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声優の名前
「矢矧」は阿賀野型の3女。佐世保海軍工廠で1941年11月11日に起工された。
太平洋戦争前に起工された最後の軍艦だった。
南太平洋海戦前日の1942年10月25日に進水、1943年暮れの12月29日に竣工した。
老朽化と陳腐化の甚だしかった球磨型、長良型、川内型に代わり、
充実した設備を持った新鋭軽巡として、次世代の水雷戦隊旗艦を担うエースになる、はずだった。
しかし竣工時にはすでに水雷戦闘そのものが無くなり、航空戦へと時代が移ってしまっていた。
生まれながらにして時代錯誤となってしまった彼女たちは、不向きな対空戦闘へと投入されることとなる。
(このあたりの詳細については阿賀野の項目を参照)
竣工後間もなくの1944年3月1日、第一機動艦隊の中核である第三艦隊に編入。
先に沈んだ長女の「阿賀野」に代わって、第十戦隊旗艦として空母機動部隊直衛の任に当たることとなった。
6月のマリアナ沖海戦には駆逐艦15隻を率いて参加。
同海戦では爆沈した「大鳳」「翔鶴」の乗員を救助し、また「瑞鶴」を護って対空戦闘に当たった。
マリアナ沖から帰還後は対空戦闘に備えレーダーと機銃の増備が行われている。
10月には姉の「能代」とともに栗田艦隊に所属し、レイテ沖海戦に参加することとなる。
駆逐隊を西村艦隊や小沢艦隊に引きぬかれた結果、
マリアナからわずか4ヶ月にして指揮下の駆逐艦は6隻にまで減っていた。
24日のシブヤン海海戦では、直撃弾1発のほか至近弾2発を浴びて艦首に破孔が空き、最高速力22ノットに低下。
その後必死の応急修理によってどうにか28ノットまで回復、部隊からの落伍は免れた。
25日、「矢矧」にとっては進水満2歳の記念日にサマール沖海戦が発生。
米護衛空母部隊へまず重巡部隊が突撃を開始、「矢矧」率いる第十戦隊は止めを刺す役を担って後続。
前日の損傷で速力制限のある「矢矧」は無理をして32ノットを発揮、修理箇所からの浸水に構わず突進した。
しかし米艦隊は「ジョンストン」はじめ駆逐艦部隊が必死の応戦を繰り広げ第十戦隊の行動を妨害。
「矢矧」らは命中弾を浴びつつも魚雷を発射。米空母2隻撃沈を報じたが、実際には命中していなかった。
指揮下の「雪風」は確かに米空母に魚雷命中の大水柱が上がったと証言しているが、
おそらく必中を期するあまり信管を敏感に設定しすぎたため、命中前に波の衝撃で爆発してしまったものと思われる。(同様の事例は過去の海戦でも散見される)
「矢矧」の確実な戦果は駆逐艦「ジョンストン」(*1)撃沈である。
なお第十戦隊はこの時の戦果を
エンタープライズ型空母1隻撃沈、同型空母1隻大破撃沈殆ど確実、砲撃により駆逐艦3隻撃沈
と報告した。
その後、反転した栗田艦隊は18回にも渡る空襲を受け、「矢矧」は至近弾によりさらに損傷。
また姉の「能代」は魚雷2発を浴びて撃沈されてしまった。
「矢矧」はこのレイテでの一連の戦いで戦死47名、行方不明3名、重軽傷者97名もの損害を出した。
佐世保での修理の際に確認された損傷は1000箇所以上にも及んだという。
1945年4月6日、「大和」らに合流し、天一号作戦に参加。
「矢矧」の原艦長はこの特攻出撃に批判的で、「矢矧」は敵の後方補給路で暴れてこれを寸断すべきと主張していた。
出撃前、特攻出撃で前途有望な若者の生命を無駄に散らさぬよう、士官候補生23名を退艦させている。
また記録には残されていないが、出撃直前に救命具代わりの大量の杉材を艦後部に搭載したとされている。
4月7日午前8時15分、空襲が始まる前、「矢矧」は水上偵察機1機を基地へと返した。貴重な搭乗員と機体をむざむざ水上特攻で失わせる必要はないと判断しての事だった。
12時32分、敵の大空襲が開始。
その冒頭の12時46分に「矢矧」の左舷中央に魚雷が命中、さらに1時にも艦尾に魚雷が命中し、ついに機関が停止。
航行不能となった「矢矧」は「大和」に次ぐ大型艦であったため、まるで標的のように敵機の集中攻撃を浴びることとなった。
第二水雷戦隊司令部は諦めずに「磯風」に移乗しての沖縄突入を図るが、
