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連載 - 教授とテケ子-00

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匿名ユーザー

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「テケテケ」は、上半身と下半身が切断された少女の御話。
 切断の経緯は諸説有るが、自分は学校事故説を推す。

 独り、遅くまで居残りをしていた少女(これも諸説有るが凡そ中学生)が、男性教諭に襲われた。
 押さえつけられ、全身を撫でられ、舐められ。しかし行為が本番に至る直前に、少女は力を振り絞って逃げた。
 ズボンまで下ろしていた男性教諭は追うに追えず、少女はすぐに見えなくなった。
 興奮冷めやらぬ、一種の恐慌状態と言っていい精神状況だった彼は、ここで愚かな手段を行使する。

 それは学校内における、すべての防火シャッターの起動。

 少女は特別大きい方であった校舎内を逃げる最中に、見事その策に陥る。

 男性教諭は悲鳴を聴いた。
 閉じ込めた! と思い、嬉々としてその声の方へと向かう。

 そして彼が発見したのは、降りてくる防火シャッターに腰を挟み身動きがとれなくなっている少女。男性教諭に見つかった恐怖からか、シャッターに潰されている痛みからか、少女の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。

 彼は問う。
 「素直に言うことをきいて、俺の恋人になれ。なったなら助けてやる」と。
 少女は答える。
 「わかりました、なります、なりますから。恋人にでも玩具にでもなりますから、早く助けてください」と。

 少女が自分に対する恐怖から言うことをきくようになったと“勘違いして”、さも嬉しそうに、もったいぶりながら、非常用の手動装置を操作し始めた。

 少女の呻きを、男性教諭は快感に感じていた。
 少女の叫びを、男性教諭は悦楽に感じていた。

 そして、聞き慣れない音が響く。

 ごきゅん

 なんだ? と男性教諭が視線を向けると、少女が泡をふいて信じられないような形相で虚空を見つめている。

 潰されていた腰の骨が、折れた。

 その事に気付いた男性教諭は、今更になって急いで装置の操作を続けた。
 しかし、止まらない。

 古いからか、それとも彼の犯した愚行のツケか、防火シャッターはいくら操作を繰り返しても、止まらない。

 イヤな音が冷たい夜の校舎に響く。
 コレは、肉の潰れる音。

 少女を見た。少女は既に気絶していた。
 だがすぐに目を開き、また想像を絶するほどの痛みに叫声を上げて、気を失った。

 そして、男性教諭は操作する手を止めた。

 もう無理だ。
 もう助からない。

 二度目の叫声の後に、少女は二つに分かたれた。

 いくらだけの時間が経ったのだろうか。

 少女が目を覚ました時、男性教諭の姿は無かった。
 陽はまだ昇っておらず、そう長い時間は経っていないようにみえる。

 “一歩”、前に出た。

 自分の足が、腰から下がないことなどはとうに理解している。
 既に人間の許容を越えている痛みなんて、感じることはない。
 だから、這った。

 手を伸ばし、血のついた指先を床に押しつけて、体を引き寄せる。
 綺麗だと褒められていた指が、傷ついていく。
 お気に入りで手入れされた爪が、無惨に割れていく。
 少女は“歩き方”を指ではなく、肘に依存する事にした。
 腕を組むように固定した肘を左右互いに前に出し、ゆっくりと、しかし確実に、前に出す。

 少女は何を思い歩きだしたのか、
 少女は何を求めさまよいだしたのか、

 それを誰も知ることはなく、少女は翌朝、長い長い血の跡を残して、校庭の中央で息絶えているのが発見された。

 テケテケは少女の“上半身”と共に、“下半身”にも少々逸話が有る。

 防火シャッター作動の報を受けた消防が学校にやってきた際に、“下半身だけ”は早期に発見されている。

 この時“上半身”は校舎内を徘徊し、何かを探していたようだ。

 そして救急が血まみれの下半身を片付けようとした際に、足は反応をしめしたと言う。
 曰わく、何かを探すかのようにバタバタと走り出した、と。

 上半身と下半身が見つかり、最終的に少女は葬られた。
 だが二つに分かたれた少女の魂は、いまも“上”と“下”の体が互いを求め、様々な学校舎を走りまわっていると言う。

 誰か、悲しい二つの彼女を一つにしてあげてくれないだろうか…。


 ちなみに、男性教諭はその当日から行方不明らしい。


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