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続 ここにある彼方(6)

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「~ん~」
こなたがむっくりと起きる。
まだまだ、半分寝ているようでかなりぼけーとしているが。
「……1人?…」
辺りに人の気配は無い。
「……はぁ~、何当たり前なこと言ってんだか、私は……かがみ達がお泊まりならともかく…んと、いま何時だ?」
時計に目をやれば7時を過ぎたところだった。
「……うーーーん、まだ早いか…もう一眠りするか…」
もう一度寝ようと再び目線を下に向ける。と、隣で誰かが寝てたような形跡が…
しかし、自分でそこで寝てて、寝返りを打って今の場所に来たとも思える。
「…あ…れ…」
まだまだ寝ている脳みそに一生懸命再起動を促す。
ぬぼーとした脳みそで思考を紡いで行く。
「…そういや…お母さんの写真が撮れて…かがみ達を呼んで…お母さんが現れて…あれ?どこまで現実でどこからが
夢なんだ?あれれ?それとも、全部夢?お母さん出てきた時点で夢くさいなぁ…今日って何日だ?」
むっくり起きてPCの電源を入れにてくてく歩いて行く。
PCが起動する。
「…しかし、随分とリアルな夢だった気もするね…って、お、キタキタ」
日時を確認する。
「…おおぅ…」
PCの日時は8/15a.m.7:05を指している。
一気に目が覚める。
「ま、まいったなーこりゃ…夢なんかじゃなかったんだ…」
ベットにUターンして腰掛ける。
「…お母さん…」
自分が寝てた場所の隣…かなたが寝ていた形跡のある場所に手をのせてみる。
特にぬくもりも残ってなく、居なくなってから結構な時間が経っているようだった。
「…お母さん…ここに居たんだよね…いつ帰っちゃうかわからないって言ってたし、なんで実体化できたかもわからない
って言ってたし……寝てる間に、帰っちゃったのかなぁ…」
力なくうつむき、ベットにのせた手でその場所をさする。
「……参っちゃうなぁ…突然帰っちゃうなんて…お別れの挨拶くらいしたかったなぁ…」
気がつくとシーツをぐにっと握っていた。
「……おかあさん……」
ぽつ、ぽつ、と手元に涙が落ちてシーツに広がる。
「あ、あれ?私ってば…泣いてる…もう…昨日から泣きっぱなしだね…なんか、もうココ10年分位泣いた感じだね…
むぅ~いかんいかん、こんなのお父さんに見られたら、お父さん凹んじゃうよ」
ばっと顔をあげる。
「確かに、居なくなっちゃったのは悲しいけど、でも、お母さんといっぱいしゃべれたし、甘えられたし…十分だよね
ありがとう、お母さん…もしかしてそこらに幽霊状態で居てまたあわてて謝まってたりしてね。別にいいからね。
そんなこと。また、次に逢えるの楽しみにしてるからさ、じゃね!」
まるで、もしかしたら、そこにいるのかも知れない見えないかなたに向かって話しかけるように。
そして、滲み出てきた涙を拭うと、元気に立ち上がり部屋を出る。
「せっかく早く起きたんだ。朝ご飯でも作るか!!気合い入れて作っちゃうよ~昨日のお父さんに負けない位のをね!!」


