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ああ、すばらしきお泊り会 就寝×起床×約束 B面

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だれでも歓迎! 編集
いつものこの時間なら、鳥の鳴き声が聞こえるはず。
今日に限ってはそんなの聞こえない。そんなのを聞くために神経を使うはずが無い。
五感すべて、こなたを感じる為だけに使っていた。
私の下で微かに震えながらも受け入れてくれているこなたを感じるためだけに。
心臓がこめかみに移動したみたいに音が激しい。
ずっと舌を絡めていたいのに、呼吸をしなきゃいけないからどうしても口を外してしまう。
私はまだ呼吸が出来ている方かもしれない。
こなたは自然と(少し意識して流し込んでた部分もあるけど)私の唾液も飲み込んでるから私よりも呼吸が荒い。
上下する薄い胸とお腹と体温を、上に圧し掛かっている私はパジャマ越しの肌とパジャマに滑り込ませた手で感じていた。

「かっ……かが、み、苦し……っ!!」
「え!? ご、ごめん……」

抱きしめている腕の肩辺りを少し強く叩かれて、ようやく私はやりすぎたんだと自覚した。
慌てて謝りながら離れると、こなたも息を整えながらなぜか怒られた子供みたいな表情をする。
深呼吸で息を整えてるつもりなんだろうけど、それが出来てなくて途切れ途切れの浅い呼吸になってしまっている。
いつもの猫口笑顔なこなたと本当に同一人物なのかと思ってしまうほど扇情的なこなたが私の下にいた。
やば、落ち着け、止まれ、私の欲望。

「あ、あの……こなた、大丈夫?」
「へ?」
「今の『ストップ』ってことでしょ?」

「え?」と一言呟いてこなたがちょっと首を傾げた。その後「あ」と納得したように呟く。
今度は「うー……」と恥ずかしそうに呟いていた

「だ、大丈夫だから、続き……して?」
「はぐっ!!」

心臓が激しく収縮した。よりいっそうの血液が体中に送られる。
漫画的表現で言えば私の心臓は銃で撃ち抜かれてるだろう。
ただでさえ激しく動いていた心臓だったのに、どれだけ心臓を酷使してるんだろう私は。
左胸を押さえつつ目を閉じて呼吸を整える。
動悸が治るはずも無いけど動けるぐらいにはなったので長く息を吐いて目を開けた。
遠慮してしまったので、こなたの上着の中にすごく中途半端に入っている指を動かす。
いきなり胸までいってしまっていいのか分からずに、うっすらと肋骨を感じる所を骨の窪みにそって指を滑らした。
中央部から側面へ撫でた後、一つ上の骨の間に指を動かし側面から中央部へ。

「ん、くっ……ふっ、ぁ……かがみっ……そ、それはくすぐったいよっ」
「仕方ないでしょ!?」

自分の欲望に従ったら、それこそ最初から下の方へ手を動かしてしまいそうで。
でもそれをしてしまったらストップをかけられても私はきっと止まらない。
そんな自分の考えを「仕方ない」の一言で伝えられるわけは無いけど、どうやら指に力が入ってしまったらしい。

「ひぁっ!? ちょっ……つ、爪は立てないで……!」
「ご、ごめん……」

爪を立ててごめんなさい。あと、そのこなたの声を聞いて、わざと爪を立てようかな、なんて思ってごめんなさい。
くすぐったいと言われたんだから胸まで手を移動させてもいいんだろうか。
いや、その前に上着を捲るべきか? 捲っちゃっていいのか? 捲りたい。見たい!
……って、だから落ち着け私!!

