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『4seasons』 冬/きれいな感情(第八話)

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『4seasons』 冬/きれいな感情(第七話)より続く
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

§13

つかさ、準備できた?」
「あ、うん。出られるよ~」
 その声にドアを開けて部屋に入ると、つかさは鏡の前でくるりと振り返って笑った。
 ワンピタイプのふわりとしたAラインコートを着ている。ハイウェストで切り替えてギャザーが入っている、最近つかさがお気に入りのやつだ。インナーも多分いつもの紐付きチュニックにタートルだろう。コートから覗くカラータイツが可愛らしくて、私も好きなコーディネイトだった。
 けれど私が誉める前に、つかさは私の格好を見て眼を丸くしながら云った。
「わ、やっぱりそれ可愛いね」
「そ、そう? ふふ、ありがとう。モノトーンってシンプルすぎて恐かったのよね」
「だよねー。でも冬だしいいと思うな。なんかお姉ちゃん! って感じするよ」
「どういう感じだよそれ」
 褒められたのは素直に嬉しかったけれど、照れくさくてついそんな憎まれ口を叩いてしまう。
 一目惚れして買ったチェックのフードつきショートコートに、黒いベブラム袖のショートジャケット。インナーのタートルカットソーには差し色にピンクを選んで。悪くはないと思っていたけれど、改めてつかさに云われると自信も出てくると云うものだ。
 用意してあった荷物を受け取って、つかさと一緒に階段を降りる。時間にはまだ余裕があるけれど、念のため早めに出ることに決めていた。
 ケーキを取りに台所に入ると、居間でごろごろとテレビを眺めていたまつりお姉ちゃんが声をかけてきた。
「おーおー、おめかししちゃって。どうせ女同士のクリスマスパーティーなのに、気合い入れるだけ哀しくない?」
 テレビから“きよしこの夜”のメロディが聞こえてくる。何かのCMか、それともバラエティ番組か。近頃はいい加減クリスマスソングにも食傷ぎみだったけれど、それでも今日がそのクリスマス当日なのだと思うと、それなりに感慨をもって聞こえてくるものだ。
「うっさいな、家でごろごろしてるお姉ちゃんよりましだわよ」
「なにおー。今はたまたま相手がいないだけよ。彼氏できたこともないあんたと一緒にすんな」
「べーだ。そんなの自慢されても全然羨ましくないもん。いくらつき合っても結局毎度振られてるってことじゃん」
「はいはい、喧嘩しないの。クリスマスでしょ」
 部屋から出てきたいのりお姉ちゃんが笑いながらそう云って、私とまつりお姉ちゃんは同時に口を閉ざした。
 けれど私たちが口をつぐんだのは、云われたことを素直に聞いたからではない。私たちを黙らせたのはいのりお姉ちゃんの言葉ではなく、その装いなのだった。
 上品なカシミヤのコートにケープ。ピアスとネックレスはティアドロップで合わせてあって、口紅は紫がかった赤。ふわりと漂う薔薇の香りが艶かしくて、いのりお姉ちゃんの全身からは“大人の女”の雰囲気が感じられた。
「お、お姉ちゃんすごい! すごい奇麗!」
 つかさは仔犬のようにはしゃぎながら、いのりお姉ちゃんの周りを跳ね回っている。
「あら、ありがとう。つかさも可愛いよ」
「わーいわーい」
 頭を撫でられて、つかさは子供みたいに喜んでいた。昔からいのりお姉ちゃんはつかさのことが可愛くて仕方がないらしく、こんな風に折に触れて構いたがるのだ。つかさもそれが満更でもないのだろう、素直に甘えてはお姉ちゃんを喜ばせるものだった。
 なんだか少しだけ面白くない。それは何もつかさを取られたように感じていたというわけではなくて、私はただいのりお姉ちゃんの装いに圧倒されていたのだ。あと六、七年生きた所で、こんな風に女らしく振るまえる自信が私にはまるでない。思い起こせば昔から、いのりお姉ちゃんは私にとって一番身近な大人なのだった。そうしてきっと、これから先いつまで経っても私の“お姉ちゃん”であり続けるのだろうと思う。
「二人とも今出るところ? 私も出るからそこまで一緒に行こうか」
「あ、ちょっとまって。ケーキ、ケーキ」
 つかさは冷蔵庫からケーキの箱を取り出して手に持った。それは何日か前からずっと手を掛けてきたつかさ入魂の一作だ。生クリームのデコレーション自体はついさっきまでやっていたのに、一体そんなに前から何をやっていたのだろう。そう思って訊ねてみたけれど、いくら聞いてもつかさは教えてくれなかった。
「それじゃ、後はよろしくね、まつり」
「ニヒヒ、面白いテレビ番組でもあったら後で教えてね」
「うっさい、ばかかがみ! 早く行け!」
 怒号と共に飛んできたクッションをかわして、私たちは玄関に向かった。そうして改めて口を揃えて“行ってきます”と挨拶すると、まつりお姉ちゃんからは、いつも通りの口調で”行ってらっしゃい”と返ってくる。
 結局のところ柊家は今日も平和で、私たちは相変わらずの四人姉妹なのだった。

