kairakunoza @ ウィキ

わたしの幼馴染

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匿名ユーザー

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 今日、長年連れ添ってきた親友に先立たれてしまった……。
 ずっと大切にしてきたのに、ちょっとした事故で彼女は二度と動かなくなった。
 出合ったときからの思い出だけが、走馬灯のようによみがえる。

 ――それまで私は、誰とも触れたことがなかった。
 触れようと試みることもなかった。
 そんな状況を打破してくれたのは、彼女だった。
 彼女と一緒にいると、"楽しい"や"嬉しい"とは少し違う、不思議な気持ちになれた――。

 彼女には姉妹がいて、年をとるごとにお姉さん然としていった。
 そんな彼女を、自分は羨ましく思っていたのかもしれない。
 ときには乱暴に扱ったり、冷たくあたったりもした。
 でもそれは、なんとも表現できない心の中を隠すための行為だった。

 "もしかしたら、恋をしているのかもしれない"
 そう考えたこともあったが、世間がいう『常識』では、
 二人の間で愛が成立することはありえないはずであった。
 禁断の恋、一方向だけの愛。


  P.M.10:25 泉家


「いや~~!! わたしの幼馴染が……」
 こなたの私室から、部屋の主の声が聞えた。
 彼女の前にはピンセット、螺旋回し、刷毛、ガワの外された携帯ゲーム機が置かれている。
 随分と日焼けし、変色したプラスチックからは、数年とは思えない年季が感じられた。
「うかつに解剖してゴメン……。お願い、生き返って!」
 持ち主の呼びかけにも、音声認識機能のない旧式GBは無反応である。

 なぜこのようなことになってしまったのか。
 それは音量ダイヤルの感度が悪くなったGBを、こなたが修理しようとしたところから始まる。
 埃を巻き込んだだけだから中を開けて掃除すれば直る! と確信したこなたは、手馴れた様子で埃を除去していった。
 しかし、ピンセットへの力の入れ加減を間違え、基盤を傷つけてしまったのだ。

「うう、もう二度と解剖なんかしない。クソゲーやっても投げたりしないから、戻ってきて!! マイ・ラバー」

 "るー"という泣き声が、今にも聞えてきそうな別れの夜だった……。







※タイトルはこちらでつけさせて頂きました。
 もし不都合などありましたら、コメントフォームか現行スレでお願いします。



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コメント:
  • びっくりした・・・まあ、確かに言えることだけど・・・ -- 名無しさん (2009-04-15 20:39:18)
  • 釣られた -- 名無しさん (2009-04-15 02:07:14)
  • なんというミスリード -- 名無しさん (2009-02-12 16:26:37)

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