「かがみ~この本読んでみない?」
秋晴れのまぶしい10月27日の昼すぎ、放課後デートの最中に私は一冊の本をかがみに差し出した。
「珍しいわね。あんたが活字を薦めるなんて」
「まぁ私も少々文学なるものに触れてみようかと思ってね」
「ふ~ん。で、どんな本なの?見たところラノベじゃないようだけど」
「まぁまぁ、そこは読んでのお楽しみってことで」
近くの公園のベンチに座って二人して読書に勤しむ事にした。
私が読むのは先ほどゲマズで買ったコミックの新刊だが。
「私には文庫を薦めておいて自分は漫画かよ……私そのタイトルのラノベ持ってるから、今度読んでみれって」
「まぁ考えときますよ」
かがみの攻撃を鮮やかにかわし、漫画の世界に逃げ込んだ。
「もう……」
かがみもため息をつきながら私が渡した本のページを捲り、読書の世界へと旅立っていった。
秋晴れのまぶしい10月27日の昼すぎ、放課後デートの最中に私は一冊の本をかがみに差し出した。
「珍しいわね。あんたが活字を薦めるなんて」
「まぁ私も少々文学なるものに触れてみようかと思ってね」
「ふ~ん。で、どんな本なの?見たところラノベじゃないようだけど」
「まぁまぁ、そこは読んでのお楽しみってことで」
近くの公園のベンチに座って二人して読書に勤しむ事にした。
私が読むのは先ほどゲマズで買ったコミックの新刊だが。
「私には文庫を薦めておいて自分は漫画かよ……私そのタイトルのラノベ持ってるから、今度読んでみれって」
「まぁ考えときますよ」
かがみの攻撃を鮮やかにかわし、漫画の世界に逃げ込んだ。
「もう……」
かがみもため息をつきながら私が渡した本のページを捲り、読書の世界へと旅立っていった。
小一時間ほどすぎた頃だった。
「………っく………ぇぅ………」
本を読んでいるはずのかがみのほうから嗚咽が聞こえてきた。
(おお、思ったより早かったな)
かがみに渡した本は純愛小説の王道とでもいうべき作品で、感動と涙を誘うシーンがそこらかしこにちりばめられている、この作者さんの超大作ともいえる本だった。
なにを隠そう、私も初めて読んだときは一人部屋の中でえぐえぐいってたものだ。
かがみは感受性の強い女の子だからきっとこの本に共感してくれると思っていたのだが、効果は思った以上だった。
私はちらっ、と横に目をむけてかがみの顔を覗いてみた。
「………ぅぅ……ぐすっ…………」
案の定かがみはぽろぽろと涙を流しながら本の世界に没頭している。
そして私は、そんなかがみの表情に見とれていた。
(ああ……やっぱりいいなぁ)
かがみにこの本を読ませた理由はもう一つあった。
それは、かがみの泣き顔が見たかったからだ。
私は基本的に、かがみの表情は全部好きだ。
笑顔はもちろん、怒ってる顔や落ち込んでる顔、どれも大好きだ。
でも一番好きなのは、泣いてるときの顔なんだ。
初めてかがみと想いが通じ合ったとき、かがみはうれし涙で泣き崩れた。
そのときのかがみのあまりの可愛さに、私は思わずかがみのファーストキスを奪っちゃったんだっけ。
だけどかがみは基本的にツンデレだから、泣いてるところなんてまず見せてはくれない。
だから少々卑怯だけど、こういう手段をとらせてもらった。
パタン
私は読んでいた漫画を閉じて、かがみんウォッチングに集中することにした。
できれば携帯のカメラで撮って永久保存したいところだけど、さすがに気付かれちゃうから網膜に焼き付ける事で我慢するとしよう。
「………ぅっく………ぇぅ……」
かがみはじっと見つめる私には気付かずに、物語の世界にどっぷり浸かっている。
(うん。やっぱりかがみの泣き顔は最高だよ。すごく可愛い。
