸の矜持ーーーーー
「こと…わる!!!!!」
「奇狼丸さん!その傷じゃ、無理だわ!!ここは一度、バツガルフの言う通りにして!」
「私はまだ…やれ…ま…す」
「人…ですらない機械に…も頭を垂れればもはや、バケネズミの…独立は永遠に…叶いませ…ん」
「それ(独立)が、何だと言うの!?命さえあれば何度でも機会は訪れるわよ!」
「泣き言は墓穴に入ってからウジ虫に聞かせろ!」
「え!?」
「我々の諺です。心臓が鼓動を止めるまで逆転の方法を探し求める…それが、兵士の本分…いえ…生きている限り戦い続けるのが生物の本分なのです…!あなたは諦めるのが速すぎる」
「!?」
奇狼丸の言葉にピーチ姫は目を見張る!!
「マリオという男神様がどのような方かは存じ上げませんッ!!しかし、この状況で助けが必ず来るとは限りませんッ!助けがこなかった場合、あなたは何も行動せず我らバケネズミのように管理されて生きていかれるのですかッ!」
人間に管理されている立場であるが、その支配から抜け出そうとしている奇狼丸の言葉は囚われの姫としてのピーチの考えを否定し、激励した。
「これを…奇狼丸さん」
ピーチは奇狼丸のザックにあった「ナンシークッキー」を口に運ばせる。
「これは……痛み入ります……!」
「神様…危険ですので私から離れて下さい…大丈夫。あの機械は私が木っ端みじんに破壊して…みせましょ…う」
奇狼丸はヨロヨロとしつつも立ち上がるが……
「ふん!やはり知能がない獣だったか…ならここで滅びろ!!」
情けを与える隙も無い追撃のファイアウェーブ。
「グアアアァァァァァ!!!!!」
プスプスと奇狼丸の体から焦げた匂いが立ち昇る。
それでも、大雀蜂コロニーの将軍としての意地か、仁王立ちのまま!!
「ふん。獣風情が手を煩わせおって……それでは、姫よ。私についてこい!」
バツガルフはピーチ姫に近づく……
「…ヤです」
「ん?何だ?言いたいことがあるのならば、はっきり喋るんだな!」
バツガルフは高圧的な態度を崩さない。
「イヤ!と言ったのです!!」
ーーーーーカァァァアアアン!!!
フライパンのフルスイングーーーーー
「ガッ!?アアアァァァ!!??」
予期せぬ頭への強烈な攻撃に頭を抱えるバツガルフ。
☆彡 ☆彡 ☆彡
~キノコ王国でのとある会話~
「ピーチ姫、またクッパに攫われたようだよ」
「また?……でも、マリオさんがいつものように助けたんでしょ?」
「そりゃ……まぁ……お約束だからね」
「しかし、姫もよく攫われるね……」
「ははは……でも、姫が冒険に出て主力パーティーだったって噂があるよ」
「本当に!?」
「なんでも……姫にフライパンは最強らしい」
☆彡 ☆彡 ☆彡
「もう、助けを待つだけの私じゃないわ!バツガルフ!!ここであなたは倒れるのです!!!」
ーーーーーピーチ姫。キノコ王国の姫。
国民に慕われ、その美貌は大魔王クッパを虜にして幾度となく攫われる。
クッパに攫われる回数は実に6回。(マリオブラザーズ1・2・3、ワールド、64、ストーリー)
おそらくこのような催しに巻き込まれなければ今後も増えるだろうと予測される姫。
あまり知られてはいないがそんな攫われの姫も自ら戦いに参加したことがある。
それは、夢の国を支配する魔王と武器世界の魔王との対峙。
中でも武器世界の魔王がマリオワールドに侵攻してきた時、なんと!ピーチ姫はマリオがとある男との結婚式を阻止した後、パラソルを武器にマリオ達のパーティーに参加したのだ。
ちなみにその時、ピーチ+フライパン=最強の方程式が生まれた。
ピーチ姫の矜持ーーーーー
「な…ら、もうお前は「死体」でも構わない!!」
ピーチの矜持にバツガルフは人質ではなくピーチの命を奪い、その亡骸をマリオへのジョーカーとして利用しようと作戦を変更した。
「死ね!ファイアウェーブ!!」
炎の衝撃破がピーチを襲う。
「さらにバツバリアン!てんか……!?」
姫の抵抗が予想外だったため、バツバリアンを展開してなかったバツガルフは今度は、きちんと準備をしようとするが……
(あの冒険を思い出すのよ!タイミングよく腕を振るッ!!)
カァァァアアアン!カァァァアアアン!!!
「ガッアアアァァァ!!??ま…た…!?頭がッ!!??」
バツバリアン展開よりもピーチ姫は素早く動くと同時に攻撃を加えた!
「な…ぜ…こんな…にすばや…はッ!?」
ピーチ姫の素早さにバツガルフは疑問が生まれるが、直ぐにその理由が分かった!
