中高生が中心に住む学園都市第7学区にある『
明知中等教育学院』
ゴシック様式の堅牢な校舎と学生寮を持つ学校で『ハッキリ物事を知る』ことをスローガンとしており、
明瞭な能力至上主義を掲げ、各学年を階級ごとに3クラスに厳しく分けている。
そのうちの3年生の1部クラス、いわばこの学校の最高クラスとも言える場所の一角に1組の男女がいた。
「他校生の友達と会う?」
少年はベリーショートの爽やかで人のよさそうな伊達男で、175cmと中学生にしては長身だ。
白いワイシャツの胸ポケットにサングラスを入れており、なぜか暑い日だというのに手編みのマフラーを首に巻いている。
彼の名は
久峨鐶。明知が誇る12人のレベル4「黄道十二星座」の「タウロス(おうし座)」を司る人物である。
最も彼自身は訳あって好んで『それ』を名乗らないのだが。
「ええ。それで久峨君も一緒に来てほしいの…」
もう1人の自分の席にちょこんと座っているつつじ色の髪の少女。
こちらは身長153cmとやや小柄で華奢な体型で胸も慎ましやかだ。
顔立ちは美人だが、目は伏せがちでいかにも気の弱そうな少女という雰囲気を醸し出していた。
彼女の名は
白雪窓枠。こう見えてもレベル4で明知内の発火系能力では最高と言われており
「黄道十二星座」の「リブラ(てんびん座)」を司る人物だ。
しかし彼女自身も控え目な性格のためか「黄道十二星座」であることは好んでは名乗らない。
「それは構わないけど女の子同士みたいだし俺、邪魔じゃないかな?」
「向こうも3人らしいし私1人では心細いので………」
「わかったよ、窓枠の頼みだ。俺も行くよ」
「ありがとうございますっ!!」
「わっ、急に大きな声を出されるとビックリするねぇ」
久峨が快く承諾してくれてことで思わず感情が高ぶってしまい思わず大きな声を上げる白雪。
久峨はそんな白雪を少しでも安心させるため優しく微笑む。
次の瞬間、教室の扉がバン!と勢いよく開かれた。
「話は聞かせてもらったわ!」
扉の前には腰まである艶やかな黒髪の整った顔の美人が仁王立ちしていた。
星屑を模した髪留めを挿しネクタイにも同様のブローチを付けている。
身長は165cmくらいで、白雪とは対照的にワイシャツの胸元のボタンがはちきれそうなほど豊かな胸であった。
少女の名は
斗修星羅。明知支部の風紀委員であり「黄道十二星座」の「ヴァルゴ(おとめ座)」を司る。
ただし彼女は「黄道十二星座」とはいえ一身上の都合で、この1部クラスではなく2部クラスだ。
つまり『通りすがりに偶然聞けるようなポジションではない』ハズなのだ。
(ずっと教室の前で立ち聞きしてたのかしらこの人………)
(まあ斗修さんだからね。いつものことだよ)
(いつも1部クラスに遊びに来てるしな)
(斗修さんは相変らず白雪君と仲が宜しいんですね。正直公私混同は控えて欲しいのですが……)
(
貴道君もよく2人のこと見てるよね~)
だいたいそういった内容の内緒話をしながら1部クラスの生徒たちは斗修に注目していた。
彼らの視線が斗修に集中する。その多数の視線に耐えきれなかったのか思わず弁明をするように斗修は早口で話し出した。
「ち、違うのよ。これは同じ黄道十二星座のよしみでいや別に彼女が特別って訳じゃないんだけども彼女が他校生と会うって聞いて心配で心配で様子を見に来ただけで、別にサボってた訳じゃあ……。さ、さあ張り切ってパトロールの続き行ってみましょう」
そう言いながら、きまりが悪そうにそそくさと立ち去ろうとする斗修を白雪が呼びとめた。
「それなら斗修さんも一緒に来てくれる?」
「俺は別に構わないけど、窓枠はいいのかい?」
「ええ、知っている友達がいる方が心強いし」
「そ、そう?それなら私もご一緒しようかしら」
(ヒメからのお誘いキターーーーーーー!イヤッッホォォォオオォオウーーー!!)
