○日本 人工島 “ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
ドォォオ オ オ オ オ オ ン ! !
鳴り響くは…ッ!!
闘いの銅鑼(どら)ァーッ!!
闘いの銅鑼(どら)ァーッ!!
さあさ!
片の方!
“ノホホ極道一直線”
『北海 右権(ほっかい うごん)』
搭乗修斗はッ!
『キラー・ザ・ビッグ』
ッ
ッ
もう片の方ッ!
“花巻運輸にリフトはいらねぇ”
『三筒 平城(みつつ へいじょう)』
搭乗修斗はッ!
『花巻修斗(はなまきしゅうと)』
ッ
ッ
「キラー・ザ・ビッグ」はパワー型のデカイ機体ッ!
「花巻修斗」はスピード型の小柄な機体ッ!!
ッ
ッ
右権ッ!
「ノホホォオオオオオオオ オ オ オ オ オ ! ! ! 」
右権のキラー・ザ・ビッグが!
右権の咆哮と共に突進する!!
ッ
ッ
三筒ッ!
ド ン ッ ! !
三筒の花巻修斗がッ!!
強力な踏み込みと共に突進する!!
ッ
ッ
両雄ッ!
全力ッ!
全霊ッ!
全てを傾けてぇ~っっ!!
ッ
ッ
ド ッ ッ キ ャ ッ ッ ッ ! ! !
ッ
ッ
キラー・ザ・ビッグ!
右正拳突きであった!
ッ
ッ
花巻修斗!
右上段回し蹴りであった!!
ッ
ッ
共に狙ったは…!
ッ
ッ
頭 部 ッ ! !
ッ
ッ
二人とも一撃必殺を狙ったのだ…ッ!!
ッ
ッ
故に全開ッ!
ッ
ッ
故に…ッ!!
ッ
ッ
ド サ ァ ァ ァ !!!
ッ
ッ
双方そのまま崩れ落ちダウンした!!
「「ウォォオオオオオオオ!!!」」
観客は立ち上がる!!
「「すんげぇ~~~~こいつ等ッッッ!!!!」」
「「いきなりクライマックスだァアアーーッッ!!!」」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』
第 1 0 話 「 上 手 く 語 れ な い か ら 、 此 処 に 居 る ッ ! ! 」
原案・手拭
筆者・REO=カジワラ
筆者・REO=カジワラ
キラー・ザ・ビッグは、
ダウン状態から膝を曲げ…!
ダウン状態から膝を曲げ…!
膝に手をやり、
立ち上がろうとする…ッ!!
立ち上がろうとする…ッ!!
右権…!
「(寝ていたいのね…!)」
「(ノホホ…!久しいのね…!!)」
「(ダメージの中…!!)」
「(それでも闘いたくて力を振り絞る感覚はッ!!)」
その時であったッ!!
ド ギ ャ ァ ー ッ ! !
『花巻修斗』である!!
速度に勝る花巻修斗は、
キラー・ザ・ビッグよりも、
早くに立ち上がり、
起き上がるキラーに対し、
右下段蹴りで打ち抜いたッ!!
右権!
「(なんてぇ漢(おとこ)なのよね!)」
「(オヨの右正拳突きを受けているニヒル!!)」
「(ダウンするダメージを負ったのココロ!!)」
「(それでもここまでの動きが出来るかのねん!!)」
ビ ュ オ ッ ! !
花巻修斗がもう一撃、
左下段蹴りを放つ!!
右権!!
「ノホォー!!」
ベチィ!!
キラーは、右足を上げ、
その上げた足で、下段蹴りを受け、
ダメージを受け流す!!
右権!
「(取り敢えず立てたのよ!!)」
「(ここから反g…ッ!!)」
ビ・ビュオ!!
花巻修斗の正拳突き2連突きである!!
一撃目は左!二撃目は右!!
間髪入れず繰り出すは花巻修斗ッ!!
ッ
ッ
右権!
「捌(さば)くのよねぇ!!」
“右腕”で『左正拳突き』をッ!
