- 15.いいかっこしよう!
「ではいいですか? ゆたか」
「はい!」
私と同じように、病院の中庭に。
そこでえっと、ゆたか……ちゃんでいいのよね。年下っぽいし。
ってゆーか小学生? ……が、天使の前で正座をする。
余程その天使様を尊敬してるらしい……ああ、可哀想に。
「まず……」
「?」
天使が咳払いをし、人差し指を上に。
「……」
「何、どうしたの?」
……が、そこで固まる。
ん、どうかしたわけ?
ん、何こっち見てんのよ。
「ちょ、ちょっとかがみ?」
「?」
そのままゆたかちゃんから少し離れたところまで私を引っ張る。
「つ、次何でしたっけ?」
「はぁ? あれはどうしたのよ、馬鹿に分厚い教本(絵付き)は」
いつも惜しげもなく出してるじゃない。今日に限って忘れたわけ?
「だ、だってあの子見ました? 敬ってるんですよ!? 私を!」
そんな驚くところかよ!
「まぁそうね……難儀な子」
「なんでですか!」
その口が言うかその言葉を。
「いいですか? もしかがみが敬ってる先生が、参考書ガン見しながら授業を進めたらどう思います?」
「どうってそりゃ、『こいつ大丈夫か?』ぐらい……」
「だからですよ!」
……。じゃあちょっと待て。
あの子の前でいいかっこしたいってか! 敬ってくれてるからってそこまですっか!
「はぁ……仕方ないわね。大体は覚えてるから、私が話すわ」
「本当ですか!」
諸手を上げて喜ばれる……はぁ、こいつ大丈夫か?
「え、ええと。ゆたかちゃん?」
ようやく彼女の前まで戻ってきて話を進める。
私もうろ覚えだけど、まずはあれ。
こなたみたいな人を探さないと、成仏しちゃうんだっけ。
「まずは自分の体から離れるから、『宿主』の人にとり憑かないといけないの。代わりの体ね」
「代わり、ですか?」
「うん、その人から離れると成仏しちゃうの」
確かそんなだったわね。にしてもこの子、いちいち驚く姿が可愛いな。
こらそこ! 「あ、そうだったー」とか言ってんじゃねえ!
「それでその、宿主ってのが……」
「それはですね!」
とようやく思い出したのか、間に入り天使が良い所を持っていく。
そしてゴソゴソと封筒を取り出す……大量に。
「ちょっと、何でそんなにあるわけ? 私の時は一枚だったじゃない」
「なんか、引っかかってて出てこなかったみたいです」
このクソ野郎! と、殴ろうとしたけどゆたかちゃんの視線があったのでやめといた。
くぅ、やりにくい。ってゆーか何で私がこいつの面子のために、我慢しなきゃならんのだ!
「えーと、やっぱり同性がいいですよね。良い人がいいですよね。ひきこもりなんか選ぶと最悪ですよ?」
が、我慢しろ私。
あの純粋な眼で見てるゆたかちゃんを失望させるのは私も心苦しいから遠慮したい。
「あっ、この子なら同い年ですよ。ええと……『岩崎みなみ』さん。この子は良い子ですよ、とっても」
「えっと……よく分かんないので任せます、天使様に!」
笑顔を返され、奇声をあげ浮かれる天使。おいおい、随分私の時とは対応が違うぞ!
「ええと、確か毎朝犬の散歩に出てるみたいですね」
履歴書を広げながら、天使が道を案内していく。
その間もしきりに期待の眼で見られて、ご機嫌なわけだ。
あんな笑顔なんざそうそう見ないわね……私も少しぐらいは、敬ってやるべきなのか。
「ここですね」
病院から程なくして、その家らしき場所に辿り着く。
……なんか見覚えのある通りだな。
ああ、向かいの家はあれじゃない? みゆきの家よ確か、一回だけつかさと遊びに行ったことがあるわ。
どうしてるかなぁみゆき……まださすがに寝てるか。
「あっ、彼女です」
視線をみゆきの家から戻すと、丁度家の門から一人の女性が出てくる。
……ん?
「ちょっと、同い年なんでしょ? あれじゃ高校生ぐらいじゃない?」
「いいえ、中学三年生ですね」
あれで中学生? 背が高いわねぇ……こなたなんかと比べたらいけないわね。
……。
「ってじゃあゆたかちゃん中学生なの!?」
「はい、三年生です」
しょ、小学生かと思ってた。
どうりで物分りがいいはずね……まさか2コ下とは。
「もぅ酷いですよ、かがみさん」
「あははっ、ゴメンゴメン」
顔を膨らますゆたかちゃん。はて、なんか前にも似たような勘違いをした気がする。
「彼女にまずは、触れてください」
「? こうですか?」
犬を連れて歩く女性を追いかけて撫でるようにその体に触れる。
これでとり憑いた事になるわけね。
「宿主とは密接な関係になります、感覚を共有するわけです」
「カンカクをキョーユー? ですか?」
「ああ、ええと」
説明に困り私に助けを請う……速ぇよ!