「えーっと……上着、捲っていい……?」
「ふ、普通それ聞く!?」
「だっていきなりされたら困るでしょ!?」

こなたが視線を逸らして照れを逃がそうとしていた。
ものすごく困ってるのが分かる。
私は何でこんな事を聞いたんだろう。いきなり襲ってしまった事を気にしているから?
……それもあるけど、多分聞きたいからだ。「いいよ」というこなたの三文字を。

「あ、あのね。私は了解したし……本当に『ストップ』かける時は」

こなたがポンポンとベッドを二回叩く。

「こういう動作するから……だから、それ以外なら、続けて……いいし」

いちいちしてもいいかなんて聞かなくていいから。
最後の方は声に出してないから、口パクから読み取ったけど。
私は口パクを都合の言い様に解釈はしてないだろうか?
これは、えっと、あれ? 何だっけ。据え膳?
夢じゃないわよね? と頬をつねりはしないけど何度も自問していたら
小さな声で「ヘタレかがみ」とこなたが呟いたのが聞こえた。酷い。
そこまで言うなら、少し自分に正直に行動しようと反射的に唾を飲み込んだ。
こなたが私に視線を戻したのと、私がゆっくりこなたの上着を首まで捲ったのが同時。
下にいるこなたの顔が真っ赤に染まる。学校で私をからかうときの片鱗が欠片も無い。
胸を凝視するつもりは多分無かったけど視線が動かなかった。
前にお風呂入ったときに見たけど全然違う。
場所も、距離も、状況も。
とてつもない高揚感。全部見たいと、手に入れたいと、触れたいと煩い位に心が叫んでる。

「か、かがみもっ……脱ぐべきだよ」
「あ……あ、そ、そうねっ」

やばい、別世界に行ってた。
裏返ったこなたの声が何を言っていたのか分かってないのに同意した。
返事をした後に何を言われたのか分かったので反応が遅れたけど、
私が自分のパジャマのボタンに手を伸ばす前に、こなたの小さな手が私の上着を脱がしにかかっていた。

「こ、こなた?」
「……私が脱がすよ」

かすかに震えている指が、パジャマなので大きめのボタンを外していく。
何だろう、確かに恥ずかしいんだけども嬉しい。
脱がし脱がしてもらうという行為が、こなたが私を受け入れてくれているんだと認識させてくれた。
全部のボタンが外され、こなたの動きが止まる。
見られるというのは思った以上に恥ずかしいものだったので、私は左手で露になっているこなたの右胸に触れた。

「ふぁっ!?」

聞いたことの無い声。誰にも聞かせたくないこなたの声。
手の平に力を入れて(失礼かもしれないが)薄い胸を堪能する。
胸の先端にある、硬くなってくれているそれを人差し指と中指の間に軽く挟んで持ち上げた。
右胸でもこなたの心臓の音を感じる。それだけ強く動いている。
敷かれているシーツを強く握り締めている手。
私の手の動きに反応して振るえる小さな身体。
上気した肌でいつもと違う、妙に色気のある表情。
全部が私の理性を次々と崩していく。

「んっ……ん、はっぁ……」

堪える唇から溢れる喘ぎ。
指に少し力を込めると、一際色の付いた声をあげて仰け反った。
仰け反った首筋に思わず唇を寄せ、シャツを避けて今度は鎖骨へ。
そのまま胸の方へと舌を這わせた。あくまで胸ではなく、胸の方。
周りを回って声と反応を見た後に耳を左胸へとつけた。
ドクドクと血液を送り出す音が脳へ届く。こなたが生きている証拠の音。
心臓の音は落ち着くと言うけど、確かにそうなのかもしれない。
でも左手ではちゃっかりこなたの右胸を堪能している辺り落ち着いているのかそうでないのか。
こなたの鼓動を確認した後、一番鼓動を強く感じる場所に唇を寄せて吸い上げた。

「い……っ!! あ、ふぅ……かがみ……?」
「痛かった……?」
「す、少しだけ」

吸った部分を確認すると、予想通り赤くなっていた。
ある程度加減したから数日で治る内出血だと思う。
でも、こなたの肌に残るその赤色はとても私を満足させた。
こうやって私はこなたに触れたんだと、こなたの身体に証拠を残したから。
一番こなたの心臓に近い、左胸に。
満足感が私を包む、けど足りない。
今度は心臓の位置ではなく自己主張している先端を一回舌で突付き、口に含んだ。
今まで以上にこなたが反応した。けど声は抑えこんだみたいだった。
ただ仰け反ってるだけだろうけれども、今の私たちの体勢が体勢だけに胸を私に押し付けているようで。
頭の中を『快楽に従順なこなた』が横切った。
左手は動かしつつ、口では赤ん坊のように胸を吸う。いや、ちょっと違うか。
赤ん坊はこんな快楽を与えるような吸い方はしないだろう。
本能に従ってるという点では似てるかもしれないけど。
口を離して唾液で濡れてるそこに軽く息を吹きかけると、こなたは何かを振り払うかのように頭を横に振っていた。
その余裕をなくしてやりたいと、わざと音を立てて吸ってみると、こなたはシーツを握り締めていた手を口に当てて噛んでいた。
大声を出さないためなのか、痛みで気を紛らわせたいのか。
どちらにしても嫌だった。

