―――
「スゥー――ハァー。」
ここにある古ぼけた時計の針が示す時間は9時だ。
この時計は実家から持ち出した時、一番耳障りにならなかった時計だ。
今では時間確認等は携帯を使っているが、ここにある儀式の時に近代科学の英知の結晶は悪影響の可能性がある。
だから古時計を使う。
………………
自分にしか分からない音であの時計が9時の時間を示す針に行った。
メガネを外し、感覚を鋭くする。木が風によってゆすられるなんとも無い音が激音と勘違いするほどに鋭く響く。
そうして私(あたし)は魔力を集めた。
日本では今が9時だ、しかし今こそが丁度この土地、オランダにおける2時だ。
詠唱を始める
「閉じよ(満たせ)。閉じよ(満たせ)。閉じよ(満たせ)。閉じよ(満たせ)。閉じよ(満たせ)。
繰り返す都度に五度、ただ満たされるときを破却する…ッ!」
自分から出てくる声でさえ研ぎ澄まされた感覚にはヅキヅキと脳味噌を釘やら針やら鋭い物で刺してくる凶器になる。
「告げる…
汝の身は我が下に。我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄る辺にに従い、この意この理に従うならば応えよ…ッゥ!」
その上自分から出ていく”力”は3mmぐらいのトゲトゲの石が全身の毛穴から突き破って出て行く様だ
ああ、くそ――――煩い、醜い、不味い、臭い、暑い、痛い……!
こんな大魔術をやるなんて私には無理だったんだ。やめたい、止めたい、駄目だ、無理だ、無駄だ……
「…ッ誓いを、此処に。
我は、常世総ての善と成る者。
我は常世総ての、悪を敷く者。」
けれど、ここでやめては妹はどうなる。
私はこんな人間だ。
どうせ呪いを解いたって、幸せなんて物を掴むことなんかできないだろう。
だけど、妹は、朱音はこんな私の為に涙を流す。私なんかの痛みを自分の痛みだと言う様に苦しみ、悲しみ、傷付く。
絶対に魔術師なんかにならせやしない。魔術師の道具になんかならせたりしてたまるものか。
あの子が幸せになる事は例え神様にだって邪魔させない。
これは緋色(あたし)の正義(わがまま)だ、緋色(あたし)の苦しみだ(独りよがりだ)。
だったらこのぐらいの感覚ぐらい我慢しろ死にはしないんだ、まだ私は戦いの場にすら立っていないのだから――――
「汝三大の!言霊をまとう七天!抑止の輪より来たれ…ッゥ!!、天秤の、守り手よ――――
真っ白になる。全てが真っ白だ。
何の感覚も無くただただ熱くも無く、寒くも無く、温かいと言う感覚に包まれる。
日差しのような感覚だ、嫌、私が日差しを受けたら焼ける様な痛みを負うはずだ。
しかしこれは、確かまだこの呪い(超感覚)を受ける前の頃に野原で日向に当たってポカポカとした感覚。
まだ、父や母、両親が魔術師としての顔を私達に見せなかった頃の温かさ。
そんな、ただただ優しい、子を思う無償の愛の温かさ………
――――――――――
「ッ、!あれ、私は?…召喚は!?」
久々の熟睡によって出た支離滅裂な言語
しかしそれの答えが出る声が聞こえた。
「よ、起きたかい?嬢ちゃん。
起きていきなりの質問悪いが、あんたが―――俺のマスターか」
それはもしかしたら私達を魔術師から救う英雄。
それは呪いからでさえ温かさ(優しさ)を感じる太陽――
これが私達のFate(運命)の出会い
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
かーいて楽しい泥いちもんめ
ながくて苦しい泥いちもんめ
あいつがネタい。あいつじゃわからん、その子がシコい、その子じゃわからん。そう、書きましょう、そうしましょ、IEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!
聖杯戦争って早めの召喚できるしいいよね・・・
最終更新:2016年09月28日 01:19