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恋するひより・後編

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だれでも歓迎! 編集
「休む」
私がそう口にしたのは朝の7時半。自室のベットで布団に潜り込んだ状態だった。
朝食の準備ができてもリビングに降りてこない私を心配したお母さんが部屋へとやってきて……私はそう言った。
「体調悪いの?」
「ちょっと、ね」
嘘じゃなかった。目が覚めてからずっと、喉に違和感があった。それに少し身体がだるい。完全に風邪をひいている。
お母さんが持ってきた体温計で熱を測ると、37度9分の発熱。
「今日は学校休みなさい。まったく……昨日あれだけ寒かったのに、何の準備もせず夜遊びするからよ」
「夜遊びなんかじゃないよ……」
お母さんの視線を避けるように布団を頭からかぶると、私は小さくため息を吐いた。
夜遊びなんかじゃないよ。私は今までで一番真剣な気持ちで、あの公園に6時間もいたんだから。
「学校にはお母さんが連絡いれておくから、きちんと暖かくして寝ているのよ」
お母さんが出ていったのを確認して、私は携帯を確認した。電源が入っていない。
それはそうだ。私が昨日、眠る前に自分で切ったんだから。今ごろメールやら不在着信やら来ているのかな。
私には電源を入れてそれを確認するまでの勇気が無かった。彼はあれから私にメールしたのかな。
(するはずないよね。私からのメールも返さなかったし、あれだけ待っても来なかったんだから)
しかし、あんな寒空の下で女の子を6時間待たせますか。そして私も、なんでバカみたいに待ってたんだろう。
(非常識っスよ。男に二言はないはずっス)
必ず来ると書いてあった彼のメールを確認したときの喜びを思い出して、それは一層の切なさになって、胸に襲いかかって、
私は昨日流しきったと思っていた涙を、また零そうとしていた。枕に顔を埋めて、必死に耐えようとする。
なんとか彼を責めようとしてみたけれど、彼のせいにして気を紛らわそうとしたけれど、ついに私にはできなかった。
(全部私が悪いんだ……こんな趣味を持ってるから、全部受け入れてくれるとか甘い夢見てたからいけなかったんだ)
彼と初めて会話したあの日、クラスの男子から言われた私を深く傷付けた『キモい』という言葉。
昨日、彼も同じ事を私に思ったのだとしたら。彼の中でも、私は近寄ってはいけない存在に映ったんだとしたら。
(そっか……私って、『キモい』んだ……)
あれだけ優しくて、私を好きだと言ってくれた彼に拒絶されるくらいなんだから、私はきっと世界一キモい女なんだ。
考えれば考えるほど、私は自分を責め抜きたくなった。この趣味に目覚めてから、後悔する事なんて一度だってなかった。
今までの自分の行動の全てが憎らしくなってきた。自分の描いてきた原稿を、集めたグッズを、全部壊したくなる衝動。
(私ってキモいんだ、私ってキモいんだ、なんで私はこんなにキモい女になっちゃったの、なんで私は……)
枕を握る私の手に力が込もる。暴力的なまでに自分への嫌悪感が、風邪で弱った身体の中で暴れている。
(どうしよう、彼に嫌われちゃった。私がこんなんだから、彼の気持ちを裏切るような人間だったから。
 彼に謝りたい。嫌わないでって言いたい。彼に許してもらえるなら、こんな趣味いつだってやめてやる。
 でもきっと彼はもう、私と関わってくれない。私への不安が彼の中に生まれたから。もうお喋りもできない。
 一緒に帰ることも、他愛のない世間話や、アニメの話で盛りあがることも、私に微笑みかけることもないんだ)
原稿を描く時間があったら、メイクを勉強すればよかった。アニソンを聴いてる時間があったら、ファッション雑誌でも……。
そんなどうしようもない後悔だけが、私の中で次々と生まれてくる。どうして自分はこういう方向にいっちゃったんだろう。
決して広い理解をもらえる人種ではないと、常々理解していたつもりでも、やっぱり否定っていうのはとても恐ろしい。
(こうちゃん先輩、泉先輩、頑張れなくてごめんなさい。それと、もう二度と私は……)
原稿を描きません、と思っているうちに、私は二度目の眠りに落ちていった。


