概要
遊戯王ZEXALの22話で発せられた
カイトのセリフ。
《銀河眼の光子竜》の攻撃で《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を破壊したのはプレイングミスだと自分のことを棚上げにしながら指摘した
凌牙を嘲笑しながら言い放った。
言うまでもなく、強敵と警戒していた相手もプレイングミスを犯すと感じた凌牙が安堵していたからといって、それを「ロマンチスト」と表現するのはおかしい。
「デュエリスト」や「リアリスト」っぽく「◯◯スト」という表現にしたかったならば、そこは「オプティミスト」と言うべきであろう。
まぁ、「ロマンチスト」と比べると「オプティミスト」はあまり一般的ではないことに加え、「ロマンチスト」の方も
本来の意味が迷子になっていることの多い言葉ではあるのだが。
要はスタッフの語彙力の無さが示されたシーンなのだが、何故かこの発言は
ゼアル信者にウケたらしく、彼らがネタと称して使うセリフにもなっている。
独特の言い回しがウケたとかならまだしも、何でもないただの誤用をネタにして騒ぐ辺り、
ゼアル及び
ゼアル信者の程度が知れると言えよう。
同じことは
これにも言える他、ゼアル以外だと「祭壇生える」とかにも見受けられる。
解説
何故凌牙はカイトのプレイングをミスと断言したのか、その答えは《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》の効果にある。
その詳細は以下の通り。
アニメ版
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/水属性/岩石族/攻撃力3000/守備力3000
光属性レベル3モンスター×2
この
カードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。
スタンバイフェイズ時にこの
カードのエクシーズ素材1つを取り除く。
取り除かなかった場合、この
カードのコントローラーは2000ポイントダメージを受ける。
この
カードのエクシーズ素材がない場合、この
カードは攻撃する事ができない。
また、エクシーズ素材がなくなったこの
カードが攻撃対象になった場合、
ダメージ計算を行わずこの
カードを破壊し、
この
カードのコントローラーは2000ポイントダメージを受ける。
見ての通り、お手軽な召喚条件に見合わない高いステータスを持つ代わりに、強烈なデメリットが付随するモンスターである。
作中ではカイトがこのカードをエクシーズ召喚したのだが、凌牙がそのコントロールを《スプラッシュ・キャプチャー》の効果で奪ったため、結果としてそのデメリットは凌牙が受けることになってしまっていた。
そんなデメリットの塊であるモンスターをカイト自身が処理していたため、それを見た凌牙はプレイングミスだと感じたわけである。
ただ、カイトはこのデメリット効果を利用して凌牙にトドメを刺そうとしていただけであったため、それは凌牙の読み違いであった。
結局この時に受けたダメージで凌牙は敗北している。
ツッコミどころ
「カイトの戦略が凌牙を上回った」ということだけなら何の問題もないのだが、例によってこの展開にもツッコミどころが発生しており、色々と台無しになってしまっている。
仮にもライバルポジション同士のデュエルである以上もう少しくらい念入りに作ってほしかったものだが、そんなことを考える視聴者はとんだロマンチストなのだろうか?
何故か効果を確認しない
OCGのルールでは相手フィールドで表向きになっているカードの
テキスト等は確認可能なのだが、アニメでそれが確認可能だと演出上で不都合が生じる場合もあるからか、アニメ内のルールでは同条件でもテキストは確認できないようである。
しかし、いくら相手フィールドの
カードの
テキストが確認できないからといっても、流石に自分がコントロールしていた《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》の効果を確認できないとは考え難い。
言うまでもなく、凌牙がちゃんと
テキストを確認していれば、彼がとんだロマンチストになることなどなかったのである。
凌牙が持つ上級者設定と矛盾しているのも酷いが、よりにもよって彼は10話の時点でテキスト確認を怠った
遊馬相手に圧勝したこともあるので余計に酷い。
凌牙とカイトの実力に上下関係が生じるだけならまだしも、カイトを強く見せるために凌牙を弱体化させるのは明らかに問題である。
八百長?