もう、しょうがないわね。
「味とか痛みとか、あの子と同じように感じるわけ」
自慰の快楽も……なんててさすがに言えないか。
そういうの知らないわよね、汚れを知らなそうというか何というか。
「宿主が善行を行えば、もちろんポイントは加算されます。あっ……」
天使の声に女性を見ると、早速ゴミを拾って近くのゴミ箱に入れた。
まさか素でやるとは……本当に良い子を選んだな。
「ゴミの清掃、1TPですね」
とメモしていく。さっそく+1か……私の時とは大違いね。
ちなみに私が始めて宿主から貰ったポイントは-80、雲泥とはこの事か。
「これが10000TP溜まると、見事生き返れます」
「い、一万ですか?」
さすがに桁には驚いたらしい。
ゴミを拾うなら一万回……気が遠くなるわね。
「大丈夫、すぐ溜まりますよほらっ」
天使がまた女性を指差す。
すると今度は気の良さそうな老婆と話をしている。
どうやら道を聞かれているらしく、そのままその老婆を連れ道を引き返していく。
「えー、道を教えてあげる:+10TP。しかも道案内までする:+20TP」
すげっ! 見る見るうちにポイントが!
「ああっ!」
するとゆたかちゃんが声を上げる。
その見る方向には、猫……道路の真ん中に、居る。
朝とはいえ通勤ラッシュの車が行き交う道路を、その小さな猫が歩いている。
もちろん……危険よね? ってかやばいでしょ!
た、大変! 助けなきゃ!
って軍手外したんだったぁああ!
「ポ、ポイント使うわよっ! 急いで……」
天使に声をかけようとしたその一瞬だった。
ガードレールを一瞬で何かが飛び越え、流星のようなスピードで子猫に向かって駆けて行く。
そのままその子猫を抱くと、その勢いのまま反対車線へ。
……もちろん、言わなくても分かるわよね?
さっきの女性……みなみちゃん、だ。
「儚い生命を救う:1000TPっと」
ってちょおおおお!
「な、何。今の1000もするの!?」
「はい勿論、それ相応のリスクがありましたから」
たっ確かに。
今彼女は自分の身を賭けてあの子猫を守ったわけだ。
……しかも一瞬の躊躇もせずに。
「ただいまのポイント1031TPです☆」
「わぁっ、ありがとうございますっ」
天使と手をとって喜び合う二人。
……た、立つ瀬がない。いきり立って見せ場を奪われるとは。
「結構すぐ溜まるんですねっ、かがみさんはどれくらい溜まったんですか?」
「えっ、わ、私? 私は……」
言えるか!
未だマイナス街道猪突猛進だなんて!
「ま、まぁ……ボチボチよ」
「……ぷっ」
てめぇ笑ってんなやぁ!
つか大概お前の所為だろうが!
「あと、ポイントを消費すると行動を増やす事が出来ます」
「行動を?」
「宿主とお話したり宿主だけに姿が見えたりしますよ」
合計150はきついけどね……って1000もあるなら特に問題ないじゃん!
「お話出来るんですか?」
「はい、まぁ使う必要はないと思いますが」
そりゃそうよね、何もしないでも勝手に+1000だなんて。
うちの宿主じゃ……はぁ。ってゆーか家にひきこもってるのにどうポイント稼ぐんだよ!
「いえ……使いますっ」
「へっ?」
天使が眼を丸くする。
そりゃそうよね、このまま傍に居るだけで勝手にポイントが溜まってくのに。
わざわざマイナスしてまで話す必要性は……。
「私の命を救ってくれる人なんだし、ちゃんとお願いしたいです!」
な、なんて真面目な子。
私なんざひきこもり脱出させて高得点狙いで使ったってのに。
「それで、どれくらいポイント使うんですか?」
「ええと声を伝えるので50、姿で100だっけ?」
「うっ……た、高いですね」
さすがにポイントの十分の一だもんね。
そう簡単に……むぐぁっ!
