【詳細】
グレーに近い白と紫を基調としたがっしりとした体型であり、バックパックの小型スラスターと、
脚部装甲自体を大きく展開し内部に備わるバーニアノズルを露出させた状態に簡易変形することで爆発的な加速力を発揮できる。
身の丈ほどもある大型の槍、
グングニールを主武装としその加速力を持って対象を貫き、撃破するのがキマリスの最も得意とする戦術。
バックパックはさらに大型のスラスターと換装することでその加速力は並ぶものがいないほどに強化される。
壺を思わせる頭部は高精度のセンサーであり、高速起動中であってもミリ単位の姿勢制御が可能。
また頭部装甲には閃光弾を発射する発射機関があり、閃光弾を発射するとセンサーは光による障害を防ぐため一時的にシャッターで閉鎖される。
両肩にも姿勢制御用のスラスターと、
スラッシュディスクという小型手裏剣のようなものを射出する機能が備わっている。
ガンダム・フレームにも用いられる素材を一部構成材質に含んだこのディスクは電磁加速により射出され、ヒットすれば
ナノラミネートアーマーをも切り裂く切れ味を持つ。
ただ決め手にはならず、不意打ち気味で接近時に発射しないと当たりそうにない。
腰には折りたたみ式の
コンバットナイフを装備するが、地上戦、水中戦と言ったキマリスが本来得意としない場所での対応を目的とした装備であり、
足を止めて切り結ぶような戦闘はこの姿のキマリスにおいては不本意な戦闘場面であるといえる。
やはり高速突進からの突撃がこのキマリスにとっての主戦法であり、最も得意とするものであろう。
機体各所に存在するスラスターにより、後退はあまり得意ではないが直進性能、旋回性能は高く、
ガンダム・フレームに搭載された2基のリアクターによる高い出力、フレームが備える高い汎用性を活かした設計となっている。
厄祭戦ではガエリオ・ボードウィンの先祖、初代ボードウィン卿が乗り込み
ASW-G-01 ガンダム・バエルと共に肩を並べ戦い、厄祭戦に終止符を打った英雄的なMSとして有名であり、
終戦後禁止兵器となった
ダインスレイヴを搭載したキマリスヴィダールの姿では問題があると判断されたのかこちらの姿に換装を行い、式典などに参加していた。
だが数百年も経過すればその英雄的な行いも風化していき、他のセブンスターズのガンダム同様、「我が家の蔵」にしまい込まれ存在を忘れられていた。
しかし鉄華団の活躍に煮え湯を飲まされ続けてきたガエリオは自身のシュヴァルベ・グレイズをアインに下げ渡し、自身は保管庫からこの
ガンダム・フレームを引っ張り出してきたことで数百年ぶりに日の目を見ることになる。
なおガエリオは当時阿頼耶識関連の手術は受けていないため、コクピット周りは通常のプログラム式に換装している。
最大加速からの
グングニールの刺突が最大の武器であるが直線的な加速力に優れるあまり運動性能は低く、加速中は無防備になりやすい上に、
足を止めてしまうと
ナノラミネートアーマーの堅牢性があるとはいえ、一方的に攻撃を受けかねないなど弱点も多く抱えている。
バルカンを持たず射撃兵装は
グングニールの120mm機関砲しか無く、
スラッシュディスクもヒットすれば
ナノラミネートアーマーを切り裂くとはいえ、
超至近距離で不意打ち気味に発射しないとまともに当たるわけではない。
超加速の一撃離脱戦法が最大の武器にして、キマリス最大の弱点にもなりうる良くも悪くも両極端なMSであると言える。
セブンスターズが代々保有してきた
ガンダム・フレームであり、現存していることも含めて非常に希少なMS。
地上用等多くの換装用の装備があり、それらを短期間で次々に投入出来ているあたり骨董品扱いされてても倉庫に仕舞われてホコリを被っていたような状況でも潤沢な装備を整えたしっかりとした保管状況だったのが見て取れる。
コクピットを現代式に換装しているのはガエリオが阿頼耶識施術を行っていないためだろうが、マニュアル操縦式でもバルバトスを相手に反応で送れる様子を見せないあたりパイロットの非凡な操縦技量が見て取れる。
最終的にキマリスはバエルとの戦いに勝利し生き残ったが、マクギリスとの決着をつけたガエリオは身体補助の機械を外して車椅子生活となっており、もはや二度と戦うことはないのだろう。
本機もまたバエル同様、ヴィンゴールヴへ戻り再び眠りについたと思われる。
最終更新:2023年09月29日 02:03