恋人ーーーーー恋しく思う相手。普通、相思相愛の間柄にいう。
goo国語辞典より引用。
―――ドカドカドカ。
―――トテトテトテ。
「……」
「……」
―――ドカドカドカ。
―――トテトテトテ。
「……」
「……」
―――ドカドカドカ。
―――トテトテトテ。
「……ローザ!」
「!?な、なんですか……?」
突然、声をかけられたローザに化けているボトクは体をビクリと震わせる。
「さっきから同じ景色ばかりで一体、いつになったら駅につくのだ!?」
パンを食って腹ごしらえを終えた後、クッパとボトクはE2にある杜王駅へ向かって歩いていたのだが、全然、たどり着かないことに癇癪を起したのだ。
「そ、そういわれましても……ほら、もう少しで着きますので我慢してください……」
(はぁ……まったく面倒くさい亀だ……)
ボトクはもう、何度目かになるクッパの癇癪に疲れた様子だ。
「うむむ……もういい!はぁ……やはり、ワガハイが求めるのはピーチ姫だ!早くワガハイが守ってやらねば!」
ローザも可愛いが彼が求める姫ではない。
クッパは恋慕する姫の笑顔を想像すると再び歩きだす―――
☆彡 ☆彡 ☆彡
ようやく杜王駅が見えてきて―――
「む……アイツはダレだ!?」
駅の校舎前に佇む人影に気付くクッパは大声で指摘する。
「そんなに大声を上げないでください……え〜と、どれど……」
げんなりした表像でクッパに注意すると、ボトクは目の上に手を置いて人影を眺めると―――
「……!!!!!??????」
(ア……ア……アルス——————!!!!!?????)
目が飛び出るほどの驚愕した表情は美人であるローザの姿を痛ましく感じる程だ。
この島にアルスがいるとこは知ってはいた。
そして当然、アルス達一行に復讐をしようと行動を起こしていたが、やはりいざ前にするとボトクは殺された思い出が想起され、体をガタガタと震わせる……
「……緑か。それにヒョロそうだ。……まぁ、いい。クッパ軍団の雑用係として雇ってやるか」
「!!!!!!」
ようやく人影の外見が見える距離まで歩き、クッパは期待して目を凝らすもののアルスの外見にガッカリする。しかし、ため息をつきながらも軍団の一員にしようとするみたいだ。
それを聞いたボトクの汗は止まらない。
(なんだと!?ま……まずい!奴は”マジャスティス”が使える。ここで使われてしまうとおれ様の正体がバレてしまう!)
そう、アルスのマジャスティスはボトクの変化を解く呪文。
そして、アルスはボトクに注意するために無差別マジャスティスを行っていた。
「お……お待ちくださいッ!」
ボトクは歩きだすクッパを制止する。
「む!?なんだ!」
急に呼び止められ、クッパは不満そうな顔を隠さない。
「あ……あの緑の男、アルスは悪党なんです!」
「な、なんだと!?」
ボトクの言葉にクッパの眉間に皺が寄る。
「本当です。いかにも村人Aのような風貌をしていますが、私の同僚……仲間の命を大勢奪っただけであきたらず落としたG(ゴールド)までも拾い集め去っていく悪党達のリーダーなのです」
ボトクはそう言いながら涙をながし、よよよと体を崩す。
「うむむ……緑の癖に許せん!ワガハイが腐った性根を叩き直してくれよう!」
ボトクの言葉をすっかり信じ切ったクッパはアルスに向かって―――
「くらえ!」
口から火球を吐きだした。
☆彡 ☆彡 ☆彡
「……」
康一はあれからナナのスマホのデータに目を通すと岩のように固まっていた。
(犬飼ミチル……推定殺害人数十五万人!?もし、この推定殺害人数が本当なら吉良よりも凶悪な殺人者がここには何人もいるってことになるじゃないか!?)
