バリ

【元ネタ】インド神話、バーガヴァタ・プラーナ
【CLASS】ライダー
【真名】バリ
【性別】男性
【身長・体重】206㎝・98kg
【属性】秩序・善/魔性
【天地人】地
【ステータス】筋力:A+ 耐久:B 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:B 宝具:A++

【クラス別スキル
 騎乗:A+
 乗り物を乗りこなす能力。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
 A+ランクでは竜種を除くすべての獣、乗り物を乗りこなすことができる。

 対魔力:B
 魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
 Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

【固有スキル】
 阿修羅の魔:B
 いわばアスラ族版の鬼種の魔。アスラ族の異能と魔性を現すスキル。
 天性の魔、魔力放出、怪力、カリスマなども含んでいるがバリの場合は宝具の影響も相まって魔力放出(光)の様相を呈している。

 毘紐天の加護:A+
 ヴィシュヌ神への深い帰依と修行によりその加護を得たバリはインドラ神をも超える力を身に着けたとされている。
 このスキルによって能力の底上げが可能な一方で帰依が深い余り、ヴィシュヌ神の関係者、同じようにその加護を得た者、またそういった武器を相手にした場合
 受けるダメージが倍増し、逆にその相手を傷つけにくくなる弱点を抱えている。

 彼岸の楽園:-
 バリの徳に感心したヴィシュヌ神より与えられた病や苦しみ、困難の無い地底世界パーターラ第三層スタラ。
 それを反映したこのスキルは発動させた場合、バリに与えられた傷を癒し一定時間だけあらゆる攻撃を防ぐ事が可能となっている。
 代わりに一度の召喚で使用できるのは三回に限られている上に、スタラの争いも無い世界という面も出てしまい使用中はバリ自身の攻撃力が低下してしまう。

【宝具】
『陽天翔ける七頭馬王(ウッチャイヒシュラヴァス)』
 ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:2~70 最大捕捉:70人
 神族とアスラ族が手を組んで秘薬アムリタを求めた乳海撹拌の際に産まれ出でた幻獣の一匹。七つの頭を持った白馬であり翼を持たずとも天を力強く翔ける。
 元はインドラ神の所有物だったがバリが天界を攻め落とした時に彼が所持するようになった。
 太陽を引く馬とも同一視され、蒼天を翔けて太陽を動かす勢いそのままに突撃すれば轢かれたモノは尽くが黄道にへばり付くシミと化す。
 また七つの頭がある馬が突っ込んでくるのはそれだけで恐ろしい光景である。
 言いにくいのか舌を噛むのか真名開放云々以前にまともにこの宝具の名前を呼ぶのはバリだけで、他からの呼び方はもっぱら「馬」である。

『三界照らせし偉大なる王光(マハー・バリ)』
 ランク:A++ 種別:対界宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:300人
 三界を光で満たし世を幸せに治めた魔王、偉大であることを示すマハーの名を以て呼ばれたバリの逸話の具現。世界を治めたが故に分類は対界宝具となっている。
 世界を満たした光と王としての偉光を身に纏う事によりバリ自身を強化する宝具であるが、バリは自らを取り巻くこの光を武器としても用いレーザーを放つ事や光を様々な得物に変えての白兵戦も可能。
 レーザーは一度に複数本を発射する事も一点集束型の光熱線として放つ事もでき、得物の変形は通常振るう剣のみならず槍や弓矢等への変化も行えてある程度幅広い対応が出来るようになっている。
 この宝具によって更に強化されたアスラ族の肉体を用いた体術と融通無碍に変化する光を使った戦いこそがバリの真骨頂。

【Weapon】
 光刃を持つ剣。これは彼がかつて振るっていた武器ではなくサーヴァントとして現界した際に素手では何かと不都合だろうと生み出したもの。
 光で刃を形作っているだけの代物であるため、瞬時の自在な形状の変化や破損してもすぐに次の刃を用意出来るのが利点。