キッチンに向かって歩いて行く。
と、どうやらキッチンが稼働している様子。
「んん?お父さん、まぁ~た寝れなかったのかな?うーん、締め切り前に燃え尽きなきゃ良いけど…」
こなたがキッチンへと入る。
「お父さん、おはよう、今日も早い…………うぉぉ~、な、なんと!!」
こなたが石化する。
「あら、こなた、早いのね。おはよう…って、どうしたの?その目」
「え?あ…な、なんでもないよ…」
(うわぉ、お母さん居たよ。帰ったと思ってた私って…orzだよ…まったく)
「…!、ははーん、もしかして、わたしが帰っちゃったと思って、また泣いちゃった?」
「…ぉぅ…べ、べつに…」
思いっきり真実を突かれ、プイッとそっぽを向く。
かなたが朝ご飯を作る手を休めて、こなたの隣にやってくる。
「んふっ…図星だった?」
「…んなことないもん!!」
依然として顔を合わそうとはしない。
「あらあらあらあら、どうしちゃったのかなぁ~?」
あさってを向いたままのこなたのほっぺを、ぷにっと指でつっつく。
「ぅぐぅぅ…」
「こ~な~た~?」
覗き込むように移動するが、それに合わせるかのように、こなたがさらに身体を回転させて顔が合うのを阻止する。
(あらあら、なんか気合いの入った拗ね方しちゃって…まるでそう君みたいね、フフ)
「あ~も~その拗ね方、誰に習ったのかしら?ほ~んと誰かさんにそっくり…くく…ぷぷっ」
笑うのを一生懸命に堪えるが、堪えきれずに吹き出してしまう。
こなたとしては、なぜここまで意地を張ってしまうのか自分でも理解できないが、ここで振り向けば負けかな?
という思いと、もういいじゃんという思いがせめぎ合っており、まだ答えを出せないでいる。
「お母さん、こなたのかわいい顔が見たいなぁ~見せてくれないかなぁ~」
甘い声で呼びかける。
「むぐぐぅぅ……」
こなたがぷるぷるしだす。
(あ!なんか、もう一押しって感じね)
「それとも、お母さんのこと…嫌いになっちゃった?」
ぴくっと反応する。が、続かない。
(お!と…あれ?…もしかしてほんとに嫌われちゃったのかしら?)
不安になってくる。
「……違うもん…」
ぽつりと言葉がでてくる。
「え?」
「嫌いになんてなってないもん…」
(ふぅ…なんか、すこし安心したわ…)
「今の私なんか、かわいくないもん、お母さん居なくなったと思って泣いちゃった私の顔なんてかわいくないもん」
(あ、あら~今度は、そっちに行っちゃいましたか…)
不意にこなたが振り向く。
「ああ、もう、ばかばかばか、お母さんのばか!本当に帰っちゃったと思っちゃったんだからね!」



結構本気で怒っており、涙目で睨みつけている。
(ああ~これは…どうしましょう…起きるまで居てあげるべきだったのかしら…)
かなたが、どう声をかけようかと迷っていると、こなたがその場でへなへなと崩れ落ちて座り込んでしまった。
「……突然いなくなるなんて……もういやだよ…さよならくらい…いってよ…」
過去2度の出会い…こなたにしてみれば、2回ともかなたが突然現れ、突然消えたのだ。
それだけに今回も、また突然消えた、そう思ってしまえる状態であった。
(…そうよね…突然また帰っちゃった、そう思っちゃうわよね…)
「こなた…今回は大丈夫だから…突然消えたりなんてしない。根拠はないけど、でも、なんかそんな自信はあるわ
ほら、良い子だから、もう泣き止んで…こなたが泣いてるとお母さんまで悲しくなってきちゃうわ…だから、ね?」
すっと手を差し伸べる。
こなたが見上げる。
涙でぐちゃぐちゃになってしまった顔。
「ぅぅ……約束だよ?突然居なくならないって」
「ええ。約束。」
「本当?」
「ふふ、お母さんを信じて…ね?」
「うん」
こなたに笑顔が戻る。かなたの手を握り、すっくと立ち上がる。
「顔洗ってらっしゃい…涙でくちゃくちゃよ?」
「えへへ……」
ぽんとこなたの頭に手をのせる。
「あら、ないたカラスがなんとやら…うん!やっぱり笑顔のこなたが一番ね」
「…へへ、そいじゃ、ちょっくら行ってくる」
洗面所へと歩いて行く。
「さぁて、♪~」
かなたが、再び朝食の準備に取りかかる。

「…ふぁ…良かった…お母さん、居たよ。帰ってなかったよ」
顔を洗いつつ、鏡を見つめる。
(目の充血はさすがにどうにもならないか…ま、お父さんが起きてくるまでには戻ってるか)
顔をタオルで拭きつつ、かなたの事を考える。
(多分…今日、なんだろうな…帰るのって…お盆、今日で終わりだし…)
そう思うと、なんだか、胸の辺りがきゅーと締め付けられるような感覚がしてくる。
(なんなんだろう…この感覚…)
鏡の中の顔が曇りだす。
(おおっとイケナイ。私らしくもない…いつもの私はどこいったよ?)
パンパンと両頬を叩き気合いを入れる。
「よぉし!!いきますか!!」
再び、キッチンへと現れたこなたが近寄ってくる。
「お母さん?なんか手伝う?」
「えーと、そうねぇ…じゃぁ…」
朝食の準備が加速していく。

