A 死
小項目
- 死の判定,脳死,脳死判定基準,異状死体,異状死胎,系統解剖,行政解剖,司法解剖
102C4
異状死と認めた場合,いつまでに所轄警察署に届け出なければならないか。
a 直ちに
b 12時間以内
c 24時間以内
d 1週間以内
e 翌月の10日まで
× a
× b
○ c
× d
× e
正解 c
101E7,101E8,101E9(臨床長文)
次の文を読み,7~9の問いに答えよ。
78歳の女性。咳,食欲低下および体重減少を主訴に夫に連れられて来院した。
現病歴: 2,3か月前から軽度の咳が出現した。食欲が徐々に低下し,体重も減少した。易疲労感があり,全身倦怠感を認めた。この1か月は家で横になっていることが多く,食事の用意や家事は高齢の夫がしていた。家族が病院に行くように何度も勧めたが,家から離れたくないと拒んでいた。今のままでは夫の方が倒れてしまうと説得されて,ようやく近くの診療所を受診した。
既往歴・家族歴: 特記すべきことはない。
生活歴: 夫と二人暮らし。息子と娘は遠方に暮らしている。
現症: 意識は清明。身長 153cm,体重 32kg。体温 37.3℃。呼吸数 22/分。脈拍 96/分,整。血圧 116/60mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。皮膚はやや乾燥している。心雑音はない。右胸部に呼吸音の減弱を認める。腹部には異常を認めない。下腿に浮腫はない。
検査所見: 血液所見:赤血球 280万,Hb 7.8g/dl,白血球 7200。胸部エックス線写真で右上葉に腫瘤影と右側胸水貯留を認める。左肺に転移巣を疑わせる結節性の陰影が散在している。
経過: 進行性の肺癌が強く疑われた。家族の意向もあり,病院の呼吸器科を紹介受診して入院精査が行われた。確定診断は肺癌で,肺内転移と骨転移とが認められた。家で穏やかに過ごしたいという本人の強い希望で患者は自宅に戻り,在宅医療が行われることになった。
7 訪問診療に訪れた診療所医師に,患者は「このまま苦しい思いをして死んでいくのかと不安なんです」と伝えた。
患者のこの言葉に対する医師の返答として適切なのはどれか。
a 「そんなことを言ったらご主人が悲しまれますよ」
b 「このまま苦しい思いが続くのではと不安なんですね」
c 「ホスピスという緩和ケアの施設をご紹介しましょうか」
d 「家に戻りたいという希望が叶ってよかったじゃないですか」
e 「心肺蘇生術を希望するかどうか家族と相談しておいてください」
× a
○ b
× c
× d
× e
正解 b
8 患者の痛みはモルヒネでほぼ抑えられ,時々訪れる孫との会話を楽しみながら患者は少しずつ衰弱していった。
死期が,より間近に迫っていることを示す症候はどれか。2つ選べ。
a 固形物を摂取しなくなる。
b 1日中ウトウトして過ごすようになる。
c 注視能力が低下し視線が定まらなくなる。
d 口が開いており呼吸の度に下顎が動いている。
e 咽喉頭部で呼気時にゴロゴロと苦しそうな音がする。
× a
× b
× c
○ d
○ e
正解 de
9 診療所医師として週3回の訪問診療を行い,今朝もその準備をしていたところ家族から電話があった。午前2時ころに息を引き取ったとのことであった。
訪問して死亡を確認後,手続きとして次に求められるのはどれか。
a 24時間以内に管轄保健所に届け出る。
b 24時間以内に所轄警察署に届け出る。
c 警察の立会いのもとで検視を行う。
d 遺族に司法解剖の承諾を得る。
e 死亡診断書を発行する。
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 肺癌末期の在宅看取り
99C24
5か月の乳児。早朝ぐったりしているのに母親が気付いたとして救急車で搬入された。意識はなく対光反射も認められない。脈拍は触れず,心・肺は停止している。直腸温は35.0℃。全身にチアノーゼ,打撲傷および紫斑を認める。30分間心肺蘇生を試みた後,死亡を確認した。
次に行うのはどれか。
a 母親からの成育歴の聴取
b 全身エックス線単純撮影
c 病理解剖
d 死亡診断書の作成
e 警察への届出
× a
× b
× c
× d
○ e
正解 e
診断 異状死