「こなた……手、外して」

身体を少し起こしてこなたの手を口から離す。
思うように唾液も飲み込めないのか、歯形と口とを唾液が伸びた。
あ、やっぱり歯形がついてるし。
見るからに強く噛んだ事が伺えて、痛みを治す事なんて出来ないのにその歯形の痕に舌を這わせた。

「なっ、ぁ……かがみっ!?」

舌に力を入れて、歯の一個一個の痕を綺麗になぞる。
唾液が混じる。舐められているこなたの指に力が入って震えていた。
それすら愛しく思える。

「もうい、いっ……かがみぃ、もう……!」

何が「もういい」のかは理解してない。
手はもう舐めないで、という意味なのかと手を離すと間髪いれずにこなたが抱きついてきた。
腕だけじゃなく足も絡めてくる。思わず呼吸が止まった。
酸素を求めて開いてるんだろう口が、私を待っているように見えて欲望のまま塞いだ。
舌は入れてない。こなたの声を聞きたかったから。
啄ばむように何度も唇を重ねつつ、少し腰を曲げてこなたとの間に隙間を作る。
胸を触っていない方の手を胸やお腹を伝って下へと移動させた。
そろそろ触ってもいいかな、と思ったから。
どこを触られるのか分かったのか、急にこなたの方が腕に力を入れて下からキスしてきた。
しかも舌を入れて絡めてくる。声を出さないための対策、なんだろうけど思わず手が止まってしまった。
止まった腕だけどすぐに動かして、パジャマ越しに目的地に触れる。
熱くて、パジャマ越しでも湿っていると分かった。どれだけ感じているのか分かって嬉しい。
……私もきっと似たようなものだろうけど。
指に力を込めてお尻の方から撫でると微かに湿った音と、ぬるっとした感覚が伝わった。

「ひゃ、ぁっ……ぁ、うっ……ん、んっ!!」

暴走していた私でも、こなたの喘ぎに混じる怯えを感じ取った。
喘ぎと言うより嗚咽に近い声に顔を上げる。
ぎゅっと強く瞑っている瞳から横に一筋涙が流れてシーツに吸い込まれた。

「こなた……?」

呼びかけると、潤んだ瞳が開かれてそのまま肩に近づいてきた。
何だろうと思う暇も無く激痛が走る。
さっきこなた自身の手に痕をつけた歯が今度は私の肩に噛み付いていた。
パジャマの上からでも肉が押しつぶされる痛みが脳に響く。
慌ててベッドの手をついて少し身体を離した。
それでもこなたは訴えるような嗚咽をあげて肩に噛み付いている。

「う、ぅうっ……ん、うっ!!」
「こなっ……痛っ……!! ……お、落ち着いて、泣かないで」

落ち着かせるために、子供をあやす時の様に頭を撫でながら耳元で言い聞かす。
ゆっくりと肩の痛みと熱い温度のそれが引いていった。
まだ押しつぶされた肉や筋肉の痛みはあるけど、それはいい。
怯えているような、怖がってるようなこなたを見つめて尋ねる。

「……怖いんでしょ?」

怖がらせないように微笑みながら尋ねる。
パチパチと何度か瞬きをして涙を落としながらこなたが頷いた。

「私が怖い?」
「ち、違うっ……違うんだよ」

こなたが私の背中から手を離して溢れた涙をぬぐう。

「あー……痛くなるから擦るなってば」

結構強く擦っているみたいで、泣いたからと言うのもあるだろうけど目元が赤い。
まだ擦ろうとしている手をそうしないように握り締めて行動を抑えた。

「私が怖いのは……かがみが私の体に触れるたびに、そこから変な感覚がきて、変な気分になって……
 お腹の奥もジンジンして、頭がぼーってなって、何も考えられないのにかがみの事だけははっきり分かって」