「……より、ひ……り! ……ひより!」
眠りの底から私を引きずり上げたのは、お母さんの声だった。勢いで上半身を起こす。
「あ、お母さん……今何時?」
「12時半。おかゆ作ったから、食べなさい。それと、お友達が来てるわよ」
「えっ?」
おかゆの入った小さな土鍋を持っているお母さんの後ろからひょこっと顔を出したのは、こうちゃん先輩。
それに倣って次々と姿を見せたのは、小早川さんと岩崎さんだ。三人とも、心配そうな顔をしてくれていた。
「こんにちわ、田村さん」
「ひよりん、体調はどう?」
「あ、おかげさまで……って、今お昼だよね? 学校は?」
「この時間はいつも昼休みだって、ひよりんだって知ってるだろ」
「それで、私達心配になってきちゃったんだ」
小早川さんの言葉に、岩崎さんは小さく頷いた。短いお昼休みをお見舞いに費やしてくれるなんて。
私は本当に、人間関係に恵まれていた。この運の良さでどうして、恋人には恵まれないんだろう。
「ありがとー……でも、どうしてお昼休みに?」
「だってひよりん、連絡とれないんだもん。昨日の結果、聞こうと思ったのに」
こうちゃん先輩のその言葉に、私の胸がズキンと疼く。残念ながら、私のせいで期待には添えませんでした。
「私も、先生から田村さんが風邪で休んだって聞いて、心配になってメールしたんだけど返ってこなくて。
 メールできないほど体調が悪いのかな、もしかして寝てるのかもって思って、迷惑かもと思ったけど電話して、
 携帯の電源そのものが切られてたみたいだから、どうしようかってみなみちゃんと相談して、じゃあ行こうってなって」
「……その途中で、八坂先輩に会った。八坂先輩は先生から、田村さんが欠席したのを聞いて心配していたらしくて、
 田村さんの昨日のことは……私達もさっき、八坂先輩から聞いていて。それでなにかあったのかなって思ったんだ」
ということは小早川さんも岩崎さんも、私が告白されたこと、それを受け入れるために公園に行ったことは知ってるんだ。
「二人には思わず話しちゃったけど、昨日のことがあって今日のこれだから。二人とも相当心配していたみたいだし、
 ひよりんのためにも知っておいてもらう必要があると思ってね。こんなに心配してもらえるなんて、ひよりんは幸せだね」
友情に関しては本当に、私は幸せ者です。こうちゃん先輩の世話好きも、ここに極まれりって感じだけど……。
私は自分が嬉しくて堪らないのを感じていた。三人の情が胸に熱い。失恋の痛みを、少しだけ忘れさせてくれた。
でも私は、それにお返しできるような返答を持ち合わせていなかった。
「で、ひよりん。その様子だと……ダメだったみたいだね」
「えっ……は、はい」
私はまだ何も言ってないのに、こうちゃん先輩は結果を見抜いていた。部屋中に重い空気が立ち込める。
「そりゃおかしいよ。だって告白してきたのはあいつなんでしょ?」
「いえ、いいんです……」
「いいって、でも、田村さんもその人のこと……」
「好き同士だったからといって、うまくいくとは限らないよ。人の気持ちなんてすぐ変わっちゃうし」
「そんな……」
私は痛々しそうな顔をする三人、特に今にも泣き出しそうな小早川さんに対して、少しだけ微笑んだ。
これ以上こんなに優しい三人に、心配はかけたくない。今の私にできる、精一杯の笑みだった。
「みんな、そんなに心配する必要ないっスよ。私なら全然元気っス! やっぱりこの喋り方が私らしいっスね!
 私だって高校生の女の子だし、失恋のひとつやふたつするもんっスよ! たいした問題じゃないってこと」
ああ……今の私ってすごい痛々しいんだろうな。だって私以外、誰も笑ってないんだもん。ドツボにはまってる。
「それより、三人ともお昼まだっスよね?」
「……うん。ご飯よりも先に、ひよりんが心配だったしね」
「嬉しいデスね~。お弁当は持ってきました? ない人はうちで何か食べていってくださいっスよ。
 時間も無いし、簡単なものしかないですケド……それとも、そろそろ学校に戻って学食でも……」
「……それは大丈夫だけど、ひよりんは誰かそばにいなくていいのか?」
それはどういう意味だろう。今の私はそんなに、寂しそうに見える? 三人の目には人恋しそうに映っている?