「いえいえいえ、そんな事ありませんよー」
天使が私の口に手を突っ込む。
「このお姉さんは時々変な事言うんですよ、心を通わせるのにポイントなんて不必要ですよねー?」
「本当ですか!?」
喜ぶゆたかちゃん
……。
そろそろ、限界突破しちゃっていいかしら? 天元突破しちゃっていいかしら?
「か、かがみっ! 噛んでますっ千切れますぅっ!」
口で天使の手を噛んだまま、壁の向こう側に引きずる。噛んでんだよ! 千切ってんだよ!
そして胸倉を掴む。
「あー、まずはちゃんと話し合いましょ? ねっ☆」
「ガ、ガンを飛ばしながら言う言葉じゃないですよ! ☆可愛くないですし!」
「うっせーよ!」
ドスを効かせた目で、天使の涙目の顔を睨む。
「ポイントが必要ないですって? 私の時は150も持ってったじゃない!」
「だ、だって可哀想じゃないですかぁ。せっかく1000も溜まったのに……せっかく敬ってくれてるのにぃ」
こちとら-350だっつの!
+1000のどの辺が可哀想なのか、たっぷり聞いてあげようじゃない!
「ってゆーかポイントも使わずにそんなこと出来るわけ!?」
「ええ、まぁ」
じゃあ私がせっせと貯めてるのはなんなのよ!
ポイント使うだの使わないだのでこちとら必死にやってるのに!
「どうやんの!? 私にも教えなさいよ!」
「……」
すると、眼を逸らす。
こ、この顔は覚えがある。
何か誤魔化す時に遠い眼しやがるんだ!
「ぶつわよ……グーで」
「え、ええとかがみ。怒らないで聞いてくださいね」
「いいや、怒る。言っても怒る、言わないでも怒る! 殴る!」
「ど、どこのヤクザですかぁっ!」
「いいから吐きなさい! 何したわけ!?」
「ひぅっ! あ、あの……実はですね」
もう振りかぶってる拳を見て、ようやく口を割る。
もちろんその手は、彼女の顔にめり込んだわけ。
ええもちろん……勢いよくね!
「かがみのから代わりに……引いちゃいました」
……。
祝☆-500TP突破記念もうちょっと敬いま賞DVD限定プキンちゃんハンカチ(青)が……赤く染まった瞬間だった。
「はい!」
私と同じように、病院の中庭に。
そこでえっと、ゆたか……ちゃんでいいのよね。年下っぽいし。
ってゆーか小学生? ……が、天使の前で正座をする。
余程その天使様を尊敬してるらしい……ああ、可哀想に。
「まず……」
「?」
天使が咳払いをし、人差し指を上に。
「……」
「何、どうしたの?」
……が、そこで固まる。
ん、どうかしたわけ?
ん、何こっち見てんのよ。
「ちょ、ちょっとかがみ?」
「?」
そのままゆたかちゃんから少し離れたところまで私を引っ張る。
「つ、次何でしたっけ?」
「はぁ? あれはどうしたのよ、馬鹿に分厚い教本(絵付き)は」
いつも惜しげもなく出してるじゃない。今日に限って忘れたわけ?
「だ、だってあの子見ました? 敬ってるんですよ!? 私を!」
そんな驚くところかよ!
「まぁそうね……難儀な子」
「なんでですか!」
その口が言うかその言葉を。
「いいですか? もしかがみが敬ってる先生が、参考書ガン見しながら授業を進めたらどう思います?」
「どうってそりゃ、『こいつ大丈夫か?』ぐらい……」
「だからですよ!」
……。じゃあちょっと待て。
あの子の前でいいかっこしたいってか! 敬ってくれてるからってそこまですっか!
「はぁ……仕方ないわね。大体は覚えてるから、私が話すわ」
「本当ですか!」
諸手を上げて喜ばれる……はぁ、こいつ大丈夫か?
「え、ええと。ゆたかちゃん?」
ようやく彼女の前まで戻ってきて話を進める。
私もうろ覚えだけど、まずはあれ。
こなたみたいな人を探さないと、成仏しちゃうんだっけ。
「まずは自分の体から離れるから、『宿主』の人にとり憑かないといけないの。代わりの体ね」
「代わり、ですか?」
「うん、その人から離れると成仏しちゃうの」
確かそんなだったわね。にしてもこの子、いちいち驚く姿が可愛いな。
こらそこ! 「あ、そうだったー」とか言ってんじゃねえ!
「それでその、宿主ってのが……」
「それはですね!」
とようやく思い出したのか、間に入り天使が良い所を持っていく。
そしてゴソゴソと封筒を取り出す……大量に。
「ちょっと、何でそんなにあるわけ? 私の時は一枚だったじゃない」
「なんか、引っかかってて出てこなかったみたいです」
このクソ野郎! と、殴ろうとしたけどゆたかちゃんの視線があったのでやめといた。
くぅ、やりにくい。ってゆーか何で私がこいつの面子のために、我慢しなきゃならんのだ!