まだ混乱してるみたいで、途切れ途切れだけど一生懸命に何が怖いのかを伝えてくれる。
怖いのは『私』ではないらしい。
それにそれは遠まわしに「感じていた」と言っているような気がするけど……それを今指摘するほど私は空気の読めない人間じゃない。

「嫌じゃないのに、体中が熱くて変な感覚で、それがすべてになりそうで、私がどうかなっちゃいそうで……怖い」

つまり……こなたの言う事を私の中で勝手に都合よく解釈したら。
「快楽に慣れてないので、感じると言う事を自分の中でどう対処していいのか分からない」……という事、だろう。
そう言われてもまだ続きを望むほど私は暴走はしていない。いや、望むけど実行はしない。
ストップをかけられたらやめると言ったし、こなたがここまで受け入れてくれて嬉しかったし。
こなたの上からどいて、隣で横になった。離れるとベッドから落ちそうになるから結構くっついて。
まだ捲ったままだったこなたの上着を下ろして、ぽかんとしているこなたを胸に抱いた。
あ、私パジャマ肌蹴たままだ。まぁ……いっか。

「今日は……慣れるだけにしとこ?」
「え……?」
「まぁ、ちょっと私は不完全燃焼が否めないけど……おじさんやゆたかちゃんだって居るわけだしね」

ここまでの行為でこんなになったのなら、最後まですればまず確実にばれると思うし。
でもこなたが肩を噛まなかったら私は最後まで突っ走っただろう。
ばれるばれないなんて考える余裕なかったし。ゆたかちゃんには……声を聞かれた、かもしれないけど。

「か、かがみは……その、ここでストップしていいの?」

思わず言葉に詰まる。上目使いで聞いてこないでほしい。
折角一生懸命我慢してるのに。

「あのね……さっきまで本気で怯えたやつがそういうか? 噛み付いてきたし」
「いや、それは」

そう言えばまだ肩に痛みが続いてる。こなたの手同様に痕がついてるかも。
でも、暴走した罰だと思えば安いぐらいだ。私には泣いているこなたを襲う趣味なんてない。
……うん、ない。

「私だってちょーっとばかし暴走してこなたを襲ったりするけど」

ちょっとか?と自分で思わずツッコミつつこなたの頭を撫でる。

「一緒に居るだけで満足。こうしてるだけで満足だから」

胸にこなたを抱いて囁く。
こなたが子供みたいに胸に擦り寄ってきた。胸にじかに息やらが当たって少しくすぐったい。

「でも、襲うって事はそれなりにしたいってことでしょ?」
「うわっ、直球か。……そうだけど、やっぱりする時は家に二人っきりの方がいいでしょ?」

聞いたらなぜか背中を叩かれた。

「……二人っきりの時でも私が怖がったらどうするの?」
「んー……今回は慣れってことでここまでだけど」

二人きりで誰にも邪魔される心配もなくて。
そんな状況になったとしたら、その時の問題はこなたの気持ちだ。
それと、こなたがストップをかけた時に私がちゃんと止まれるか。
正直止まれる自信はこれっぽっちもない。なら、どうやってこなたに行為の感覚を受け入れさせるか。
考えてる事は不純極まりないが私は真剣だ。
しばらく頭をひねってようやく思いついた理論は……かなりこじつけだけど、言うだけ言ってみる。

「私はこなたの事を好きだけど、その感情は受け入れてくれてる?」
「そ、そりゃそうだよ。嬉しいもん」

あっさりと嬉しい言葉が返ってきて口ごもった。
こいつ、わざとか? 何て思ってしまう。

「えっと、さっきこなたが言ってた『変な感覚』も私が与えている感覚だから……
 わたしがこなたを好きって感情と一緒にそれも受け入れてくれると嬉しい」

ダメ……よね? こんな理論。
自分の表情が曖昧にしか理解出来ず、悲しんでるのか笑っつるのか分からない。
こなたは考えて、考えて、納得したのか小さく頷いた。
え……? それは何に対して納得したんだろう。私の理論?