愛しの白雪から一緒に遊びに行くお誘いを受けて、表面上はごく普通の友人同士の対応であったが
内心では非常に荒ぶりまくっている斗修であった。
「言葉とは裏腹に恍惚とした表情してるねぇ。それに……」
久峨が苦笑いしながら斗修の足元を指差す。そこには、
「斗修、荒ぶる気持ちはわかるが私の机から足をどけてくれないか?」
「ええっ?」
一部訂正。
斗修星羅はその激しく荒ぶる気持ちを抑えることはできなかった。
いつの間にやら1部教室に入り込み、右足を机に乗せて恍惚とした表情をし両手でガッツポーズを決めていた。
そして彼女は、足を乗せていた机の持ち主である黒髪ロングの少女・
宿曜徇から注意された。
この宿曜もまた「黄道十二星座」の「アクアリウス(水瓶座)」を司っている。
能力及び学力でともに筆頭に立ち、小規模ながら精鋭の派閥を形成し、
他の派閥の追随を許さない中立的な勢力を築いている名門明知でも指折りの人物だ。
激しく余談だが、今はサラシを巻いていて目立たないが胸は斗修と互角かそれ以上とも言われるほどだ。
そんな宿曜の一言で斗修は『愛しのヒメとあんなことしたり~、こんなことしたり~ィイヤッッホォォォオオォオウ!』
な妄想世界から一気に現実世界に帰ってきた。
荒ぶる気持ちを抑えきれず奇行に走った少女の顔はみるみる真っ赤に染まっていった。
「ぎゃあああ!ごめんなさい!やっちまったあああ!こうなったら私の『倫理転換(モラルコンバータ)』で全員の記憶を………」
「それはさすがにマズくないか!?」
「斗修、いくら何でも荒ぶり過ぎだぞ。少し落ち着け」
「宿曜は何故この状況でも冷静なんだ!?」
「心配はいらんよ。君の彼女がいるならな」
顔を真っ赤にしながらヤバいことを始めようとする斗修に1部クラスの全員が注目し警戒を強める。
中には斗修を止めようと戦闘態勢に入る者も見受けられた。斗修の能力の強さと去年彼女が起こしてしまい、
2部落ちすることになった原因でもある『伝説の卒業式事件』の重さからすると無理もないことだろう。
しかしその惨劇?は宿曜の言うとおり1人の少女の言葉であっさり回避された。
「斗修さん!それはやめて!」
「わかった。ヒメ…白雪さんの頼みならば!」
平静を装った表情と口調に一瞬で切り替わり何事もなかったかのように振る舞う斗修。
その様子を見て久峨と宿曜以外の1部クラスの面々は、どこかの新喜劇のごとく一斉に盛大にズッコケた。
そんな彼らをよそに斗修は白雪に他校生と遊びに行くようになった理由を聞いた。
「それはそうと白雪さんはどうやってその他校生と知り合ったのかしら?」
(斗修の奴、今までの騒動を思いっきり流したよ……)
(まあいつものことだ。久峨、君も大変だな)
若干呆れ顔でお互いにしか聞こえない小声で話す久峨と宿曜。
そんな中、白雪は伏せがちな目でうつむきながら静かに口を開いた。
―――――――――――――――
ある日いつものように白雪が『恵みの大地』のカウンター席で読書をしていると
隣の席の黒髪癖毛を後ろで無造作に結んだ少女が無邪気な笑顔で話しかけてきた。
「こんにちわっ!」
「!?……えっ、えーっと誰?」
「あっ、いきなりごめんなさい。私は
焔火緋花。小川原高校付属中学2年生で176支部で風紀委員やってます!」
「その焔火さんが何の用…でしょうか」
(ええええええ!?中学2年生ってことは年下!?この背と胸で?ウソおぉぉぉおぉ!?というか風紀委員!?職務質問か逮捕でもされちゃうのおおお!?何か私悪いことやっちゃったああああ!?)
