「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある警察幹部の憂鬱-01

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とある警察幹部の憂鬱 01


「西区の廃ビルの件ですね?………それでしたら、放置しておいて構いません…………そうです、関わるな、と言っているのです。こちらから手を出さなければ、何ら問題はありません……以上です。すぐに戻ってきなさい。その件に我々が関わる必要はありませんし……関わる権利も、ありません」

 部下からの報告に返事を返し…彼女は、小さくため息をついた
 まったく、「首塚」とやらは…都市伝説の存在を隠す努力を、もう少しして欲しいものだ
 こちらは警察の中で、都市伝説など「存在しないのだ」と主張するので忙しいのだ
 これ以上、こちらの仕事を増やさないで欲しい

 「都市伝説対策課」など、作らせるわけにはいかない
 人間が、都市伝説相手に敵うものか
 都市伝説を取り締まるなど…人間には、不可能なのだ
 それを実現しえるのは、同じ都市伝説だけである、と彼女は考えていた
 だからこそ、「組織)から派遣されてきたエージェントとも積極的に接触し、情報をやり取りしている
 都市伝説のことは都市伝説に任せておけばいい
 その代わり、自分たち人間は、人間を取り締まる事に集中すればいいのだから

「…無駄に関わって命を落としても、犬死ですからね…」

 ………そうだ
 己の部下を、都市伝説に関わらせてたまるものか
 己の部下を、都市伝説に関わらせて…死なせる訳には行かない

 もう、そんな悲劇はいらない
 都市伝説に、ただの人間が立ち向かい命を落とすなど、そんな三流小説のような現実などいらない
 そんな現実なんて、もう起こってはならないのだ

「…そんな現実を、二度と起こしてたまるものですか…」

 窓から月を見上げ、彼女は小さく、小さく……拳を握り緊めて、呟いた



 ……そうだ
 己の父親のような、犠牲者を
 己の部下の中から、出すわけにはいかないのだ





終われ




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