【初出】
創約一巻
【元ネタ】
R&Cはroseとcrossの略
【解説】
魔術の情報を発信する巨大IT企業にして
魔術結社。
名称からも判る通り、そのバックは『
薔薇十字』であり、
CEOの
アンナ=シュプレンゲル自らホームページ更新を手掛けている。
社の性質上、本拠地は徹底的に隠匿されている。
企業としては、個人のモバイルから巨大なインフラまでネット事業に関わる全てを武器として展開しており、
必要な専門技術があれば、それを得意とする企業を無理にでも傘下に押し込むという強引な経営手法も取る。
運営するWebサイトではたわいもない占い・まじないのたぐいを紹介し、見る者の心理を巧みに誘導しながら、
いつのまにか実用レベルの魔術の情報を提供しつつ、膨大な量の個人情報を収集している。
しかし「科学サイドで
能力開発を受けた人間が魔術を使うと、競合現象で身体にダメージが出る」
という重要な情報は意図的に伏せられており、
12月25日の
学園都市は各地の病院が急患でパンク寸前に陥った。
学園都市の外ではドローン宅配によるネット通販事業も手掛け、その要となるのが
ロジスティクスホーネットである。
魔術結社としては、様々な面において既存の魔術結社とは全く異なる、新しい価値観を持っているとされる。
その筆頭として、現代の時流に合わせて「巨大IT企業」という皮を被っている点が挙げられる。
通常なら、魔術結社はカネや情報といった「俗っぽい力」を嫌って遠ざける傾向があるが、
これに対してR&Cオカルティクスは「俗っぽい力」が持つ社会への影響力を研究し、切り札として重要視している。
曰く、通常の魔術結社なら『呪詛』『護符』『召喚』『調合』『憑依』といったオカルトに属するものを道具とするが、
R&Cは『資金』『情報』という俗世的なものを道具としている。
また「俗っぽい力」を研究していることから、その現実的なメリット・デメリットも把握している。
例えば有力な魔術結社は豊富な資金を元手に活動していることがあるが、それは大抵の場合不正に得た裏のお金である。
しかしR&Cは、不正な活動資金はかえってデメリットをもたらすものと認識しているため、真っ当な表の事業によって資金を集めている。
アンナ曰く、IT企業という形を取ったのは「薔薇十字という『捕らわれぬ組織』」が現代に合わせて変化した結果だという。
魔術サイドでは本拠地不明のIT企業に対処した経験が無く、
科学サイドでは対処するという発想自体が無かったため放置されて巨大化した。
さらに、巨大化の前兆に気付いた
根丘則斗が検索上位になるよう操作したために巨大化が加速。
根丘自身もR&Cの情報を基に「
最小衝突理論」なる術式を身に付けた。
【作中での行動】
エイワスの手助けでアンナが姿を現した後、アンナにより創業されて活動を開始。
R&Cが提供する魔術の情報は学園都市を含む世界中へネットを介して急速に広まり、
結果として一般的なデパートの販促ポップにまで魔術の知識が使われるようになるなど、魔術の大衆化を進ませた。
この時CEOのアンナを除いた
経営陣達は本社ビルに集い、逃走と再起の算段を立てていたが、
そこに
木原脳幹と
アレイスターが現れ、人を食うよう改造された殺人バエをその場に放った。
これにより、経営陣はハエに生きながら肉体を食われて惨殺された。
かくして、首謀者のアンナこそ取り逃したものの、
R&Cオカルティクスという『企業系魔術結社』は一人の『人間』の手によって滅びを迎えたのであった。
しかし、アンナに言わせれば「あの会社は元々こうする予定で作った」。
ネットを中心に展開するR&Cは、本来なら「本社ビル」という分かりやすい中心点を設ける必要はなかったが、
あえてそれを設けたのは、分かりやすく撃破しやすいターゲットを設けることで勝ち負けを判定できるようにするため。
アンナの狙いは、R&C絡みの一連の事態を世間の目に晒すことで「巨大企業の好きなようにはさせない」という世論を作り、
出る杭が残らず打たれるような風潮に社会を誘導することで、
為政者が民衆を管理できなくなる「暴走の時代」を呼び起こすことだった。
最終更新:2025年06月20日 08:55