でも、こうちゃん先輩の言葉はあながち間違っていない。ひとりになるとまた泣いてしまいそうだったから。
今は三人の優しさに甘えて、自分を慰めるのもいいかもしれない。絵に描いたように失恋した女の子だった。
「じゃあ、そばにいてください。ひとりだと心許なくて~……」
「時間いっぱいまでは、田村さんの話し相手になってあげるね」
「……体調がすぐれないときは、いつでも言って」
「これがお見舞いの本領っスよね……けふんけふん」
堰は出てしまったけれど、暖かくして寝ていたためか朝と比べればずいぶんと体調が良くなっていた。
簡単な風邪だけですんで本当によかった。明日からまたいつもの私で学校に通えるか、自信はなかったケド……。
「まあ色々あったけど、これでひよりんも原稿に集中できるんじゃない? 今回は落としちゃったけどさ」
きっとこうちゃん先輩にとっては何気ない言葉だったんだろう。でも私には、その言葉はちょっとした恐怖だった。
「あ……あっ、あの、こうちゃん先輩」
「きっと今ごろ印刷所やコンビニのコピー機前は戦場だぞ~」
「あっ、そういえば田村さん新しい本描いてたよね? インクこぼしちゃったケド」
「あ、あのね。先輩、私」
「結局あれ、完成しなかったんだよ」
「えー! そうなんですか?」
「……手伝ってあげればよかったかな」
「いいんだいいんだ、自己責任だし。ただし、今度のイベントはその分厳しいからね? 絶対新刊出させるよ?」
「せ、先輩っ」
三人の会話を止める、私の声。不思議そうに私を見つめる六つの目。
「どうしたの、ひよりん」
「わ、私、その……」
それを言ってしまうべきかどうか、少しばかり躊躇してしまった。けれど、私はもう誓ってしまったんだ。
その言葉は、こうちゃん先輩を失望させるに違いないし、怒らせてしまうかもしれない。こんなに優しくしてくれているのに。
けれど、もうどうしようもなかった。今の私には、これしか自分を変えるための手っ取り早い方法がなかったから。
「私……もう原稿は描きません」
「それはダメ」
即答だった。きっと、私がフラレたんだとわかった時点で、どんなことを考えているか予想がついてたんだ。
しかし、いくらこうちゃん先輩にダメだと言われても私はその決意を揺るがせるわけにはいかなかった。
もう二次元に逃げるだとか、妄想に逃げるだとか、そんな逃げ道を作るより普通の女の子のままでいたい。
「先輩。本当に申し訳なんですケド、私はもう描きません。サークルも解散します」
「……」
こうちゃん先輩がふぅっと息を吐く。小早川さんと岩崎さんは、そんな私達を見比べて、戸惑ったような顔をしている。
また迷惑かけちゃってごめんね。でも、私にはこうちゃん先輩を説得させないといけない必要があるんだよね。
「ひよりん。いくら私だって風邪が治ったらすぐに原稿に取りかかれとか、そんな残酷な事までは言わないよ。
 今のひよりんの状況をきちんと理解してる。だから今は時間を置く必要があるんだよ。それはわかるよね?
 自棄になってそんなこと言ったってしょうがないよ。趣味のせいで嫌われたからやめるとか、考えたらいけないぞ」
「自棄なんかじゃないっス」
私の声に力が込められる。柔らかく説得するつもりだったのに、どうして攻撃的になっちゃったんだろう。
「いいや、自棄になってる。いつものひよりんなら、間違っても原稿やめるだとか言わないでしょ」
「いつもの私ってなんですか。私はいつも原稿のことばっか考えてるような面白みのないやつですか」
「田村さん、落ち着いて……」
岩崎さんが私の肩に手をかけようとする。小早川さんは怯えるように小さく震えていた。
「だって、原稿だとか、そんなこと気持ち悪いことやってたからあの人に嫌われたんですよ!?」
「気持ち悪いって……何が気持ち悪いんだよ。ひよりんは自分の趣味をそんな風に考えてんの?
 誰になんて言われようが、そんなの無視すりゃいいじゃん。自分が楽しいと思う事、やって何が悪いんだ」
「こうちゃん先輩はわからないんですよ! 『キモい』だなんて言われた事ないから!」
一瞬、部屋の空気が凍った。私以外三人揃って目を見開いて、ああ……私はなんて友達不幸なやつなんだろう。
「た、田村さん……今……」
「それは……あいつが言ったの?」
「……違います。でも、私はクラスの男子が私の事を、はっきり『キモい』って言っちゃったのを聞いたんです。
 彼は、そんな彼らから私の話を聞いているうちに……昨日来てくれなかったのは、彼もきっと同じ事を思ったから」
「ひよりん、それは」
「もうイヤなんです! 中学のときもそうだった。こんな暗い趣味に走ってるから、好きな人に嫌われる。
 キモいって言われて、嬉しい人なんていないっスよ! 私だって女なんだから、泣きたくなるくらい辛いっス!