康一はかつて自分の住む町に潜む殺人鬼吉良吉影を仲間と共に倒した。
しかし、それはコップの中の嵐でそれ以上の悪がこの島に数人いることに冷や汗をかく。
「……」
由花子は康一の様子を黙って見つめている。
(それに幽体離脱に不死者!?スタンド並の能力じゃないか……)
推定殺害人数にも驚くが、もう一つ能力者の詳細なデータにも目が離せない。
「……康一君」
由花子は背後から康一を抱きしめる。
「ゆ、由花子さん?」
由花子の豊満な胸が背中に当たり、康一は赤面してしまう。
「大丈夫よ。私も自分の身は自分で守れるし、康一君に危害を加えるような奴は皆、あたしが全員薙ぎ払ってやるわ」
由花子の言葉と同時に由花子の綺麗な黒髪、ラブ・デラックスはうねうねと同調を見せる。
「いや、違うよ由花子さん」
「……え?」
康一の言葉に由花子はキョトンとする。
「由花子さんを守るのは僕だよ。だって恋人を守るのは、か、彼氏の役目だからね」
康一は右手をグーに握ると胸をドンと叩きながら答えた。
「康一君……」
「由花子さん……」
康一と由花子は互いに見つめ合う。
愛する者同士の唇が―――
―――そのとき。
ズド———ン!
「な、何だ!?」
駅構内に大きな破壊音が鳴り響いた―――
☆彡 ☆彡 ☆彡
「ん……あれは、女の人とモンスター?」
康一と由花子に気を使い、駅の外で他の参加者がやってこないか周囲を見渡していたアルスは2人の人影に気づく。
「わぁ……」
美しいブロンドの髪に細い足。
ローザのプロポーションにアルスの顔は赤面だ。
(おそらく、何処かの国の姫様かな?)
体から漂わせる高貴なオーラは王族の者だと感じさせる。
(それにしても、本当に綺麗な人だなぁ……)
ローザの気品はアルスが知る、キーファの妹のリーサやグレーテ姫とはまた違う。
アルスは、ぽ〜っと見惚れて、康一達に声をかけに行くのを忘れてしまっている。
「とと……!いけないいけない。こんな姿をマリベルに見られたら、どやされちゃうな」
【はぁ……何、見惚れているのよ。ばっかじゃないの!】とぷりぷりと怒るマリベルの姿が浮かぶと、アルスは頭をブンブンと振り、煩悩を振り払う。
「……マリベル」
マリベル。
それは、自分とキーファの幼馴染。
ちょっぴり気が強い女の子だが、アルスは知っている。
彼女は本当は誰よりも仲間の事を常に気遣い、物事を一歩遠くから見て、指摘できる心優しい女の子だということを。
(君は一体今、何処に……ん?)
同じ島にいるマリベルの安否を祈っていると、女の子と同行しているモンスターがいきなり自分に向かってメラゾーマを放ってきたのだ!
☆彡 ☆彡
「!?……バギマ!」
アルスは目の前まで迫ってきた火球を竜巻で舞い上げて回避する。
「むむ!ワガハイの火球を避けるとは、生意気なヤツだ!」
クッパはアルスが自分の攻撃を避けたことに不満が高まる。
(その姿、アイアンタートル?いや、トランプにはたしかクッパと書かれていたっけ……どちらにせよメラゾーマはボトクは使えない筈。ということは、殺し合いに乗った参加者か!)
アルスはモンスターの攻撃からボトクが化けているという選択肢を即座に除外すると闘いの構えをする。
「フン!キサマの名前はアルスで間違いないか?」
クッパはアルスに名を尋ねる。
「ああ。僕の名前はアルスだけど、貴方はクッパだね?」
アルスもクッパの名前を訊ねる。
「いかにも、ワガハイは大魔王クッパ様だ!悪党であるキサマの性根を叩き直してやる!」
クッパはそう言うや否やチェーンハンマーをブンブンと回転を加えるとアルス目掛けて投げつける!
