
上総(かずさ)
概要
『魂これ』に登場する地魂男児のひとり。上総国(現在の千葉県南部)をモチーフとして擬獣・擬霊化されたキャラクターであり、三十五番に配属された重装武器種の戦士。所属は東海道、国力は「大国」、ハレの日は4月19日と設定されている。ゲームバージョン1.01(2022年11月5日実装)より登場し、初期ステータスにおいては高いHPと魂圧値、力を持ちつつも、命中や速さが控えめであることから、いわゆる“鈍重な重戦士”というキャラ付けがなされている。
キャラクターデザインでは、大柄な体格、たれ目がちな優しい表情、ふくよかな腹部、そして軍服調の装いが印象的であり、見た目と性格の間にギャップの少ない、非常に安心感あるビジュアルに仕上がっている。
文化・形霊・構造的特徴
上総は、古代から武士・農村文化の根付いた千葉の風土性を背景としつつ、戦士という重い属性を背負いながらも、キャラクター表現としてはあくまで柔和で穏やかな雰囲気を持たせている点に特徴がある。外見においては中性的な要素が多く、力強さや権威性よりも「包容力」「落ち着き」「やさしさ」のほうが前面に出ている。このバランスこそが、地魂シリーズにおける“護る者”としての精神性を強調するものとなっている。
形霊的には、肥厚した体格と丸みのある線により、物理的な“防”の象徴となっており、幼いプレイヤー心理や無意識層に安心感を与える構造を持つ。また、目元や表情の造形も「厳しさ」より「信頼」を強く意識させる配置となっており、敵対性の低いケモノ霊体としての理想的設計がなされている。軍服のディテールは写実ではなく、あくまでシルエットを重視したデフォルメに収まっており、全体としては“人外の気配を持つ中性的戦士”として構築されている。
上総というキャラクターは、「戦士としての剛」と「赤ちゃんのような安心感」が同居したハイブリッド的な存在であり、ケモドラ世界における“母性ある防衛系キャラ”の原型とも解釈できる。
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