 しかも好きな人にまでそんな風に思われて、これから先どうしたら原稿なんて描けるんですか? 私にはもう無理っス!」
小早川さんは泣いていた。私の悲しい気持ちを察してくれたのかな。岩崎さんはそんな小早川さんを労る様に抱いていた。
「何を言ってんの? ひよりんの左手は、ひよりんを悲しませるためにあるものじゃないでしょ」
左手――……そうだ。ペンだこだらけの私の左手。彼が褒めてくれた私の左手。勲章だと言ってくれた私の左手。
……今の私を苦しめている、ペンだこだらけで汚いだけの罪深い左手。
「そう……この手のせいっスよ。何が神の左手っスか。バカみたいに後生大事にして、私を苦しめてきたくせに!」
私は傍らにあった目覚まし時計を取った……右手で。それをそのまま、自分の左手めがけて振り落とす。
「バカっ、ひより――」
小早川さんはとっさに目を覆い、岩崎さんは身を乗り出す。バキッという鈍い音が、部屋中に響いた。


「さてさて、九死に一生を得たところで……ひよりんや、それはないんじゃないの?」
ベットの傍らに転がるのは、粉々になった目覚まし時計。私の神の左手がこんな姿にしたわけじゃない。
目覚まし時計破壊の犯人……泉先輩は私に向かって、いつものネコ口を見せていた。けれど、瞳はどこか真剣だった。
私の左手に時計がぶつかる瞬間、どこからか突然現われた泉先輩は手刀をもって私の右手から時計を弾き飛ばした。
壁に衝突した時計は大破。「私も昨日のことでひよりんが心配になってネ~」とは泉先輩の弁。
「……なんで邪魔するんですか。こんな左手、使えなくなった……ほうがっ……マシ……」
私は嗚咽を漏らし、そのまま大粒の涙をぽろぽろとこぼし始めた。私はどれほど泣けば、いい加減気が済むんだろう。
「ひよりんの本が読めなくなるのは困るよ~。それ以上に、ひよりんが今以上悲しまないといけなくなるのが困る」
「こんな手、使えなくっ、なったってっ、別に悲しくないっス……」
岩崎さんがハンカチを差し出してくれた。こうちゃん先輩は自分が私を追い詰めたと思っているのか、深く肩を落としている。
「こんな手があるから、私はキモいだなんて言われるんですよ? だから私は嫌われて」
「そんなことでキモいって言われて、何か思いつめる必要はあるの?」
まるで私の悩みがたいしたことないかのような表情で、泉先輩はしれっと言葉を返した。
「誰がキモいって言ったの? その男子達? じゃあその男子達がキモいって言ったら、ひよりんはキモいの?
 私達のうち誰かひとりでも、ひよりんのことキモいって言ったことある? そもそもキモいことの基準って何?」
「そ、そんな屁理屈を聞きたいんじゃないっス! 私は、好きな人に、彼にキモいって……」
「言われたの?」
泉先輩の言葉、力は込められていないはずなのに、なんだか有無を言わせぬエネルギーが……。私は身をすくめた。
「言われてないですケド……」
「ひよりんが原稿を描いた事で、誰か迷惑してる? ひよりんの左手は、誰かを傷付けたことはある? 多分ないよね。
 ひよりんの事をキモいって言った人以上に、ひよりんの本をいつも楽しみにして、それを読んで楽しむ人がいるんだヨ?
 こんなに誰かに自慢できる左手、そう転がってないよ。だって、彼が褒めてくれた勲章がたくさん付いてるんでしょ?」
勲章……私はそっとペンだこに触れて、あのときの彼の言葉を思い出す。私のペンだこは、勲章……。
淡々とした口調で次々と言葉を発していく泉先輩。ネコ口なのに、なんでこんなに私の中に響いてくるんだろう。
「ひよりんの左手の偉大さを知らない人間が何を言おうが、放っておけばいいよ。傷付くこともあるだろうけどさ。
 無知な人間が遠くから飛ばす野次ほど情けないものはないしね。ただ、私達はひよりんの原稿を読み続けたいんだ。
 彼は本当にひよりんをキモいと思ったか、彼に聞かないまま終わっちゃう? ひよりんはまだ何も終わってないよ。
 聞いてみる価値はあるんじゃない? 万が一そいつがキモいって言ったら、私とこうがボッコボコにしてやんよ~」 
「ちょっと待って。なんで私まで」
ストレートパンチをシュシュシュと繰り出す泉先輩。私が死ぬほど悩みぬいたことをなぜこうも簡単な話のように……。
「わ、私は……」
突然口を開いたのは小早川さんだった。袖で涙を拭って、いつもの愛くるしい笑顔を私に見せてくれている。
「田村さんの手、好きだな~……だって、面白い漫画描いてくれるし、描いてるときの田村さん、すごく幸せそうだし」
「私も……田村さんの手がダメになるなんて、悲しい。もっと、その手を誇ってもいいと思う」