“左腕”で『右正拳突き』をッ!!
“捌く”事で『軌道を変える』ッ!!
ッ
ッ
右権!
「ムグッ!?」
“花巻修斗”の『右正拳突き』は捌き切れなかった!!
“キラー”の腹部に『拳がHIT』!『ダメージ』を“負う”ッ!!
ッ
ッ
そして、今、この時ッ!!
間合いの“優”は『花巻修斗』にありッ!!
ッ
ッ
ドババババババ バ バ バ バ バ バ バ バ ! ! !
ッ
ッ
拳!拳!拳!蹴り!肘!!
数多(あまた)!雨あられ!!
ッ
ッ
右権!
「(疾(はや)いのねッ!!)」
「(お…ッ重くて…ッッ!!)」
「(小柄な修斗でここまでの…ッ!!)」
「(トップスピードの連撃故…ッ!!)」
「(総合的に重さが同居するのね!!)」
け
ど
も
ッ
!
「(必ず中断(とぎ)れるハズニヒル!!)」
ッ
ッ
ドババババババ バ バ バ バ バ バ バ バ ! ! !
ドババババババ バ バ バ バ バ バ バ バ ! ! !
ドババババババ バ バ バ バ バ バ バ バ ! ! !
ッ
ッ
観客がどよめく…!!
「「すげぇ…!」」「「全然休まねぇ…!!」」
「「もう1分は経つぜ?」」「「止まらねぇ!!」」
ッ
ッ
右権!
「(ど…ッどうなっているのココロッッ!!)」
「(この漢(おとこ)…ッ!)」
「(中断(やす)まないのよねエ…ッッ!!!)」
ッ
ッ
控え室のブラック少林!
「そうでしょう…!」
「あの三筒 平城と言う漢…!」
「例えるなら、
軽自動車に大型トレーラーの
エンジンを積んでいるようなモノです…ッ。」
「如何に小柄な修斗を選択していると言えど、
三筒自身が大きなエンジンと化す為、動性エネルギー過剰により、
中断(とま)らぬ波状連撃が、凄まじい攻撃を生み出している…ッ。」
「恐るべき漢です…!三筒 平城…ッ!!」
ッ
ッ
観客!!
「「お…おいッ」」「「お…」」「「なんだか」」
「「 疾( は や )く な っ て る よ ッ ! 」」
ッ
ッ
観客!!
「オォォォオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! 」
ッ
ッ
右権は打たれながら思考する!!
「(体格に勝る“オヨ”の『キラー・ザ・ビッグ』が…ッッ!!)」
「( 追 い 詰 め ら れ て い る の よ ね ッ ッ ! ! )」
ッ
ッ
右権!
「ノホォォオオオッッ!!」
バッ!(左正拳突きを繰り出すキラー!)
バッ!(己が頭部を揺らし!)
(打点を定まらせない事で!)
(回避する花巻修斗ッ!!)
ッ
ッ
右権!
「ニヒルッ!!」
…ッ!(キラー!右正拳突き!!)
ザッ!(繰り出されるより速くッ!)
(キラーの内に入り込む花巻修斗ッ!!)
ッ
ッ
右権!
「~~~~~~ッッッッ!!」
ガッ!(キラーは両腕で防御を固めるッ!!)
シュドドドドドドドドド!!
(連打!連打!!花巻修斗の連撃であるッ!!)
ッ
ッ
シュドドドドドドドドド!!(花巻修斗の連撃により…!)
シュドドドドドドドドド!!(キラーの防御が…!)
シュドドドドドドドドド!!(空くッ!!)
ヒ
ュ
オ
!
右権は視認する!
ッ
ッ
「(アッパー!ボクシングなのよね!!)」
「(狙いは顎(あご)のココロッ!!)」
ッ
ッ
グォ!
キラーは上体を反らす事で回避するッ!!
しかし、花巻修斗は中断(と)まらない!!
続
け
ざ
ま
!
ギュン!!(裏拳(バックハンドブロー)!!)