 境内で掃き掃除をしていたお父さんに声を掛けて、駅に向かって歩きだす。お父さんは私たちに対しては「二人とも、あまり遅くならないようにするんだよ」と云ったけれど、いのりお姉ちゃんには「車に気をつけなよ」と云っただけだった。
「お姉ちゃん、もしかして今日泊まりなの?」
 ふとそれが気になって、上機嫌で先を行くお姉ちゃんに声をかけてみる。
「あー……えっと、うん、その予定」
 頬を桜色に染めながら、照れたように頬を掻くいのりお姉ちゃんだった。口惜しいけれどそれが酷く艶めかしくて、私は少しだけどきりとする。
「ふーん……」
「な、なによかがみ、その眼は……」
「別にー? ツリ眼なのはお姉ちゃんと一緒で生まれつきだもん」
「いーなー、お泊まり会かー。楽しそうだねー」
 のほほんとした顔で、そんなことをつかさが云う。
「何を想像してるかはわかんないけど、きっとつかさが考えてるようなことじゃないわよ」
「ほえ? そなの?」
 心底不思議そうに云うつかさを見て、いのりお姉ちゃんも苦笑しているのだった。
 用水路を渡ったところで、私たちは駅に向かうお姉ちゃんと別れた。別れ際に手を振りながら「未来のお義兄ちゃんによろしく」なんて云ってみたら、いのりお姉ちゃんは顔を真っ赤に染めて私の頭を叩くそぶりをした。
 普段は物静かな印象があるいのりお姉ちゃんだけれど、動揺すると私と同じようにすぐに顔が赤くなる。そんなところを見ると、やっぱり私たちは血を分けた姉妹なんだなと思うのだ。
 けれどこんな風に仲良し姉妹でいられるのもあと僅かなのかもしれない。私が大学に受かって一人暮らしを始めたとしたら、つかさとはともかく、お姉ちゃんたちとは今ほど頻繁に顔を合わせることはなくなるだろう。
 それが淋しくないと云えば嘘になる。けれどそれはきっと私にとって、そしてつかさにとっても必要なステップなのだと思うのだ。双子として産まれてきた私たちは、いつか別々の人間として自立しなければいけない。いのりお姉ちゃんや――あまり認めたくはないけれど――まつりお姉ちゃんみたいな、しっかりとした大人の女性になるためには。
 それは淋しいけれど、悲しくはない。たとえ遠く離ればなれになっても、何年も顔を合わせなくなったとしても、私たちが姉妹として産まれた絆は消え去ることはない。遺伝子に刻まれたDNAと、幼いころから共に過ごしてきた年月は、消え去ることなど決してないのだから。
「この道をお姉ちゃんと歩くのも久しぶりだね」
 隣を歩くつかさが、ふと口にする。
「そうね、一緒に歩くのは小学校以来かしらね」
 この通りは小学校に向かう通学路なのだった。農地の中にぽつりと建った小学校で、近くにお店なんてほとんどない。特に理由がなければ通るような道ではなかった。郵便ポストも電信柱も公園の並木も、当時は聳えるくらいに大きく見えていたけれど、改めてみてみるとどれも酷く小さかった。
 私とつかさは、懐かしい小学校時代の話に花を咲かせながら歩いていった。大切に捧げ持ったケーキの箱が、それでもつかさが歩く度に少しだけ上下に揺れる。
 普段泉家に行くときには昨日のように自転車に乗っていくけれど、今日は徒歩だった。家で作ったケーキが崩れることを二人とも嫌ったのだ。
「こなちゃん、元気になってよかったね」
 ひとしきり昔話をしたあと、つかさがにっこりと笑って云った。
「私としては釈然としないけどね」
