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織田信長




若くして家督を継いだ信長は家督争いなど様々な戦に勝利し尾張を統一する。しかし今川との領土争いで尾張の領地は平穏とはいえぬ状態であった。駿河、遠江、三河などを有する今川義元は大軍を擁しており総勢5000の織田勢では砦や城を次々と陥落されていった。
永禄3年5月16日夕刻その者たちは到着した。
すべて黒の武具を身につけ、あたりが暗くなった頃なので足音だけが響いてるようであった。
「きたか・・」
織田信長の館の前には一糸乱れぬ騎馬隊が音も立てず勢ぞろいしている。
「深草雲心参上仕った」
館の門が開かれ信長の小姓らしきものに奥の部屋へ案内される。村の館とは違い庭には庭園がありどこか違った世界に迷い込んだようである。
「こちらへ」
奥の部屋の襖を小姓が開けるとそこに信長は座っていた。
「よくぞ参ってくれたこれで今川も滅んだも同然じゃ。」
「戦は時の運、われらが少しでも力添えできればよろしいと。」
「うむ。そちらの一族のことは聞いておるそなたらの戦働きもな。期待するなというほうがおかしいわい。」
「ではわれらとの約定のほうもしっかり守っていただけるのでしょうな。」
「そちらの名前は出さずわしの部下となって働くというのじゃな。」
「そうでござりまする。」
「そなたらほどの力があれば一国一城などたやすく奪えるものを。」
「某ら一族は名など必要のないもの。もし名や肩書きを欲すればわれらの力はなくなっていくでしょう。」
「そうか。ではそちにはわしの馬廻の一人毛利新助として戦場にでてもらうことにする。」
「毛利新助ですな。御意」
「で、出陣は?」
「5日以内には出ることになるがそちらは長旅の疲れなどで気後れせぬであろうな?」
「2日もあれば必要以上に休息になってしまいまする。近ければ近いほどわしらの力も出せるというものでしょう。」
「よしではそちらには隣の館を用意しておる。時が来るまで待ってもらうことになる。評議まではゆるりとすごせばよい。」
「案内させるのでそちらへ参れ。」
隣の館に一同が案内されみな旅の疲れを癒そうと個々に具足を脱ぎ始めた。
「これより5日以内に戦が始まるであろう。それまでは各自この館でゆるりと過ごせとのおおせじゃ。いつどうりの戦じゃ心して待っておれ。」
雲心はそういうと奥に用意された寝床へ入っていった。
最終更新:2008年04月03日 15:49