翼が家に帰ってきたら、望がほぼ全裸に近い姿で黒服の部屋で気絶していた
何となく理由は察したので、とりあえず黒服と共に望を介抱しておいて、詩織はウルトラの母の刑に処しておいた
何となく理由は察したので、とりあえず黒服と共に望を介抱しておいて、詩織はウルトラの母の刑に処しておいた
望が起きた所で、翼は黒服達三人用に作っておいたチョコレートケーキを出す
「…それにしても、よくもまぁあんなに作ったわよね、ケーキ」
翼がケーキを切り分けている様子を見ながら、望が半分、呆れたように言った
「死人部隊」の中年と一年生になったら達に渡す分だけでも4個作っているのだし、「首塚」で保護している子供達への分だってかなり作っていて
軽く10個以上は作っているのだ、この日のバレンタインに向けて
よく、作った物である
「死人部隊」の中年と一年生になったら達に渡す分だけでも4個作っているのだし、「首塚」で保護している子供達への分だってかなり作っていて
軽く10個以上は作っているのだ、この日のバレンタインに向けて
よく、作った物である
「そうか?」
望の言葉に、翼はけろりと答える
料理自体は好きだから、作るのも別に苦ではないのだろう
料理自体は好きだから、作るのも別に苦ではないのだろう
………いや
それよりも、何よりも
もっと、突っ込むべき事がある事を、望は思い出す
それよりも、何よりも
もっと、突っ込むべき事がある事を、望は思い出す
「…と、言うか、男がバレンタインにチョコを配るのは、どうかしら?」
「え?だって、他の国では男が女に贈り物したりするんだろ?」
「え?だって、他の国では男が女に贈り物したりするんだろ?」
…うん、まぁ、そうだけど
そうなんだけど
そうなんだけど
…………
ふと
嫌な予感を感じて、望は黒服に尋ねる
ふと
嫌な予感を感じて、望は黒服に尋ねる
「…黒服、まさかだけど、昔から翼からバレンタインにはチョコ、受け取ってた?」
「……そう言えば、受け取っていましたね」
「……そう言えば、受け取っていましたね」
やっぱり!?
やっぱり、黒服に気があるのではないだろうな、こいつ!?
軽く嫉妬の炎を燃やす望の様子に…多分、その嫉妬の理由は察していないだろうが…小さく苦笑しつつ、黒服は続ける
やっぱり、黒服に気があるのではないだろうな、こいつ!?
軽く嫉妬の炎を燃やす望の様子に…多分、その嫉妬の理由は察していないだろうが…小さく苦笑しつつ、黒服は続ける
「その…誠さんが、バレンタインに男性から贈り物をしてもおかしくないのだ、とあの子に教えたようで」
「諸悪の根源はそっちなのね」
「諸悪の根源はそっちなのね」
昔から新世界の扉を開いて居たのか、それとも当時はただからかって遊ぶだけだったのか、どっちだ
黒服ではないが、軽い頭痛を覚える
黒服ではないが、軽い頭痛を覚える
「どうしたんだ?」
「…いえ」
「…いえ」
あぁ、もう
突っ込むだけ、馬鹿らしくなってしまうではないか
軽く頭を抑えていると…す、と
切り分けたケーキが乗った皿を、渡された
突っ込むだけ、馬鹿らしくなってしまうではないか
軽く頭を抑えていると…す、と
切り分けたケーキが乗った皿を、渡された
「ほら、望」
「…ありがとう」
「…ありがとう」
受け取って、ぱくり、口にする
…腹が立つ事に、美味しい
…腹が立つ事に、美味しい
「どうだ?」
「…まぁ、不味くはないわ」
「そうか」
「…まぁ、不味くはないわ」
「そうか」
良かった、と
ほっとしたように笑う翼
黒服からも、美味しいですよ、と声をかけられて、嬉しそうで
ほっとしたように笑う翼
黒服からも、美味しいですよ、と声をかけられて、嬉しそうで
…本当に
褒められて、こんなに喜んでいる様子は子供みたいだな、と
改めて、そう感じた
褒められて、こんなに喜んでいる様子は子供みたいだな、と
改めて、そう感じた
「ん?ノロイも欲しいのか?……っつか、ネズミがチョコ食って大丈夫なのか?」
「ノロイの分よりも先に、私の分は?」
「っとと、ちょっと待ってろよ、詩織」
「ノロイの分よりも先に、私の分は?」
「っとと、ちょっと待ってろよ、詩織」
自力でケージから出てきたノロイが、ちゅうちゅう、翼にじゃれついてケーキを欲しがっている
そのノロイの相手をしながら、翼は詩織の分もケーキを切り分けていて
そのノロイの相手をしながら、翼は詩織の分もケーキを切り分けていて
……まぁ
こう言う賑やかなバレンタインもいいかな、と
望はこっそりと、そう考えたのだった
こう言う賑やかなバレンタインもいいかな、と
望はこっそりと、そう考えたのだった
fin