【解説】
 アスラの中の一つダイティヤ族の王。
 アスラであるにも関わらず熱心にヴィシュヌ神を信仰したプラフラーダを祖父に持ち、その薫陶を受けて育った彼もまたヴィシュヌ神に篤く帰依していたと言う。
 祖父の薫陶とヴィシュヌ神への帰依の中で力を身に付けていったバリは公正かつ献身的で高潔な王となってアスラ族を率いていた。
 ある時彼の父のヴィローチャナがインドラ神との戦いに敗れるとその仇討ちとして軍を率いて天界へと侵攻を開始、天の都アマラーヴァティーを攻め落とし
 インドラ神を始めとしたデーヴァ神族を打ち破ってアスラの住む地下世界だけでなく天界、そして人界をも含めた三界を支配する王となったとされている。
 しかし支配したとは言え彼の治世は決して人々を苦しめるような物ではなく、三界は遍く光に照らされ、富は溢れ、喜びに満ち、民は苦しむ事がなかったと褒め称えられる物であった。
 ヴィシュヌ神の加護により天上の神をも超える力を得て世界を統治した魔王バリ、それでも尚神々はアスラではなく自分達こそが世を治めるべきだと願っていた。
 やがてその願いを聞き届けた者がいた、他ならぬヴィシュヌ神である。
 数々の化身を持つヴィシュヌ神は母神アディティとその夫カシュヤパの子、ヴァーマナ(矮人)へ転生する。
 バラモンの少年となったヴァーマナはバリが祭にて人々に施しを与えている場に向かうと自分の土地として三歩歩いた範囲だけを欲しいと願い出た。
 この時バリの傍らに控える彼の師ウシャナーはヴァーマナがヴィシュヌ神の化身である事、そして神々の策である事をバリへと忠告するが、
 それを理解した上で尚バリはダルマ(法)と約束を守る事を選び、このヴァーマナの願いを聞き入れる。
 瞬間、矮人であったヴァーマナが全世界を覆う程に巨大化し、一歩目と二歩目にして三界全てを跨ぎきってしまった。
 もはやバリの領地は天地の狭間の何処にも存在しない。
 それでも彼は"三歩分の土地を与える"と言う約束を守るために最後の領地として自らの額をヴァーマナが三歩目を降ろす場所に差し出した。
 ――こうして世界は再び神々の元へ取り戻される事になる。
 だがバリも全てを失った訳ではなかった。
 己が額を差し出してまで約束を守ろうとするバリの徳に感心したヴィシュヌ神により、地底世界パーターラ第三層スタラがバリとその家族の安寧の地として与えられたのである。
 そして後の世の天帝の座が約束されたバリは世界が巡り、その時が来るまでスタラにて現世の安寧を祈っているという。
 また一年に一度、民の幸福を保障する為に地上へ戻ってくるとも言い伝えられておりオナムと言う祭で盛大に祝われるなど今でも慕われる存在となっている。
 魔王にして善王――それこそがアスラ王バリという男である。

【サーヴァントとして】
 天界を攻め落とし天、地、人の三界を征服しながらもその治世は遍く光と富に溢れ、人々を幸せにしたと伝えられている善き阿修羅王。
 それだけに善を為そうとするマスターならば喜んで力を貸すが、理不尽に他を苦しめるような輩は己の力を以て阻もうとするだろう。 
 父親の仇討ちに端を発して天界を攻め落とした通り、一たび戦闘となればアスラとしての強さを見せつける。
 とはいえ普段は誠実かつ穏やかな性格であり、たとえ相手が敵であろうとも一度交わした約束ならば律儀に守るが、これは誓約などではなくただ単純に彼自身の気質によるもの。
 それ故に彼が勝手におかしな約束を結ばないかどうかマスターは目を光らせておく必要があるかもしれない。

 本来ならば神超えも果たした彼がこうしてサーヴァントとして召喚できるのはスキルでも所有しているヴィシュヌ神の加護により自らの力を一定まで制限しているため。
 その加護により力を得る事が可能ならば逆に使用して力を落とす事も可能とした。
 聖杯戦争に参加するにあたり別段これといった願いは聖杯に求めていないが、己を必要としたり助けを求める者がいるならばその呼び掛けに応えて参戦するのも吝かではないと考えている。
 つまりはドの付くお人好し。
 バリ自身は今も地底世界スタラにて現世の安寧を祈り一年に一度、オナムという祭の際に地上に戻ってくると伝えられているため厳密には死者ではない。
 にも関わらず座に記録されサーヴァントとして召喚できるのは彼がヴァーマナの三歩目を額で受けた際に五体が砕け散り、その一片一片が聖別されあらゆる宝石となった
 というパターンの伝承も存在しておりそこから記録された事による。

 アスラ族と言っても彼自身は恵まれた体躯に色白の肌を持った美丈夫である。
 ヒトと差の無い姿をしているため、普段は召喚された時代の衣服を(サイズさえ合えば)着ていることも多い。

 上記の一年に一度は地上に戻ってくるという話から召喚されたサーヴァント達の中でもかなり現代に馴染みやすく常識的。
 それどころかマスターが自信満々に教えた現代の知識が間違っているとツッコまれる恐れすらあるので注意。
 ゲームなどでは本編を進めつつもきっちりミニイベントをこなしNPC間の問題を解決してクリアするタイプ。

【没案】
 宝具による三つのステータス上昇段階。
 統治順にアスラ族の住まう「地界」、攻め落とした「天界」、民を治めた「人界」の三段階だけど通常を地とすれば令呪によるブーストで疑似的な天と人の再現も可能?

【コメント】
 TRPGよりSS内で主人公陣営に中盤で立ちはだかる大きな壁の役割を想定、いい王様なんだけど主役ではなく乗り越える壁。
 インド、王様、人外の三要素で盛り過ぎな気は無きにしも非ず。
 あとスキルの影響で魔性特効のブラフマーストラ撃てるラーマ君やナラシンハ辺りに攻撃されるとかなり痛いはず…。
 他のヴィシュヌ神の化身はヤジュニャ・プルシャ、マツヤ、クールマ、パラシュラーマ、クリシュナ、カルキ…等結構いる、多い。

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最終更新:2016年10月05日 02:32