「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い靴・XNo-01

最終更新:

guest01

- view
だれでも歓迎! 編集
『---よぉ』

 どこからか、声が聞えた
 頭に直接響くような声…テレパシーか
 見れば、部屋の中に、何時の間にか小さな小さな蜘蛛が一匹、入り込んでいた

「…S-No.0か」
『そう嫌そうな声だすなよ。傷つくだろうが』

 冗談めかした様子で言ってくる蜘蛛
 S-No.0、イクトミの能力影響下にある蜘蛛だ
 イクトミは蜘蛛に意識を移すことで、情報伝達や情報収集といった役割を「組織」内で果たしている
 …まぁ、妻相手に頭が上がらないのが原因で、その仕事をこなせない事もあるが

「どうしたんだ、こっちは忙しいんだぞ」
『ついさっきまでゲームやってた野郎のセリフじゃねぇな』

 っち、見られていたか
 E-No.0が小さく舌打ちすると、蜘蛛は楽しそうに笑う

 ……しかし
 不意に、真面目な口調に戻った

『ちょいっと連絡。アメリカでX-No.0の形跡発見』
「--!!」

 X-No.0
 「組織」結成に関わりながら、「組織」結成をと同時に姿を消した裏切り者
 「組織」から何度追っ手を差し向けても、尻尾をつかめぬ相手
 そして…差し向けた追っ手は、例外なく失踪するか、死亡している

『キリムの目撃報告があった場所なんだが………ちょっとした村一つ分の面積の森林が、見事に消滅。キリムの生体反応も消えた』
「…そんな芸当できるのはX-No.0くらい、か」
『他にいたら嫌だっつの』

 全くもって、その通りだ
 E-No.0はこっそりと苦笑する

 「組織」でも5本の指に入る戦闘能力を持っていたX-No.0
 親友であるD-No.0と組めば、世界も滅ぼせるのでは、と言われていた

 ……そうだ
 あいつは、D-No.0の親友だった
 「組織」から姿を消した後も、D-No.0だけは、その行方を知っていて、連絡を取り合っていた
 …しかし
 D-No.0の暗殺事件、以降
 その行方は、完全につかめなくなっていた

『…………なぁ』
「何だ?」
『…X-No.0で思い出したけどよ。D-No.0は……本当に、死んだのかね?』

 …イクトミの、言葉に
 E-No.0は、眉をひそめた

「何を言っているんだ。あの場に残されていた血は、D-No.0の物だと確認されただろ」
『まぁ、そうだけどよ』
「あれだけの出血量、いくらD-No.0でも助からないだろう、という結果が」
『だが』

 ゆっくりと
 イクトミは、E-No.0の言葉を遮って、続ける


『誰が、あいつの死体を確認したんだ?』


 そうなのだ
 残されていた、大量の血痕
 しかし、誰もD-No.0の遺体を「見ていない」のだ

 もしかしたら、生きているかもしれない
 そんな希望を抱かせる、不確定要素

「確かに、死体は出ていない……だが、あの時、D-No.0が死亡したら発生しえるであろう、現象が」
『あぁ、発生したな……だが、あれは自然現象で起こりうることだ。第一、あいつが本当に死んだのなら、あんな生優しい被害で終わるはずがない』

 D-No.0の計約都市伝説は、世界を滅ぼしうる力
 少なくとも、日本のような小さな島国、あっけなく滅ぼせるだけの力
 …D-No.0が死亡した場合
 彼がほとんど使用することなく、押し込められていた力が暴走するであろうと予測されていた
 ……D-No.0が死亡したと思われる瞬間、確かに、その現象は発生した
 思った以上に、あっけない程少ない被害を出して

「それは、俺達があいつの計約都市伝説の力を、過大評価してしまっていただけで…」
『……最後に……あの事件以降、D-NoのNo.1~No.10が、失踪している。あいつの直属の部下、全員が!』

 D-NoのNo.1~No.10は、D-No.0の直属の部下だった
 いや、彼自身は、それらを部下とは考えていなかったかもしれない…しかし、間違いなくそう言う立場であったその10人は、「組織」内でも非常に特異な存在であり
 「組織」に登録すらされておらず、失踪しても行方を追う事すら、できない

「…それは、そいつらも、殺されたんじゃ…」
『その形跡が、一切残っちゃいねぇ。もし、そいつらが自分の意思で「組織」を離れたんだとしたら…』
「……D-No.0を殺した「組織」にいたくなかっただけじゃないのか?」
『いいから聞け…俺も、はっきりとは知らない。だが、あいつの直属の部下の中に、治療能力のスペシャリストが一人、いたらしんだよ』

 …その、言葉に
 E-No.0が、かすかに反応する

「初耳だぞ?」
『俺だってつい最近、知ったばかりだよ…もし、そいつが、殺されかけて傷ついたD-No.0を見つけていたら?』

 …きっと、治療しただろう
 そうしたに決まっている
 だが、治療したとしても、「組織」から姿を消す事ができる訳が…
 ……いや

「…俺も、はっきりとは知らないが…あいつの部下に、空間転移に似た事ができる能力を持った奴が、いたらしいな?」
『あぁ……そうらしいな』

 不確定要素
 D-No.0は暗殺された

 …本当に?


 もし
 生きていたと、したら
 今の「組織」を、あの慈悲深いお人好しは、どう見るだろうか?





to be … ?




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー