「色んな屋台があって面白美味しいじゃないか。見た目を気にしないで虫とか木の実とかふんだんに使うのは勇気がないとできないよネ」
「もじゃ芋虫とぶんぶん羽の大青豆あわせにが辛ソースまぶし串焼けたよー」
「三色豆と樹ワラビの塩巻き串あがったよー」
「本当に色んな串焼きがあるんですね。今度
スラヴィアでもできないか提案してみましょうか」
「食材と調味料の数の倍乗の組み合わせ!日々メニューが増えていくんですよ!」
活気のある店主と踊るように次々と串を焼くハーピー二人の前で出される串を片っ端から平らげていく
モルテ。
「ふぅー食った食った。御満悦したヨー」
「毎度ありー」
「ではハンコどぞー」
ポンっとおでこに判が押される。
「
オルニトを回るとハンコがもらえるよー」
「いっぱい集めてねー」
「ほほぅ?面白そうじゃないか?」
モルテはおでこの判をそのままに次々と山頂から下る道に並ぶ屋台という屋台を制覇していった。
「いやー中々楽しかったナー。でも僕じゃなかったら脱出できなかったんじゃなイ?」
ここは堕ちた、いや墜ちた迷宮。風神
ハピカトルの力を色濃く受ける不可思議の魔窟。
その中から意気揚々と出てくるモルテ。
「驚いたな。アンタ入って一日で出てくるなんざ初めて見たよ。いやー長生きはするもんだ」
「一日?三時間くらいじゃなかったっけ?」
「この迷宮の中は風神の力であらゆる事象が歪んでいますから、時間も空間もおかしなことになっているんでしょうね。
それはそうと出てこれたのは入り口からずっと闇糸を伸ばしてくれていた闇さんのおかげですよ?モルテははしゃいで奥に行って迷っただけですよ」
「もっ、もんっ」
「はっはっは、そいつは便利なものがあるもんだ!何はともあれ無事出てこれた記念にスタンプを押そう。台紙か何かあるかい?」
「ほっほー。空に向かって水が流れているなんて面白凄い風景じゃないか!」
「これも風神の力の影響みたいですね。浮島によっては横に空を流れる滝もあるみたいですよ」
「ピヨー。空から降ってくる水しぶきにご注意下さい」
「これ浮島に昇って行った水ってどうなんのサ?」
「落っこちてくるんです」
「そこは普通なんダ?」
「ピヨー。明日頃には島の滝壺も満杯になるので水がわーっと落っこちてくるのが見れます」
見上げる空の上では浮島の冠の如く太く大きな虹が掛かっている。
「ご観覧ありがとうございます。ではハンコを押します。ピヨー」
「いやだから何で僕のおでこにハンコを押すのサ?!」
「紙にスタンプを押すバイトなのです」
「紙、かみ…神、あぁ成程そうなのですね。ところで貴女は他で見かけない服を着ているのですね」
「ピヨー。十津那学園のセーラー服です。帰還祭で帰って来たらお友達のハーピーにバイトをお願いされたのでスタンプを押しています」
「何だか沢山スタンプがたまってきたネー。…これためたらどうなるんだろ?」
「それは大
ゲート祭が終わった時のお楽しみなのではありませんか?」
「よーっし、こうなったらとことん巡って集めてやろう!」
モルテとサミュラのオルニト観光はまだ始まったばかりであった。
- 帰還祭でハーピー人員増えるのいいね。モルサミュわむ -- (名無しさん) 2017-06-20 21:48:58
- 神は世界の全てを知っていると思ってたがそうでもないのかな -- (名無しさん) 2017-06-20 23:14:41
- モルテまさかのスタンプ集め優勝か? -- (名無しさん) 2017-06-21 17:39:50
最終更新:2017年06月20日 01:50