「……でも、次って……いつ?」
「あ」

それを尋ねるって事は、受け入れてくれるって思っていいの、かな?
う、わ……絶対今の私は頬が緩んでる。だらしないなぁ、私。

「……私の家は絶対に誰かしらいるから、やっぱりこなたの家になると思うけど」
「そっか。心の準備はもう大丈夫だから……ゆーちゃんとお父さんが居ない日に誘うね」
「ぐふっ」

思わず本能の呻きが。
笑顔で見上げながらそのセリフを言われたら……
急所に当たってなおかつ効果は抜群で実に四倍の威力だ。

「こなた……前から言ってるけどあんたもうちょっと警戒心持ちなさいよ」
「失礼だなぁ。ちゃんと人並みに持ってるよ?」
「ああもうダメだこいつ」

警戒心を持ってそれかよ。
きっとこなたの無自覚のセリフの所為でどんどん私の理性は脆くなるんだろう。
と、失礼な事を思っていたのを感じ取ったのか、こなたは頭を胸に埋めたまま首を振ってきた。
髪やら息やらが際どい所に当たって、不意打ちだったので思わず声が出そうになる。
だから、我慢してるのにそういう事を……っ!

「んっ……こ、こなた? 折角我慢してるんだからそういう事したら今すぐする」
「わ、わっ!! うそウソ嘘だよ! 今日はもういいって!」

慌てて胸から頭を離して首を振る。
分かったから、頑張るから。私の理性が。

「我慢するから、もう寝るわよ。3時だし」
「明日が休みだしいつもはまだ起きてる時間帯だけどね」
「たまには早く寝ろ」
「あーい」

お互い抱き合って眠る。そうしないとベッドは狭い。それに、そうしたかった。
頭を抱いて目を瞑るも眠れるはずが無い。早く寝ろと言ったけど自分が実行できない。
勉強していたりラノベ読んでいたりでこの時間まで起きていた事はあるけど大抵眠気があるのに。
こなたにたくさん触れた後なんだから興奮して眠気がこない。
アドレナリンばっかり出た後だからエンドルフィンやら出て眠くなってもいい気がするのに。
いや、でも早く寝ろと言った手前寝ないわけにはいかない。
出来ればこなたの寝顔見たいな……とか思ってると悟られるわけにはいかない。

「ねえ、かがみ」

声をかけられたけど、返事をしなかったのはそんな色々な事を考えていたからで。
返事をしようとしてもタイミングがずれてしまい寝た振りを貫く事にした。
それに起きてるかの確認で、起きてたら「結局かがみだって寝てないじゃん」とからかわれるだろうし、と。
軽い事を考えていたら。

「私はみんなに……かがみに会えてよかったよ」

すごくしっとりとした、囁かれたのに重量があるセリフが届いて。
え? と目を開けようとしたときに唇に触れる何か。
いや、さっき散々重ねていたからすぐにそれが何なのかは分かったんだけど……
反応なんて出来ず、結局こなたはまた私の胸に顔を埋めて寝てしまった。
えーっと、何だろう。嬉しいけどこの罪悪感は。
私がモンモンとしている間こなたは真剣に色々考えてくれたらしい。
ゆっくりと目を開ける。こなたは下を向いている様だったので、私が目を開けてもばれないはず。
その光景はやっぱり興奮する。
確かに触れあっているんだから、そこからの熱で冷静に暴走はしていくんだけど。
神聖な、というか。壊してはいけない気がした。
母親が赤ちゃんに授乳しているところを見てもいやらしい気分にならないのと同じ……いや、何か違う?
とにかく……いたずらしようだとか、寝顔を覗き見ようだとかそんな事を思うのはこなたに対する冒涜に思えた。
もうこなたは寝てしまっているだろうか。その方がいい。
さっきのセリフは、寝ている私が聞いた事なんだから、起きている私がそれに返事をするのはおかしい。
だから寝ているこなたに返事をしよう。頭を撫でながら、最愛の小さな恋人に。