前述した通り、《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》のコントロールは凌牙自ら奪っていたため、このデュエルは実質的に凌牙の自滅である。
カイトが凌牙に与えたダメージと言えば、《
ツイン・フォトン・リザード》で《シャクトパス》を戦闘破壊した時の800ダメージくらい。
これだけならまだ「戦略が裏目に出た」というだけの話で済んだのだが、当の凌牙のプレイング自体が酷い。
というのも凌牙は、
手札を2枚余らせた状態であるにもかかわらずアシッド・ゴーレムを処理できず手を拱くだけで、カイトのライフを全く削れなかったどころか
エクシーズ召喚すらしなかったのである。
一応凌牙は敗北前に「効果ダメージを回復に変える効果」を持つ《キック・バック・ライフ》を対策としてセットしてはいたのだが、このカードには大した効果でないにもかかわらず
「自分のターンにしか発動できない」という御都合主義満載の制約があったため、結局発動できないままだった。
総じて、カイトを勝たせるための事情がかなり露骨であり、それが八百長にも見えるのである。
実力者とはなんぞや
カイトが
ナンバーズハンターだと知って警戒していた凌牙だが、その割にカイトの評価がやけに低い。
どうやら彼にとっての「実力者」は、「相手を苦しめているモンスターを自ら処理してしまうミスを犯す」程度の存在であるようだ。
言うまでもなく、相手を実力者だと警戒していればいる程、不可解なプレイングにも裏があると勘繰るものである。
まぁ、
ゼアル基準での「実力者」はそういうレベルなのかもしれないが。
ロマンチストは誰なのか
前述した通り、カイトは《銀河眼の光子竜》で《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》を破壊しているのだが、エクシーズ素材のないアシッド・ゴーレムはダメージ計算を行わないまま破壊されるため、わざわざ《銀河眼の光子竜》を召喚する必要はなく、召喚のためのリリースとして用意していた《フォトン・スラッシャー》や《フォトン・クラッシャー》で攻撃していた場合でも結果は同じである。
「自分の
エースモンスターでトドメを刺したい」と思った上で召喚したのであれば、カイトの方がよっぽどロマンチストであろう。
召喚のために手札が足らなかったという事情から、《フォトン・サブライメーション》の効果で本来必要のない手札増強まで行っている。
なお、凌牙のフィールドには伏せ
カードとしての《キック・バック・ライフ》があったため、そんな状況で
カードを消費してまで耐性のない《銀河眼の光子竜》を召喚する行為は、かなりリスクが高い。
結果論も含まれるためプレイングミスだと断言できることではないが、もし凌牙の伏せ
カードによって《銀河眼の光子竜》が破壊されるようなことがあれば、それこそ「とんだロマンチストだな」という嘲笑が誤用ではなくなる。
ただ、凌牙曰く「
伏せカードを警戒するのは自分に自信がない証拠」だそうなので、それぞれ手札を3枚も消費して召喚していた《ツイン・フォトン・リザード》や《銀河眼の光子竜》が伏せカードで破壊されるリスクを考慮に入れないのは、ゼアル的には上級者の証なのだろう。
空気を読むアシッド・ゴーレム
上記した
テキストを見ての通り、《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》の効果は「スタンバイフェイズ」に発動する効果である。
「自分のスタンバイフェイズ」や「相手のスタンバイフェイズ」とは記されていないため、互いのスタンバイフェイズに発動することを意味する。
にもかかわらず、何故かラストターンとなるカイトのターンのスタンバイフェイズにその効果は発動しなかった。
テキスト通り発動していた場合は、カイトがロマンを求めて《銀河眼の光子竜》を召喚する前に決着が付いていたことになる。
次の自分のターンで発生するダメージを《キック・バック・ライフ》の効果で回復に変えてやろうと目論んでいた凌牙に至っては、アホ丸出しである。
ロマンチストというより、彼らはただ馬鹿である。
最終更新:2023年08月08日 14:19