次いで、岩崎さんの言葉。なんの飾りもないそのまっすぐな二人の言葉は、まっすぐな分だけ私の胸に突き刺さる。
私はなんていうことをそしようとしていたんだろう。こんな二人の目の前で、自分の手を壊そうとしていたなんて。
そうだ。私の手は……私と彼を放したわけじゃない。私と彼を引き合わせた手のはずだった。どうして忘れていたんだろう。
岩崎さんが小早川さんに、何か耳打ちしていた。小早川さんは驚いた顔を見せると、顔を赤くしながら小さく頷いた。
「泉先輩、八坂先輩。すみませんが、席を外していただけませんか?」
「ん、いいよ」
岩崎さんの要望を受けて、二人は部屋を出た。岩崎さんと小早川さんは姿勢を正して、真剣な目で私を見つめる。
「田村さん。こんなときに田村さんに言っていいかわからないケド……後で答えるって約束したから言うね」
「う、うん」
「私とゆたかは……付き合ってるんだ」
まあ以前話したときにある程度わかっていたようなものだったけど、それでも私の脳天にハンマーのような衝撃。
「えっ、や、やっぱり……いや、そうじゃなくて……で、でも、それを私に言っちゃっていいの?」
「うん。ゆたかもいいって言ってくれたし……今の田村さんには聞いてもらいたいから」
小早川さんは頭のてっぺんまで真っ赤にしている。同時に、不安そうな顔で私を上目遣いで覗きこむ。
「たぶん、田村さんには女の子同士で気持ち悪いって思われるかもしれないけど」
「お、思わないよ全然! そんなこと……むしろ嬉し、げふんげふん」
「ありがとう……でも、私達はきっと色んな人から、奇異な目で見られることがあると思う」
「ん……まあ、そうだよね。決して大勢からは簡単に歓迎されるようなものじゃないし」
「でも、私達からすればそんなことはどうでもいい。私はゆたかのことが好きだから。私達は守り合うって誓ったから。
 本当に好きなものを守り通したいときは、周りよりも自分のことを信じるしかない。それがたとえやせ我慢でも。
 私は……田村さんにもそうしてほしい。本当に正しい事を知ってるのは、幸せになる道を知ってるのは自分だけだから」
小早川さんの手を固く握ったまま、射抜くような目で私を見る岩崎さん。決意と勇気に満ちた、勇ましい瞳だった。
幸せになる道……原稿が完成したとき、誰かに読まれたとき、たとえ苦しい過程があっても、私は幸せだった。
彼と話しながら帰る家路、彼と盛り上がったお喋り、いや、彼と居るだけで、それも私には幸せだった。
どうしてそのどっちも、私は手放そうなどと考えていたんだろう。まだ何も、自分のことを信じきれていないのに。
「……ありがとう、岩崎さん。小早川さん」
私の目を見た岩崎さんは、クスっと微笑んだ。彼女は鋭い人だから、きっとすぐに気付けたに違いない。
……私が、最後まで自分を信じぬく決意を、そして彼を信じぬく決意をひっそりとしていたことに。
小早川さんはやがてまた、いつもの笑顔を見せてくれた。あっ、目の前にすごい百合! これは鼻血ものっスね!
「でも、私はどうすればいいんだろう。明日顔を合わせるだけでも、ちょっと精一杯かな……」
そんなことを自嘲気味に言ってみる。二人は頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
「そういえば、その人ってどんな人なの?」
「二人は……相手のことはこうちゃん先輩から聞いてないんだ?」
「うん……同じ学校の人としか」
二人はクラスメートだとは知らないみたい。教えない方がいいかもしれない。妙に意識させるのもあれだし。
「たぶんそのうちわかると思う……そういえば、もうお昼休みが終わる時間きてるね」
「あ、本当だ……学校終わったら、ノート持ってくるね」
「ありがとう。本当にいい友達もっちゃったな~」
「今日は田村さん以外にも欠席者が出ちゃったんだけど、それがわけありで授業がちょっとだけ潰れちゃったんだ」
「へー? 誰が欠席したの?」
「えっとね、男子の人なんだけど……」
小早川さんの口からその名前が出たとき、私の全身は急激に凍ったように強張った。
「……えっ? 小早川さん、今なんて……」
「あのね、昨日の放課後なんだけど……クラスの男子同士で掴み合いのケンカがあったみたいで。みんなが帰ってから。
 そのときに相手に倒されてから頭をぶつけて気絶したみたいで……たしかすぐに病院に運ばれたんだって。
 ケンカの原因はよくわかってないみたいなんだケド、気絶したのすごく真面目な男子だからみんなビックリして。
