無名の猫

【元ネタ】『吾輩は猫である』、夏目漱石の飼い猫
【CLASS】キャスター
【真名】無名の猫
【性別】オス
【身長・体重】共に成熟したオス猫相当
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力:D 耐久:D 敏捷:B 魔力:C 幸運:C 宝具:A

【クラス別スキル
 陣地作成(猫):B
 マスターに限らずどこかの家の敷地内に勝手に上がり込み飼い猫、もしくは野良猫の如く居座り己が住処とする。…が、時としてそこの家の者に物理的排除をくらう場合も。

 単独行動(猫):B
 本来ならばアーチャーのクラススキル。彼の場合においては猫らしい気ままさの表れ。主人も知らぬ間に彼自身気の赴くまま召喚された今生を往来する。

 気配遮断(猫):A
 同じく本来ならばアサシンのクラススキル。ふいと姿を消してはどこかへ忍び込み、また彼のみぞ知る人の日常を垣間見る。

【固有スキル】
 猫の目:A+
 生前よりこの目を以て世の中の人の暮らしを眺めてきた。彼自身の目を通して眼前にて起こる出来事を解釈しその脳裏に留めておく。
 マスターが求めればその出来事を語って聞かせてくれることもある。

 人間観察:B+
 人々を観察し、理解する技術。観察こそが彼の物語そのものであったが、彼の場合はここに猫族なりの視点が入ってくる。

 動物会話:B
 ただし主に通じるのは猫限定。かつて烏の勘公たちに対して話しかけた時は阿呆阿呆と返されたためこのランクに留まっている。

【宝具】
 『吾輩は猫である(わがはいはねこである)』
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大捕捉:6人
 無名の猫である彼の生涯とその物語を宝具としたもの。彼が見聞きした事柄を元に対象へ諷刺を加えることで、対象自身も知らぬ内に猫の見聞録となりその内容が影響として対象へ与えられる。
 己の主人も対象に含める事が可能だがこの宝具そのものの殺傷力は皆無に等しく、いいとこ秘密を暴き立てる程度。

【Weapon】
 爪。引っ掻けば傷を残し、木に登る時には取っ掛かりとなる。
 しかし如何せんどこまでいっても所詮猫の爪である…。歯が立たないならぬ爪が立たないという事態に陥りかねない。

【解説】
 言わずと知れた明治の大文豪夏目漱石の処女作品『吾輩は猫である』の主人公…が、当の漱石邸で飼われていた猫の殻を被る形で召喚されたもの。一人称はもちろん「吾輩」。
 サーヴァントとして現界した影響により人語を理解するのみか会話すら可能になったが、哀しいかな猫という種族の構造上
 どんなに頑張ろうとも人の如くペンを握り筆記することは叶わぬ。彼の言葉を拝借すれば「人の手も借りたい」。
 召喚された先においても満天下の智慧を秘めると豪語する脳を収めた額の下に、丸く据えたる両眼と三寸にすら満たずとも峻険な舌で
 聖杯戦争に集った太平の逸民たるマスター、サーヴァント達を諷刺していく。無論それは彼の新たな主人となった者すら例外ではない。
 マスターではなく主人、サーヴァントではなく飼い猫。召喚された場合は通常のサーヴァントよりも本来の意味での使い魔らしい運用が向くと思われる。
 名前に関しては小説内はおろか現実に飼われていた猫すらも名前が無くただ「猫、猫」とばかり呼ばれていた。故に無名。
 しかし名無しとはいえど己が何者でもない曖々然として昧々然たる状態にもならず、苦沙弥先生の変人臥竜窟に身を置いてから
 主人たる珍野苦沙弥にしばしば寒月、迷亭らを始めとする明治の御世に生きる太平の人々を観察して暮らし
 麦酒に酔って水甕で極楽往生を遂げるまでのわずか三年足らずの間に人間界を存分に見聞し育まれた確固たる自己を有する猫である。
 とある聖杯戦争において出会った三毛子嬢とはまた別種の美しさを備える長靴を履いた女性(にょしょう)に胸の高鳴りを覚えるものの
 彼女の持つ獣狩りで追いかけ回されて以来、西洋の御婦人は気性が荒い、魚屋の天秤棒より恐ろしい、もう会うのは御免蒙るよとぼやいている。

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最終更新:2016年10月05日 06:07