ッ
ッ
バッ!(キラーはしゃがむ事で、裏拳を回避する!!)
ッ
ッ
他にも!連撃、咲き乱れる花巻修斗ッ!!
だ
が
!
右権!
「………ッッ!!」
「(読めるのよねッ!!)」
こ
れ
な
ら
ッ
「(カウンターニヒルのよねぇ!!)」
ッ
ッ
ズダダダダダダダダ!!(攻防ッ!)
ズダダダダダダダダ!!(捌いてッ!)
ズダダダダダダダダ!!(喰らってッ!)
今
!
右権!
「ここなのよねぇー!!」
ッ
ッ
花巻修斗の左下段蹴りに合わせ!
キラーの右正拳突きッ!!
ッ
ッ
ブ ン ! !
(花巻修斗はしゃがみながら前進ッ!!)
ッ
ッ
右権!!
「(罠ッ!?)」
ゾワ…!!(右権は身の毛がよだった!!)
クイ…!!(キラーは顔を下に向ける!!)
次
の
瞬
間
!
三筒!
「せいッッッッッッッ!!!」
ッ
ッ
花巻修斗は思い切り跳び上がった!!
そ
し
て
!
グワッッ!!(キラーの顔面に!!)
キィイイ!!(花巻修斗の頭部が突き刺さったァーッ!!)
右権駆る「キラー・ザ・ビッグ」は、
顔面を天井に向け…そのまま、倒れ…ないッ!!
ギリギリのトコロで踏み止まる!!
右権!
「(運が良かったのね…!)」
「(思わず顔面を下に向けたが故…!!)」
「(アゴに当たらずにすんだのね…!!)」
「(何とかのかなかなで、立っていられるねん!!)」
で
も
!
「(オヨの脚…!?)」
「(ホントにオヨの脚!!?)」
「(ガクガクするのねんッ!!?)」
「(あ!三筒が来るのねッッ!!!)」
ダ
ン
!
花巻修斗が踏み込み!!
キラーに接近する!!
そ
し
て
!
ドババババババ バ バ バ バ バ バ バ バ ! ! !
ッ
ッ
再び連撃が始まった!!
ッ
ッ
右権!
「(効くッ!否、効き過ぎるのね!!)」
「(は、花巻修斗の頭を掴んで…!!)」
ガ
シ
!
「(膝蹴りをねん…!)」
「(仕掛けるのよッ!!)」
ド ゥ !
ズ ド ゥ !!
右権!
「ッノホゥッッ!!」
キラーは、
膝蹴りを打ち付ける!!
「(ノホゥ…ッッ!!)」
「(攻撃して休むのね…!!)」
「(回復させるのねん…ッ!!)」
で
も
!
「(まだなのね…ッッ!!)」
「(まだ回復しきってないのねッッ!!)」
ガ
シ
ィ
!
花巻修斗は、
キラーを掴み…ッ!!
ガ
ッ
!
脚を巻き込みながら、
寝技(グラウンド)に、
持って行こうとするッッ!!
ッ
ッ
右権!
「(三筒ッ!寝技もこなすと言うのねッッ!?)」
「(このままじゃあ…!マズイのねんッッ!!!)」
ッ
ッ
「ノッッホォォォオ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! 」
キラーは力任せに、
花巻修斗をブン投げるッ!!
ッ
ッ
グォオ オ オ オ ! ! !
ド
ゥ
!
打 地 !
し
か
し
!
受け身を取る花巻修斗!!
ッ
ッ
右権!
「(休める…ッ。)」
「(1秒の何分の一でもッッ)」
スゥ!ハァー!!
スゥ!ハァー!!
スゥ!
ドババババババ バ バ バ バ バ バ バ バ ! ! !
ッ
ッ
右権!
「(来たのねッッ!!)」
「(深呼吸二つ半…ッ!!)」
「(上出来なのよね!!)」
ー それにしてものココロ…。
ー さっきの頭突き…。
ー もし、生身であったのなら…。
ー 鼻骨が骨折して。
ー 深呼吸をするもクソも無かったのではのニヒル?