その
焔火緋花と名乗った少女は明らかに白雪より背が高く、小川原の制服であるワイシャツの胸元を
窮屈そうに押し上げボタンを2つ開けてそこから深い胸の谷間が見えていた。
そんな年下に見えない焔火の容姿からか、突然声をかけられたことに対する混乱からか、
白雪は突然机に頭突きを……いわゆる顔ドラムをし始めてしまった。
さすがに焔火もこれには唖然とした表情を浮かべ、急いで白雪の顔ドラムを止めながら話を続けた。
「……えーっと、すみませんね。何か混乱させちゃったみたいで……急に顔ドラム始めちゃったし」
「いいいいえ、ななな何もワタシ、コンランしてなイヨー」
「ただ単にあなたと一緒に飲みたいなーって思ったもんでして。てへへ。えーっと………」
「……白雪……白雪窓枠……明知中等教育学院3年」
「そうですか、よろしくっ!白雪さん!」
「ねえ焔火さん、どうして私なんかに声をかけたの?」
「白雪さんが何か寂しそうな目をしていたからと、あとは誰かと一緒に飲みたかったからと、私が白雪さんと友達になりたかったから!ですかねー。ほとんど私のワガママというか単純な理由というかでしてねー……迷惑だったらごめんなさい」
「フフフッ、何それ。急に後ろで結んだ髪の毛も変な動きし出してるし」
「やっと笑ってくれましたね!それじゃーこの出会いを祝して乾杯しましょうか!
芽功美さーん!ミルクジョッキ2つお願いします!」
「いやジョッキではいらないから……」
(変な……いや何だか不思議な人ね。でも悪い気があまりしないのは何故だろう……)
―――――――――――――――
「と、だいたいそんな感じで、その後あれよあれよと言う間に今度一緒に遊びに行く約束を……」
「何かえらくあっさりした理由だね」
「……ちょっと強引だったけど、なぜか断る気にはなれなかったの」
(ムムッ、ヒメったらどこか嬉しそうね)
そう言いながらも白雪の口元は若干嬉しそうな感じで緩んでいた。
普段は人とあまり関わりたがらない白雪だが、その親しげに話しかけてきた少女の誘いはなぜか断る気になれなかった。
彼女が曇りのない目で、能力も人格も容姿も地位も学歴も生まれも育ちも一切関係なく
真っ直ぐに嘘偽りなく接してくれたからかもしれない。まるで白雪の恋人である久峨鐶と同じように。
(あの娘の私への接し方が……どこか鐶君に似ていたからかな)
「窓枠、何だか嬉しそうだね」
「そ、そうかしら………」
(も、もしかしてさっき鐶君って呼んだのが声に出ちゃってたあああ!?いやいやいやいやいやそれはないそれはないハズよおおおおおお!もしバレたとしたら恥ずかしいわああああ!穴があったら入りたいいいいいい!!)