そう、奇狼丸のアシストーーーーー
正宗は道具として使うと「ヘイスト」の効果が付与される。
仁王立ちのまま既に瀕死である奇狼丸の口元がニヤリとバツガルフを笑う。
「この死にかけのクズがぁぁぁぁああああ!!」
奇狼丸の頭上に一際大きい雷雲が形成され……
「メガサンダー!」
「…コロニー…女王様……」
脳裏に去来するのは、無限の後悔だけ。ここで無意味に殺されるくらいなら、どうして、あのとき、悪鬼と刺し違えるチャンスを見送ったのだろうと……
命を刈り取る雷が奇狼丸を包み込んだーーーーー
「奇狼丸!」
「ふはははは!悲しんでいる場合じゃないぞ!」
パキパキ―――――
(足が!?)
奇狼丸の死に動きを止めたピーチの足元にすかさずアイスレーザーを放ち凍らせる。
「ふはははは!安心して死ね!お前の体はマリオ対策として有効に使ってやる!!」
この戦闘で幾度もなく繰り返される攻撃ーーーーーファイアウェーブがピーチに襲い掛かる!!!
「マリオ……ごめんなさい」
ーーーーービュッッ!!
「……え?」
「なッ!?」
ピーチ姫に放たれたファイアウェーブを防いだのは飛来してきたトルナードの盾。
「また、クズが現れたか……」
「奇遇だな……俺も同じことを思っていた」
その男性の服の色は彼女をいつも救う赤色ではなく緑色ーーーーー
(緑?ルイージ?……ッ!?この方はあの怪物に立ち向かった人。それにしても、マリオに負けない強い瞳……)
しかし、敵を見据える瞳は姫を毎回救う赤色のスーパースターと同じだったーーーーー
【奇狼丸 @新世界より 死亡】
【残り 46名】
【A-3/ハイラル駅/一日目黎明】
【バツガルフ@ペーパーマリオRPG】
[状態]:ダメージ(大)
[装備]:えいゆうのつえ@ドラゴンクエスト7
[道具]:基本支給品&ランダム支給品(×0~2 確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し世界征服を叶え、ついでに影の女王へ復讐する。
1.ピーチ及びリンクを斃す。
2.打倒マリオ。その為の支給品集め。
3.マリオを味方と偽る形での悪評も考えておく。
※参戦時期は影の女王に頭だけにされて間もなくです。
【ピーチ@ペーパーマリオRPG】
[状態]:健康 ダメージ(小) 右足凍傷
[装備]:愛のフライパン@FINAL FANTASY IV
[道具]:基本支給品&ランダム支給品1~2、
たべっ子どうぶつ@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本行動方針:ゴロツキ駅へ向かい、マリオを探す
1:リンクと共にバツガルフを倒す。
2:奇狼丸さん、あなたから教わったこと「泣き言は墓穴に入ってからウジ虫に聞かせ!」は忘れないわ
3:バツガルフ、およびスクィーラに警戒
【愛のフライパン@FINAL FANTASY IV 】
ヤンの奥さん愛用のフライパン。
ブッ叩くことで気を失っている人を叩き起こせるが良い子は真似をしないように。
愛のフライパンでおしおきよ💗
【リンク@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス】
[状態]:健康 服に裂け目 疲労(小)
[装備]:光の剣@FF4
[道具]:基本支給品 ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本行動方針:主催を倒す
1.ピーチ姫と共にバツガルフを倒す
2.ゼルダ姫・ミドナと合流して守る
3.カインは次会ったら倒す
※参戦時期は少なくともザントを倒した後です。
※地図・名簿の確認は済みました。
※奥義は全種類習得してます
※奇狼丸の遺体に政宗がある。
※ピーチの目の前にトルナードの盾@ドラゴンクエストVIIが置かれています。
(…何だか、これってチャンスじゃない?)
リンク・ピーチ姫とバツガルフが対峙しているハイラル駅、駅内のまだ、破壊されていない柱に潜みながら様子を窺う影……同じ参加者である佐々木ユウカ。
彼女の行動がこの闘いを左右するかもしれない……
【佐々木ユウカ@無能なナナ】
[状態]:ナナへの憎悪(極大)
[装備]:虹村家の写真@ジョジョの奇妙な冒険、イリアの手作り馬笛@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス
[道具]:虹村形兆の死体@ジョジョの奇妙な冒険、イリアの死体@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス、基本支給品、遺体収納用のエニグマの紙×2@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本行動方針:シンジと添い遂げるために優勝する
1.どっちの味方(リンク・ピーチ姫/バツガルフ)をしようかな……
2.形兆の能力で参加者を狙っていく。
3.ナナちゃんだけは絶対に許さない。
4.リンクやその知り合いと出会ったらイリアも使ってみようかな。
5.何人かは味方と思わせるようにしておきたい。
6.ABCDの参加者と接触してシンジを探す。
7.朝の立ち回りも考えないと。
※参戦時期は死亡後で、制服ではありません。
※制限である死体操作可能なのは一体までを認識しました。
現在の操作は 遺品:虹村家の写真 対象:虹村形兆
また死体の移動距離は同エリアの端までです(此方は気づいてない)
※イリアと形兆の能力で、リンク、仗助などの情報を得ました。
イリアの参戦時期がいつ頃のかは後続の方にお任せします。
※由花子との情報交換でジョジョの奇妙な冒険の参加者の能力と人柄、世界観を理解しました。。
但し重ちー、ミカタカ、早人に対する情報は乏しい、或いはありません(由花子の参戦時期で多少変動)
最終更新:2021年07月03日 14:09