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レポート第1回
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第一回
季節は春。
ジャポニカ皇国はムサシの村に住む『最強の男』ダイジ・ムラサメの息子、シン・ムラサメは時が訪れた事を知る。
歳は17、旅に出るには遅すぎるくらいである。いや、普通の村人は旅なんかでないのだが。
ジャポニカ皇国はムサシの村に住む『最強の男』ダイジ・ムラサメの息子、シン・ムラサメは時が訪れた事を知る。
歳は17、旅に出るには遅すぎるくらいである。いや、普通の村人は旅なんかでないのだが。
旅に出る事を父母に告げると、とうとうこの時が来たかとばかりに受け入れ、母は何やら繕いものを始め、父はシンを連れて村の会合へと出、全員に大々的に発表する。
ちなみにこのとき、何気に父ダイジが次期村長候補と言う事が明かされるが、どうでもいいことである。
そして旅の前準備として弟テツ・ムラサメに畑や村での仕事を教え、妹リン・ムラサメに家の事を頼む。
郷愁の念と家族への想いを強く感じ、涙を流しながらもうあと幾日もしたら歩く事の無くなる帰り道を兄弟と共に踏みしめるシン。
ちなみにこのとき、何気に父ダイジが次期村長候補と言う事が明かされるが、どうでもいいことである。
そして旅の前準備として弟テツ・ムラサメに畑や村での仕事を教え、妹リン・ムラサメに家の事を頼む。
郷愁の念と家族への想いを強く感じ、涙を流しながらもうあと幾日もしたら歩く事の無くなる帰り道を兄弟と共に踏みしめるシン。
しかし、最後に難関が待ち構えていた。いつも通り夜の鍛錬をしていると誰かがシンを見ていたのだ。
その人物とはシノ・イヌヅカ。昔のシンの遊び仲間であり、年月が経つと共に疎遠になってしまった少女だった。
シンに懸想していたシノはその夜、ついに告白するものの、見事にフラれてしまう。
シンはまだ修行の身、彼女の事をどう思っているのか口に出せなかったのだ。
だから彼女の想いを受け入れる事をしなかった。
その人物とはシノ・イヌヅカ。昔のシンの遊び仲間であり、年月が経つと共に疎遠になってしまった少女だった。
シンに懸想していたシノはその夜、ついに告白するものの、見事にフラれてしまう。
シンはまだ修行の身、彼女の事をどう思っているのか口に出せなかったのだ。
だから彼女の想いを受け入れる事をしなかった。
そんな月九か何かのような真似をしながら旅立つ日の前夜、父に呼ばれて部屋に入ると、村人達全員からの支度金と父の愛刀『小烏丸』を渡された。
そして、父の持つ最強の刀である『伏姫』と『村雨』の事を聞かされ、『村雨』を見せられる。
その刀身は美しく、まさに『抜けば玉散る氷の刃』であった。
いつか父より『村雨』を譲り受ける事を約束し、刀に相応しい男となるべく大きな目標を胸に旅立ちの決意を新たにするシン。
そして当日、母より手作りの羽織を渡され、家族全員に見守られながら、シンは大きな世界へと羽ばたくのだった。
そして、父の持つ最強の刀である『伏姫』と『村雨』の事を聞かされ、『村雨』を見せられる。
その刀身は美しく、まさに『抜けば玉散る氷の刃』であった。
いつか父より『村雨』を譲り受ける事を約束し、刀に相応しい男となるべく大きな目標を胸に旅立ちの決意を新たにするシン。
そして当日、母より手作りの羽織を渡され、家族全員に見守られながら、シンは大きな世界へと羽ばたくのだった。
一方、アッサラーム連邦は農業都市オマーンからそう離れていない山中で、一人の少年が死に掛けていた。
少年の名はミシュアル・ヤズィード。オマーン近くの村ブライミ出身で歳の頃は14。
まだまだ幼いとさえ言える彼だが、何をトチ狂ったかブライミ村を出奔し飢え死にしかけていたところを野盗団『蜃気楼団』に拾われてからは、こうして山の中のアジトで死に掛ける事が多々あった。
少年の名はミシュアル・ヤズィード。オマーン近くの村ブライミ出身で歳の頃は14。
まだまだ幼いとさえ言える彼だが、何をトチ狂ったかブライミ村を出奔し飢え死にしかけていたところを野盗団『蜃気楼団』に拾われてからは、こうして山の中のアジトで死に掛ける事が多々あった。
今回も蜃気楼団(通称トカゲ)が『仕事』に出かけて以降、ろくに食料も残されていないアジトでサバイバル生活をしていたのだが。キノコを取りに行っては狼から逃げ惑い、水を飲みに行くのも命懸け、寝るときはボロイ毛布一枚という生活に嫌気が差したのか、はたまたもうトカゲについていくことは出来ないと見切りをつけたのか、その両方か。
ともあれ命の危機と尊厳の危機に立ち上がり、アジト内を物色しまわって金品や食料をかき集め、夜の森の中へ飛び出したのである。こうしてみるとどちらが野盗か分かったものではない。
そうして飛び出したはいいものの、夜の森の危険度をナメてはいけない。
すぐに狼達に取り囲まれ、ぐずぐずしていると更に凶悪な動物まで出てきかねない雰囲気。
なんとかすり抜けていきたいがそれも敵わず、哀れミシュアル少年は野獣の牙の餌食となってしまった。
そうして飛び出したはいいものの、夜の森の危険度をナメてはいけない。
すぐに狼達に取り囲まれ、ぐずぐずしていると更に凶悪な動物まで出てきかねない雰囲気。
なんとかすり抜けていきたいがそれも敵わず、哀れミシュアル少年は野獣の牙の餌食となってしまった。
遠ざかる意識の中、彼が何を思ったのか。それは、彼にしか知りようの無い事である