「矢矧」へ横付けした瞬間に「磯風」も至近弾により艦底を引き裂かれ、航行不能となってしまった。
もはや救援が不可能となった彼女は、孤立無援の形で絶望的な対空戦闘を続けた。
午後1時45分、敵機約50機がふたたび彼女に襲いかかった。
「矢矧」は魚雷と搭載機を投棄しており、さらに爆発寸前となった一番砲弾薬庫にすかさず注水が行われ、致命的な誘爆は発生しなかった。
また中央隔壁を廃した持久力のある設計や応急修理の的確さ、注水による傾斜復元が効果的に行われたことも功を奏し、
次から次へと魚雷や爆弾が命中しつつもなかなか沈まず、最終的に「矢矧」へは
7本もの魚雷と10発以上もの爆弾が命中
。
最後の頃は乗員自身が「もう早く沈んでくれ」と思うほどに持ちこたえた。
軽巡史上最高の防御力を発揮した彼女は、「大和」にわずかに先立つ2時5分、
右舷に30度傾くと、後部から急激に沈下、真っ二つとなって沈んでいった。
生存者は「初霜」「雪風」「冬月」が救助。
「矢矧」の乗員は熾烈な対空戦闘の銃火のため、皆顔が火傷で腫れていたという。
446名が戦死し、艦長と第二水雷戦隊司令官を含む507名が生還した。
次世代としての期待を担って起工されながら、生まれながらに時代錯誤のレッテルを貼られた挙句、それぞれ非業の最期を遂げていった阿賀野型。
その姉妹の中にあって「矢矧」はただ一人戦果らしい戦果をあげ、連合艦隊潰滅の日まで付き従い、殉じていったのである。
後に建築家として有名になる池田武邦が乗り組んでいた。艤装員から始まり、航海士、測的長として、「矢矧」の最初から最後までを共に生き、そしてその最後を看取った。
19歳で少尉候補生として「矢矧」に着任、航海士としてマリアナ沖海戦、レイテ沖海戦に参加した。
海軍の人的損耗は激しく、2年後には21歳という若さで第四分隊長兼測的長を拝命し、天一号作戦に参加した。
天一号作戦で「矢矧」は轟沈、氏自身も火傷を負ったが、「冬月」に救助されて佐世保まで帰り着いた。これらの体験は2010年に『軍艦「矢矧」海戦記』として出版されている。
昭和四十四年、長崎県佐世保市に慰霊碑が建立された。
碑
御霊ら今此処に眠る
御身ら軍艦矢矧の兵としてマリアナ海戦フィリピン沖海戦に散じ
はたまた国家の存亡をかけし沖縄特攻作戦に戦艦大和らとともに徳之島西方に没す
この日 昭和二十年四月七日なりき
今、世は太平
此度漸く機熟して戦没者の霊を慰め且つは再び戦争の悲劇を繰り返さざることを希い
母なる港を臨む東山の聖地に慰霊の碑を作りたり
御霊よ永久に安らかに眠れかし
ゆきしふね かえらぬおかに はなふぶき
状況 | 台詞 | 関連する史実や元ネタ、解説など |
自己紹介 | 軽巡矢矧、着任したわ。提督、最後まで頑張って行きましょう | 連合艦隊の実質的な最後までを共にした艦である |
秘書クリック会話① | さて、今日はどんな戦略を立てるの? | |
秘書クリック会話② | んふふ、いい気配りね。嫌いじゃないわ | |
秘書クリック会話③ | うふっ、面白いわね。そうことなら私からしかけてもいいのかしら。ね? | ほう |
戦績表示時 | 提督への報告書ね。どうなの? | |
編成選択時 | 第二水雷戦隊、預かります。矢矧、抜錨する | |
装備時① | そうね、有難いわ | |
装備時② | うん。この改装なら、行けるかもしれない… | |
装備時③ | 流石ね | |
(マップ選択・資材発見・修復剤使用・装備開発と装備時③は共通) | ||
ドック入り | この程度、傷のうちにも入らないけど | |
ドック入り(重傷) | 万全な態勢で出撃したいから、感謝はするわ | |
建造時 | 新しい艦が進水するわ | |
艦隊帰投時 | 艦隊、全艦泊地に帰投したわ | |
出撃時 | 第二水雷戦隊、預かります。矢矧、抜錨する! | |
戦闘開始時 | 砲雷撃戦、始めます! | |
航空戦開始時 | - | |
攻撃時 | 今度は良く引き付けるんだ…、よし、てぇー! | サマール沖海戦での十戦隊の雷撃は、発射をはやる余り遠距離過ぎたとの指摘がある |
夜戦開始時 | ふふっ、夜戦なの?悪くないわね! | |
