「ミサカ、巫女と美琴(19)」
上条達は13学区とある小学校の近くにある公園の芝生に座っていた。
ヒヨコに嫌われ落ち込む御坂美琴と御坂妹をようやくここまで連れてきたのだ。
4人のスーツは既にノーマルモードであり他人が見ても不審がられることはない。
ヒヨコに嫌われ落ち込む御坂美琴と御坂妹をようやくここまで連れてきたのだ。
4人のスーツは既にノーマルモードであり他人が見ても不審がられることはない。
これからどうしたものかと上条が思案していると御坂美琴が不意に立ち上がった。
そして公園の通路に設置されているジュースの自動販売機へと歩いていく。
自販機の前に立った御坂美琴はいきなり雄叫びをあげた。
そして公園の通路に設置されているジュースの自動販売機へと歩いていく。
自販機の前に立った御坂美琴はいきなり雄叫びをあげた。
「常盤台中学内伝!おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による故障機械再生法!!」
そして「ちぇいさーっ」という掛け声と共に御坂美琴の回し蹴りが自販機に炸裂した。
「こら!御坂、自販機に八つ当たりするんじゃない!」
回し蹴りを喰らった自販機からはガコンッ!と何かが落ちる音がした。
出てきたものをマジマジと眺めた御坂美琴は「アンタにあげるわ」と言って
『黒豆サイダー』と書かれた缶ジュースを上条に放り投げてきた。
出てきたものをマジマジと眺めた御坂美琴は「アンタにあげるわ」と言って
『黒豆サイダー』と書かれた缶ジュースを上条に放り投げてきた。
「なんだよ、これは?」
上条を無視して御坂美琴は「やっぱりこの方が良いかな?」などと言って今度は掌を自販機に押し当てた。
そして掌から火花を散らせると自販機がガコン、ガコン、ガコンッと3度悲鳴を上げた。
御坂美琴は自販機が吐き出した同じデザインの缶ジュースの1本を手に取った。
そして掌から火花を散らせると自販機がガコン、ガコン、ガコンッと3度悲鳴を上げた。
御坂美琴は自販機が吐き出した同じデザインの缶ジュースの1本を手に取った。
「『スクリュードライバーショット』ねえ。初めてだけど炭酸系かな?まっ、いっか!」
御坂美琴はそう言って一口飲んでみた。
「あ!美味しいわ。これ。なんか梅酒のソーダ割りみたい」
「子供がアルコールなんか飲んじゃいけません!」
「大丈夫よ。ホラ!缶にもちゃんとノンアルコールって書いてあるんだから」
「なら良いけど」
「じゃあ、あなた達もこれで良いでしょ?」
「子供がアルコールなんか飲んじゃいけません!」
「大丈夫よ。ホラ!缶にもちゃんとノンアルコールって書いてあるんだから」
「なら良いけど」
「じゃあ、あなた達もこれで良いでしょ?」
投げられた缶ジュースを反射的に受け取った御坂妹と姫神秋沙も言われるままそれを一口飲んでみた。
「ほんと。美味しい。このジュース」
「確かにこれはクセになりそうです、とミサカもお姉様に完全同意します」
「任務も意外とあっさり終わったし、良い天気だし、出てきたジュースは大当たりだし、
なんだか気分良いわーっ!」
「ヒヨコには嫌われたけどな……」
「人がせっかくそのことを忘れようとしてんのになんてこと言うのよ!」
「だからって俺一人『黒豆サイダー』かよ」
「確かにこれはクセになりそうです、とミサカもお姉様に完全同意します」
「任務も意外とあっさり終わったし、良い天気だし、出てきたジュースは大当たりだし、
なんだか気分良いわーっ!」
「ヒヨコには嫌われたけどな……」
「人がせっかくそのことを忘れようとしてんのになんてこと言うのよ!」
「だからって俺一人『黒豆サイダー』かよ」
上条のぼやきに御坂美琴は残りのジュースを一気に飲み干すと上条を睨み付けた。
「ぬぁによ~っ!この美琴っさんのプレゼントに文句があんの!?
