ナノラミネートアーマー

【用語名】 ナノラミネートアーマー
【読み方】 なのらみねーとあーまー

【詳細】

鉄血世界においてモビルスーツに使用されている装甲技術。
エイハブ・リアクターが発するエイハブ粒子に反応する特殊な金属塗料をMSや戦艦の装甲表面に蒸着させ、皮膜にするというもの。

この塗料を用いた装甲はリアクターから発生した重力場の影響を受け、外部からの衝撃に適した複層分子配列を形成、結果として実弾射撃に対して高い防御力を発揮する。
原理的には幾層にも重なった高性能なクッションのようなもので、実弾及び炸薬に対してエネルギーを有した分子が衝撃を吸収・拡散することで無効化する。
そのためMSに対して銃撃は決定打になりにくいが、実際は極めて薄い塗料が装甲に蒸着されているだけのため、近距離からの打撃に弱い。

また、この装甲の表面は鏡面構造となっており、モビルアーマーの持つビーム兵器には極めて高い耐性を発揮する。
ただし、ビームの熱量は防げないため被弾が続けば内部には熱が籠もるため内部の機械部品やパイロットにはダメージが蓄積し、非装甲部位に流れてしまえばフレームが破損して行動不能になる場合もある。

厄祭戦が終結するとビーム兵器はモビルアーマーの脅威もあってか表舞台には出てこなくなり、一般には実弾射撃武器しか存在しなくなった。
ナノラミネート処理を施されたMSの鉄壁の防御力はモビルワーカーに搭載できる程度の武器では破ることができず、MSの優位性を確立するには十分すぎるほどの存在となった。

だが、対処法自体は今も昔も変わっていない。大質量による攻撃が有効のため、MSの剛力によって振るわれる近接武器ダインスレイヴによる攻撃が攻略の基本となる。
一般的な射撃武器も「有効打になりにくい」だけで過度の被弾による塗料の剥離や非装甲部位への被弾でダメージが通ることもあるため、多くのモビルスーツは2種の武装を両方備える。
上記の通り熱量攻撃も有効のため、現代ではビーム兵器でなく、対艦用ナパーム弾が対策として用意されている。

厄祭戦時はASW-G-29 ガンダム・アスタロトオリジンγナノラミネートソードというナノラミネート反応を破壊する効果を持つ武器を所持していたが、
これは当時の技術力を持ってしても安定性に欠き、現在では失われた技術となっているため実際の戦闘で見られることはまず無いと言っていい。

グレートメカニックによれば、塗料の色によって値段が決まるようで、青・緑・紫など実戦向きの色は高価。
バルバトスの大部分の装甲やグレイズ改の肩パーツに使われた「白」は最も安価。
ただ、色による性能の差はほとんどなく、戦場での非視認性の高さで価格に影響しているという。なお、グレイズ改の白い装甲が「弱い」と言われているのは、単純に装甲自体が脆いからである。
デザイナー対談では、「開発された当時は高価で性能も高かったかもしれない」と語られており、技術レベルが大幅に下降したとはいえ数百年も経過しているので、ある程度改良化されてきた可能性もある。

ちなみに、ASW-G-56 ガンダム・グレモリーにはナノラミネートコートと呼ばれる上位の装甲技術が使われており、本来弱点であるはずの物理攻撃にさえ高い耐性を有する。

【余談】

鉄血世界の銃器は実弾が基本であるが、「厄祭戦時にビーム兵器が発達しそれに対抗するためにナノラミネートアーマーが誕生、これによりビーム兵器は廃れた」と考えているファンが一定数存在する。
これに関する公式の発言は無かったため、ようやくビーム兵器らしきものをもつモビルアーマーが登場したことから、ナノラミネートアーマーの対ビーム耐性に関する作中描写に期待がかかっていた。

その結果…本文の通り、ほぼ効かないという驚きの結果となる。
チャドの発言を見る限り、ビーム兵器に対するナノラミネートアーマーの防御性能は知る人は知る情報だったようだ。
ナパームなどの高熱源に対する弱点ももしかすると「長時間続く熱源が弱点」というだけで、瞬間的なビーム着弾には強いのかもしれない。(工学的には非常に弱い説得力だが)

「だったら大気圏突破したバルバトスとかどうなるんだ」というツッコミが新しく入ることになるわけだが、これは熱を遮るがあったので大丈夫だったのかもしれない。ギャラルホルンにもそういったオプションがあるし。
まぁ単純に降下後に塗り直した可能性も高い。

なお、ビーム兵器とナノラミネートアーマーはモビルアーマーにセットで搭載されているため、上述の考察は否定されることになった。(開発の前後によってはまた話は違うかもしれないが)

【さらなる余談】

本作が初めて本格的に参戦した『SDガンダムGジェネレーション クロスレイズ』での効果は以下の通り。

BEAM属性によるダメージを3500軽減する。

これにより、弱点となりそうな他作品の格闘戦用ビーム兵器ですらほぼ効かないという代物と化しており、ツインバスターライフルやローエングリンといった他作品の強力なビーム兵器も並みのビームライフル程度のダメージで済んでしまうという事態も起きている。

その一方で、ドラグーンやGNビットといったいわゆる「サイコミュ」系の武器にはビームを撃って攻撃するものであっても効果を発揮しないため、そうした攻撃に弱くなっている。

本来の性能である射撃攻撃全般に対する高い耐性は再現されていないが、これはシステム的にSEED世界のフェイズシフト装甲と性能が被るためではないかと思われる。
ちなみにフェイズシフト装甲の弱点はビーム兵器だが、00世界はGN粒子を圧縮したビーム兵器が主流のためこれに強く、鉄血世界はナノラミネートアーマーによりそのビーム兵器に高い耐性を持つが、ビーム兵器以外の質量武器が豊富なSEED世界のMS(破砕球ミョルニル、ガーベラストレート、タクティカルアームズ等)との相性が悪いという、ゲーム性能とは別に独特の三すくみに近い状態になっているのは面白い。

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最終更新:2024年10月28日 11:44