MVP時 | この矢矧が艦隊で一番なの?ふふっ、そうね。意外と嬉しいかもね | 就役時には既に水雷戦隊の活躍の場はなく、華々しい戦果とは縁遠かった |
被弾小破① | 数発の被弾で私が沈むわけないじゃない! | 坊ノ岬では軽巡洋艦とは思えない粘りを見せている |
被弾小破② | ここからが私の本領発揮よ! | |
被弾カットイン | 私を沈めたいなら、魚雷5、6本くらい撃ち込まないと…駄目よ! | 彼女が坊ノ岬で撃沈されるまでに受けた傷は推定魚雷7本、爆弾12発に及ぶ |
撃沈時(反転) | もういい、私から、離れて…。また、大和と雪風が見えるな…悪くない… |
沈みゆく矢矧からは、大傾斜し沈没に瀕する大和の姿が望まれたという 乗組員は雪風・初霜・冬月に救助され、半数以上が生還した |
時間 | 台詞 | 関連する史実や元ネタ、解説など |
00:00 | マルマルマルマル。深夜零時。無理はダメよ。 | |
01:00 | マルヒトマルマル。提督、眠くないの? | |
02:00 | マルフタマルマル。今日は、静かな夜ね。 | |
03:00 | マルサンマルマル。そろそろ今日は、半舷上陸しないの?ねぇ | |
04:00 | マルヨンマルマル。ねぇ、無理は禁物よ?明日のデイリー任務は私に任せて。 | |
05:00 | マルゴーマルマル。艦これ的には新しい一日の始まりね |
メタな台詞 艦これで任務が更新されるのが0500時 |
06:00 | マルロクマルマル。ええっと、工廠で装備を三回作って、そして、出撃して、ええっと… | 任務『新装備「開発」指令』と『敵艦隊を撃破せよ!』 |
07:00 | マルナナマルマル。ええっと、それから、新しい艦を三隻建造して…ああ、もう! | 任務『艦娘「建造」艦隊強化! 』 |
08:00 | マルハチマルマル。疲れたわ。デイリー任務も、結構大変なのね。提督、あ、うん。 | |
09:00 | マルキュウマルマル。軍縮条約?艦を二体解体って…私には無理!…やるけど… | 任務『軍縮条約対応! 』 |
10:00 | ヒトマルマルマル。ああ、疲れたわ。提督、貴方結構大変なのね。少し見直したわ。 | |
11:00 | ヒトヒトマルマル。私には海上での戦闘の方が向いているみたい。出撃させて! | |
12:00 | ヒトフタマルマル。慣れないことすると本当お腹空くわね。ね、お昼は何食べる? | |
13:00 | ヒトサンマルマル。私の故郷でコレ今流行ってるんですって。大きな丸い肉はさみパン…かなぁ。 | 佐世保名物「佐世保バーガー」 |
14:00 | ヒトヨンマルマル。もぐもぐもぐ…行けるわね!ハンバーガーって言うんですって。 | 武蔵ともども、鎮守府内でハンバーガーがブームのようだ |
15:00 | ヒトゴマルマル。さぁ、また出撃しましょ!どんどん行くわ。 | |
16:00 | ヒトロクマルマル。ああ、これ?いいでしょ、萩の花と、矢デザインの盃なの。 | 彼女が生まれた時に配られた記念品である |
17:00 | ヒトナナマルマル。そろそろ日が落ちるわね。私、夜戦も存分にやってみたいわ。 | 水雷戦隊旗艦として設計されながら、水雷戦隊の本務である夜戦は一度も経験していない |
18:00 | ヒトハチマルマル。そういえば、今日の演習はどうだったの? | |
19:00 | ヒトキュウマルマル。提督、今日の晩ご飯はなんでしょうね?ちょっと楽しみ! | |
20:00 | フタマルマルマル。さぁ、夜戦の時間ね。どうする?するの? | |
21:00 | フタヒトマルマル。提督、まだまだいけるわ。矢矧、がんばります! | |
22:00 | フタフタマルマル。提督、矢矧水雷戦隊、全力で行くから!フラ戦なんか粉砕よ! | |
23:00 | フタサンマルマル。うーん、戦艦はやっぱり強いわ…。敵空母は…はい、嫌いです。 | マリアナ、レイテ、坊ノ岬と、本来不向きな敵艦載機との対空戦闘に散々振り回された生涯だった |
放置時 | そうね…この次の人生がもしあるというのなら…今度は軍艦じゃないっていうのも…いいかもね… |