 昨日大笑いされたことを思い出すと、今でも頬が赤らむ思いだった。けれどそれでこなたが少しでも浮上できたなら、恥ずかしいところをさらけだした甲斐もあるというものだ。手編みの手袋も喜んでいるに違いない。
 昨日から今日にかけて何度かこなたとメールや電話をしたけれど、こなたはいつも通りの元気のよさを取り戻しているように思えた。それはつかさやみゆきにとっても同じ印象だったらしく、皆でほっと胸をなで下ろしていたところなのだった。
「ふふ、こなちゃんが云ってたサプライズってなんだろね?」
 ほこほこと微笑んで、つかさが云う。
「さぁね、あいつのことだから、どうせろくでもないことに決まってるわ」
「でも、そんなろくでもないこなちゃんのことが、お姉ちゃんは大好きなんだよねー」
「そ、そうだけど、そんなこと改めて云うな!」
 また私のことをからかおうとしているのか。そう思って拳を振り上げてみたけれど、つかさは意に反して真面目そうな顔をしていて、私は少しだけ戸惑った。
「――こなちゃんも、お姉ちゃんのことが好きなんだと思う」
「そんなの…、そんなのわかってるわよ。でも、私の好きとこなたの好きは違うのよ。つかさだってわかってるでしょう?」
 ――そうだけど。
 そう呟いて、つかさは下を向いてしまう。
 一体何を云いだすのだろうと私は思った。私はつかさを好きだし、つかさも私を好きだ。でも私はこなたのことが好きなようにはつかさを好きになれないし、つかさだって男の子のことが好きなようには私を好きになれない。
 つかさだってその違いはわかっているはずだ。わかっているからこそ、あの模試の結果が出た日に私に抱きついて『どうして女の子は女の子を好きになれないの』と聞いてきたはずだった。
「それでも、それでもこなちゃんはお姉ちゃんのこと好きなはずなの」
 けれどつかさは頑なだった。
「私がこなたのことを好きなように?」
「それは……ちょっと違うと思う、けど……」
 その癖はっきりとしなくて、一体何が云いたいのかわからない。
「わかんない。わかんないよつかさ」
「……ごめんね、わたしもよくわかんないや……。でも、こなちゃんがお姉ちゃんを好きな気持ちは、わたしやゆきちゃんを好きな気持ちとも、ちょっと違うと思うんだよ」
「それって、単純に私が弄ってて一番面白いから、とかじゃないの? 私とこなたの関係は、こなたとつかさともこなたとみゆきとの関係とも違うし。関係が違えば、お互いの間の感情も違ってみえるってことじゃ……」
「……そう、なのかな?」
「きっとそうよ」
 そんな風に答えながらも、私は少しだけつかさに苛ついていた。先週もそうだったけれど、どうしてつかさはこうやってこなたが私に気があるようなことを云うのだろう。
 どうして無駄に期待をもたせるようなことを云うのだろう。
 こなたにそんなつもりがないことは、一緒にいて私が一番よくわかっている。私が抱いているような思いをこなたが私に抱いていないことは、その感情を持っている私にとっては自明なことだった。
 ――でもつかさが云うには、こなたが私に抱いている感情は、つかさやみゆきに向けるものともまた違うのだという。
 それは一体どういう感情なのだろう。どういう“好き”なのだろう。単純に、友情の“好き”にも色々な形があるというだけのことではないのだろうか。色々と考えてみたけれど、それ以外の答えは私には想像もつかなかった。
 想像もつかなかったけれど。
 そのとき私は、なぜだか秋にそうじろうさんが云った言葉を思い出していた。