「わっ!?」
間一髪アルスは避けることができたが、代わりに杜王駅の外壁に大きな穴が開く。
「コラ!避けたら意味がないだろ!」
思う通りにならず、クッパの不満はイライラへと変容する。
「……スカラ」
(直撃は不味い……それに僕の腕力じゃあの肉体にあまり攻撃は効かなそうだ)
アルスはそんなクッパの抗議に耳を貸さずに守備力を上げる呪文『スカラ』を自身に掛ける。
―――ダダダダ。
「アルス君!今の音は一体!?」
丁度、そのとき、チェーンハンマーの激突音を聞いた康一と由花子がアルスの下へ駈けつけた。
「コーイチ君!ユカコさん!気をつけて!殺し合いにのっている!」
「むむ!?キサマらは悪党の仲間か!まとめてぎったんぎったんにしてやる!」
クッパは康一に向かって、火球を吐く。
「わわ!?」
「バギマ!」
再び、竜巻がクッパの火球を空高く舞い上げる。
「またしても!」
クッパはドスンドスンと床を踏み鳴らす。
―――プッツン。
康一を傷つけようとしたクッパに由花子はプッツンした。
「康一君になに手をだしてやがるのよ!このドンガメ!!!」
ラブ・デラックスがクッパの体に纏わりつくと巨体の体を持ち上げて駅構内へ投げつける。
「いたた……。なんだ!このもじゃもじゃしたのは!?うざったいわ!」
クッパは痛みに怒りつつ、体に纏わりつく由花子の髪を爪で切裂く。
―――プッツン。
「こいつ!よくも由花子さんの髪にッ!!」
康一は大切な恋人の髪を切り裂いたことに、プッツンした。
「エコーズACT3!」
康一の呼びかけに彼のスタンドは姿を現し―――
「命令シテクダサイ」
康一に命令するよう促す。
「アイツをボッコボッコに殴って動きを封じろ!」
「ワカリマシタ」
康一の命令に従い―――
「必殺『エコーズ3FREEZE!!』」
クッパへ猛ラッシュを仕掛ける。
ドババン―――
「グムムム……」
エコーズACT3の猛ラッシュを両腕でガードするクッパ。
「……ドウヤラ、打撃ハアマリ効果ガ見ラレマセンミタイデスネ……デスガ」
―――ズン
「な、何だ!?」
視界が少し下がったクッパは目を見開く。
「ゴ命令ドーリデス。スデ二『完了』シテイマス」
エコーズは吉良の”シアーハートアタック”を重力で地面に埋めたときと同じようにクッパの両足をコンクリートの床へ埋め込む。
「むむ!?グウウウウウ!!体が重いぞ!!」
クッパは両足を上げようと力を込めるが、エコーズACT3による重力がそれを許さない。
「由香子さん!危ないから、下がっていて!」
「……わかったわ」
本当なら、このドグサレ亀を絞め殺してやりたい気分だが、愛する人の言葉に由花子は従い、後方へ下がる。
「―――よし!」
チャンスの到来と見たアルスはクッパに向かい―――
「バギクロス!」
先ほどのバギマとは比較にならない大竜巻がクッパに襲い掛かると暴風がクッパの肉体を切り裂く。
しかし、残念ながらクッパにはあまり効果が見られないようだ。
「ッ!!」
(僕のバギクロスでこれじゃあ、攻撃呪文よりも剣技しかないな。でも……僕の支給品には剣がない!)
アルスはクッパに有効なのは攻撃呪文よりも剣技だと理解し、攻撃方針を変えようとするが、支給品に肝心な”剣”がないことに焦る。
「コーイチ君!何か剣のような武器を持っていないかい!?」
アルスはエコーズの全力行使で集中している康一に武器を持っていないか尋ねた。
「……え?剣?……あ!?あるけど、どうやらこの島にはスタンドに制限がかかっているみたいで、エコーズを一度解除しなきゃ渡せないよ!」
康一はアルスの尋ねに思い当たるのがあるが、全力でエコーズACT3を行使しているため、一度解除しないといけないことを伝える。
「大丈夫!……僕がなんとかする!」
アルスは康一に自信満々に答える。
「……わかった。エコーズACT3!」
「了解シマシタ」
康一の指示に従い、エコーズは重力を解除した。
―――ズボ!
