平静はの続き
珍しく一人で帰る私は、静かな通りを散策していた。
足の気紛れに身を委ね、通学カバンを後ろに持って。
まばらに歩く人すら居ない、私の世界と錯覚しそうだ。
足の気紛れに身を委ね、通学カバンを後ろに持って。
まばらに歩く人すら居ない、私の世界と錯覚しそうだ。
悠々と闊歩する足取りに連れ、鳴るのはいつもと違った足音。
それが唯一の街の音、それが唯一の私の音。
年甲斐もなく、それが楽しい。私は歩みを進めていった。
それが唯一の街の音、それが唯一の私の音。
年甲斐もなく、それが楽しい。私は歩みを進めていった。
ふと、それが止まる時が来る。
何時もの本屋を通った時だ。
別に、本屋に寄る気はない。ただ眺めるだけ、それだけだ。
何時もの本屋を通った時だ。
別に、本屋に寄る気はない。ただ眺めるだけ、それだけだ。
そして私は目を閉じて、そっと以前を懐古した。
時折聴こえる硬い足音、唸りをあげる冷房の音。
アイツと私は並んで立ち、思い思いに本をめくった。
アイツと私は並んで立ち、思い思いに本をめくった。
ふと、アイツが話し掛けてくる。コンプ祭り、そんな冒頭。
いっつも理解に苦しむ私。それでも、嫌ではなかった寄り道。
いっつも理解に苦しむ私。それでも、嫌ではなかった寄り道。
アイツの笑顔が好きだった。
アイツの声が好きだった。
だから私は満足し、難解な話に付き合った。
アイツの声が好きだった。
だから私は満足し、難解な話に付き合った。
今、ゆっくりと目を開く。かすれて見える、変わらぬ本屋。
ガラスの奥に、アイツが見えた。
ため息一つで、それは消えた。
再び降った、雪の中。
私はベンチに腰を落とす。
軽く宙に浮き、休む足。街の音は皆、静まった。
私はベンチに腰を落とす。
軽く宙に浮き、休む足。街の音は皆、静まった。
無言で雪は降り続け、街も私も染めていた。
小さく頭を傾ける。時間はずっと経っていた。
小さく頭を傾ける。時間はずっと経っていた。
私は雪が好きだった。今になって、そう気付く。
見下ろす手のひらに停まる雪。ふっと吹くと、逃げてゆく。
ひらひらとゆく、その粒は…おどけて逃げる、アイツに見えた。
見下ろす手のひらに停まる雪。ふっと吹くと、逃げてゆく。
ひらひらとゆく、その粒は…おどけて逃げる、アイツに見えた。
ふと思い立ち、横を向く。
ベンチの雪をかき集めた。
ベンチの雪をかき集めた。
赤くかじかむ私の手。構わず、雪を丸めている。
そっと離した両手の中、小さく居座る、雪だるま。
「…へへ……こなた。」
照れ気味に笑う私の隣、黙ってアイツも微笑んだ。
そっと手を乗せ、撫でてやる。気持ち良さげに、目を閉じた。
そっと手を乗せ、撫でてやる。気持ち良さげに、目を閉じた。
依然と積もる、淡い雪。
依然と黙る、白い街。
依然と流れる、時の中
私のそれは、止まったまま。
依然と黙る、白い街。
依然と流れる、時の中
私のそれは、止まったまま。
そっと崩れる、雪だるま。
未だ枯れない、私の涙。
私は…に続く
コメントフォーム
- 前作に続いてかがみの心境描写がリアルで涙が出てくる -- 名無しさん (2009-02-11 20:14:49)