『辛いかもしれないけれど、こなたのことをずっと好きでいてやってくれないか』

 あの言葉は、結局どういう意味だったのだろう。
 けれどそのとき私たちは泉家に到着してしまい、そんな疑問もどこかに行ってしまったのだった。


§14

「「メリークリスマース!」」
「うわっ!」
 華やかな挨拶とともにパンパンと派手な音が鳴り響いて、思わず叫び声をあげてしまった。つかさも同じように驚いた様子で、口を半開きにしたまま胸のあたりを片手で押さえつけている。
 インターホンを鳴らしたら勝手に入ってこいと云うので、リースの飾られたドアを開けた途端これだった。
 紐を引っ張ったクラッカーを手に持ったまま、こなたは目の前でニマニマと笑っている。
「……おい、びっくりさせるって云ってたのはこれのことか?」
「そそ、びっくりしたっしょ?」
「びっくりした、びっくりしたわよ。つかさが持ってたケーキがピンチだったくらいにはね」
「あ、あぶないとこだったよぉ…もうちょっとで落っことしちゃうとこだったもん」
「はうっ、ご、ごめんつかさっ」
「ううん、無事だったから全然平気、わたしがちょっと驚きすぎちゃっただけだよ」
「まあ面白かったからいいけどね……っていうか小父さんまで何やってるんですか……」
 そう云って、こなたの隣で照れ笑いを浮かべているそうじろうさんをジト眼で見る。小父さんは、手にこなたと同じようにクラッカーを持っていた。先ほど聞こえたパンパンという二つの音と「メリークリスマス」という声の片方はそうじろうさんのものだったのだ。
「いやー、こなたがやってくれって云うもんでな」
「嘘だッ!! お父さんが俺も混ぜろって云ってきたんじゃんか!」
「こなただって、賑やかな方が楽しいって云ってただろ」
「そりゃ、お父さんがやりたいって云ってきたからだもん。もー、いいから二階上がっててよ」
 こなたに背中を押されながら「ごゆっくりー」と私たちに声をかけて、そうじろうさんは階段を上っていった。
「なんていうか、あんたんとこは本当、相変わらずだな……」
「んー、まーねー。それより、突っ込みとかないの?」
「なにがよ?」
「なにがって……。むう、やるなかがみ。あえて突っ込まないという新たな突っ込みを開拓したか……」
「あはは、こなちゃんすっごく可愛いよ」
「おーありがとー、つかさは素直でいいねー」
 そんな憎まれ口を叩きながら、こなたはその場でくるりと一回転した。そうするとフェイクファーのついたミニの裾がふわりとひるがえり、白いカラータイツで覆われた太ももが顕わになるのだった。
 ひょっとしたら去年の冬にお店で着たというのと同じものだろうか、こなたは身体にぴったり合ったサンタ服を着ていたのだった。
「メリークリスマス、お嬢様♪」
「やめんかこら、どんなお店だ」
 そう云って、照れ隠しがてらにサンタ帽ごとこなたの頭を押さえつける。
「ぬお、はなせー、前見えないー、眼がー! 眼がー!」
 サンタ帽が大きめで良かったと思う。押さえつけた帽子の縁がこなたの眼を覆っていて、きっと紅潮しているだろう私の頬を見られずにすんでいた。
「先行ってるわよ」
 そんな風に云い放ち、こなたが帽子から顔を出す前に背を向けて、部屋へ向かっていった。
「ちぇっ、けちんぼかがみめ」
「ねー、素直に可愛いって云ってあげればいいのにねー」
「つかさ、余計なこと云わない!」
 私が怒鳴ると、後ろで二人がクスクスと笑った。
 ――全くこいつらは。
 少し楽しく思いながらも、わざとらしく怒ったふりをして。ぷりぷりしながらこなたの部屋のドアを開けると、そこに意外な姿があった。
「はっはっはっ、かがみのツンデレっぷり、ここでしっかり聞かせてもらったぜっ」
「あはは、相変わらず仲いいねー」
 出されていたこたつに下半身を突っ込んで、寝そべりながら携帯ゲームをしているみさおと、みかんを食べているあやのが既に部屋にいたのだった。
「ああ、きてたんだ。ってかツンデレ云うな」
「うん、かがみちゃんたちが驚くところ聞きたくて静かにしてたの」
 そう云って悪戯っぽく笑うあやのは、くるぶしまで隠れるマキシ丈の長いギャザースカートを穿いていた。裾がシフォンフリルになったカットソーもロングスカートに合っていて、上品な可愛らしさに溢れた装いだ。
 ちなみにみさおはいつものハーフパンツにカラータイツ。トップスは生成のタートルネックセーターという、飾り気のない格好だった。
 部屋の向こう側の壁、こなたの机の横にクリスマスツリーが置かれている。こなたくらいの大きさをした細身の人工ツリーで、こなたとあやのたちが飾りつけをしたのだろう、オーナメントの間で電飾がピカピカと光っていた。
 つかさはケーキを冷蔵庫に入れに二階に上がっていって、私が足を突っ込んだこたつの右隣にこなたも座った。こたつは普段はゆたかちゃんの部屋に置いてあるもので、今夜はゆたかちゃんもみなみちゃんの家でのクリスマスパーティーにでかけたらしかった。
「それにしてもちびっ子んちの親父さん、やたらテンションたけーのな」
「んー、お父さんなんか今すっごい暗い小説書いてるみたいで、ほとんど躁鬱病みたいになってんだよね」
「お! お! 噂には聞いてたけど、ほんとに作家なんだな、すっげー! どんなの書いてんだ?」
「えっとね、親を見殺しにした青年が盆栽を育てながら少しずつ死んでいく話だって云ってたよ」
 こなたがのほほんとそう云って、部屋に沈黙が訪れる。
 みさおはぽかんとしたあとに、なるほどとでも云うようにうなずいたけれど、こいつは絶対に何も考えていない。
 あやのは眼を白黒させながら、何か云おうとして口を開いたようだけれど、結局何も云えないまま黙りこんでしまった。
 こなたはそんな皆を眺めて、楽しそうにニヤニヤと笑っている。
「わっかんないよねー? わたしも全然わかんないよ。時々“盆栽は宇宙だー!”とか叫んでるしさ」
「まあ、小父さんが書いてるのはいわゆる純文学だから……。筋書きだけ聞いてもよくわからないわね……」
「お、かがみ読んだことあるの?」
「一応ね。三島賞を取ったっていうやつだけ読んだことあるわ」
「あー『ハグルマ』だよね。さっすがかがみん。でも、わけわかんなかったでしょ」
「う……うん」
 こなたは普段の糸目のまま何でもないように云ったけれど、私はそれにどう返していいのかわからなかった。
『ハグルマ』は、雑誌に時々短編が載るくらいの知る人ぞ知る作家だった小父さんが、賞を取って一躍有名になった出世作で、その内容はこういうものだった。