「窓枠?」
「白雪さん?」
「白雪?」
急に顔を赤くして机に突っ伏して悶えだした白雪を心配して彼女に呼びかける久峨・斗修・宿曜。
そんな中、久峨は先ほどから微笑ましさと呆れがちな様子が混じった複雑な表情を浮かべている宿曜に声をかける。
「宿曜、よかったら君も一緒に行くかい?」
「私も他校生との交流はいいことだと思うが、残念ながらその日は水泳部の練習だ。スマンな」
「いや、こちらこそ急な申し出ですまなかった」
「また今度頼むよ。ところで遊びに行く場所は決まっているのか?」
「………まだ決まってないです」
「私は是非ともプールをお勧めしたいね。まだまだ暑い日が続いているしな。今なら内陸部である学園都市では体験できない『海』を再現したプールもある第6学区の『クリア・シー』がいいだろう。あそこは能力トレーニングを行う学生もいるし、冬場にはスキーやスケートも楽しめる水のテーマパークだ」
「宿曜はプールが絡むとやけに饒舌になるねぇ。本当に水泳やプールが好きなんだね」
「そういうモンかしらね………」
「プールですか……」
目が突然光ったり、机から突然立ち上がったり、机に足を乗せて両手でガッツポーズをするといった
荒ぶる気持ちを抑えきれなかったどこかの『女帝』のような激しいリアクションは起こさなかったものの
宿曜は突然饒舌になり、しきりにプールを勧めてきた。口調は普段と変わらない冷静沈着なものだが、
その言葉の1つ1つには水泳とプールに対する彼女なりの熱意が混じっていた。
「明知のアクアリウス」こと宿曜徇。明知で最も水泳とプールを愛する女である。
他の3人もそれは周知の事実と知っていたためか、さほど驚愕することもなく会話は進んでいった。
そんな中、再び1部教室に元気そうな声が響いてきた。
「部長せーーーんぱーーーい!!お迎えにあがりましたよーーー!!」
「「「!?」」」
「ん、
電脳歌姫だと思ったノ?…残念、ただの巻絹ちゃんでシタ!」
「いや誰も思ってないから」
「ハハハ、巻絹ちゃんは今日も元気だねぇ」
「ああ、もうそんな時間か。では私はそろそろ失礼するよ」
そう言いながら、宿曜は水泳部のハイテンションな後輩・
巻絹仮装とともに教室を後にした。
さりげなく机に『クリア・シー』のチラシと割引チケット3枚を置きながら。
「プールか。いいかもしれないね。宿曜もさりげなくチケット置いて行ったし」
「珍しく意見が合ったわねタウロス。白雪さんはどう思う?」
「……そうですね……久峨君と斗修さんがいいなら……」
さっそく白雪は焔火の携帯に遊びに行く場所が決まったお知らせのメールを送ることにした。
―――――――――――――――
所変わって、こちらは第5学区の表通り。
ここ第5学区は大学生がメインの学区であり、中高生が多い第7学区と比べて全体的に落ち着いた雰囲気を持つ。
居酒屋など中高生では利用できない成人向けの施設も多い。
そんな通りにある水着販売店前のベンチの左右に大小さまざまな紙袋を置いており、その間に腰かけている少女がいた。
腰まである茶髪ロングで目つきの鋭い少女・
浮河真白は頬杖をついて舌打ちをしながら軽く毒づく。
「チッ、第7学区のセブンスミストだけじゃなく、まさか第5学区まで来る羽目になるとはねェ」
「そう言いながらも最後まで付き合ってくれるんだよね。真白ちゃんは」
「まあねッ」
赤い眼鏡が似合う真面目そうな黒髪癖毛の少女・
葉原ゆかりがよく冷えた缶ジュースを2つ持ちながら
水着販売店から出てきた。葉原はそのうちの1つを軽く投げ、浮河もそれをうまくキャッチする。
さっそく葉原からもらったジュースを口にする浮河だったが、店からまだ出てこないもう1人の親友のことを尋ねる。
「サンキュ、ゆかり……って緋花は?」
「あと少しだってさ」
「そっか」
「真白ちゃんも店の中でいればよかったのに」
「冗談じゃないわよッ。私にあの『伏魔殿』はキッツイわ」
「あのね真白ちゃん、一応言っとくけどあの店『伏魔殿』なんて物騒な名前じゃないからね」
「チッ、わかってるっつーの」
浮河が目の前の水着販売店を勝手に『伏魔殿』などという物騒な名前を付けているのには訳があった。