「えーと、やっぱり同性がいいですよね。良い人がいいですよね。ひきこもりなんか選ぶと最悪ですよ?」
が、我慢しろ私。
あの純粋な眼で見てるゆたかちゃんを失望させるのは私も心苦しいから遠慮したい。
「あっ、この子なら同い年ですよ。ええと……『岩崎みなみ』さん。この子は良い子ですよ、とっても」
「えっと……よく分かんないので任せます、天使様に!」
笑顔を返され、奇声をあげ浮かれる天使。おいおい、随分私の時とは対応が違うぞ!
「ええと、確か毎朝犬の散歩に出てるみたいですね」
履歴書を広げながら、天使が道を案内していく。
その間もしきりに期待の眼で見られて、ご機嫌なわけだ。
あんな笑顔なんざそうそう見ないわね……私も少しぐらいは、敬ってやるべきなのか。
「ここですね」
病院から程なくして、その家らしき場所に辿り着く。
……なんか見覚えのある通りだな。
ああ、向かいの家はあれじゃない? みゆきの家よ確か、一回だけつかさと遊びに行ったことがあるわ。
どうしてるかなぁみゆき……まださすがに寝てるか。
「あっ、彼女です」
視線をみゆきの家から戻すと、丁度家の門から一人の女性が出てくる。
……ん?
「ちょっと、同い年なんでしょ? あれじゃ高校生ぐらいじゃない?」
「いいえ、中学三年生ですね」
あれで中学生? 背が高いわねぇ……こなたなんかと比べたらいけないわね。
……。
「ってじゃあゆたかちゃん中学生なの!?」
「はい、三年生です」
しょ、小学生かと思ってた。
どうりで物分りがいいはずね……まさか2コ下とは。
「もぅ酷いですよ、かがみさん」
「あははっ、ゴメンゴメン」
顔を膨らますゆたかちゃん。はて、なんか前にも似たような勘違いをした気がする。
「彼女にまずは、触れてください」
「? こうですか?」
犬を連れて歩く女性を追いかけて撫でるようにその体に触れる。
これでとり憑いた事になるわけね。
「宿主とは密接な関係になります、感覚を共有するわけです」
「カンカクをキョーユー? ですか?」
「ああ、ええと」
説明に困り私に助けを請う……速ぇよ!
もう、しょうがないわね。
「味とか痛みとか、あの子と同じように感じるわけ」
自慰の快楽も……なんててさすがに言えないか。
そういうの知らないわよね、汚れを知らなそうというか何というか。
「宿主が善行を行えば、もちろんポイントは加算されます。あっ……」
天使の声に女性を見ると、早速ゴミを拾って近くのゴミ箱に入れた。
まさか素でやるとは……本当に良い子を選んだな。
「ゴミの清掃、1TPですね」
とメモしていく。さっそく+1か……私の時とは大違いね。
ちなみに私が始めて宿主から貰ったポイントは-80、雲泥とはこの事か。
「これが10000TP溜まると、見事生き返れます」
「い、一万ですか?」
さすがに桁には驚いたらしい。
ゴミを拾うなら一万回……気が遠くなるわね。
「大丈夫、すぐ溜まりますよほらっ」
天使がまた女性を指差す。
すると今度は気の良さそうな老婆と話をしている。
どうやら道を聞かれているらしく、そのままその老婆を連れ道を引き返していく。
「えー、道を教えてあげる:+10TP。しかも道案内までする:+20TP」
すげっ! 見る見るうちにポイントが!
「ああっ!」
するとゆたかちゃんが声を上げる。
その見る方向には、猫……道路の真ん中に、居る。
朝とはいえ通勤ラッシュの車が行き交う道路を、その小さな猫が歩いている。
もちろん……危険よね? ってかやばいでしょ!
た、大変! 助けなきゃ!
って軍手外したんだったぁああ!
「ポ、ポイント使うわよっ! 急いで……」
天使に声をかけようとしたその一瞬だった。
ガードレールを一瞬で何かが飛び越え、流星のようなスピードで子猫に向かって駆けて行く。
そのままその子猫を抱くと、その勢いのまま反対車線へ。
……もちろん、言わなくても分かるわよね?
さっきの女性……みなみちゃん、だ。
「儚い生命を救う:1000TPっと」
ってちょおおおお!