 とてもケンカなんかするような人じゃなかったから……たしか今も病院に寝ているはずだけど……って、田村さん?」
小早川さんの言葉が言い終わるか終わらないかのうちに、私は切りっぱなしにしていた携帯の電源を入れた。
学校の番号を押しているうちに表示される、メールの通知と不在着信。私は神の左手でナンバーを押していく。
『はい、陵桜学園事務室です』
「すみません! 田村というものですが、○○先生に繋いでください!」
「た、田村さん……どうしたの?」
『……はい、代わりました。田村さん、体調は大丈夫なの?』
「私の体調はどうでもいいんです! 先生、教えて欲しいことがあるんですけど……!」
それから私は戸惑う先生から強引に引き出すようにして、欠席している男子の眠る病院の名前を聞き出した。
「どうしたの、ひよりん」
泉先輩とこうちゃん先輩が、何事かと部屋へと入ってきた。私は何も答えず、というか答えられず、ベットから飛び起きた。
「それが田村さん……急におかしくなっちゃって」
私は携帯と財布、眼鏡を手に取ると、パジャマ姿のまま部屋を飛び出した。呆気に取られる四人を部屋に残して。
「……お姉ちゃん。田村さん、あれでよかったのかな?」
「いいんだヨ。やっと、最良の選択ができたみたいだしネ」


糟日部病院までの道のり20Km。私はタクシーの運ちゃんに向かって、もっととばすように指示した。
今週末のイベントで使うはずだった、お小遣いはタクシー代に当てた。というか、お釣りをもらう余裕はなかった。
迷惑承知で病院のロビーを走ると、受付の看護師に食いつくように詰問する。彼の寝ている病室の場所を。
「はや、早く教えてくださいっス! 彼が、彼が、怪我をしているっスよ!」
「お、落ち着いてください。怪我をしてるのは知っています。ご家族の方ですか?」
「わ、私は……恋人です!」
その大声はロビーに響き渡った。パジャマ姿で半狂乱の女の子が病院で叫ぶ。我ながらサイコ野郎っスね。
「はい、恋人さんですね……ああ、昨日運ばれた人ですね。たしかもう集中治療は終わって、今は安静にしているはずです」
よかった……命に別状はないみたい。私は焦りながらも、心の底から安堵を吐いた。
「でも、困るんですよね。意識が戻って身体が動くからといって、その患者さん、病院から何度も脱走しようとするんです」
「だ、脱走ですか?」
「はい。今朝からもう四回も。公園にいかなきゃとか、田村さんに会わなきゃとか、そういって聞かないんですよ」
公園――彼は、私の約束を破ったわけじゃなかったんだ。彼は、私に会いに来ようとしてくれていたんだ。
思わぬアクシデントに邪魔されちゃったけれど、彼は私から離れたわけじゃないんだ。嫌いになったわけじゃないんだ。
「病室は305号室ですね。もう面会は大丈夫のはずですよ。あ、ところでお名前は」
「田村っス!」
「はい、田村さん……えっ?」
おでこが光る。私はコミケ会場でお目当ての同人誌を見つけたときよりも素早く、その場から駆け出した。
305、305……! 階段を8段飛ばしくらいで駆け上がる。風邪のせいか不思議と身体が軽い。
(305……あった!)
個室だった。病室の扉を開けて、私は突入した。
広く静かな病室。窓には曇天模様。その部屋の隅に設置されたパイプベッドには、頭に包帯を巻いた愛しい人の姿。
「た、田村さん……?」
「……なっ、なにをしようとしてるの?」
「……脱走」
彼は患者用のパジャマの上からジャケットを羽織って、ベッドから降りようとしていた。私は私で息も切れ切れだ。
「気持ちは嬉しいけど……脱走はダメっスよ」
「田村さん、走ってきたの? 汗がすごいけど……」
そのうえ風邪までひいてます、とは言えなかった。彼を余計に心配させるわけにはいかなかったから。
「安静にしてなきゃダメだよ……頭、怪我しちゃってるんだし」
「う、うん……あっ、田村さん……昨日はごめん!」
彼は包帯に包まれた頭を思いきり下げた。その振動で痛みが走ったらしく、「痛っ!」と叫ぶおまけ付き。
「だ、大丈夫?」
「うん……昨日は本当にごめん。こんなことさえなかったら、公園に行くつもりだったんだけど」
「もういい……もういいんだよ?」
ごく自然な動作だった。自分でもなぜ、そうしたのかわからなかった。でもたぶん、一番したかったことだったから。
気が付けば私は、彼の胸に頭を寄りかからせるようにして抱きついた。突然の行動に、彼の身体が硬直した。
あ、心臓が高鳴ってるのわかる……昨日からずっと寂しかったんだし、彼に触れたかったんだし、別にいいよね……?