「おお!体が軽くなったぞ♪」
重力が解除されたため、床に埋め込まれた両足を抜け出すとクッパは喜ぶ。
「え〜と……あった!」
解除した隙に康一はザックからアルスが求めている剣を見つけ―――
「アルス君!受け取って!!」
康一は支給品の西洋の剣……幸運と勇気の剣をアルスに投げ渡すッ!
―――パシッ!
「ありがとう!コーイチ君」
(よし、これで……)
アルスは康一から投げ渡された剣をキャッチする。
「ン?……オオ!忘れていた!よくもワガハイの体に妙な細工をしたな!」
クッパは康一に向かって爪を振り上げて襲い掛かる!
「わぁ!?」
「康一君!ドンガメ……殺してやる!」
駅後方の柱で様子を窺っていた由花子だが、恋人の危険をただ見過ごすような軽薄な女ではない。
再び、ラブ・デラックスでクッパの体を拘束しようとするが―――
「大丈夫!」
(生半可な剣技じゃ駄目だ!あの必殺剣で行く!!!)
アルスは由花子の行動を制止させると、康一から手渡された幸運と勇気の剣を頭上に掲げ―――
「―――天空よ、開花せよ」
「ム……!?」
(ワガハイの体が震えているだと!?)
クッパはアルスの構えに突撃を中断する。
クッパの生物としての本能が、明確な”死”を連想させたからだ。
(バカなッ!?こんな剣ごときでワガハイの強靭な肉体を打ち破るはずがないわ!)
宿敵マリオとの幾度となる死闘でも感じられなかった”死”を感じつつもクッパは強く否定する。
「来たれ、義勇の雷」
言葉と共に雷が駅屋上のタイルを突き破り、アルスが掲げた剣に舞い落ちる。
剣に轟雷が纏るのを確認終えるとアルスはクッパの体目掛けて―――
「ギガスラッシュ!」
回転しながら横一線の一撃をくらわす―――
「ガッッッ……ハァァァァァアアアアア!!!!!?????」
紫電一閃の斬撃はクッパの腹を深く切裂く。
おびただしい血の量がアルスの顔、服全体を血まみれに彩る。
「グ……ウウウウウ!!!!!」
―――グム
クッパは歯を食いしばり腹に力を入れ、筋肉を凝縮させて血を無理やり止めた。
「そんなッ!?」
(くそ!ここまで制限されているなんて!!)
アルスは驚愕する。
たとえ、制限がされていたとしてもオルゴ・デミーラに止めをさした必殺剣で仕留められなかったことに。
「くッ!」
アルスは急ぎ、呪文を唱えようとするが―――
「ガアアアアア!!!!!」
「うわあああああ!!!!!!??????」
怒りのオーラを纏い暴走したクッパの強烈なタックルにアルスは吹き飛ばされる。
ちょうど、その先には―――
「杜王駅〜。杜王駅〜。ご乗車なさる方は切符を使用してお乗りください」
駅のアナウンスと同時に列車が杜王駅に到着したのだ。
「アルス君!?」
康一は必死に手を伸ばす。
しかし、手は届かず―――
―――ガン!
