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七月の雪。 第七話

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だれでも歓迎! 編集
とりあえず中で話そう、
とかがみが言ってくれたおかげで、なんとか家に入れた。
あの空気だと立ち話でもおかしくなかったし。
「家には私たち以外、誰もいないから安心してね。」

そう言いながら、家にあがるつかさ。
続いて、私とかがみもあがる。
『安心』という言葉に、なんかひっかかった気がした。
前から順番に、
つかさ、私、かがみ
の順番でつかさの部屋まで歩いていく。
つかさの部屋まで、かなり長く感じて、
変なこと言って、場を和ませようかと思ったけど流石にそれはない、と思った。
つかさもかがみもかなり思いつめたカンジの顔で歩いている。
一触即発
一言で言うとそんなカンジ。
やっと、長く感じた廊下を歩き終えて、
つかさの部屋に入った。
つかさの部屋の壁には、何枚も写真とかプリクラとか貼ってあって、
殆どがいつもの四人が映っている写真だった。
こころなしか、かがみの写真が多くて、私の写真が少なく感じた―――

第七話 【 -私の○○でいてくれますか?- 】
部屋の中央に丸い机が一つあって、
隣に勉強用みたいな机がもう一つと、少し大きめのベッドが一つあった。
私たちは、丸い机を囲む様にして座った。
外はもう暗くて
「私がお姉ちゃんを意識し始めたのはね……。」
重い空気を破って口を開いたのは、つかさだった。
俯きながら、正座した足の上にある自分の拳を見つめている
口調は静かで、怒っている様にも、いつものつかさにも見えなかった。
「高校に入って、こなちゃんやみゆきと出会ってからでね。
その時は、二人もとっても仲が良い友達が出来て、嬉しくてしょうがなかった…。
けど…。」
歯を食いしばって、さっきよりも強く、拳を握り締めるつかさが見えた。
「けど、同時にお姉ちゃんが段々離れて行っちゃう気がしてきて、
辛かった…。
け、けど、まだその時はこなちゃんのことは親友として大好きだったし、
一緒にいて楽しかったよ?
けど・・・・・・」
つかさの表情が変わった、目つきもだ。
私は恐る恐る聞いてみた。
「けど・・・?」
キッとつかさは私の方に顔を向けて睨みつけた。
悔しかったのか、目には少し涙が溜まっている。
威圧感で、思わず後ろに倒れそうになったけど、手をついてなんとか耐えた。
「こなちゃんの所為で、こなちゃんの所為で!!」
いきりたって、つかさが立ち上がる。
そのままこっちに向かってきて、私の肩をつかみ押し倒し、馬乗りの状態になった。
もの凄い力だった。これがつかさだなんて思えなかった。
つかさがぐっと顔を近づけて私を見る。
まだ、つかさの目は私の目の奥を睨んでいた。
「あんたの所為で私の恋は!人生が全部変わったんだよ!?
なんで一年とちょっとしか、付き合いがないあんたなんかと・・・・・・」
つかさの流れる涙が、私の頬に落ち、流れてゆく。


今までつかさに『あんた』なんて呼ばれ方されたこと無かったから、
つかさの怒りが今、全て伝わってきた気がする。
興奮するつかさを背に、ずっと黙ってたかがみが静かに口を開いた。
「そんなことない・・・。」
「え?」
まだ少し、熱さが残っていた声で、つかさはかがみの方を見ながら、私をつかんでいる手をほどき、聞き返した。
半分体をおこし、かがみに顔を向けるつかさ。
かがみもゆっくりとつかさに顔を向けながら話した。
「私だって、なんでこんな奴好きになっちゃったんだろうって、何度も何度も考えた。
毎日の様に宿題見せて、って来るし、くだらないことに熱くなるし、
ラノベは読んでくれないし、オタクだし、頭悪いけど・・・・・・」
最期の方余計だった気もするけど・・・。
「そしたら、気が付いたんだ。」
「?」
まだ涙が溜まっている目で、つかさはかがみを見る。
「時間とかじゃないんだって。恋っていつするか分からない。
だから、なんでこなたを好きになったかも分かった。
一緒に居て楽しい、話が合う、趣味が同じ、そんなんじゃなくて・・・・・・」
すると今度は私を見て、かがみは言った。
「理由なんてない、『好きになる』ことに理由なんていらないって。」
「かがみ・・・・・・」
今やっと、二人の会話を聞いてて、分かった気がする。
つかさが怒った理由、みゆきさんが言ってた本当の意味が。
それは、『人を好きになる』ことに恥じらいを持つな、
付き合うなら付き合うで堂々と付き合えと、そういう意味だったのだ。
そう気が付くと、私も黙ってられなかった。
「私だって、ホントのこと言うと、最初は軽い気持ちだった。
同性愛だなんて、ギャルゲやエロゲだとよくあるシチュだから。
けど、祭のあの日私は決心したんだ。
軽い気持ちだなんてかがみに失礼だな、
だったらとことん、かがみがひくくらい好きになってやるってね。
そしたら、最初は友達としてしか見れなかったかがみが
いつの間にか、一人の女の子に見えてきたんだ。」
そういうと、私はポッケからくしゃくしゃになった一枚の長細い紙を取り出した。
それをきれいに伸ばすとかがみに差し出した。
「これ、あの祭の日、『祭おみくじ』。まだ、中身見せてなかったよね。」
かがみはそれを見ると、一気にぶわっと泣き出した。
「こなた~!!」
今度はかがみが私に飛びついた。
かがみは私の小さな胸の中で泣きじゃくっている。
「つかさ。」
横で愛する人を取られた所為だろう、脱力し悔しさと哀しさが入り混じった涙を流している、つかさに声をかけた。
服の袖で涙を拭いながら、つかさがこっちを向いた。
「私はそりゃあ、つかさから見たらポッと出のむかつく奴かもしれないけど・・・。
これだけは・・・・・・言える。」
泣いているかがみを上から眺めながら私は言った。
「私は、家族よりも、友達よりも、誰よりも、