アンタは『ガラナ青汁』とか『イチゴおでん』の方が良かった訳?」
「おまえは酔っぱらい親父か?まったく。はいはい。文句はございませんよ」
「だったらその投げやりな返事は何なにょよーっ!」
アンタは『ガラナ青汁』とか『イチゴおでん』の方が良かった訳?」
「おまえは酔っぱらい親父か?まったく。はいはい。文句はございませんよ」
「だったらその投げやりな返事は何なにょよーっ!」
御坂美琴が怒ったように顔を赤くして上条の元へ歩いてくる。
ところが上条の1m手前で何故か足がもつれてしまった。
御坂美琴は両手を回してバランスを取ろうとしたが堪えきれずそのまま上条の方に倒れていく。
上条は御坂美琴の両肩をとっさに両手で支えたものの勢いに負けて一緒に後ろに倒れてしまう。
それでも両腕と腹筋を使って御坂美琴が顔面から地面に激突するのを防ぐことはできた。
ところが上条の1m手前で何故か足がもつれてしまった。
御坂美琴は両手を回してバランスを取ろうとしたが堪えきれずそのまま上条の方に倒れていく。
上条は御坂美琴の両肩をとっさに両手で支えたものの勢いに負けて一緒に後ろに倒れてしまう。
それでも両腕と腹筋を使って御坂美琴が顔面から地面に激突するのを防ぐことはできた。
しかしその結果不幸(?)な出来事が二人を襲った。
上条は御坂美琴の両肩を支える両腕を曲げることで衝撃を吸収しようとした。
となれば御坂美琴の顔が上条の顔の真上に落ちてくるのは必然である。
上条は御坂美琴の両肩を支える両腕を曲げることで衝撃を吸収しようとした。
となれば御坂美琴の顔が上条の顔の真上に落ちてくるのは必然である。
その時、御坂美琴は倒れながらも何故か目を閉じなかった。
あと50cm。(え、えっ!?)
あと30cm。(顔が近づいて……)
あと10cm。(あーーー)
あと1cm。(ーって、あれっ?止まっちゃった)
あと50cm。(え、えっ!?)
あと30cm。(顔が近づいて……)
あと10cm。(あーーー)
あと1cm。(ーって、あれっ?止まっちゃった)
超至近距離で上条と見つめ合う御坂美琴は倒れかけた時から瞬きをしていない。
瞬きをした瞬間にこの状況が夢のように消え去りそうな気がしたからなのだが、
当の本人は自分が瞬きしていないことにも気付いていない。
瞬きをした瞬間にこの状況が夢のように消え去りそうな気がしたからなのだが、
当の本人は自分が瞬きしていないことにも気付いていない。
(間近で見るとコイツのマツゲって意外と長いんだ。
あと1cm落ちてたらコイツとキッ……キスしちゃってたわね。きっと
……たった1cmなのに……ってなに残念がってんのよ。私は!
私のファーストキスはそんなに安くないのよ。
だから私はホッとしてるだけなの!
…………でもなんでコイツまでホッとした顔してるわけ?
私とキスするのがそんなに嫌だったの?……なんか……むかつくわね。
アンタが嫌でもね。私がちょっと首の力を緩めたらキスしちゃうのよ。私達。
そのことに気付いてる?
ふふっ…………って馬鹿みたい!私とコイツにそんなことある訳無いのに……)
あと1cm落ちてたらコイツとキッ……キスしちゃってたわね。きっと
……たった1cmなのに……ってなに残念がってんのよ。私は!
私のファーストキスはそんなに安くないのよ。
だから私はホッとしてるだけなの!
…………でもなんでコイツまでホッとした顔してるわけ?
私とキスするのがそんなに嫌だったの?……なんか……むかつくわね。
アンタが嫌でもね。私がちょっと首の力を緩めたらキスしちゃうのよ。私達。
そのことに気付いてる?