「……それは、こっちのセリフよ」


おやすみ、こなた。



朝、さんざん反応しまくっていたこなたの方が体力を使ったからなのか、それともいつもの事なのか。
私の方が先に目を覚ました。ちょっと身体が痛いのは寝返りもうたずに抱きしめあったまま寝ていたからだろうか。
こなたを起こさないように注意してベッドから上半身だけ起こした。ぐぅっと伸びをする。
見事に私のパジャマの前は肌蹴ているけどちっとも寒くなかったのは、こなたが抱きついてくれていたおかげだろう。
まだ着替えないでこなたの寝顔を見ていようか……と思いベッドに再び横になろうとしたら肩に痛みを感じた。
えっと、あれ? 寝違えた? ……あぁ、ここってこなたに噛まれたところだ。
目で確認しようとしてもしにくい場所だし、指で触れる限り痕がある事は確実っぽかったので着替える事にした。
こなたと一緒に着替えたら、こなたが痕を見て気にするだろうし。
時計を見ると、時刻は7時30分。おじさんやゆたかちゃんが起きてるかもしれない。
ちゃんと服を着ようと自分のかばんを探る。服と……替えの下着持って来ててよかった。
こなたは寝てるって分かってるけど全部脱いで着替えるのはやっぱり恥ずかしかった。
髪を結び、服装が変じゃないか確認して洗面所へ歩く。なぜか忍び足になってしまっていた。
顔を洗って鏡で肩を確認する。あー……痕になってる。
しばらく残るかな、と指で触れていたらおじさんがやってきた。
慌てて肩を隠す。

「お、おはようございます」
「んー……おはよう、かがみちゃん。こなたはまだ寝てるかい?」
「はい。でも……もうちょっと寝かしてやってください」
「分かってる分かってる。朝食作るから、起きたら朝食食べにこさせて」
「ありがとうございます」

そのままこなたの部屋へ戻るけれど……あれ、何か今の会話に違和感が。
まぁ、分からないって事は大した事じゃないんだろうし、それよりも部屋に戻ろう。
こなたを起こさないように注意をしてゆっくりと戸を開けるけどまだ起きる気配は無い。
ベッドに近づいて子供っぽい寝顔を眺める。頬を突付く。髪を耳にかける。
……結局気が付いたら私はまたベッドに潜ってこなたを抱きしめていた。
しばらくそのまま平和な朝を堪能していたけど、30分近く経過してこなたが小さくうめいた。
やっとお目覚めらしい。

「おはよう、こなた」
「ん……おはよー」

舌足らずな寝起きの声が返ってきた。
昨日とは違うぼんやりと視線で私を見上げてきた。

「少し前に起きたんだけど、洗面所借りたわ」
「あいあい。早いね……」

抱きしめていた手を離すと、こなたは多少伸びをしながら上体を起こした。
私もベッドから立ち上がる。

「ほら、着替えて。おじさんが朝ご飯作るって言ってくれたんだから」
「お父さんが?」

だるそうにベッドから起き上がってこなたが箪笥から服を探している。
みんなでお泊り会の時は一緒に着替えるから、別に意識しないでこなたを見ていた。

「どしたの? こなた。着替えないの?」
「……し、下着も着替えたいんだけど……」

恥ずかしそうに呟くこなたに、そう言えば私もそうだったじゃないと気がついて。

「え、あっ!? ごめん!」

体ごと視線を逸らした。まぁ、普通そうなるわよね。私だけじゃないわよね。
ガサガサという布ずれの音が何かこう鼓膜と脳に響く。
人間の想像力ってすばらしいわね、本当に。

「もういいよ」
「早っ!?」

振り返れば、あるものを着ました! という感じの服を纏ったこなたがいた。
状況が状況だから強く言えないけど、もうちょっと気を使おうよと思う。

「んじゃ、洗濯機に入れてくるからかがみ先にリビング行ってて」

私の返事も聞かずに逃げるように洗面所へ向かっていった。
そうだ、おじさんが朝食作るって言ってもう30分だし……そろそろリビングへ行こう。
お泊り会の時はいつもシリアルだけど今日もシリアルだろうか。