朝食の準備も終わり一息ついたころ
「ん~お父さん…どうする?自分で起きるにまかせる?それとも起こす?起こすのもなんだか悪いかなぁ…」
「きっと、そう君、起こさないと後で拗ねるんじゃないかしら?」
「あぁ~~、たしかに、ありうる。『なんだよ~二人だけでずるいなぁ~お父さんだけハブかよ~』ってね」
「ふふふ、似てる似てる、そんなこと言いそうね」
「んじゃ、起こしてきますか」
「うん、よろしくね」
「爆睡してて、ちょっと手間取るかもしれないんで気長に待っててよ」
こなたがそうじろうを起こしに向かう。

コンコンッ!!ドアをノックする。
「おとうーさーん、起きてるー?」
「………」
返事が無い。
「やっぱ、寝てるね…まだ8時くらいだもんねぇ…入るよー」
ドアを開け、部屋へと入る。
ベットの上で爆睡しているそうじろうがいた。
「うーーん、これは、、、起きるかな?」
大きめの声で
「おとうさーーーん、ご飯だよー」
「…むー……」
「ぁぁ…こりゃ、だめだ…時間かかるよ…」
ふと、辺りを見回せば、なんか、普段よりも散らかってるというか、なにかを捜索した後のような感じである。
「ん?」
机の上に、見慣れない古びたスケッチブックがあるのが目に入った。
「なんだろう…これ」
パラパラと捲っていく。
と、見覚えのある人物の絵が…
「おーー!これはお父さんだね……なんだか微妙に若いね…
おぉ~!!上手い!!…きれいな場所だね…どこなんだろ?ここらじゃないっぽいけど…
あっ!!こ、これって、赤ん坊のわたしとお父さん?書いたのは誰なんだろう…お母さん?だよね多分…」
下書きだったり、軽く色彩が付いていたり、なんか色々ではあるが、総じて上手い。
「もし、お母さんが描いたんだとしたら…この絵心は私には受け継がれなかったってことか…残念!!…」
スケッチブックを閉じ、再びそうじろうを起こしにかかる。
「お父さん!お父さん!」
「…んむー…」
何回か繰り返すが、なかなかに手強い。
「お父さんってば、朝だよ、起きて!!」
そうじろうの身体を大きく揺らす。
「…むー…あと30分…」
何回目かでやっと反応がでてきた。
「ちょ…30分って…お母さんも待ってるんだから、はーやーくー」
「む!?かなた?」
お母さんという単語に反応したのか、そうじろうの目が開く。
「お母さんじゃないって、娘の方だよ」
「…ん?あ、おっ、こなたか。おはよう。なんだ、どうした?」
むくっと背を起こす。
「おはよ、お父さん。朝ご飯できたよって。お母さんも待ってるからさ」
「…ん…あぁ…おぅ、サンキュ。ふん~~~っと」
背伸びをし、手をこなたの頭の上に置く。
「んじゃ、いくか」
そうじろうが立ち上がり、部屋から出て行こうとする。
「あ、お父さん、これこれ、お母さんのだよね?」
机までサッと移動し、スケッチブックを取って見せる。
「ん~?おう、ビンゴ!!」
キッチンへ二人並んで歩いて行く。
「やっぱり……お母さんって絵上手いんだね」
「だろだろ?かなたは絵描いたり、観たりするのが好きでな」
「へぇ~」