「うッ!?」
アルスの体は、列車の車内に入り、窓に激突する。
スカラの効果があり致命傷にはならなかったが、意識が落ちる。
ジリリリリ―――
「杜王駅発車いたしま〜す。駆け込み乗車はご遠慮下さい」
プシュウウ―――
扉が閉まり―――
アルスを乗せた列車は無情にも発車して戦場を後にした―――
【E-2/列車内/一日目 早朝】
【アルス@ドラゴンクエスト7】
[状態]HP2/5、MP1/4 疲労(大) 気絶
[装備] 幸運と勇気の剣@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]基本支給品、水中バクダン×10@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス ランダム支給品0〜2(確認済み、武器ではない)
[思考・状況]
基本行動方針:オルゴ・デミーラやザントを倒す
1.杜王駅の外で人が来るのを待つ
2.ボトクの変身に警戒しながら仲間を探す
※参戦時期は本編終了後
※広瀬康一からヌ・ミキタカゾ・ンシ以外のジョジョ勢について聞きました。
※広瀬康一からスタンドについて聞き、ヌ・ミキタカゾ・ンシと重ちー以外のスタンド能力も把握しました
※少なくとも武闘家・僧侶・戦士・バトルマスター・パラディン・ゴッドハンドをマスターしています
※一部の強力な呪文・剣技等に制限(威力の低下)がかかっています。
【幸運と勇気の剣@ジョジョの奇妙な冒険】
黒騎士ブラフォードの愛剣。
両刃の刀身で柄には「LUCK」が刻まれていたが後に血で書かれたPの文字が追加される。
それは2人の世代を超えた友情の証。
☆彡 ☆彡 ☆彡
「そ……そんなッ!?」
列車が走り去るのを唖然とした表情で康一は見送る……
「康一君!」
「はっ!?」
三度クッパの業火の火球が康一に―――
「康一君に手出しはさせないッ!」
―――由香花の恋人を守るという執念がこもった全力のラブ・デラックスで火球を掴むとクッパへ投げ返す。
「ウガーーーーッ!!」
投げ返された火球にクッパはもう一度火球をぶつけると爆風が駅構内を包む。
煙が晴れると―――
クッパは倒れていた―――
―――しかし。
「あああああ!!!!!」
康一を守ることはできたが、火は勢いよく髪全体を燃やすとともに由花子の顔までも焼き尽くした。
「由香花さん!!!!!」
康一はわき目もふらず由花子の下へ駆けだす。
ジュウウウ―――
ザックの中の2人の飲料水を全て振りかけるのと床を転げまわり、なんとか火を鎮火することはできたが―――
「こ……康一くん……見な……いで……こんな……焼け爛れた……あたしの……か……お……」
由花子が負った火傷は辻彩のときの出来事の比ではない。
醜い顔を愛する人に見られたくない。
由花子は康一に見られないように必死に顔を伏せる。
「……」
康一は由花子の懇願を黙って聞くと、由花子のザックからブロンズナイフを取り出し―――
―――ピュッ!
「えっ!?」
由花子は康一の行動に驚愕する。
なんと、康一は己の両瞼の上を一閃に斬りつけた。
―――ツウ。
血が康一の両目を塞ぐ。
「ほら、これなら見られない。だから大丈夫だね?」
康一は由花子の顔を自身へ近づかせると―――
「……好きだよ」
康一は由香花の唇にキスをした―――
(ああ……やっぱりあたしの見る目は間違ってなかった。康一君……勇気と信念を持って、笑うとカワイイあたしの最高の恋人……)
由花子は涙を流しながら―――
「康一くん……す……き……」
康一をひたすら見つめ続けた一途の瞳がゆっくりと閉じられ―――
―――愛に生きた一人の女性の命が儚く散った。
「……」
康一は無言で由香花をゆっくりと下すと―――
―――ドサッ。
由花子のお腹の上に頭から倒れる。
そう―――
実は、アルスの乗せた列車が発車した後、杜王駅構内はボトクによる猛毒の霧で覆われていたのだ。
恋人のピンチに流石の康一も気付くのが遅れてしまった……
(仗助君……ごめん。僕はここまでみたい……だから、後は託すよ……)
康一は友に自身の持つ黄金の精神を託し―――
「……続きは、あの世でだね。……由花子さん」
康一の意識がゆっくりと堕ちた。
【広瀬康一@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 死亡】
【山岸由花子@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 死亡】
【残り 38名】
☆彡 ☆彡 ☆彡
―――そして。
「ガアアアアア!!!!!」
クッパは死んではいなかった。
スクィーラに支給された毒針セットよりも遥かに大きい致死力を誇る猛毒の霧だが、体内の中和力に加え、戦闘で破壊された駅構内の壁穴の近くにいたため、クッパ周辺の猛毒の霧は風により露散されたのだ。
アルスの”ギガスラッシュ”を耐えた強靭の体に宿る生命力は伊達じゃない―――
その後、クッパは2人の死体には目もくれず、駅構内をさらに滅茶苦茶に破壊すると駅前に出て―――
「ウガーーーーッ!!!!!」
怒りで暴走している大魔王は吼える。
目にする全てを破壊尽くすために―――
【E-2/杜王駅から離れた場所/一日目 早朝】
【クッパ@ペーパーマリオRPG】
[状態]:ダメージ(大) 腹に刺し傷、深い裂傷 怒り(大) 暴走
[装備]:チェーンハンマー @ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
[道具]:基本支給品(名簿焼失)、ランダム支給品(0〜2)
[思考・状況]
基本行動方針:主催をボッコボコにする
1.ガアアアアア!!!!!!