「やあ、こなたは起きたかい?」
「ええ。そろそろ来ると思います。……ゆたかちゃん、おはよう」
「おはようございます、かがみ先輩」

ゆたかちゃんはすでに椅子に座っていて、テーブルの上にはシリアルと牛乳とお皿が乗っていた。
おじさんはコップを用意しているようだった。
手伝おうかと思ったけど座っててと言われたので大人しくゆたかちゃんの隣に座る。

「あの、ゆたかちゃん」
「なんですか?」
「……き、昨日はよく寝れた?」

さりげなく探りを入れる。聞かれていないかどうかを。
きょとんとしてるって事は聞かれてないのかもしれないけど……そこまで聞くのは怖い。
こなたが洗面所からやってきて、こなたを迎えに行こうとしていたのか台所を出ようとしていたおじさんと鉢合わせていた。
ゆたかちゃんがこなたに気づいて「おはよう」と声をかけると「やふー」と返していた。おいおい。

「ちゃんと伝えられたか?」

おじさんがこなたにそう聞いた。何のことをだろうか。
思い当たる事はあるっちゃあるんだけど……おじさんが向こうを向いているから表情が分からない。
こなたは満面の笑みでVサインをしていた。おじさんも頷いている。
私とゆたかちゃんは分からずに首を傾げた。
まぁ、親子にしか理解できない会話っていうのがあるんだろう。多分。
こなたとおじさんが席について、いただきますと朝食開始。
ゆたかちゃんは牛乳が嫌いみたいだからそのまま食べてるけど、
もし牛乳を飲んでたらこなたより身長高かったのかな? なんて思いつつ食べ終わって朝食終了。

『ごちそうさまでした』

4人の声がハモる。
えっと、私が帰るのは3時だから……荷物を片付ける時間をいれてもまだのんびり出来る。
何をしようかなと思いつつ部屋に戻ろうとした時。

「あ、かがみちゃん。ちょっと」

なぜかおじさんに呼び止められた。こなたはゆたかちゃんに呼び止められてる。
おじさんはリビングの左側、ゆたかちゃんは右側に別れて手招きしてる。
かなり不安になったのでこなたと顔を見合わせる。
でも行くしかないよわね……と私もこなたも不安げな顔で呼んだ人に近づいた。

「どうかしましたか?」
「いやぁ、黙ってたけど、こなたとかがみちゃんが恋人って知ってたんだよ」
「あ、そうなんですか……」

え? 今、何て言った!?
あまりにも朗らかに言われたから流しかけたけど……知ってた!?

『えええええええぇぇぇぇぇぇ!!!』

私とこなたの声がかぶった。向こうも向こうで何か言われたらしい。
驚いた瞳で見詰め合っていたら、おじさんとゆたかちゃんは楽しそうにピースしていた。
ゆたかちゃんの本当に嬉しそうな笑顔にちょっと恥ずかしくなる。

「それで、これは独り言なんだけど……大変な事に次の土日は取材で出かけないといけないんだよ」
「あ、そうなんですか……?」
「それにゆーちゃんも土日にみなみちゃんの家に泊まりに行くみたいなんだ」
「そう……ですか。って……え?」
「つまり、だ。分かるかな? ……まぁ、ここから先は俺じゃなくてこなたが言う事さ」

バチコーン、とおじさんがウインク。
起き掛けの違和感がようやく分かった。
おじさんの言っている事はつまり……『土日に泊まりに来なさい』って事でいいの、だろうか。
……なんてタイミングの良さ。
ってことはこなたの方も私と同じような事言われてるのかな。ゆたかちゃんに。

「そうそう。こなたは俺が二人のことを知ってると知ってたよ」
「そう、なんですか……?」

驚いてそれ以外の言葉が出ない。
というか次の土日って。『その時』が来るのが早すぎる。
もしかして昨日の夜の会話が聞かれてたんじゃないか、なんて疑問に思ってしまう。
いや、『その時』が来るのは良い事なんだけど。良い事過ぎて実感が無い。
思わずこなたの方を見てしまう。こなたもこっちを見ていた。
顔が赤いと言う事は……ゆたかちゃんにからかわれたのかもしれない。
ゆたかちゃんがこっちへこなたを押してくる。多分「お姉ちゃんから誘うんだよ」とか言われてるんだろう。

「な、何?」
「お姉ちゃんから誘わないと、ね?」

予感的中。楽しそうね、ゆたかちゃん。
でも内心感謝している。そりゃぁ、こなたに誘われたほうが……ね?