 主人公の男性は、どういう理由からか物事の因果関係を視覚的にみることができる能力を持っていて、それは噛み合って回る歯車の形になって現れる。主人公はその能力を隠しながら結婚し、やがて一子を授かることになる。けれどその頃から能力はどんどん強さを増していって、複雑に絡み合った因果関係を一目で見通せるほどのものになっていく。
 そうしてある日、男は妻と街を歩いているときに交通事故に遭い、心から愛していた妻だけを死なせてしまう。その遺体を呆然と眺めているうちにキリキリと歯車が回っていって、主人公は自分が妻と出会ったことが妻が死ぬことになった一番の原因なのだと識ることになり、発狂する。

 ――私が読めたのはそこまでだった。
 晦渋な表現がありながらも物語の態をなしていた小説は、それ以降哲学的な思索に滑り込んでいき、私の持っている文学的素養では読み解けなくなってきてしまったのだ。
 けれど私がその先を読めなくなった理由はそれだけではなかった。それよりなにより、その小説に満ちていたあまりにも切実な痛みに耐えられなくなったからだ。
 髪の長く身体の弱い妻は余りにもかなたさんを連想させ、その特徴を受け継いだ娘は余りにもこなたを連想させた。
 妻を殺したのは自分なのだと云って自責する主人公の慟哭は、そうじろうさん自身の思いであるのだろうと思った。

 こなたは、読んだことがあるのだろうか。いや、きっとないのだろう。私が勧めたラノベすらろくに読み切ることができない、活字アレルギーのこなたなのだから。私ですら読むのが難しかったそうじろうさんの小説を読んでいることなんて考えられなかった。
 だから、私にあの作品の話をしておいて、こんなに普段通りの顔をしていられるのだろう。みさおと一緒に携帯ゲームをやり始めたこなたを眺めながらそう思う。
「ん? どったのかがみ」
「な、なんでもないわよ」
 不思議そうに小首を傾げたこなたから慌てて顔を背けたとき、ガチャリとドアを開けてつかさが部屋に入ってきた。
「ただいまー、あ! あやちゃんたち来てたんだー」
「おかえり、つかさちゃん、二階で随分時間かかってたね」
「うん、ちょっとクッキングペーパー探しちゃってた」
「やー、云ってくれればわたしも一緒に行ったのに。ってかそんなの何に使ったのさ?」
「えっとね、濡らしてケーキを覆うようにしておけば、冷蔵庫で固くならないんだよー」
「へー」「へー」「へー」
 私とこなたとあやの、三人分の“へー”がこだまする。それを聞いたみさおが、どこぞの雑学番組のようにへーへー云いながらボタンを叩く動作をして、あやのに軽く頭を叩かれた。
「で、でもこなちゃん」
「ん?」
「おじさんの仕事部屋の方から何かうなり声が聞こえてきたんだけど、大丈夫なのかな……声を掛けようとしたんだけど、盆栽がどうのってぶつぶつ聞こえてきて、こ、怖かったよぉ……」
「あー、うん、ほっといていいから」
 こなたの投げやりな云い方に、事情を知っている四人はへらへらと笑い、つかさは不思議そうな顔をしたのだった。
 私が家から持ってきたガーランドを飾り――『柊だー』なんてこなたが云っていた――つかさがツリーにオーナメントを飾っていたとき、チャイムの音が聞こえてきた。
「あ、みゆきかな」
 時計を見ると、約束の時間の十分前。眼を白黒させているあやのにプレイ途中のPSPを押しつけて、こなたは部屋から出て行った。それと同時にどたどたと階段を駆け下りてくるそうじろうさんの跫音が聞こえてきて、私たちは苦笑する。
『『メリークリスマース!』』
 二人分の歓迎の声と、パンパンという二つの音。『きゃっ』という可愛い叫び声。ドスンという何か重量のあるものが地面に落ちた音。部屋のそこかしこから、押し殺した笑い声が聞こえてくる。
 果たして部屋に入ってきたみゆきはおしりの辺りを撫でさすっていて、私たちは我慢できずに笑い出してしまうのだった。
「あ、あら、みなさんおそろいでしたか……おはずかしい……」
 そう云って恥ずかしそうに視線を落としたみゆきは、トップスは腰まである桜色のボレロコート、ボトムスはミニボトムの下にレギンスを合わせるという装いだ。ピンクのボレロなんていうお姫様みたいな服を着こなせるのは、私たちの間ではみゆきくらいのものだろう。胸元に光るネックレスも上品で嫌味を感じさせない物だった。
「あはは、私たちもみんな驚かされたのよ。みゆきみたいに尻餅はつかなかったけどね」
「むふふ、ナイスリアクションだったよみゆき!」
 後から現れたこなたがウィンクをしながら親指を突き出すと、みゆきはますます赤くなって縮こまってしまうのだ。


