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かがみ君、どうするの? ~sngg(それなんてギャルゲ)2~

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さて。現在登校中の俺は一つの懸案事項を抱えていた。……昨日の日下部の件についてだ。
……い、いや。俺は悪くないぞ?ただ、初めて見る日下部のエロい姿にちょっと中てられて……って、どう言い訳しても疑いは晴れないな。
ともかく、『俺が日下部を襲った』という事だけは消しようのない事実だから、土下座でもして謝らねばなるまい。
「……お兄ちゃん、どうしたの?」
「え?あ、ああ。なんでもない」
考えに没頭しすぎて、妹が一緒にいる事をすっかり忘れていた。こちらを覗き込む妹・つかさに苦笑いで手を振って返した。
「……?」
あー、疑問符を浮かべないでくれ。この件に関しては追求されると埼玉県警に行きたくなるから。
「やふー」
「あ、こなちゃんおはよー」
……と、ここで登校中にあいつと合流する事を頭から外していたので、挨拶が一歩遅れてしまった。
「お、おっす」
「あれ、どったのかがみ?なんか気が晴れないような顔してるけど」
そ、そんな顔してたのか、俺って?なんとなく手を顔に当てながら『あーいや』と、あいつこと泉こなたに返した。
「まあ……、ちょっと考え事をな」
「お兄ちゃん、今朝からずーっとだんまりだったんだよ」
「って、つかさ!余計な事を……」
つかさを止めるがもう遅い。泉の顔は完全にニヤニヤしていやがる。……こいつの好奇心というエンジンに一度火を入れたら、納得するまで止まらないのだ。
「ほほう、いわゆる『少年の悩み』ですかな?どれ、おじさんに話してごらん?」
「また何かのアニメのネタか?……というか、わざわざお前に話すような事じゃない」
……こいつに話したら確実に『sneg?』とか言ってきそうだからな。それ以前に俺が話したくない。思い返すたびに目が赤いパトランプや青黒い制服の人を探そうとしてしまう。
「ふむ、人には言えないような悩み、か。……例えば、『朝起きたら女の子になった』とか」
「ねーよ」
「じゃあ、『昨晩、灰色の世界で誰かとキスする夢を見た』とか」
「俺はキ○ンか」
「後は……『知り合いの女の子にエッチな事をして、その事で悩んでる』とか」
「……もういいだろ?行くぞ」
図星を指されて思わず動揺しそうになる心と体を抑え、平静を装いながら二人を置いて歩き出した。
「あ、待ってよお兄ちゃーんっ」
「もう、いいから教えなさいよーっ!」
慌てて俺の後ろを付いてくるつかさと、ハ○ヒの声真似をしながら追いかけてくる泉。……本当に、あの人の定型句を使わせていただきたい所だ。

……『やれやれ』。


  『かがみ君、どうするの? ~sngg(それなんてギャルゲ)2~ 』


二人と別れ、3-Cの教室に入る。……日下部の姿はなく、その代わりに一人のクラスメイトが目に付いた。
「おはよう、柊君」
「うっす、峰岸。……日下部は?」
日下部の幼馴染、峰岸あやの。この3-Cでは日下部と二人合わせて、数少ない女友達だ。
「みさちゃん?……さっき、教室から出て行ったけど」
「さっき?」
「柊君の顔を見たら、すぐに向こうのドアに走って行っちゃって……何かあったの?」
「あ、ああ。実は……」
……峰岸になら、話せるかな。そう思った俺は、前日の話をなるべく小声で峰岸に伝える。
「と、いう訳なんだ……。さすがに嫌われたかな、俺?」
はあ、とため息をつきながら峰岸に問いかけると……帰ってきたのは、なぜか微笑み。
「……なんだよ、その笑みは」
さすがに腑に落ちなかったので、少し声を強くして聞いてみると。
「大丈夫よ、柊君。……ここだけの話ね、みさちゃんにも同じ事言われたのよ。『あたし、あんな事をしちゃって柊に嫌われたんじゃないか』って。だから、大丈夫」
……日下部と同じ質問をしていたって……?俺の頭の中に、考察すべき事項が一つ増えた。
考えるポーズを取っていた俺に、峰岸は眉を少し吊り上げてこう言ってきた。
「……もう、そんな事じゃあいつまでたっても恋人なんて出来ないわよ?」
んがっ。その言葉に俺はのけぞってしまった。……彼氏持ちの峰岸に言われると、説得力が違う。固まってしまった俺に『頑張ってね』と一言だけ言い、峰岸は俺から目を逸らした。
と、同時に予鈴が鳴る。……ああ、俺はどうすればいいんだ。