かがみのことが大好きだってこと。」




そう言うと、つかさは少し微笑みながら私とかがみに言ってくれた。
「ごめんね?お姉ちゃん、こなちゃん。
私、自分しか見えてなかったんだね。勝手で、自己中でホントにごめん。
もう、お姉ちゃんはこなちゃんにとられちゃったけど、だけど・・・・・・」
ぐすっとまだ泣きそうになりながら、つかさは言った。
「私の・・・大切な人でいてくれますか?」
もう、つかさの目に争いの意思は無く、代わりに今までのつかさがあった。
するとかがみが顔上げ、私と顔を見合わせた。
いつもの笑顔で、かがみと声をそろえてつかさに言った。
「もちろん!」

――――――
――――
――
「昨日のさんでいすくーる見た?」
「え?その時間帯はずっとハルヒ見てた気が・・・・・・」
「あれだけ見とけって言ったのに~!」
「ふふっ、泉さんも少しは気をつけないと。」
いつも通り。何も変わらない日常。
それを実感しながら、私はかがみとみゆきさんと話していた。
つかさはまだ来てないみたい。
朝の待ち合わせの時にも来なかったからな、落ち込んでるのかも・・・・・・。
そう心配していると慌ただしいつかさの声が聞こえてきた。
「あぶない、もう少しで遅刻するところだったよ~」
戸をガラガラ開ける音が聞こえると思ったらつかさが入ってきた。
振り向くと、つかさと目が合った。
「どうした~?つかさ、またお母さんに起こしてもらったんでしょ。」
イシシとちょっと意地悪っぽい笑みを口元に見せながらかがみが言った。
「もう、お姉ちゃんそれは言わない約束でしょ~」
焦りながらつかさが言う。
良かった、今までのつかさだ。
「焦ってるつかさも萌え~、だね。
つかさの萌えはみゆきさんとは違った感じで・・・・・・」
「またあんたは訳の分かんないことを。」
呆れながらかがみが言った。
また今日からなんの変哲もない日々が始まる、
またいつもどおりの風景をバックに
この恋の劇は幕を閉じた。

――
―――
――――


気が付くと電車は、私が降りるはずの駅で止まっており、慌てて電車から降りた。
「危ない、危ない。これだと乗るときと同じだよ~、まったく。」
自分で自分に呆れると、学校までの道のりを歩いていった。
気のせいか、道を歩く人が少なく感じた。
そんな疑問を抱えながらも、一人なので黙々と歩いていった。

学校の門の前まで来て、新たな疑問が出てきた。
いつも門のところに立っている先生が立っていない。
しかも、学校は静かで誰かいる気配がしない。
とりあえず、教室まで行ってみることにした。

おかしい。
教室まで行くときにも、一人も見なかった。
今日、学校休みだっけ?
けど、朝かがみから電話あったし・・・・・・。
教室の前まで辿りつき、ガラッと戸を開けた。
すると、中には誰もいなく、代わりに様々な色のチョークで、
〝校庭へGO!〟
と黒板いっぱいに書かれていた。
自然と笑いがこみあげてきて、気付くと私は走って校庭までの廊下を走っていた。
まさか、まさかね。
そんなわけないと否定する気持ちと、
そうであってほしいという期待とが入り混じって変な気持ちだった。
けど、嬉しいことだけははっきり分かっている。
そういえば今日はなんかの振り替え休日で学校は休みだったっけ。
廊下にはタッタッタッタと、私の足音だけが響いては消え、響いては消えている。
後ろには長い髪がゆらゆら揺れていて、アホ毛だけはしっかり立っていた。
運動が得意なので、校庭にはそう長くかからずに着いた。
あたりには、誰もいなく静かな校庭だけが私を待っていた。
「そんなわけ、ないよね・・・・・・」
ちょっと期待していたので、結構ガッカリした。
そう思ってさっさと家に帰ろうと思い、校門に向かって歩き出すと・・・・・・