§15

 クリスマスパーティーとは云っても、クリスチャンがいるわけでもなければ、聖歌斉唱もキャンドルサービスもない。結局のところみんなで集まって騒ぐというだけで、いつも通りの集まりとあまり変わりはないのだった。
 ただ点滅するクリスマスツリーが、普段より少し幻想的な雰囲気を醸し出していたり。
 つけたテレビでは、クリスマスのチャリティ特番が聖なる夜の施しを訴えていたり。
 こなたがサンタの格好をして寝っ転がっていたり。
 ふと眺めた窓の外、瞬くイルミネーションが少しだけ夜を賑やかにしていたり。
 結局の所クリスマスらしさなんてそのくらいのもので、そうしてそんなささやかなクリスマスムードだけが、この夜を少しだけ特別なものにしているのだった。
 ほんの少しだけ特別なその夜に、親友達の笑い声が響いていく。
 そしてその笑い声こそが、私にとってはどこまでも特別なものなのだ。
 受験シーズン前の数少ない休日。こうして気の置けない仲間同士で集まれたことが何よりのクリスマスプレゼントだと、私は思った。
 けれどそんな楽しい時間はすぐに過ぎていく。
 夜も更けてきて、こなたが用意してくれた夕食はクリスマスムード溢れる物だった。それはクリスマス用のケータリングサービスだったのだけれど、こなたは『さすがに手作りは無理だった』なんて云って笑いながら頭を掻いたものだった。
 さすがにこの時期に六人分の食事を作ってもらうなんて、こっちの方が悪いと思ってしまう。皆口々にそう云いながら、テーブルに並んだ美味しい料理に舌鼓を打った。
 定番の骨つきローストチキンやローストビーフ。エビの洋風マリネや帆立の香草焼き。緑色をした不思議なスープはブルーチーズが入っているらしかった。どれもプロが作った料理らしい手間暇が掛けられていて、つかさとあやのはレシピの当てっこをして盛り上がっていた。
 ――少しだけ、ワインなんてものも飲んでみたりして。
 こなたは、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる性質なのだと知った。
 ぽっと頬を染めっぱなしのこなたが本当に可愛らしくって、みんなでさんざんにからかって遊んだら、こなたはへそを曲げて被っていたサンタ帽で顔を隠してしまったのだった。
 そんな風に楽しい夕食だったけれど、問題はなぜかそうじろうさんがいたことだ。
 まるで当たり前のようにお誕生日席に座り、涙を流しながら『メリー女子高生!』なんて叫ぶ小父さんは、本当にあの日煙草をくゆらせながらウィスキーを飲んでいた人と同一人物なのだろうか。私は深刻な疑問を持ったものだった。
 こなたを始めとする私たちはなるべくそちらを見ないようにしていたのだけれど、隣の席に座ったみゆきだけは何故か大盛り上がりで、二人でずっと話し込んでいた。
 なにやらポスト構造主義がどうのだとか、デリダの脱構築がどうのだとか、マジックリアリズムによる現実への反逆がどうのだとか、シニファンとシニフェの乖離により壊滅したシミュラークル性により仕掛けられた物語装置がどうのだとかいう話が聞こえてきて、近くで聞いていた私たちは何を云っているのかわからず、冷や汗を流しながらひきつった笑みを浮かべていた。
 食事が終わったころにはそうじろうさんはみゆきとの会話で何かを吹っ切れたようで、さっぱりした顔をしてみゆきと握手を交わし、弾むような足取りで部屋にもどっていったのだった。

 そうして部屋に戻ってきて話を再開した私たちにとって、そんなみゆきの博識振りはしばらくの間話題のタネとなったのだった。
「た、高良ちゃんが云ってたパロールとかエクリチュールとかって何なのー、何語なのー?」
「ええと、フランス語ですね。パロールと申しますのは哲学を記述するところの言語における優位な概念で、書き言葉に対する話し言葉を意味します。デリダはこの優位性を批判して、ソシュールはその構造言語学テキストにおいて……」
「もういいっ、どうせ私たちには理解できん!」
 私が慌てて止めたころには、みんな泣きそうな顔でうなり声を上げていた。ただでさえ敏感な受験生たちのこと、私を含めてこれ以上自信を失ってしまったら困る。私がそう云うと、みゆきは恐縮した顔で「出過ぎた真似を……」と呟いて、小さくなっていってしまったのだった。
 けれどみゆきが悪いわけじゃない。質問をしたのはあやのなのだし、みゆきはそれに誠実に答えただけなのだ。そう考えたら、私も何もあんな云い方をしなくてもよかったのかもしれない。
 そんなことを思って、私もなんだか落ち込んでしまった。その時私たちは皆少しずつ落ち込んで、場の空気がしょんぼりとしたものになってしまっていた。
 けれどそんなとき、つかさが大きな華やいだ声でこう云った。
「あ、みんなそろそろお腹も入るようになってるよね? ケーキ出してくるよー」
 そうして、部屋は歓声と拍手に包まれたのだった。
 本当に、つかさは色々と気が回るようになったなと私は思う。ほんの半年前までは引っ込み思案で要領も悪く、その優しさを上手く発揮することができなくて誤解されることも多かった。友達との間でも、こんな風に自分で場の空気を変えようと発言することなんてできない子だったのに。
 部屋の外、階段を上がっていく小さな足を見つめながら、私は誇らしさとほんの少しの寂しさで、胸が一杯になってしまっていたのだった。
 けれどそんな私にこなたが近寄ってきてこう云った。
「かがみ、なんでつかさのぱんつ覗こうとしてんの?」
 ――こなたの頭に大きなたんこぶができたことは、云うまでもないだろう。