「田村さん……」
「私、昨日ね。あなたの気持ちにOKを出すつもりだった。もちろん今でも、あなたさえよければ」
「……本当?」
「でなきゃ、こ、こんなことできないっスよ~……」
自分のやっていることに気付いて、急に恥ずかしくなってきた。でも、離れようとは思わなかった。
すると彼の両手が、私の頭を抱きかかえるように回ってきた。苦しくない程度に、私をぎゅっと包んで。
「嬉しい……ありがとう、田村さん」
「その……ひとつ聞いていい?」
「何?」
「どうして、ケンカなんかしちゃったの?」
「……」
彼は急に黙った。それだけで、私は彼のケンカの原因がわかった。私のことだ。それであの男子達と衝突したんだ。
それを口にすれば、私が申し訳ないという気持ちを持つと知っているから、彼は黙っている。胸が張り裂けるほど嬉しい。
「私のことでしょ?」
「……!」
「昨日、途中まで聞いちゃってたんだ。あなたと男子達の話。途中で逃げちゃったけど……あれで嫌われたと思ってた。
 でも違ってたんだね。あなたは、最後まで私のために怒って、闘ってくれてたんだね。なのに私は……本当にごめんね」
「……ケンカなんて、本当はしたくなかった。誰かの胸倉を掴んだ事なんて、今まで一度も無かった。
 でも、田村さんを悪く言われるのだけは耐えられなくて、最初は無視するつもりだったけど、気が付いたら」
「うん……ありがとう」
今度は私が彼を慰めるように、優しいトーンで彼に言葉をかける。
あのときの彼の無言は、男子達に言い返せなくなったんじゃなくて、ただ無視をしただけだったんだ。
「……ね?」
「なに、田村さん」
「もしかしたら私の趣味のことで……あなたに引かれちゃう気がくるかもしれないんだよね」
「うん」
「それで……あなたに嫌われちゃうかもしれないし、それに」
「ならないよ、嫌いになんか」
「……うん」
ああ、良かった。この人を信じて。自分を信じて。今日はちょっと私から裏切りかけちゃったんだけど。
「田村さん」
「なに?」
彼は私の頭を自分の胸から引き離すと、私の目を見つめてきた。私は全身が真っ赤になるのを感じた。
「目、閉じて」
「目って……うえええええええ!!!!」
彼の言葉の意味を汲み取って、私は目こそ閉じたものの頭は思いっきり俯いていた。体温で爆発しそうだ。
(ち、ちょっと待ってくださいっスよ! 目を閉じてって、目を閉じてって、いわゆるアレっスよね!? ね!?
 そんな恋愛漫画じゃないんですから、私なんかが主人公でいいわけなくて、私は読み手というか描き手というか、
 そ、そりゃ何度もそういうシーンは描いてきたっスけど、もう普段はパパッと描いちゃうわけなんですケド、
 もっとそういうのは美少女というか美少年というか美少女同士というか美少年同士というか、いやいやいや、
 はははははははははは恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしいっスよおおおおおお!!!!!!!)
「田村さん、顔上げて」
「ええええ、ああああ、あっ! く、唇はダメっス!」
「……田村さん?」
「その……風邪うつしちゃうから……」
俯いたまま私は答えた。彼のために頭を上げようとしても、まるで錆びた機械のように私の首は動かない。
「風邪、引いてるの?」
「えっ、あっ、ちょっとだけ……あ、でも全然、走ったら治る人だし」
自分でも何を言ってるのかわからなかった。ただひとつわかったのは、彼がくすっと笑ったこと。
私は固く目を閉じたまま、決心したように頭を上げていく。唇にしないとわかったら、少し余裕ができた。
自分の心音が聞こえる。これまでにないほどの早鐘を打っている。こんなに恥ずかしがり屋だったなんて。
やがて、おでこに柔らかな感触がするのを感じた。それだけで、その部分からまるで電流が走ったかのようだった。
甘い電流は私の全身を一瞬だけ走って、彼の唇の触れた場所から、何かが身体を満たしていくようだった。
(ま、とりあえず……今のうちはこれだけでいいっスよね?)
私は固く閉じていた目を、そっと開いた。彼はまだ、私をまっすぐに見詰めている。
「お、おでこにキスされるのも、結構悪くな……むぅっ」
言い終わる前に唇は塞がれていて、彼に抱き寄せられていた私は今度は固くではなく、ゆっくりと目を閉じて、
彼の腕の力と唇の感触に身体も心も預けきっていた。そうでもしないと、この身体はすぐにでも崩れ落ちそうだった。
(どうしよう……いつもの私なら、これは漫画のネタに使えるぞとか、そんなことを考えるのに……)
彼が唇を離すと、私はやっぱり彼を直視する事ができずに、顔を真っ赤にしたまま俯いていた。
(今だけは……もうこの人のことしか考えられないっス……)


アニ研部室は修羅場と化していた。原稿を落とした私は次のイベントまでに新刊を三冊も仕上げないとならないようで。
なぜそんな荒行をこうちゃん先輩が私に課したかというと、『幸せになったんだからこのくらい当然だよな』とのこと。
さっぱり意味がわかんないんスけど……そういうわけで私は放課後に部室で原稿用紙と格闘の真っ最中です。
「うう、本当なら今ごろあの人と一緒に帰って、家でゆっくりネームでも考えてるところっスよ……」
「ひよりん、愚痴垂れる前に手を動かそうか」
「こうちゃん先輩だって、彼氏でもできれば私の気持ちがわかるはずっス」
「なんだとこの野郎」
「こんにちは。田村さんいますか」
部室の扉が開いて、姿を見せたのは彼だった。あれから幾度も、ここに足を運ぶようになった。
「あっ、もう少しで一区切りつくからもうちょっと待っ……あっ」