「誕生日、おめでとう~!!!!」

「え?」
後ろから声がして、驚いて振り返ると同時に、
虹色の紙吹雪が私の視界に現れた。

「こなた~、誕生日おめでとう~!!18になったからってギャルゲばっかり買うなよ!?」
「こなちゃん、おめでとう!これからもよろしくね!」
「おめでとうございます!漫画の買いすぎも程々にしてくださいよ!」
「お姉ちゃんおめでとう~!これから、勉強教えて下さいね~!」
「おめでとうございます。あの、ゆたかをよろしく・・・・・・」
「おめでとう~、ちびっ子!これからもちびっ子って呼ばせてもらうぞ~!」
「おめでと~!ちゃんと勉強もしてね!」
「センパイ~!おめでとうごさいます!これからも同人書くんで、そんときはよろしく!」
「おめでとうございまス!『コスプレのゴクイ』これからも教えてくださいネ!」

紙吹雪でよく見えなかったけど、向こうにみんなが一列に並んでいるのが微かに見えた。
同時にみんなのお祝いの言葉が一気に降りかかってきて、
驚きと嬉しさで、私はその場に立ち尽くしてしまった。
屋上からいっぱいの虹色の紙吹雪が降ってきていて、その雪は止むことを知らなかった。
私にはその紙吹雪一枚一枚が、みんなの笑顔に見えてしょうがなかった。
「ふふ、ツンデレのかがみが考えそうなことだね!」
遠まわしに、ものすごく遠まわしにありがとうって言ってみた。
「うるさい!一応あんたの誕生日祝いなんだからね!」
気付いたかどうかは分かんなかったけど、多分伝わったと思う。
かがみは怒りながらもすごく楽しそうな顔をしていた。
「早くこっちきてくだサイ!」
「センパーイ、ケーキありますよ?ケーキ!」
「私の手作りだよ!」
「日下部さん、つまみぐいとかしてないでしょうね?」
「ひどいこというな~、ゆきっちは。私もちょっとは常識あるぜ?」
あの日に引いた、祭おみくじ。
あれにはこんなことが書いてあった。
「隣の友こそ 一生の相手である。
幸多き日々に 篤き絆を―
     大吉      」
隣の友とは、多分かがみのことだと思う。
あの日のおみくじが、当たってるって意味じゃないけれど、
これからもずっとずっと、私はかがみと一緒にいられると思う。
あの日、空から舞い降りた七月の雪は
こんなカタチでまた私と出会うことができた。

虹色になっても変わらない

雪なのになぜか温かい

その雪を背に

私はみんなの所へ駆けていった―――

≪終≫













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  • GJ!!(/ _ ; )b -- 名無しさん (2023-09-22 09:06:47)
  • なんだこれは…
    か、感動した… -- 名無しさん (2009-02-28 18:40:45)
  • なぜかわからんが 目から涙が -- 名無しさん (2009-02-23 22:25:09)
  • ちょっとつかさのキャラが変わりすぎかな
    「あんた」じゃなくて「あなた」のほうがよかった -- 名無しさん (2009-01-23 00:58:30)
  • なんか久しぶりに自分の作品見て赤面。
    今読み返したけど、厨二設定多すぎだよなこれ。
    七話はほぼ後付けで考えたようなもんだったからな。あの頃は育児とかで忙しくて、ゆっくり考える暇なかったんだ。
    言い訳にしか聞こえないだろうけど。

    あと自分でもなんで、かがみとこなたの祭前のシーンで検定の申込書にしたのかが分からない。
    子供が受験真っ只中だったっていうのもあるかも。

    とはいえスレの住人のとまとめサイトの住人の指摘のおかげで、今は立派な小説家だ。
    何かありがとな、お前ら。 -- 作者 (2008-11-02 16:55:55)
  • 7話がすこし残念な気がします。
    -- 名無しさん (2008-09-02 13:47:10)
  • こなたの誕生日は??? -- kk (2008-06-21 00:01:05)
  • 七月の雪はかがみの撒いた検定申込書の紙片でも十分だったと思う -- yomirin (2008-05-06 06:48:56)
  • 凄いよかった!!
    限りなくGJ!!! -- 名無しさん (2008-04-09 00:07:35)
  • えぇ話や‥‥炅炅炅炅 -- フウリ (2008-04-08 23:35:37)
  • 作者が最初に考えたオチ固定で書いたから、ちょっとラストだけズレタのかね。
    いきなり今回に脈絡無い人登場しすぎかもね。 -- 名無しさん (2008-04-07 04:58:40)
  • まあとりあえずGJ
    -- 名無しさん (2008-03-02 03:05:49)
  • >>2007-12-01 14:11:30
    そうか? -- 名無しさん (2008-02-11 13:27:00)
  • だが、それが良い! -- 名無しさん (2007-12-01 14:11:30)
  • 最後の学校のエピソードの描写が、それまでの話のシリアスな雰囲気と違和感があって残念な気がします。(演出過剰気味みたいな…例えば校庭のような広い空間で視界を覆うような紙吹雪というのは如何程) -- yomirin (2007-11-27 23:37:48)

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