「おおおーー!!」
 つかさがケーキの箱を取り外した瞬間、皆の口からそんな歓声が上がった。手間が掛かったデコレーションケーキが出てくるだろうと思ってはいたけれど、これは予想外だった。
「す、凄いじゃない。そっか、前から作ってたのはこれだったのね」
「えへへ、お姉ちゃんにばれないように作るの大変だったよー」
 デコレーションケーキに乗っているのは、チョコでできたログハウスと、樅の木を模した小さなロウソク。そこまでは予想ができたことだった。
 けれどその家の周りで遊んでいる、マジパンで出来た小さな人形までは思いつきもしなかった。
 その六体の人形は、それぞれ私たちにそっくりだったのだ。
「つ、つかさにモデラーの才能があったとは!」
「オテラー? 家はお寺じゃなくて神社だよ?」
「いやいやそうじゃないだろ」
「すっげーなにこれ、ちゃんと冬服のカラーまで出来てんじゃん、ありえねー」
「本当に凄いです。私の眼鏡なんて、氷砂糖で出来ているようですよ」
「色つけには、食紅使ってるの?」
「うん、一応全部天然色素を使ってるよ。紫は色素がなかったから、クチナシと赤キャベツを混ぜてあるのー」
 ――ほー。
 目を丸くして、改めてケーキを見つめる私たちだった。
「そ、そんなにまじまじ見られても照れちゃうよ……食べよ、ね?」
 顔を真っ赤にしながらつかさは包丁を取り出して、六等分に切り分け始めた。
「……でもこれ、誰が誰を食べるー?」
 けれどこなたがぽつりと呟いて、つかさは動きを止めたのだった。
「……確かに、よく出来てるだけにちょっと食べづらいわ……」
「か、考えてなかったよぉ……」
「あーほら、自分で自分を食べればいいんじゃないの? ね?」
「そ、そだね!」
 そんなこんなで、今私たちの前にはそれぞれの人形が乗ったケーキがお皿に乗せて出されているのだ。
 顔を近づけてよくみると、本当に細かいところまでよくできている。私のツインテールはちゃんと頭から伸びているし、髪をくくったリボンもいつもつけている色だった。人形の私は酷く優しそうな眼をして、ニコニコと満面の笑みを湛えている。
 ――なんだか凄く気恥ずかしい。つかさにとって私はこういうイメージなんだな、そう思うと自然と頬が熱くなっていくのを感じてしまうのだ。
 周りをみるとみんな同じように思うのか、照れくさそうにして自分の人形を見つめているのだった。
「あっはっは、あやのすげー。ちゃんとカチューシャしてんじゃん!」
 けれど大口を開けて楽しそうに笑っていたみさおが次に起こした行動は、私たちの空気を一変させるものだった。
「あー!」
 そんなあやのの大声に、皆が二人の方に注目する。見ると、まさにみさおがあやのの人形を自分の口の中に入れたところなのだった。
「み、みさちゃんが、わたしのこと食べちゃった……」
 なぜか顔を真っ赤にしながら、呆然と呟くあやのなのだった。
「ごっそーさん」
 口の脇についた生クリームをぺろりとなめ取って、みさおがそう云った。
「もー! なんで食べちゃうのよ、みさちゃんのばかっ」
「えー、だってあやののが美味そうだったんだってば!」
「そ、そんなの変わるわけないでしょ、中身は同じマジパンなんだもん」
「なんだよー、ならいいじゃんか、わたしのをあやのが食べればいいだけだろー」
「もう、そういう問題じゃないの! 少しは空気読め!」
 あやのは、ぽかぽかと子供みたいにみさおを叩き続けていた。
 ――確かに、あやのが云った通りだったのだ。
 みさおの行動により、残された私たちの間に漂う空気は、微妙な緊張感に満ちた物になってしまっていた。
 そうしてそんな微妙な空気をあらがいがたく確定させてしまったのは、またしてもつかさなのだった。
「ゆ、ゆきちゃん、それ食べていい?」
「あ、え、は、はいっ。こ、交換しましょうか」
 顔を真っ赤にしてお互いのケーキを交換するつかさとみゆきを前にして、私は追い詰められたような気持ちになっていた。
 ちらと隣を見ると、こなたも憮然とした表情をしながら、それぞれの人形を口に運ぶつかさとみゆきを眺めているのだった。
 ――こいつは、一体何を考えているんだろう。
 そんなことを思いながらこなたのことを見ていたら、ふとこちらを振り向いたこなたと眼が合った。
 ――頬が、まだ赤い。
 さっき飲んだワインが、まだ残っているのだろうか。そんなことを考えた私の前でこなたは逡巡するように眼を泳がせたあと、いつもの猫口になってからかうように云いだした。
「ほれほれかがみ、私たちも交換しようって云わないの?」
「は、はぁ!?」
 ――云うにことかいて何を云い出すんだこいつは。
「かがみのことだから、どうせわたしの方食べたいって思ってるんでしょ。ほら、わたしの方が長髪の分ちょっと量多いし?」
「なー! んなわけがあるか! そう思ってるのはあんたなんだろ、素直にそう云えよ!」
「な、なんでわたしが云わないといけないのさ! 別にそんなことしたくないもん!」
「なら、私だって別にしたくないわよ!」
 ――ふん!
 そう云って、鼻息荒く顔を背ける私たちだった。
 どうしていつもこんな風になってしまうんだろう。そんな思いが心の中に湧いてきて、私は少しだけ悲しくなってしまった。
 けれどこれはいくらなんでもこなたの水の向け方が悪すぎた。あんな風に云われたら、私だって素直な気持ちを伝えることなんてできやしないじゃないか。あんな云い方じゃなければ、私だってこんな心にもないことを云わなくてもすんだのだ。
 ――普段は私をコントロールするのが上手いのに、どうしてこんなときだけこいつは不器用なんだ。
 そんなことを考えながら周りに眼を向けると、つかさもみゆきもみさおもあやのも、何故か物問いたげに私の方をじっと見つめているのだった。
 ――なんで私なんだよ!
 理不尽だ。なんだか酷く理不尽だ。
 釈然としない思いに駆られながらも、やけになった私はおもむろにこなたの人形をひっつかんで口元に運ぶ。小さく口を開いたところで、これは囓り辛いなと思って一口で頬張った。
 ふわりと甘さが広がって、けれど決してくどすぎない。マジパンにあんまり美味しい物だというイメージはなかったけれど、これは普通にスイーツとして美味しくて、つかさの腕前にびっくりしたものだった。
「――なんだー、やっぱり食べたかったんじゃん」
 途端に機嫌を直して、ニマニマと笑いながら口元に手を当てるこなたなのだった。改めて、ツンデレのキャラ属性はこなたにこそふさわしいと私は思った。
 私は紅茶をごくりと飲み込んで、そうしてこなたに云い放つ。
「そうよ、悪かったわね! あとついでに云っておくけど、サンタ服可愛いわよ、このばかっ!」
 やけくそになってそうまくし立てると、こなたの顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。