机から身を乗り出した瞬間、私の肘がインクのビンを倒した。無論、黒い悪魔が原稿用紙を侵食して……。
「ぎゃー!!!!! 原稿がー!!!!!!」
「田村さん、大丈夫!?」
私と彼と先輩とで、布巾を取り出したりででんやわんや。彼は無事な方の原稿を拾うと、
「これは……なんていう作品?」
「ああ、これはつい最近始まった深夜の萌えアニメで、メインの女の子キャラ四人が可愛くて」
「へえー……田村さんのオススメなら、僕も見てみようかな。まだこういうの、全然詳しくないけどさ」
「あなたもすぐに、いやでも詳しくなっちゃうっス、よ、じゃ、なくて……」
私は頭をぶるぶると振ると、軽く息を整えた。いつも通りのこんな口調じゃダメだ。もっと女の子らしく。
「あなたもすぐに、詳しくなる……よ!」
その言葉を聞いた彼はしばらくぽかーんとしていたけれど、やがていつものように微笑んで、
「僕も早く『ひより』さんに近付きたいっ『ス』」
……私の耳元で囁いた。
「わ、私の領域までくるのは厳しいっスよ! えと……その……」
私は初めて彼のことを下の名前で呼んだ。こうちゃん先輩の「けっ!」という声が、アニ研部室に響いた。







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  • オリキャラは苦手なんですけど この話は違和感なく読める とても素敵な話でした (^^)

    ハッピーエンドになって良かった、2人ともお幸せに(^o^)/~~
    -- オビ下チェックは基本 (2009-05-24 22:29:03)
  • やばい!
    良い話だ!!
    ひよりん めちゃくちゃ可愛い
    こなたと彼氏がなんか格好いいし!

    ひよりん 末永くお幸せに -- ラグ (2009-01-18 00:56:55)
  • 感度しました! -- 名無しさん (2008-12-28 20:28:32)
  • らきすたのSSで百合じゃなくてオリキャラで男子でこんなに
    いい話ができるなんて!

    あれ?相手の男子って白石じゃないよね。 -- 名無しさん (2008-11-26 00:32:05)
  • 上手ないい作品ですね。GJ!!! -- 名無しさん (2008-11-24 23:57:12)
  • 最初は男子のせいでこのssが好きになれなかったけど、
    今はかなり好きですww
    いいですよ、これwww -- taihoo (2008-11-23 05:29:42)
  • すごくいい!オリキャラは要らないって考えでしたが、このシリーズで一気に考えが変わりました。
    やっぱり幸せな結末は良いですね -- 名無しさん (2008-08-07 11:32:01)
  • つかみゆといいコレといい、あなたが神か… -- 名無しさん (2008-07-25 12:34:23)
  • 話も上手くて文章も上手い。文句なしの良作をありがとう! -- 名無しさん (2008-06-24 03:04:41)
  • ひよりんお幸せに…
    でも最後の先輩の「けっ!」で大爆笑したっス -- 名無しさん (2008-04-06 02:24:53)
  • イイハナシダナー -- 名無しさん (2008-03-24 19:11:32)
  • あれ? 目から塩水が…
    画面見えねえ… -- 名無し (2008-02-27 00:47:51)
  • 感動したっ!
    ・・まだ涙が・・
    ひよりん、幸せに・・・ -- 名無しさん (2008-02-23 21:39:08)
  • おめでとうひよりん!
    感動しました!作者さまGJです! -- 名無しさん (2008-02-23 03:17:50)
  • 涙が止まらないんだがどうしてくれる
    ひよりんホントいい友達持ったね -- 名無しさん (2008-02-23 01:41:09)
  • このSSのおかげで
    らき☆すたがもっと好きになれたよ -- 名無しさん (2008-01-26 12:34:17)
  • Wonderful! 感動しました(〃▽〃) -- 名無しさん (2008-01-24 00:06:25)
  • ネット小説でマジ泣きしたのははじめてっすよ -- 名無しさん (2008-01-23 16:33:21)
  • ひよりん・・・幸せになってね・・・。
    遠くからずっと貴女の幸せを願っています。 -- 日和ん (2008-01-22 14:14:57)
  • みなの友情とひよりんの幸せっぷりに全俺が泣いた! -- 名無しさん (2008-01-21 22:36:19)
  • これを見ると、友人って大事だなって思いました
    類は友を呼ぶ。まさにその通りです。 -- 名無しさん (2008-01-20 17:46:15)
  • すばらしい作品です。いやマジで。 -- 名無しさん (2008-01-20 02:47:11)
  • この作品を読んで、ひよりがすごく好きになりましたぁ!! -- アペックス (2008-01-19 18:22:39)
  • はっぴーえんどで良かったああああ!!!!
    ひよりんの幸せがずっと続きますように!!
    -- 名無しさん (2008-01-19 18:02:48)

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