日村裕也:プリカンダカムイ・OP

先日まで北海道にいた。修学旅行とか帰省とかそういう楽しい行事ならよかったんだが、どうしてこう厄介ごとが尽きないんですかねぇ裕也さんの周りは。
とにかく、例によって例のごとく。
厄介ごとに巻き込まれ。成り行きで出会った白装束の少女に、ある『お願い』をされ。
その、彼女のお願いの内容は省略させてもらうが、病院送り確実な目に遭いつつも何とかその『お願い』を叶えた。
ある民族に伝わる、黒い河(クンネ・ペット)と呼ばれた川。鬱蒼と茂る森と山を三度も潜り抜けた場所。文明の届かぬ世界。
そこで相争い続けたカムイ(善なる霊)とウェンカムイ(悪成す霊)。
荒ぶる熊の化身たち。
俺と、そして彼女の尽力の甲斐もあり、今はもう互いに争ってはいないが――――俺は、二匹の墓代わりに建てられた巨石の前にしゃがみこんで手を合わせ、それから立ち上がった。
そこへ彼女が声をかけてきた。

「ゅぅゃさん、両手に傷が……」

確かに両手には傷が残っていた。
時間経過によって弱まっていたとはいえ、ここに残留してたあの幽霊たちは相当なものだったらしく、傍に立っていただけでもこうして余波を受けたようだ。

「これぐらい唾付けとけばすぐ直る。それよりアンタのほうは大丈夫なのか」

ええ、とうなずく。
そして、「その傷、まるで、クマの引っ掻き傷みたいですね」とそう言われて、改めて両手の甲を見る。

左手に刻まれた、荒々しい″三本の傷痕″。右手に刻まれた、模様のように見える″五本の刺し傷″。

確かに、まるであの二柱……二匹か? に引っ掻かれた後みたいだった。

そういえばと彼女は言う。
「5というのは安定といった意味を持つそうです。もしかしたらあのカムイがゅぅゃさんの生活を見かねて、安定をくれたのかもしれませんよ?」
そして、微笑んだ。
もしかしたらそうなのかもな、そう言って俺も笑って返したのだった。

これにて一件落着。
さて帰ろうとしたところで。

「やべえ、そういやここ北海道だったな……」

とにかく、そんな別世界的な僻地から原チャも車も無しでなんとか歩いて空港に行って飛行機へ。
高校生がそんなもん乗れるのかって? 成功報酬ってことで帰りのチケットをもらったんだな超珍しく。
まぁ好きで顔突っ込んでるからいつもはお断りしたりすんだけど。今回は流石に泳いで家に帰るってわけにもいかず、有り難く戴いた。
そして案内に言われるまま飛行機に搭乗し。
死ぬほど疲れてる、と一応コマンド―ごっこをしてから熟睡。

そして目が覚め。
気づけばオランダに居た。

……………いや、なんでこうなるんですかねぇーー!?



生き残りたい生き残れないただ生きていたくなる
テストプレイの結果、流石にデッドエンドが近すぎるので追い泥に次ぐ追い泥。
作者でもないのにこんな追い泥しちゃって……許しておくれ

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最終更新:2016年09月29日 00:22