○日本 人工島 “ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
“ノホホ極道一直線”
『北海 右権(ほっかい うごん)』
搭乗修斗『キラー・ザ・ビッグ』
ッ
ッ
“花巻運輸にリフトはいらねぇ”
『三筒 平城(みつつ へいじょう)』
搭乗修斗『花巻修斗(はなまきしゅうと)』
ッ
ッ
「キラー・ザ・ビッグ」はパワー型のデカイ機体ッ!
「花巻修斗」はスピード型の小柄な機体ッ!!
ッ
ッ
痛覚を共有する機体故…。
両雄の肉体には。
痛みの上に…。
重ねられる“痛み”。
疲労の上に…。
重ねられる“疲労”。
ー 幾層にも。
ー 幾層にも。
ー 幾層にも。
ー 幾層にも。
ッ
ッ
控え室のブラック少林は呟く。
「それは…痛いでしょう…!」
「それは…苦痛でしょう…!」
「しかし。」
「あれは…!
相当に幸せな状態でしょうね…!
二人とも…ッ!!」
ッ
ッ
強者と認めあう両雄による、
尋常ならざる互角の死闘…!
底力までも出し切るこの一戦は、
二人に幸福感すらも与えていた…ッ!!
そ
し
て
!
繰り返される打ち合いの中…。
右権。
そして…。
三筒。
共に狙いを頭部に定めていた。
この戦雄(せんゆう)に勝つ為には、
如何に狙いの頭部から意識を外させ、
必殺の一撃を頭部へと叩き込むか…ッ!
それしかないだろう…と。
ほら。
下段に行く。
ほら。
中段に行く。
まだだ。
まだ頭部は行かないぞ。
まだ。
まだ。
まだ。
まぁだだよぅ。
そんな中。
右権に過(よぎ)るは…。
愛して。
愛して。
愛してやまない…。
亡き父・権左との記憶であった。
記憶の中の父はこう言う。
「ヘイ!右権!!」
「パパンなぁ!!」
「『ONE PIECE(ワンピース)』に出て来る、
『海侠(かいきょう)のジンベエ』が大好きなのねん!!」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』
第 1 1 話 「 荒 れ て 狂 っ た 南 辰 館 の 雄 … ッ ! ! 」
原案・手拭
筆者・REO=カジワラ
筆者・REO=カジワラ
〇海峡のジンベエ
21世紀、世界一の売り上げを誇った、超人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の登場人物ッ!!
魚人島出身のジンベエザメの魚人で、魚人海賊団(タイヨウの海賊団)の元船長!!
山のような大柄な体格と厳めしい強面の風体だが、仁義を重んじる侠客(きょうかく)!!
また魚人族に伝わる古武術「魚人空手」「魚人柔術」の達人と言う面も併せ持ち!!
山のような大柄な体格と厳めしい強面の風体だが、仁義を重んじる侠客(きょうかく)!!
また魚人族に伝わる古武術「魚人空手」「魚人柔術」の達人と言う面も併せ持ち!!
海中においては無類の強さを誇る武道家であり!
更には陸上においても、超常能力者を相手に決して引けを取らない高い実力の持ち主でもある!!
更には陸上においても、超常能力者を相手に決して引けを取らない高い実力の持ち主でもある!!
ッ
ッ
記憶の中の権左は続ける!
「パパンはなあ、右権!!」
「魚人空手で持って、悪漢どもをバッタバッタと叩きのめす
ジンベエに憧れて『南辰館空手』を始めたのねん!!」
「でも、事故で片腕を失ってアウチだったろ?」
「それで、網走(あばしり)で侠客!
任侠(にんきょう)になったのねん!!」
「本当はジンベエみたいに『海賊』になりたかったのよ?」
「ノォ~~~~~ホッホッホッホッホッホッホッホッホッホ!!!」
権左はひとしきり笑うとこう言う。
「なあ、右権!」
「YOUが南辰館空手を始めるにあたって、ONE!」
「『注文』をつけるのねん!!」
そ
れ
は
な
あ
右
権
!