『伏魔殿』……つまり「魔物」が潜んでいる殿堂。ここで浮河が言う「魔物」とはスレンダーで
慎ましやかな体型の彼女自身にはあまりないもの……要するに胸のことである。
もう一度言うと第5学区は大学生がメインの学区であり、中高生メインの第7学区よりも「大人向け」の店が多い。
つまり取り扱う服や水着のデザインやサイズも「大人向け」なことが多い。
そこにいる客も大学生や大人がほとんどだ。浮河たちと同世代の少女たちもいることにはいたのだが……
「ちちりん、お胸が大きすぎます。私的に倫理規範を反しているので、直接確認を…」
「ち~ちりん♪また胸おっきくなった~?」
「やかましいわ!留保!紅葉!ちちりんちちりん言うな!そして隙あらば触ろうとするな!」
黒髪サイドテールの少女の胸に触ろうとして阻止されている
心裏留保と
赤染紅葉の2人はともかく、
「ちちりん」と呼ばれている少女、
壱厘琴音は同世代であるにも関わらず周囲の客に全く引けを取らない
爆乳と呼べるほどの大きな胸をしていた。
「!?……何アレ!?いやいやいやッ!偶然だッ!」
それを見ていた浮河は目つきをさらに悪くして眉間のしわを深くし、壱厘たちから素早く目をそらし
早歩きで目をつぶってひたすら前に歩いて行った。すると………
「!?」
突然浮河は前方の何か柔らかいものに軽く吹き飛ばされ、しりもちをついた。
目を開けるとそこには浮河の親友にして「魔物」たち以上かもしれない焔火(バケモノ)がいた。
彼女は胸に衝突してしりもちをついた浮河を心配そうな表情で見つめ、手を差し伸べた。
隣の葉原もまた心配そうな表情を浮かべていた。
「大丈夫?真白っち?何かさっきから落ち着かないみたいだけど」
「……ゴメン緋花、ゆかり。ちょっと私にはここはキツ過ぎるみたいだわ。外で待ってる」
「そっか。外と温度差激しいから気を付けてね~」
「クーラーがキツ過ぎたんじゃないと思うよ」
と、まあこういう経緯で『伏魔殿』から逃げてきた浮河であった。
少しすると焔火も新しい紙袋を持って水着販売店からニコニコしながら出てきた。
その様子を見て、焔火が何も言わずともお目当ての品が手に入ったのだと確信した葉原は声をかける。
「お目当ての品が見つかってよかったね!緋花ちゃん」
「うん!おかげさまでバッチリっ!ゆかりっちも真白っちも付き合ってくれてありがとう!」
笑顔で右手を高々と上げてVサインをする焔火。
「………フン、友達だから当たり前でしょうが」
そんな焔火に対して口をわずかに緩ませながらボソッと呟く浮河。
何だかんだで浮河も親友の探し物が見つかったのは素直に嬉しいようだ。
「それにしてもよく緋花ちゃんのサイズがあったわね」
「んー、結局オーダーメイドになったんだよね。測ってもらったら、ひゃku「待てーーい!」」
「待てーい緋花!………えーっとさ、マジで?」
「マジで」
「………そうか」(まーだ成長してやがんのか……バケモノめ)
「まあ、何はともあれこれで今度明知の皆さんと『クリア・シー』へ行く準備もバッチリですね」
さらりと問題発言をかまそうとする焔火に対し、急に大声を張り上げてそれを阻止する浮河。
そんな様子を横目で見た後、葉原は手帳を見ながらこの後の予定を告げて話を締めにかかる。
レベル0とはいえプライベートでも、葉原と焔火が所属する176支部でも、
個性の強い面々をきちんとまとめ上げるしっかり者・葉原ゆかりの片鱗が現れていた。
「それじゃ2人とも時間ですし次の場所へ行きましょうか」
「そうね」
「おー!」
「緋花、次はアンタにも力仕事を頑張ってもらうわよ。色々なモン買う予定だかんねッ」
「まっかせといて!服でもパソコン部品でも家電でも駆動鎧でも何でも来い!」
「いや駆動鎧なんざ買わねえから!つーかお前今のボケ絶対わざとだろッ!」
「フフッ緋花ちゃんったら」
こうして焔火緋花、葉原ゆかり、浮河真白の3人は第5学区を後にした。
黄道十二星座の3人と小川原の3人が交差するとき物語は始まる………かもしれない。
最終更新:2013年09月15日 16:52