「おはよう、かなた」
「あ、おはよう、そう君」
そうじろうとこなたがキッチンへとやってくる。
「さ、ご飯にしましょ」
と、こなたの小脇に抱えられたスケッチブックに気がつく。
「あれ?…こなた、それって……」
「ん?ああ、これ?お父さんの部屋にあったんだ。お母さん、絵、上手いね」
「ちょっちょっとそう君…」
「あ~あれか?昨夜、ちょっと、探し出してな…懐かしいな♪」
「あ、や、わ、はずかしいってば…なんでそんなの取っといてあるのよ?」
「なに言うかな、俺には、大切な宝物なんだぞ」
「え、え、え、で、でも、やっぱり…」
「いやいや、お母さん上手いって。なんでわたしに遺伝しなかったかな?って思うよ」
「そ、そう?」
「そうだよ。わたしが言うんだもん、間違いないよ」
むふーっと胸をはるこなた。
「あ、ありがと、こなた…でも、やつぱり恥ずかしいわ…」
「う、うーん…絵とか漫画は見てもらう為にあると思うんだけど…そういうものなのかなぁ~」
「こなたは、自分が書いた絵とか見られるの、恥ずかしくない?」
「んーーそもそも、わたし絵とか描かないし…そうだ、これ、空いてるページ使っていい?」
「え?ええ、いいけど…どうするの?」
「へへへ、ちょいっとわたしも描いてみようと思いまして」
さらさらっと空白のページに何かを描いていく。
「じゃーーん」
描き上げたページをかなたに見せる。
「こ、これは?……お母さん?」
「おっ、ご名答」
決して上手いとは言えないその絵を穴があくほどじーっと見ている。
「んー?どしたの?……やっぱ似てないかな?…わたし、絵上手くないしね…」
「…そうじゃないの…」
そっと目を閉じ、かなたが描かれたページを胸にあてる。
「上手いとか下手とか、そんなことは関係ないの…こなたが描いてくれた…それだけで嬉しいのよ…ありがとう。
お母さんも、こなたとの想い出はほとんどないから…」
「…そんな事言われちゃうと…なんか、さすがに照れるね…」
二人のやり取りを見学していたそうじろうがもじもじしながら
「こなた~お父さんにも描いて欲しいなぁ~」
リクエストを出す。


「んん~お父さんのはいつでも描けるから、また今度、気が向いたらね」
「な!ガーーン!!」
しょぼーんと肩を落とす。
「ぷっ…そ、そう君ってば…もう…」
必死に笑いを噛み殺す。
「か、かなたまで…ひどいぞーふたりともーお父さんだけ仲間はずれかーお父さん泣いちゃうぞー?」
なぜか必死に抗議をする。
「あ~もう~お父さんってば…しょうがないなぁ…ご飯食べてからね」
「!!よ、よし、それじゃぁ、とっとご飯たべよう。さっさと食べよう!」
「ぉぉぅ…お父さん…なんというか…変わり身が早いというか…」
「んふっホント、さっきの誰かさんみたいに、泣いたカラスがすぐ笑うんだから…」
ニマニマとこなたを見つめる。
「ちょっお母さん!そ、そりは…」
顔を赤らめつつ、困ったような表情をかなたに向ける。
「ん~なんだ?なんかあったのか?」
先程の出来事を知らないそうじろうが、訳がわからずポカーンとする。
「えへへ、う~んとね、こなたは、そう君にそっくりねってことよ、ふふ」
「…へ?そうか?俺としちゃー、かなたに瓜二つだと思うんだがな…」
「容姿はともかく、中身よ、な か み。細かい仕草とか、もうね…そっくり」
「! ああ~ハハハハ…ん~そりは、まぁ…しょうがないっつーか…親の背中見てなんとやらってヤツだ」
「まぁ、そんなことよりさ、お父さん!折角、お母さんがご飯つくってくれたんだから、ゆっくり食べようよ」
上手い事、話しをはぐらかしてくれた事に感謝しつつも、そもそもお母さんがあんな突っ込みしなければ別にこんなに
ドギマギしないで済んだんでは?とも思う。
「それも、そうだ。急いで食ったら勿体ないな。味わって食べないとな」
そうじろうが、ウムウムと頷きながら答える。
「ちょっと、二人とも…そんなにたいした物は作ってないわよ?」
少し恥ずかしげに小首をかしげる。
「あぁ~なんだろうね、お母さんってそういうちょっとした動作がものすごくかわいいよね~」
「だろだろだろ~?」
「あぅ………」
「ありゃりゃ、お母さん、固まっちゃったよ」
こなたが、かなたのとなりに行き、固まっているかなたの腕に自分の腕を組む。
「さ、ご飯にしよ!!」
「え、ぇぇ…もう…こなたにまであんな事言われちゃうなんて…なんか照れちゃうわ…」
「むふふ…しょうがないよ、お母さん、かわいいんだからさ!」
腕組みしているのと反対側の空いている手で、ぷにっとかなたの頬に指をあてる
「えへへへ…」
照れまくるかなた。
そして平静を装いつつ、かなたこなた母娘のやりとりに心の中で悶えまくるそうじろう。
(俺は、今、世界一しあわせだぜ~ぬぅおおおおおおおおあああ!!!!)



















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  • これは、アンソロジーとして、
    単行本化するべき! -- チャムチロ (2012-10-03 12:07:10)
  • かなたさんとこなちゃん超カワイイ -- 空我 (2010-01-13 23:09:11)

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