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世界の外側

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匿名ユーザー

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太陽と幾つかの雲が浮かんだ空の下、大量のゴミ袋に埋もれながら、僕は目を覚ました。腐った食べ物だとか、何かの木の落ち葉だとか、そういった種々の、世界から吐き出された屑たちの臭いが溶け合い、嗅覚を通して起き抜けの頭に絡みついてくる。体中が痛かった。家を出てからの三日間、殆どぶっ通しで自転車を漕いできたことの代償だろう。精神的にも肉体的にも、僕は限界を迎えつつあった。目の前の光景と、昨夜ここを寝床に決めたときの記憶から、僕は現状を理解しようとした。この旅を始めたばかりの頃は、漫画喫茶や健康ランドを使えば、少なくとも睡眠に関しては快適が約束されるだろうと考えていた。しかし、当然な

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