「な、何。今の1000もするの!?」
「はい勿論、それ相応のリスクがありましたから」
たっ確かに。
今彼女は自分の身を賭けてあの子猫を守ったわけだ。
……しかも一瞬の躊躇もせずに。
「ただいまのポイント1031TPです☆」
「わぁっ、ありがとうございますっ」
天使と手をとって喜び合う二人。
……た、立つ瀬がない。いきり立って見せ場を奪われるとは。
「結構すぐ溜まるんですねっ、かがみさんはどれくらい溜まったんですか?」
「えっ、わ、私? 私は……」
言えるか!
未だマイナス街道猪突猛進だなんて!
「ま、まぁ……ボチボチよ」
「……ぷっ」
てめぇ笑ってんなやぁ!
つか大概お前の所為だろうが!
「あと、ポイントを消費すると行動を増やす事が出来ます」
「行動を?」
「宿主とお話したり宿主だけに姿が見えたりしますよ」
合計150はきついけどね……って1000もあるなら特に問題ないじゃん!
「お話出来るんですか?」
「はい、まぁ使う必要はないと思いますが」
そりゃそうよね、何もしないでも勝手に+1000だなんて。
うちの宿主じゃ……はぁ。ってゆーか家にひきこもってるのにどうポイント稼ぐんだよ!
「いえ……使いますっ」
「へっ?」
天使が眼を丸くする。
そりゃそうよね、このまま傍に居るだけで勝手にポイントが溜まってくのに。
わざわざマイナスしてまで話す必要性は……。
「私の命を救ってくれる人なんだし、ちゃんとお願いしたいです!」
な、なんて真面目な子。
私なんざひきこもり脱出させて高得点狙いで使ったってのに。
「それで、どれくらいポイント使うんですか?」
「ええと声を伝えるので50、姿で100だっけ?」
「うっ……た、高いですね」
さすがにポイントの十分の一だもんね。
そう簡単に……むぐぁっ!
「いえいえいえ、そんな事ありませんよー」
天使が私の口に手を突っ込む。
「このお姉さんは時々変な事言うんですよ、心を通わせるのにポイントなんて不必要ですよねー?」
「本当ですか!?」
喜ぶゆたかちゃん
……。
そろそろ、限界突破しちゃっていいかしら? 天元突破しちゃっていいかしら?
「か、かがみっ! 噛んでますっ千切れますぅっ!」
口で天使の手を噛んだまま、壁の向こう側に引きずる。噛んでんだよ! 千切ってんだよ!
そして胸倉を掴む。
「あー、まずはちゃんと話し合いましょ? ねっ☆」
「ガ、ガンを飛ばしながら言う言葉じゃないですよ! ☆可愛くないですし!」
「うっせーよ!」
ドスを効かせた目で、天使の涙目の顔を睨む。
「ポイントが必要ないですって? 私の時は150も持ってったじゃない!」
「だ、だって可哀想じゃないですかぁ。せっかく1000も溜まったのに……せっかく敬ってくれてるのにぃ」
こちとら-350だっつの!
+1000のどの辺が可哀想なのか、たっぷり聞いてあげようじゃない!
「ってゆーかポイントも使わずにそんなこと出来るわけ!?」
「ええ、まぁ」
じゃあ私がせっせと貯めてるのはなんなのよ!
ポイント使うだの使わないだのでこちとら必死にやってるのに!
「どうやんの!? 私にも教えなさいよ!」
「……」
すると、眼を逸らす。
こ、この顔は覚えがある。
何か誤魔化す時に遠い眼しやがるんだ!
「ぶつわよ……グーで」
「え、ええとかがみ。怒らないで聞いてくださいね」
「いいや、怒る。言っても怒る、言わないでも怒る! 殴る!」
「ど、どこのヤクザですかぁっ!」
「いいから吐きなさい! 何したわけ!?」
「ひぅっ! あ、あの……実はですね」
もう振りかぶってる拳を見て、ようやく口を割る。
もちろんその手は、彼女の顔にめり込んだわけ。
ええもちろん……勢いよくね!
「かがみのから代わりに……引いちゃいました」
……。
祝☆-500TP突破記念もうちょっと敬いま賞DVD限定プキンちゃんハンカチ(青)が……赤く染まった瞬間だった。
- 現在のTP
かがみ: -499TP(↓)
ゆたか:+1031TP(↑)
ゆたか:+1031TP(↑)
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- さいこーwww -- 名無しさん (2007-12-14 22:06:57)
- かがみんのポイントから勝手に棒引き吹いたwwww
次回も楽しみにしてますね。 -- 名無しさん (2007-12-13 23:49:06)