「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い靴-14

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だれでも歓迎! 編集
 …赤マントの能力で移動した先
 恐らくは、どこかの小学校の、その屋上
 その、隅っこで

「おねーちゃん、どうしたのー?」
「………うん、まぁ、色々と」

 鬱だ氏のう状態一歩手前の少女の姿があった
 何やら恥ずかしい思いでもしたのか、頬を真っ赤にして丸く縮こまっている

「…あー、その」

 Tさんは、己の契約者にどう声をかけるべきか、悩んでいるようだ
 …まさか、マッドガッサーのガスを食らってのあの状態での記憶が、完全に残っているとは
 見事な羞恥プレイである

「あぅ、犬でも噛まれたと思ってとっとと忘れるのですよ」
「忘れられるかっ!?色んな意味でっ!?」

 赤いはんてんの言葉に、思わずそう返すTさんの契約者
 …そうしている間にも、何やら赤い靴は考え込んでいる

「…マリ・ヴェリテ。マリ・ヴェリテ……どこかで聞いたことがあるんだがな…」

 どうやら、幼女の姿に変身していた獣の正体に、心当たりがあるらしかった
 何とか、思い出そうとしている

「あの携帯電話が爆発したのは、「爆発する携帯電話」だとは思うんだがな」

 ようやく復活してきたらしい契約者を気遣いつつ、Tさんは呟く
 確か、あれはガソリンスタンドの傍で使用したら…と言う都市伝説だったはず
 だが、あそこの傍に、ガソリンスタンドはなかった
 ……もしかしたら、契約者を得て能力が変化したのだろうか?

「うむ、もしそんな能力だとしたら、相手に携帯の番号を知られるのだけは阻止するべきかもしれんな」
「…まぁ、確かに」

 もし、その能力が「電話をかけた携帯電話を爆発させる」能力だとしたら…
 …携帯電話の番号を知られるのは、危険すぎる

「携帯電話の番号なんて、調べる気になったら調べられるものね」

 赤い靴の傍らに立つ赤い靴の契約者がそう呟いた
 …確かに、調べる気になったら、調べられる情報だ
 用心した方がいいのかもしれない

「………あぁ、思い出した!マリ・ヴェリテのベートか!」

 ぽん、と
 ようやく思い出したのか、赤い靴が手を打った

「べーと??」
「英語で言うと「ビースト」、野獣だな……まぁ、ただの野獣ではなく、「人食い獣」の意味合いが強いんだが」

 さらに厳密に言うと、人や家畜を襲う有害な害獣だ、と赤い靴は付け足した

「フランスにはベートと呼ばれた人食い獣の都市伝説が多くてな。マリ・ヴェリテのベートもその一体だ。変身能力がある上、かなり狡猾だと聞いている」
「詳しいんだな」

 関心したように言うTさんに、赤い靴はやや、視線をそらした
 …何故、自分がそれに詳しいのか?
 その理由は…わかっているが、思い出したくない

「…まぁ、ベートの被害者は大抵女子供だからな。ロリの被害が出るのはいかん。そもそも、マリ・ヴェリテのベートの「マリ・ヴェリテ」とは、そのベートの最初の犠牲者のロリの名前だしな」
「それはさておき。あの狼みたいなのはマリ・ヴェリテのベートであってるのね?」

 契約者にそう言われて、恐らく、と頷く赤い靴
 マッドガッサーにマリ・ヴェリテと呼ばれていたし、少なくとも三種類の姿を持っているのは確認した
 可能性は高いと思われる

「あれがマリ・ヴェリテのベートだとしたら厄介だぞ。他にも姿を持っているだろうし、断末魔の悲鳴はマンドラゴラと同じと言われている」
「…それは、なんとも厄介だな」

 Tさんも、考え込んでいる
 断末魔が人を殺す能力を持っているとすると、ヘタに止めを刺す事もできないのだ
 声が出ない状態に追い込めば、別かもしれないが…

「……ひとまず、マッドガッサーには複数の協力者がいる。それは確定らしいな」

 シルクハットを被りなおしつつ、苦笑する赤マント
 マッドガッサー一体でも厄介だと言うのに、協力者つき
 しかも、マッドガッサーには戦闘力がないと言うのに、協力者は高い戦闘能力餅
 厄介な事、この上ない

「他にも仲間がいるかもしれない、か」
「あぅぅ、ますます用心すべきなのです。

 知り合いには、なるべく連絡すべきなのかもしれない
 マッドガッサーたちを退けた6人と一体の人形は、今後の対策やら、元に戻る方法やらで、しばし頭を悩ませるのだった





終わっておけ





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