この顔を見るためなら、何度でも泣かせたい。なんて思う私は終わってるのかな。
好きな人を泣かせて喜ぶなんて、そうとうキてるよね。
あ、その涙を拭う仕草は反則ですよかがみさん。萌え殺す気ですか)
無防備なその頬にキスしたいと思う気持ちを抑えるのがこれほど大変だとは……
優しい日差しの中涙を零しつづけるかがみを、私はかがみが気付くまで、ずっとずっと、見つめ続けるのだった。
今日は文字・活字文化の日。
2005(平成17)年制定の『文字・活字文化振興法』により制定された記念日。
または読書の日。
「読書週間」の1日目の日。
こんな素敵な日が二週間も続くなんて……
読書の秋に乾杯。
「………っく………ぇぅ………」
本を読んでいるはずのかがみのほうから嗚咽が聞こえてきた。
(おお、思ったより早かったな)
かがみに渡した本は純愛小説の王道とでもいうべき作品で、感動と涙を誘うシーンがそこらかしこにちりばめられている、この作者さんの超大作ともいえる本だった。
なにを隠そう、私も初めて読んだときは一人部屋の中でえぐえぐいってたものだ。
かがみは感受性の強い女の子だからきっとこの本に共感してくれると思っていたのだが、効果は思った以上だった。
私はちらっ、と横に目をむけてかがみの顔を覗いてみた。
「………ぅぅ……ぐすっ…………」
案の定かがみはぽろぽろと涙を流しながら本の世界に没頭している。
そして私は、そんなかがみの表情に見とれていた。
(ああ……やっぱりいいなぁ)
かがみにこの本を読ませた理由はもう一つあった。
それは、かがみの泣き顔が見たかったからだ。
私は基本的に、かがみの表情は全部好きだ。
笑顔はもちろん、怒ってる顔や落ち込んでる顔、どれも大好きだ。
でも一番好きなのは、泣いてるときの顔なんだ。
初めてかがみと想いが通じ合ったとき、かがみはうれし涙で泣き崩れた。
そのときのかがみのあまりの可愛さに、私は思わずかがみのファーストキスを奪っちゃったんだっけ。
だけどかがみは基本的にツンデレだから、泣いてるところなんてまず見せてはくれない。
だから少々卑怯だけど、こういう手段をとらせてもらった。
パタン
私は読んでいた漫画を閉じて、かがみんウォッチングに集中することにした。
できれば携帯のカメラで撮って永久保存したいところだけど、さすがに気付かれちゃうから網膜に焼き付ける事で我慢するとしよう。
「………ぅっく………ぇぅ……」
かがみはじっと見つめる私には気付かずに、物語の世界にどっぷり浸かっている。
(うん。やっぱりかがみの泣き顔は最高だよ。すごく可愛い。
この顔を見るためなら、何度でも泣かせたい。なんて思う私は終わってるのかな。
好きな人を泣かせて喜ぶなんて、そうとうキてるよね。
あ、その涙を拭う仕草は反則ですよかがみさん。萌え殺す気ですか)
無防備なその頬にキスしたいと思う気持ちを抑えるのがこれほど大変だとは……
優しい日差しの中涙を零しつづけるかがみを、私はかがみが気付くまで、ずっとずっと、見つめ続けるのだった。
今日は文字・活字文化の日。
2005(平成17)年制定の『文字・活字文化振興法』により制定された記念日。
または読書の日。
「読書週間」の1日目の日。
こんな素敵な日が二週間も続くなんて……
読書の秋に乾杯。
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- 乾杯ー!!(^▽^)ノ -- 無垢無垢 (2009-10-28 07:14:59)
- GJです!
貴方の作品メチャクチャ好きです!!
リアルタイムで見れるなんて、幸せだーO(≧∇≦)O -- 名無しさん (2009-10-27 06:50:27)