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こなたの地雷

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「またあんたは、何冊同じもの買ってるのよ」
 こなたが手にするかごには、同じ雑誌が大量に入れられている。
 ちなみに、私が持っているかごの中に結構な量の漫画が入っているが、殆どがこなたのだ。
「んー、取り敢えずお金が許す範囲内だよ」
 こともなげに答えるこなた。
 ま、今に始まったことじゃないけど、その熱意を勉強に向けられないものかしらね。
「で、今回も懸賞のためなのか」
「良くぞ聞いてくれた、かがみんよ。今回はね、すっごく欲しい物があるんだよ――」
 失敗した、と思ったけど、もう後の祭り。
 みゆきのうんちく話も長いけど、こなたも語りだすと止まらないのよね。
 その後、精算が終わり帰路に着いても、こなたは懸賞のことを熱く語り続けてる。
 私は電車に揺られながら、隣に座るこなたの熱弁を聞き流してた。
 このままだと、私が降りても気付かずに、喋り続けそうな感じだ。
「こなた、私次の駅だからね」
 声を掛けると、こなたは目をぱちくりさせ外を眺める。
「ふぇ、もうこんな所なんだ」
「そ、もうこんな所なのよ」
「そだ、かがみ。明日遊びに行ってもいいかな」
 つかさは出かけるって言ってたし、特に予定も無いのよね。
「ん、良いわよ」
 駅に着き、電車から降りてこなたを振り返ると、今日の戦利品を読み始めていた。
 読むのに夢中になって、乗り過ごさなきゃいいけど。
 みゆきじゃないから、そんなことは無いとは思うけど……
 いや、乗り過ごして日光まで行った経験の持ち主だったな。


「やふー。遊びに来たよー」
 遊びに来たこなたは、昨日買った漫画を持ってきていた。
「なんだ、漫画を読むために家に来たのか?」
「そだよ。かがみも読むかな、と思ってさ」
 そんなわけで、私の部屋で二人して漫画を読んでると、呼び鈴の音が聞こえた。
 お母さんの声が聞こえたから、出てくれたんだろう。
 少しして、下からお母さんの声が響く。
「かがみ、何か荷物が届いてるわよ」
「ん、ありがと」
 一階に降りて、玄関に置いてあった小さな箱を手に取ると、差出人を確認する。
 よく買うラノベの出版社からだけど、なんか送ってたっけ?
 思い出せないけど、取り敢えず部屋に持っていこう。


 部屋に戻ると、ニヨニヨしてるこなたが目に入る。
「なんだったの? もしかして、見られたらまずいものを通販で買ったとか」
「んなわけあるかっ」
 こなたの脇を抜け、ベッドに腰掛けてから開けてみると、キャラクターの描かれたパスケースが入っていた。
「あー、これ当たったんだ。応募したのって三ヶ月以上前だから忘れてたわ」
 以前応募した懸賞の品だ。
 残念ながら、私のお気に入りのキャラクターではなかったけど。
 ま、お気に入りのキャラでも使うことは無いんだけどね。
 それを見ながら、ふと気になったことをこなたに聞いてみる。
「ね、こなた。懸賞とか結構応募してるみたいだけど、何回くらい当たった事あるの?」
 返事が無い、ただの屍のようだ。
 いや、冗談はさておき、こなたのことだから嬉々として、自慢話を始めると思ったんだけど。
「ちょっと、聞いて――」
 こなたを見ると、石化したみたいにピクリとも動かなくなっていた。
 何か異様な雰囲気を感じて、口の動きが止まってしまった。
 こなたの肩に手を掛けると、僅かに震えてるのに気が付いた。
「どうしたのよ、こなた」
 顔を覗き込むと、目を開いたまま大粒の涙を流している。
「ちょっ、どうしたの。どっか痛いの?」
 こなたは首を横に振ると、俯いてしまった。
「じゃあ、どうしたのよ」
 部屋に戻ってきたときは普通だったわよね。
 その後のやり取りも、いつもと同じだったと思う。
 じゃあ、何が原因なんだろう。
 理由が分からないまま泣かれても、私も困るわよ。
「か、かがみが…… かがみが私をいじめるー」
 は?
 私がいつこなたをいじめたのよ。
 心当たりなんて、まったく無い…… いや、ちょっと待て。
 私は何をこなたに聞いた。
「こなた。もしかして、懸賞に当たった事、無いの……」
「うぅっ。そだよ、どうせ私はくじ運悪いんだ。おみくじでも凶ちゃん引いちゃうし」
「ちょっ、凶ちゃんってなんだ。大体、字が違うだろっ」
 いや、このつっこみはなんか違う気がするが、それどころじゃない。
 もしかして、地雷踏んだのか、私。
 いや、これは地雷なんてもんじゃないかもしれない。
 こんなこなたは、今まで一度も見たこと無いわよ。
 こなたがすこし顔を上げたから、表情が見えたんだけど、目が据わってるのよ。
 そして、なんかぶつぶつと変なことを言ってる。
「そか、私、凶ちゃん引いてたんだ。だから、凶ちゃんは私のものだよね」
 だから、なんで私がこなたのものなのよ。
 っていうか、私は凶ちゃんじゃないっ。
 そんなことを考えてる間にも、こなたは私の方へにじり寄ってくる。
「ちょっ、こなた、どうしたのよ。何する気なのよっ」
「もちろん、凶ちゃんを美味しく頂くんだよっ」
 いや、待って。お願いだから、ってもう服脱がされてるしっ。
 いやああああああぁっ――

















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コメント:
  • 俺今年凶ちゃん引いたぜ
    -- 百合は世界を変える!! (2010-10-24 11:33:13)
  • この続きは 脳内補完で
    うぉ! これはいい
    (`・ω´・)bってか凶ちゃんくれwww -- オビ下チェックは基本 (2009-06-15 19:55:58)
  • ちょっと凶引いてくる!! -- 名無しさん (2008-11-25 10:46:08)

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