否
よ
ッ
!
ー 生身なら…。
ー 生身ならではの機微(きび)…。
ー あれはあれで…。
ー 独特なモノなのね…ッ。
そ
う
!
ー お互い承知で、修斗を駆ってる以上…ッ!!
ー そこに、もしもは無いのでニヒルッ!!
ー オヨがもし逆の立場であっても
ー あの頭突きで自分が勝ったとは思わない
ー そんな事を試合中は思わないし
ー 思っては意味はない
ー しかしオヨはそんな意味も無い事を思っているのココロ
っている「痛ッ」思っている考えて「拳ッ」いる
そんな事を考えるのはやめろとも「隙ッ」思って
「右をッ」無駄な事を思うのはやめろ「いいぞッ」
ッ
ッ
倒す「痛ッ」こと
考えねば「左右ッ」
ならな「蹴ッ」い
ッ
ッ
集中「コンビネー」して
闘う「右から左」ことを
よし「考えー」
ほ
ら
!
入 っ た ッ ! !
ッ
ッ
キラー・ザ・ビッグの右上段蹴りが、
花巻修斗の側頭部に入ったッッ!!!
花巻修斗は膝の力が抜け…!!
そのまま倒れ込むッ!!
その時。
その一瞬。
右権が思った事。
それはー。
右権。
「(立つのねん、三筒…ッ!!)」
立って欲しいと言う願望であった。
三筒と闘い。
三筒と競い。
三筒とぶつかり合う中…。
まず思った事は『立てよ』と言う情念。
否(いいや)。情じゃあない。
願である。願念(がんねん)であるのだ。
右権は更に想う。
ー これで終わりにするんじゃあないのねん、三筒。
ー そうよ、ニヒル。
ー こんなんで終わる試合じゃあないのココロ。
続ける。
ー 三筒 平城。
ー 身長167cm。
ー そんなお前が、のし上がる為…。
ー 一体、どれ程のモノを犠牲にして来た事よ…ッ!!
ッ
ッ
ー その犠牲にしてきたモノの為に…!!
ー 立 ち 上 が る よ ん 、 三 筒 ッ ! !
右権は更に熱を帯びる。
ー なあ、三筒…。
ー オヨ達はここで何を比べ合うんだ?
ー 体力?
ー 技術?
ー 根性?
ー 悲しみ?
ー 捨てたモノの量?
ど
れ
も
違
う
の
ね
ん
!
ー 上手く語れない。
ッ
ッ
上 手 く 語 れ な い か ら 、 此 処 に 居 る ッ ! !
言 葉 で 語 れ な い か ら 、 此 処 に 居 る ッ ! !
ッ
ッ
起 き る の ね ん 三 筒 ! !
寝 床 の 中 か ら 、 起 き 上 が っ て 来 る ! !
い つ も の 、 あ の や り 方 で ッ ッ ! ! !
ッ
ッ
それは、数瞬の願念であった。
そして。瞬く程の後…ッ!!
タ
ッ
三 筒 は ! 花 巻 修 斗 は 立 ち 上 が る ッ ! !
ッ
ッ
右権!
「(アリガトなのねん…ッ!!)」
ー じきに二度と立ち上がるなと願うニヒル…ッ。
ー だけど今は起きてくれて、アリガトのココロ…ッ!!
さ
あ
三
筒
ッ
!
ー 北 海 右 権 と 三 筒 平 城 と 言 う モ ノ を !
ッ
ッ
ー 根 こ そ ぎ 使 っ て ッ !
根 こ そ ぎ 比 べ 合 お う ッ ! !
ッ
ッ
オ ヨ と お 前 の ッ ! !
ッ
ッ
ど っ ち が 上 か ッ ! ! ?
ッ
ッ
2 機 は 吸 い 込 ま れ る 様 に
ブ ツ か り 始 め た … ッ ッ ! !
ーーーーーー