D 大動脈解離
備考
- DeBakey分類,Stanford分類
102D28
64歳の女性。嗄声を主訴に来院した。1か月前から嗄声を自覚し,飲水時にむせるようになった。意識は清明。身長 150cm,体重 55kg。脈拍 80/分,整。血圧 162/94mmHg。胸骨右縁第2肋間で2/6度の収縮期駆出性雑音を聴取する。胸部造影CTを別に示す。
適切なのはどれか。
a 甲状腺摘出術
b 左肺上葉切除術
c 人工血管置換術
d 縦隔腫瘍摘出術
e 大動脈弁置換術
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
101G23
56歳の男性。突然に発症した胸背部痛を主訴に来院した。意識は清明。顔貌は苦悶様で冷汗を伴う。呼吸数 26/分。脈拍 104/分,整。血圧:右上腕 150/82mmHg,左上腕 122/70mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉 92%。胸部造影CTを別に示す。
処置として適切でないのはどれか。
a 酸素投与
b 緊急手術
c 鎮痛薬投与
d 降圧薬投与
e 心嚢ドレナージ
○ a
○ b
○ c
○ d
× e
正解 e
診断 心タンポナーデを伴わない急性大動脈解離(Stanford A型またはDe Bakey Ⅰ型)
100A20
62歳の男性。背部痛が出現し冷汗も認めたため来院した。喫煙 30本/日を35年間。42歳時に椎間板ヘルニア,59歳時に急性心筋梗塞の既往がある。意識は清明であるが,発語は少ない。身長 165cm,体重 76㎏。脈拍 84/分,整。血圧 160/80mmHg。胸部の聴診で異常を認めない。尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球 427万,Hb 13.4g/dl,Ht 39%,白血球 10300,血小板 14万。血清生化学所見:総蛋白 6.4g/dl,AST 46単位,ALT 57単位,CK 144単位(基準 10~40),LDH 189単位(基準 176~353)。胸部造影CTを別に示す。
治療薬はどれか。
a ヘパリン
b アトロピン
c フロセミド
d プレドニゾロン
e プロプラノロール
× a 禁忌
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 Stanford B型(De BakeyⅢ型)の大動脈解離
99A23
67歳の男性。今朝,胸背部痛が突然出現したため救急車で搬送された。5年前から高血圧を指摘され治療を受けていた。身長 168cm,体重 76kg。呼吸数 20/分。脈拍 96/分,整。血圧は右上肢 186/68mmHg,左上肢 94/50mmHg。顔貌は苦悶様。胸部では,Ⅲ音と第3肋間胸骨左縁に最強点を有する拡張期雑音とを聴取する。呼吸音は正常。腹部は平坦,軟。下腿に浮腫を認めない。血液所見:赤血球 375万,Hb 10.6 g/dl,Ht 34%,白血球 12800,血小板 10万。血清生化学所見:AST 38単位,ALT 35単位,LDH 648単位(基準 176~353),CK 78単位(基準 10~40)。CRP 8.5mg/dl。心電図と胸部造影CTとを別に示す。
(画像クリックで拡大)
行うべき治療はどれか。
(1) 三尖弁置換術
(2) 僧帽弁置換術
(3) 大動脈弁形成術
(4) 上行大動脈置換術
(5) 心室中隔穿孔閉鎖術
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
× (1)
× (2)
○ (3)
○ (4)
× (5)
正解 d
診断 Stanford A型急性大動脈解離,急性大動脈弁逆流
99G23
56歳の女性。突然の強い胸背部痛のため救急車で搬送された。10年前から高血圧の治療を受けている。脈拍 92/分,整。上肢の血圧 180/92mmHg。下肢は冷たく,脈拍は微弱である。血液所見:赤血球 360万,Hb 10.2g/dl,Ht 31%。胸部造影CTを別に示す。
この疾患に合併するのはどれか。
(1) 心タンポナーデ
(2) 冠動脈閉塞
(3) 心室中隔穿孔
(4) 僧帽弁閉鎖不全
(5) 大動脈弁閉鎖不全
a (1),(2),(3) b (1),(2),(5) c (1),(4),(5) d (2),(3),(4) e (3),(4),(5)
○ (1)
○ (2)
× (3)
× (4)
○ (5)
正解 b
診断 解離性大動脈瘤(De Bakey Ⅰ型またはStanford A型)