         ***   ***

本来なら日下部と話すチャンスとなるであろう休み時間。しかし、これまで二回の休み時間があったが、そのどちらも日下部と話せていない。
理由は簡単だ。……日下部が逃げてしまうのだ。一回だけ走って追いかけたが、さすが陸上部。追いつく事が出来なかった。
「むぅ……峰岸は『大丈夫だ』って言ってたが、本当に大丈夫なんだろうか……」
三回目の休み時間にて、またもや日下部に逃げられてしまったのでもう一度追いかけたが捕まらず、教室に戻ろうと階段を下りていた時。
「こんにちは、かがみさん」
「あ、高良さん」
ちょうど階段を降りきった所で高良さんと顔を合わせた。……彼女に会釈しながら、『何気に運がいいな』と一瞬考えてしまったがそれをすぐに取り消す。
高良さんの顔を見れるのは嬉しいが、今はそれどころではない。次こそは日下部を捕まえなければ、と考えながら歩いていると、隣に並んで歩いていた高良さんに話しかけられた。
「何か焦ってるみたいですけど、どうかしましたか?」
「あ、いや。ちょっと色々とありまして……。高良さんはどうしてここに?」
「私ですか?私は先生のお手伝いが終わって教室に帰るところなんです」
……ああ、そういえば高良さんは学級委員なんだった。ちょくちょく先生の手伝いをやらされるんだよな、アレ。
「それはご苦労様です」
「いえいえ、お手伝いも私の仕事ですから」
微笑みで言葉を返す高良さんを見て、やっぱりこの人は凄いなと実感した。と、そんな時。
「あっ……あわわわ」
何かに躓いたのか、高良さんが突然前につんのめってしまった。
「た、高良さんっ!?」
それに気付いた俺は、彼女を助けるべく手を出したが間に合わず……
「あうっ!」
「ふがっ!」
結局、一緒に倒れてしまった。……だが、ちゃんと高良さんをかばうように俺が下になったので、高良さんに怪我はないだろう。
「いててて……」
「あ、あの……、かがみさん、大丈夫ですか?」
「……多分、大丈夫です。高良さんは?」
「あ、はい。おかげさまで……」
それはよかった。と俺は安心したが……よくよく考えてみれば、この体勢は微妙にまずくないですか?
現在の状況は、高良さんが俺のほぼ真上に乗っており、俺は仰向けの体勢で寝転がっている。高良さんは前のめりに倒れたため、うつ伏せになっている。


問一:この状況から考えられる事を全て述べよ。(五点)


……はい。ぶっちゃけ、高良さんのまさに『特盛り』な物体が俺に押し付けられてます。体が近付いているせいか、ものすごくいい匂いがします。多分、高良さんのシャンプーの香りだと思います。
……って、何故冷静にこの状況を楽しんでるんだ俺は!本能の甘いささやきによって腑抜けた理性をすぐにたたき起こす。
「た、高良さん。その……当たってます。色々と」
「……ふぇっ!?ご、ごめんなさい!」
俺の言葉によって、ようやく高良さんが起き上がってくれた。……ちょっと名残惜しいなんて思ってないぞ?絶対にだからな。
「あ、あの……、下敷きにしてしまってすいません。重かったですよね?」
「いえいえ、とんでもない。あのまま高良さんが倒れるのをほっとく奴は、男として終わってますから」
……間一髪で口から出かかった『それに、俺にとってはご褒美です』という言葉を無理矢理飲みこんだ。
「……まあ、ちょっと背中が痛いけど、俺は大丈夫です」
「本当にごめんなさい。私、よく何もない所で転んだりとかしてしまうので……」
そう話す高良さんが、なんとなく可愛く見えてしまった。……やっぱり高良さんはいいなぁ……などと思っていると。

「かーがーみん?」

「なっ!?」
突然、俺の頭上……正確には俺が倒れている場所のすぐ近くからねっとりとした声がかけられ、思わず驚愕の声を上げてしまった。
「い、泉さん?」
「みーちゃったーみーちゃったー。かがみってばなかなか大胆なんだねー」
声の主……泉はニマニマと笑いながら俺を見下ろしている。
「……それはどういう意味だ?」
「ぶっちゃけると、『sneg?』」
「だっ、黙れ!そもそもこれは高良さんが危なかったから、俺が助けようとして……」
すでに暴走状態に入ってしまった泉に言い返していると、高良さんが俺達に質問してきた。
「あ、あの……snegってどういう意味なんですか?」
「知らなくていいです。高良さんはいつまでも清いままでいてください。そこの泉みたくならないでください」
「うわ、かがみひっどいな?かがみだって十分オタクなくせに」
「誰がオタクだ!」
「あ、ちなみにsnegっていうのは……」
「説明するな!高良さんを暗黒面に落とす気か!」
……という感じで、泉のちょっかいにより色々とグダグダになってしまったが、俺の犠牲により高良さんを助ける事ができたのでよしとしておこう。