ふふっ…………って馬鹿みたい!私とコイツにそんなことある訳無いのに……)
「ミサカ、巫女と美琴(20)」
事実、激突直前で御坂美琴を止めることができた上条はホッと一安心していた。
そのせいで御坂美琴の耳にかかっていた髪がファサッと落ちて頬をくすぐった時
御坂美琴を支える両腕から力が抜けてしまい御坂美琴の唇は上条の唇の上に落下してしまった。
そのせいで御坂美琴の耳にかかっていた髪がファサッと落ちて頬をくすぐった時
御坂美琴を支える両腕から力が抜けてしまい御坂美琴の唇は上条の唇の上に落下してしまった。
(*1)
御坂美琴の柔らかい唇の感触に目を丸くする上条の目の前で、御坂美琴のビックリした顔
が一気に赤くなった。
衝撃的な出来事の発生にパニくった二人は身動き一つできない。
しかし上条の吐息が御坂美琴の唇をくすぐると御坂美琴は身体をビクンとさせて上条の
上から飛び退いた。
御坂美琴は芝生の上にペタリと座り込むと唇に手を当てたまま固まってしまった。
が一気に赤くなった。
衝撃的な出来事の発生にパニくった二人は身動き一つできない。
しかし上条の吐息が御坂美琴の唇をくすぐると御坂美琴は身体をビクンとさせて上条の
上から飛び退いた。
御坂美琴は芝生の上にペタリと座り込むと唇に手を当てたまま固まってしまった。
(アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。
アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。
以下20回繰り返し)
アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。アイツとキスしちゃった。
以下20回繰り返し)
御坂美琴の唇の感触に放心していた上条が我に返っても御坂美琴は固まったままだった。
上条は恐る恐る御坂美琴に声をかけた。
上条は恐る恐る御坂美琴に声をかけた。
「あのーっ、御坂さん。先ほどはなんといいましょうか……
上条さんはあなた様をお助けようと精一杯頑張ったのであります。
お怒りはごもっともですが、そこの所を考慮して頂けませんでしょうか?
あれはただただ不幸な偶然が重なったせいでありまして…………
あのーっ、御坂さん。もしもーし!」
上条さんはあなた様をお助けようと精一杯頑張ったのであります。
お怒りはごもっともですが、そこの所を考慮して頂けませんでしょうか?
あれはただただ不幸な偶然が重なったせいでありまして…………
あのーっ、御坂さん。もしもーし!」
上条の呼びかけにまだ放心中の御坂美琴が消え入りそうな声でポツリっと呟いた。
「……ファーストキス……」
「えっ、いま何と?」
「私のファーストキスだった……」
「えっ、いま何と?」
「私のファーストキスだった……」
御坂美琴の告白に上条は一瞬で土下座体勢に移った。
「スマン。御坂」
「……………………」
「悪かった。この通り。でも俺だって初めてだったんだぞ」
「えっ?そうにゃの?」
「でもそんなのは慰めにもならないな。俺が悪かった。本当に済まない」
「そうじゃないの。そうじゃなくて、なんて言うか、ちゃんとした雰囲気で……えーっと」
「……………………」
「悪かった。この通り。でも俺だって初めてだったんだぞ」
「えっ?そうにゃの?」
「でもそんなのは慰めにもならないな。俺が悪かった。本当に済まない」
「そうじゃないの。そうじゃなくて、なんて言うか、ちゃんとした雰囲気で……えーっと」
美麻美琴がモジモジながら小声でゴニョゴニョ言っているが土下座中の上条には聞こえていない。
そうしている間に御坂妹が上条へ近寄ってきた。
そうしている間に御坂妹が上条へ近寄ってきた。
「当麻さん、当麻さん、とミサカは当麻さんの肩をツンツンと指でつついたりしてーっ」
肩をつつかれた上条が土下座体勢のまま横を向くと目の前に御坂妹のローファーがあった。
「どうした?御坂妹」と視線を上げかけた上条は途中で言葉を詰まらせた。
超ローアングルから御坂妹を見上げる上条からはストライプ模様のパンツが丸見えだった。
正確にはパンツの模様をしたスーツの一部なのだが、純情少年上条当麻には同じだった。
赤らめた顔をぶるんぶるんと振ると上条は急いで立ちあがった。
「どうした?御坂妹」と視線を上げかけた上条は途中で言葉を詰まらせた。
超ローアングルから御坂妹を見上げる上条からはストライプ模様のパンツが丸見えだった。
正確にはパンツの模様をしたスーツの一部なのだが、純情少年上条当麻には同じだった。
赤らめた顔をぶるんぶるんと振ると上条は急いで立ちあがった。
「発汗量と心拍数ならびに体表面温度の上昇が確認されますがどうかなされましたか?