「『 “ 五 千 枚 瓦 正 拳 ” 』を 必 殺 と し て 欲 し い の ね ん ! ! 」
ッ
ッ
「 右 権 ! Y O U の B O D Y は B I G な の ね ん ! ! 」
「 き っ と ジ ン ベ エ の よ う な 巨 体 に な る ね ん ! ! 」
だ
か
ら
右
権
!
「『 “ 五 千 枚 瓦 正 拳 ” 』を ッ !
極 め て 欲 し い の ね ぇ ぇ え え え ん ! ! 」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
右権!
「(そうなのね!
『五千枚瓦正拳』なのねん!!)」
「(組み手から遠ざかっていた故に、
タイミングを計りかねていたけどニヒル…!)」
「(南辰館空手時代から!
ずっとずっと必殺としてきた、このッ!
『 五 千 枚 瓦 正 拳 』な ら ば ッ ! ! 」
こ
れ
な
ら
ば
!
「( 『 “ 三 筒 ” を 倒 せ る 』の ニ ヒ ル ! ! )」
ッ
ッ
ドシィ!(キラー・ザ・ビッグは、花巻修斗を“右下段蹴り”で叩き蹴る!!)
ッ
ッ
右権!
「(花巻修斗は小柄な機体…!)」
「(“五千枚瓦正拳”の間合いは短く、
必然的に三筒が有利な間合いに入るのねん…!)」
故
に
!
「(勝機はッ!
一瞬のココロよッ!!)」
ッ
ッ
ドドシィ!(キラーは、花巻修斗を“左下段蹴り”で叩き蹴る!!)
ッ
ッ
ドンッ!(花巻修斗は、現在の間合いを嫌い『前へ出る』ッ!!)
ッ
ッ
スッ!!(キラーは花巻修斗とほぼ同時に『前へ出る』ッ!!)
今
!
ー お控(ひけ)えなすってなのよね!
ー オヨは生国(しょうごく)を発しますは、
北の国、北海道の『網走』でござんすニヒル!!
ー 方々のお兄いさんとお姐えさん方に厄介をかけながら、
この度“ORGOGLIO(オルゴーリョ)”に
盃(さかずき)を頂く、駆け出し者にござんすのココロ!!
人
呼
ん
で
!
『 北海 右権 』と申す者なのよん!!
以後面体、お見知りおきの上よろしくお頼み申しますのねんッ!!
そ
し
て
こ
れ
が
必
殺
の
!
ガ ッッ キ ィィ イイイ イ ン ! ! !
キラーの右正拳突きがアッパーカット気味に!!
花巻修斗の顎(アゴ)を、かち上げたッッ!!!
こ
れ
ぞ
!
右権!
「“ 五 千 枚 瓦 正 拳 ”な の よ
ね ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ え え え え え え ん ! ! ! 」
ッ
ッ
グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
( 花 巻 修 斗 は 上 方 へ 打 ち 飛 ば さ れ ! ! )
ッ
ッ
ドッ!!ドドドォオオオ オ オ
オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オオオン ン ! ! !
( そ し て 大 地 に 伏 し た ッ ! ! )
控え室のブラック少林はこう言う。
「空手でアッパー。」
「確かに正統ではありません。」
「しかし、昭和の時代…。」
「『闘将ダイモス』と言うアニメ作品において、
必殺技『烈風正拳突き』と言う正拳突きが、
『上方の敵者に、突き上げの正拳突き』を仕掛ける技
であった事から言っても、昭和の時代より、
『正拳突き』は多種多様な用途があったと言っても、
過言ではありません。」
「さて、三筒 平城…。」
「ここまででしょうか?」
少林は再び、画面を見つめる。
○「3年前」 日本 信州の山奥
片眉であった。
片眉を剃った11人の雄(おとこ)達であった。
片眉を剃った11人の雄(おとこ)達であった。
雄達は皆、空手着を着ていた。
靴は履いてない。裸足だ。
靴は履いてない。裸足だ。
そして雄達は皆、筋骨隆々に鍛え込まれていた。
その雄達の中の『長』。
南辰館館長『松 泰達(まつ やすたつ)』がこう言う。
「狂う事だよ、チミィ~。」
「馬鹿な事をやる。」
「理屈に合わない事をやる。」
「理屈に合わない事をやる。」
「これはだねぇ、チミィ。」
「“狂う為の稽古”だよ。」
「片眉になるのは、俗っ気を断つ為だがね。」
「ここから先は“狂気”だよ、チミ達…!!」
雄達は応える!!