2.クッパ軍団を結成する
3.魔法の絨毯に興味あり
4.あのネズミ(スクィーラ)は、今度会ったら殴った後、クッパ軍団に引き込む。
※ステージ7クリア後、ピカリー神殿を訪れてからの参戦です
※怒りで我を忘れて暴走しています。
☆彡 ☆彡 ☆彡
一方―――
「あはははははは♪」
ボトクはクッパが去ったのを見届けると笑いながらスキップする。
「忌々しいアルスは電車でGO!我儘亀は暴走でGO!2人の人間あの世でGO!」
計画が思うように行ったのが嬉しくてたまらない様子だ。
「流石はオルゴ・デミーラさまの配下の中で一番の智将であるおれ様だ!」
クルクルとミュージカル風に体を舞いながら自画自賛。
「それに……この推定殺害人数に能力者の詳細……ふっふっふ!これは、使えそうだ」
康一から回収したナナのスマホのデータに目を通したボトクは邪悪な笑みを浮かべる。
「見ていて下さい!オルゴ・デミーラ様!貴方様の望む結末へデク人形共を狂わせ導いてみせましょう!!!」
忠臣は主君に仕える―――
【E-2/杜王駅前/一日目 早朝】
【ボトク@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】
[状態]:健康 ローザの姿
[装備]:柊ナナのスマホ@無能なナナ ブロンズナイフ@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
[道具]:基本支給品 ランダム支給品4(康一・由花子の支給品込み)
[思考・状況]
基本行動方針:ローザの姿で参加者に近づき、参加者を翻弄する。自分を倒したアルス、ガボ、メルビン、アイラ優先
1.さて、参加者共を探すか
2.最終的には優勝
3.クッパから出来る限り離れる
4.ピーチとやらの女……使えるかもしれんな
※参戦時期は本編死亡後です
※原作で神父と入れ替わった魔法の発動条件・内容は、以下の通りです。
•相手に触れれば、魔法は発動する。
•相手を自分の姿に変えている間は、自分はそれ以外の相手に変身することも、別の相手を自分の姿に変えることも出来ない。
•姿が入れ替わっても、ボトク自身は自分の姿に戻ることが出来る。
•どの魔法・能力・道具で治るかは不明。少なくともローザ自身のエスナでは戻らない。
•ボトクか魔法をかけた相手が死ねば、互いに元の姿に戻る。
【柊ナナのスマホ@無能なナナ】
名前の通り柊ナナのスマホ。
電話機能は使えるが現状ではどこにもつながらない。
委員会からの通達や能力者の情報などが載っている。
能力者情報についてはあくまで推定の殺害人数だったり、能力の内容についての情報が乏しかったりと、精度はかなり怪しい。
というか、委員会はどんな能力を持ってるかもはっきり分からないのに、どうやって推定殺害人数とか割り出したんだろうな。
【ブロンズナイフ@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】
文字通り青銅で作られた、軽くて丈夫なナイフ。
攻撃力は9で、かっこよさは8。非売品で、売却価格は75G。
最終更新:2021年09月22日 10:23