とミサカは疑問を投げかけます。…………?どうして目を逸らすのですか?
とミサカは視線の先に回り込みあなたの顔を真っ直ぐ見つめながら問いかけます」
「なんでもない。なんでもない。それよりお前こそ顔が赤いぞ。どうした御坂妹?」
「それはこういう事です、とミサカはストレートに態度で示します」
とミサカは疑問を投げかけます。…………?どうして目を逸らすのですか?
とミサカは視線の先に回り込みあなたの顔を真っ直ぐ見つめながら問いかけます」
「なんでもない。なんでもない。それよりお前こそ顔が赤いぞ。どうした御坂妹?」
「それはこういう事です、とミサカはストレートに態度で示します」
御坂妹は上条の両肩に手を乗せて背伸びするとその唇を上条当麻の唇に「チュッ」と押し当てた。
上条の唇に重なる御坂妹の唇はとても柔らかくそして滑らかだった。
しかも御坂妹の吐息が漏れるとリップの柑橘系の香りが上条当麻の鼻腔をくすぐる。
先ほどの御坂美琴とのキスも衝撃的だったが不幸な(?)偶然が重なった事故と割り切れた。
しかし今回のキスは明らかに御坂妹がしてきたのだ。
上条は一体これはどういうことなのかと考えようとしたが、唇に押しつけられた御坂妹の
唇の感触に全神経が集中してしまい、思考は空転するだけだった。
しかも御坂妹の吐息が漏れるとリップの柑橘系の香りが上条当麻の鼻腔をくすぐる。
先ほどの御坂美琴とのキスも衝撃的だったが不幸な(?)偶然が重なった事故と割り切れた。
しかし今回のキスは明らかに御坂妹がしてきたのだ。
上条は一体これはどういうことなのかと考えようとしたが、唇に押しつけられた御坂妹の
唇の感触に全神経が集中してしまい、思考は空転するだけだった。
「なっ、何してんのよ?アンタ!」
突然の出来事に口をパクパクさせていた御坂美琴はようやく声を上げることができた。
その声にようやく上条から唇を離した御坂妹は御坂美琴に向き直った。
その声にようやく上条から唇を離した御坂妹は御坂美琴に向き直った。
「お姉様。キスはそれをする意思があって初めて成り立つものです、とミサカは重要な点を指摘します。
ですからお姉様のはただの事故であり到底キスと呼べるものではありません
とミサカはミサカのキスこそが当麻さんのファーストキスであることをここに高らかに宣言しちゃいます」
「ちょっとアンタ!横から出てきて何言ってんの!」
「ですからミサカと当麻さんのファーストキスについて……」
「だから、にゃに自分勝手なこと言ってんの!」
ですからお姉様のはただの事故であり到底キスと呼べるものではありません
とミサカはミサカのキスこそが当麻さんのファーストキスであることをここに高らかに宣言しちゃいます」
「ちょっとアンタ!横から出てきて何言ってんの!」
「ですからミサカと当麻さんのファーストキスについて……」
「だから、にゃに自分勝手なこと言ってんの!」