「「「 押 忍 ッッッ !!!! 」」」
そして松 泰達は、こう言う。
「走るよ。」
松 泰達が走り出した。
その後に10人の道場生が続く。
松 泰達。
「後を着いてくるんだ。」
既に後に着いて来ている。
だが松 泰達はあえてそう言った。
だが松 泰達はあえてそう言った。
そう。まるで確認するかのように。
タッタッタッタッタッタッタッタ。
雄達は山道を走る。
渓川(たにがわ)沿いの道だ。
渓川(たにがわ)沿いの道だ。
30分走ると、
道が終わって、
滝になっていた。
道が終わって、
滝になっていた。
道から20m下が滝壺だ。
松 泰達はそんな危険な走路と言えど、
走る速度を緩(ゆる)めなかった。
走る速度を緩(ゆる)めなかった。
それどころか。
走っているそのままの速度で、
そのまま通路の端までゆき、
そのまま通路の端までゆき、
そ の ま ま 跳 ん だ … !!
道場生の大半は。
「あっ」
と思った。
松 泰達は、
20m下の滝壺に、
落ちていた。
20m下の滝壺に、
落ちていた。
「「………~~~~ッッッ!!?」」
皆、そこで足を止めていた。
下を覗き込むと、松 泰達が、
悠々と泳ぎながら、下流に流されてゆく。
悠々と泳ぎながら、下流に流されてゆく。
道場生で、最初に跳んだのは『三筒 平城』だった。
その後、すぐに続く者がなかった。
5秒ほど遅れて
『脇座 如炎(わきざ にょえん)』が跳び…。
その後、跳び込む者はいなかった。
『脇座 如炎(わきざ にょえん)』が跳び…。
その後、跳び込む者はいなかった。
20mと言う高さは、
やはり、跳び込むのに勇気がいる。
やはり、跳び込むのに勇気がいる。
三筒 平城と脇座 如炎が泳いでゆくと、
下の河原に、もう松 泰達があがって、
岩の下に腰を下ろしていた。
下の河原に、もう松 泰達があがって、
岩の下に腰を下ろしていた。
三筒と脇座が上がったトコロで。
「狂う為の稽古だよ。」
あたりを眺めながら、
松 泰達は言った。
松 泰達は言った。
泰達は続ける。
「狂った人間は強い。」
「でもね。狂う事に慣れてないと、
なかなか上手く狂えない。」
なかなか上手く狂えない。」
「ただ狂ったんじゃあ、
馬鹿力は出るが、
あっさりやられちまう。」
馬鹿力は出るが、
あっさりやられちまう。」
「だから“狂う稽古”をする。」
「日常と違う場所へ、
日常と同じ速度、
同じ歩幅で、
日常と同じ速度、
同じ歩幅で、
すっと入っていく。」
「この、“すっ”、と言うのが、
なかなかできないんだよ、チミィ。」
松 泰達が見上げる空に、
鳶(とんび)が舞っている。
鳶(とんび)が舞っている。
そして、松 泰達はこう言う。
「理屈じゃあないからね。
どうしてそんな事をするのか?
何故、こんな事をやるのか?」
どうしてそんな事をするのか?
何故、こんな事をやるのか?」
「それを考えない。」
「こんな事をやって何になるのか?」
「それを考えない。」
「“すっ”と入ってゆく。
“すっ”とそれが出来るようになる。」
“すっ”とそれが出来るようになる。」
ッ
ッ
「 そ う 言 う 事 の 為 の 稽 古 だ よ 。 」
「 こ れ が 普 段 か ら 普 通 に 出 来 れ ば 、
人 は『 倍 』強 く な れ る ん だ よ 、 チ ミ ィ ~ ! ! 」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
そんな事を、松 泰達は、
あの河原で、言っていた。
あの河原で、言っていた。
日常から狂気へ。
普通の歩幅。
普通の速度で入ってゆく。
普通の歩幅。
普通の速度で入ってゆく。
そこに境目が無い。
それを『三筒 平城』も、
出来るようになっていたのである。
出来るようになっていたのである。
○再び、日本 人工島 “ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『闘技場』
花巻修斗が立ち上がった!