 よく考えればワインのアルコールなんてとっくに醒めてるはずなのに。
 こなたの頬の赤みは、その後も中々消えなかった。

 ――そうして私は、もしかしたらつかさは正しいことを云っているのかもしれないと、その時少しだけ思ったのだった。

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  • 今からでも遅くないので、OVA
    化して発売して欲しいです。
    6枚組で39800円位で!! -- チャムチロ (2012-08-17 20:39:01)
  • 登場人物のキャラをよくつかんでいると思う。
    作中に出てきた『ハグルマ』よんでみたいです
    -- 名無しさん (2010-10-02 10:42:42)
  • いのり姉さんは俺の彼女 -- 名無しさん (2008-08-08 15:37:25)
  • GJ!相変わらず面白い。ところで100%ナイナイを聞くと、この作品を思い出すのは俺だけ? -- 名無しさん (2008-07-09 08:14:02)
  • たまたま寝る前に第一話を読み始めたのが運の尽き。
    気付けば夜が明けてました。(自分の読む速度が遅いのも重大な要因ですが…

    それにしても、この作品は上手い。
    各季節のモチーフの設定とストーリーとの絡め方、複数のキャラクターに
    オリジナルのバックグラウンドを持たせる程大胆な創作部分を含みながら、
    その実決してアニメの世界観から完全には逸脱しないキャラクターの設定、
    アニメ本編で使われても遜色ないような絶妙な掛け合い、ストーリーに
    直接関係ないように思える細かな情景描写にも手を抜かず、
    そのお陰でキャラクターがまるで実在の人物であるかのような「厚み」を
    もって描かれているところ、などなど、正直、らきすたキャラを使って
    ここまで深い人間劇を読ませて頂けるとは思いもしませんでした。

    うん。本当にうまい。お見事、としか言いようが無い。
    続きも楽しみにしています。 -- 名無しさん (2008-07-09 07:03:18)
  • それぞれのキャラの立ちいちなどがうまくて、素直によめる、この作品ほどうまい物はないとおもいます -- 名無しさん (2008-07-08 23:30:11)
  • なんというツンデレ。 ダメだ、本作よりいいかも。 -- 名無しさん (2008-07-08 17:21:00)
  • 夏の時点からかがみは「こなたは同性愛者か否か」という0か1かで考えすぎてる。立場上仕方ないけど -- 名無しさん (2008-07-08 14:33:11)

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