         ***   ***

その後、ようやく日下部に話しかけるチャンスを手に入れたのは昼休みの時だ。
授業の終わるチャイムと同時に、さて隣のクラスにでも行くかと席を立った瞬間。日下部がまた追いかけられると勘違いしたのか弁当を持って席を立った。
そのまま教室を出て行ってしまう日下部。しかし、さすがに弁当を持ちながらだと前の休みまでのトップスピードを出せなかったのか、ようやく捕まえる事が出来た。
「日下部っ」
「な、なんであたしを追いかけて来るんだよ……。妹の所に行けばいいだろ?」
「お前に話したい事がある。ちょっといいか?」
俺の言葉を聞き、日下部は体を震わせた。その目には恐怖が宿っている。
「あー、別に取って食うわけじゃないんだから、な。付いて来い」
さすがにあの話を切り出すには人が多すぎるので、腕を捕まえた状態のまま、日下部を階段の踊り場にまで引っ張っていった。最上階と屋上の間。ここなら大声を出さない限りは気付かれないだろう。
「……それで、話って何?」
未だに怯える日下部の腕から手を離し、すぐに頭を下げた。角度は60度。少々深めだ。
「昨日の放課後にお前を襲っちまって、すまなかった」
「…………へ?」
たっぷりと空白をとった後、そんな間の抜けた声が日下部の口から漏れた。
「思わず魔が差したんだ。いくらでも罵倒は受ける。むしろ殴ってくれたって構わない」
それに構わず、俺は頭を下げたまま言葉を続けた。……直後に襲ってきたのは、静かな世界。
「……日下部?」
頭を上げると、俺の前で凍りついた日下部がいた。口を小さく動かしているのはわかったが、一体どうしたというのだろうか。
昼休みの雑踏に混じってかすかに聞こえてくるのは、『あたし』、『柊』、『触らせ』、『嫌い』……と、繋げても意味が生まれない単語ばかり。
本来は言葉だったものだろうそれを呟いていた日下部は、数回瞬きをした後にようやくこちらにも聞こえる声で言葉を紡いだ。
「ひ、柊……?何言ってんだ……?」
「……ん?それはこっちの台詞だよ。昨日の事はどう考えたって俺が悪いわけだし、お前は俺を罵倒できる立場だぞ?」
「だ、だってアレはあたしが……ぁ……ぅ……」
怒鳴られるのを覚悟していたが、逆に日下部はしどろもどろになっている。……そういえば峰岸から聞いた話だと、日下部自身も『柊に嫌われるんじゃないか』と言っていたそうだ。
……つまり、日下部はあの出来事は自分自身の所為だと思っているって事か?
「……日下部は悪くないぞ。基本的にこういうのは男が責任を問われる物だから、お前より俺の方が……」
「ち、違うって!……そ、その…………あ、あたし……」
一旦強い声で俺の言葉を否定し、もう一度口ごもった状態になった。……とりあえず、日下部の話を聞こう。
「あたし……柊の手が触ってきたのが、気持ちよくて……それで……あんな、事……」
台詞を言っていくうちに、だんだん日下部の顔が赤くなってきた。
「後で、柊に起こされた時……怖かったんだ……いきなり変な事したあたしを、嫌いになっちゃうんじゃないかって……」
「……つまり、あの時に急いで帰ったのは……俺に嫌われるのが怖くなったからなのか?」
俺の質問に、日下部は頷いた。別に避けられたわけじゃなかったのか……いや、避けられてるな。意味は違うけれど。
「そっか……俺はてっきり、俺に襲われたのが嫌だったから逃げたのかと……」
「い、嫌じゃないってヴぁ!ただ、その……」
「……とりあえず、ありがとうな。それと、俺はお前を嫌いになんてならないから」
なんとなく日下部の頭を撫でながら、俺はそう告げた。日下部はまた、さっきと同じように『……へ?』という顔で俺を見上げる。
「これからもよろしくな、日下部」
そう言って、日下部の元から離れた。……どうやら、懸案事項は俺の誤解だったようだ。とりあえずひと段落、かな?

         ***   ***

……ついでに、この一件の後から日下部が俺に対して妙に冷たい態度をとる様になった事を書き加えておく。
峰岸に聞いたら『柊君が全面的に悪い』と怒られたが……何か怒る様な事をやったか、俺?



















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  • 性転換かがみに、萌えた!らき☆すたでも性転換を
    流行らせてほしい -- 伝説の腐女子R (2009-11-13 14:12:26)
  • …性転換もなかなかイイもんだ。 -- 名無しさん (2009-02-16 16:06:45)
  • 愚鈍ですねわかります -- 名無しさん (2009-01-08 09:42:56)

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