「え、えっとね……」

こなたが妙に照れている。まぁ、次誘ったときに最後まで~みたいな話をしたし。
照れるのも頷けるけど昨日の行為の方が恥ずかしかったんじゃないかと思ってしまう。
プラトニックな事に照れてるこなたも可愛いんだけど。
うあ、やばい。重症だ私。まだ何も言われてないんだからにやけるな。



だけど何を言われるかは分かっているし、言われる事は私がずっと願っていた事だから。
近くにゆたかちゃんやおじさんも居るけれど



「ねえ、かがみ。来週の土日なんだけど――」



とりあえず『Yes』という意味で思いっきり抱きしめてやろうと、私は思っている。














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  • 「こなかが」は正義と知らしめるシリーズです -- 名無しさん (2011-04-16 06:44:06)
  • もうタマりません…!!二人とも素晴らしいバカップルですねwww 大学生になってからの続編を激しく希望します。 -- 名無し (2010-07-24 03:01:16)
  • オイラもうバカップルをバカにしない -- 名無しさん (2010-06-22 02:22:59)
  • 最後がとても感動した・・ -- 名無しさん (2010-06-18 19:07:52)
  • 素晴らしい!! その一言に尽きます、もう二人とも早く結婚しちまいなよwww
    出来れば卒業後の二人の様子も見たいですね。 -- 名無し (2010-06-18 01:51:09)
  • かがみの見事な変質者っぷりに悶えた -- 名無しさん (2009-10-28 21:35:14)
  • gj

    -- 名無しさん (2009-10-26 00:11:33)
  • けしからんバカップルだな、実にけしからん
    お前らなんか生涯変わらない愛を誓って皆に祝福されて世界一の幸せ者になっちゃえよ! -- 名無しさん (2008-09-23 15:17:27)
  • いいですね。バカップル、
    続編まってます(期待してます) -- 名無し (2008-05-21 21:15:43)
  • いくら精進しても絶対自分はこの作者さんの域にはこれないだろうなあ -- 泡沫 (2008-04-18 03:22:32)
  • 最高でした!!続編待ってます!! -- 名無しさん (2008-04-12 20:02:40)
  • ああ、もうこの二人ときたら…。バカップル万歳!! -- 名無しさん (2008-04-02 21:48:00)
  • こなた視点を読まずに待っていたので、今まとめて読ませていただきました。

    このシリーズは、最初からすべて読ませていただいているのですが、
    自分の中で「こなた&かがみ」で、このシリーズに勝る話はないと思ってます♪

    終わってしまうのはとても寂しいので、また続編や番外編を
    時間が空いたときにでも、書いていただけたら幸いです♪ -- 名無しさん (2007-10-21 17:11:20)
  • 待ってましたあ!
    かがみのこなたへの思いがあふれんばかりで…本当によかったです。

    できればエピローグ希望です!
    よろしくお願いします -- 名無しさん (2007-10-15 02:31:38)
  • ずっとこの話を待っていました。
    かがみからの幸せの視点を。
    素晴らしいとか良かったとか、そんなんだけじゃ足りなくて、
    自分の気持ちを言葉にするならそう、本当にありがとう! -- 名無しさん (2007-10-14 10:55:15)
  • 読書の魅力の一つに、登場人物への感情移入による経験の仮想体験や追体験がありますが
    初恋と………の感覚を追体験できるくらいクオリティの高い作品は久しぶりです。
    自分もSSを書いていますがちょっと羨ましくて凹むほどです(苦笑)

    いい刺激をいただけてとても感謝しています。
    次も期待していますね。 -- 名無しさん (2007-10-14 09:36:43)

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