三筒の前には、北海 右権駆る、
キラー・ザ・ビッグが立っている!!
キラー・ザ・ビッグが立っている!!
キラーは、崖だった!
キラーは、滝壺だっ!
そこに崖が立っている!
そこへ飛び込む勇気…否(いいや)!!
勇気などいらない!ただそこへ『跳ぶ』ッ!!
三筒 平城は『跳んだ』ッ!!
ッ
ッ
苦しくは無かった!
軽々と身体が動いている!
息も切れていない!
動きがなめらかだった!
拳が、キラーの機体に吸い込まれていく!
蹴りが、キラーの機体へ吸い込まれていく!
ッ
ッ
なんと容易(たやす)い事か!!
三筒が生み出す全ての動きに無駄がない!!
ッ
ッ
全てが必然だ!
受け、受けながら入れる!!
ッ
ッ
入れた時には、もう!
次の動きが始まっている!!
ッ
ッ
水の様に、身体が動いている!!
水は、ただ、高い所から低い所へ流れてゆく…!!
それだけの事だ!!
そのように!
そのように身体が動いているのである!!
ッ
ッ
もしも…!
もしも空手に…!!
“極意”と言うモノがあるのなら?
これではないか?
空手が辿(たど)り着く、
最高の境地があるとするなら、
今、三筒はその境地に、
立っているのでは無いか?
ッ
ッ
三筒は、目を閉じていても、
同じ動きが出来るような気がした!!
ッ
ッ
三筒 平城は、恍惚(こうこつ)となっている!
拳を、打ち込む。快感が生じる!
その快感が、脳を痺れさせる!!
蹴りを入れる!!
その蹴りが当たった場所から、
極彩色の光の泡が弾け、空間を満たす…!!
ッ
ッ
天 上 の 楽 の 音 が 、
耳 を 打 つ … ッ ! !
北海 右権は…。
打たれる度、意識が薄れて行った…。
「(ああ…!)」
ドゥ!
「(ああ…!!)」
ベキィ!
「(ああ…!!!)」
ゴキョオ!!
「(“これだ”…!!!!)」
ッ
ッ
「(“これが”…!!)」
ズオッ!!
「(三筒 平…ッ!!)」
バォッ!!
「(三筒 h…ッ!!!)」
ギバァ!!
「(三t …ッ!!!!)」
ガゴォウ!!
嗚
呼
!
ー 三筒 平城…ッ!!
ー 何人居るんだあ…!!?
ー まるで複数人数に攻撃されているかのような…!!?
そ
う
か
!
簡単な事だったのココロよ…!!
相
手
は
あ
の
!
三筒 平城だったのニヒル…ね…ッ!!
バァ ッッ ッッッ
タァァ ァ ァ ア ア ア ア アア~~~~ ン ン ! !
ッ
ッ
ー 巨山が倒れた瞬間であった…!!
ー 倒れて伏すは…!!
キラー・ザ・ビッグ!!
ッ
ッ
「 押ォォォ ォ ォ オ オ オ オ オオオ 忍 ッッッッ ッ ッ ッ ! ! ! ! ! 」
ッ
ッ
ー 三 筒 平 城 は 咆 哮 を あ げ た ッッ ! !
勝 利 … 否 ( い い や 、 違 う ) 。
三 筒 が 追 い 求 め て い た“ リ ア ル ”が … ッ !
そ こ に あ っ た の で あ っ た … ! !
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ORGOGLIO最大トーナメント 第八試合
『北海 右権(ほっかい うごん)』
素手喧嘩(元南辰館空手)
乗機『キラー・ザ・ビッグ』
VS
『三筒 平城(みつつ へいじょう)』
南辰館空手
乗機『花巻修斗(はなまきしゅうと)』
勝者:『三筒 平城(みつつ へいじょう)』
ーーーーーー