「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - エンジェルさん-02

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匿名ユーザー

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エンジェルさん 02


 なぜか俺は今夜の街を全力疾走しています。別にマラソンが趣味とかそんなんじゃないんだ。ただいま追われてるだけなんだ! 誰にだって?

「聞きたいことはないのか? ないのか?」
「ねえっつってんだろおおおおおお!!!!」

 ひたすら質問してくる男に追われているんだよ。

「聞きたいことがあるだろ? あるだろ?」
「おっさん! こいつ何とかしてくれ!」

 おそらく相手は都市伝説! 同じ都市伝説のおっさんなら、何とか交渉できるかもしれない!

「別に質問してくるだけなら良いだろ」
「そういう問題じゃねえよ!!」
「なぜ逃げるんだ? 逃げるんだ?」

 とりあえず、追いかけてくる奴ががうざったい。語尾を繰り返すのが特にうざったい。

「私に質問させろ! させろ!」
「させろに変わってるぞ?!」
「変わってるな」

 質問を求めてくる都市伝説? 何だったか……。


「私の質問に答えろ! 答えろ!」
「答えてやったらどうだ? このままだとどこまでも追いかけてきそうだぞ?」

 ……確かに。フードがついた長いコートを着た男にいつまでも追われているなんて、嫌過ぎる。

「おい、質問に答えてやるから1つ質問させろ!」

 俺は振り返って言った。

「質問に答えてやるぞ。やるぞ」
「お前は何の都市伝説なんだ」

 それが分からないと逃げようがない。

「私か? 私か? 私は怪人アンサーだ。怪人アンサーだ」
「……よし、ちょっと待ってくれないか?」
「待ってやろう。やろう」

 俺はおっさんとの相談タイムに入る。

「……おっさん、怪人アンサーってあれか? 質問に答えられなかったら体の一部を奪うって奴だよな?」
「確かそのはずだ」

 ――怪人アンサー。何でも質問に答えてくれるが、アンサーからしてくる質問に答えられなければ体の一部を奪われる。
 ……野放しにしておくとやばいんじゃないか?

「待ってやったから答えろ! 答えろ!」
「……答えてやろうじゃあないか」
「自信満々だが良いのか? 良いのか?」

 俺にはおっさんがついてるから大丈夫だろう。何年後の何月何日が何曜日だろうがお

っさんが答えてくれるさ。

「では問題! 問題! 私のスリーサイズを答えろ! 答えろ!」
「……は?」

 スリーサイズって……。

「制限時間は30秒! 30秒!」
「おっさん!」

 おっさんが赤いペンに宿り、メモ帳に文字を書き……出さない?!

「おっさん?!」
「……情報が出てこない……」


 何でだよ! このままだと俺の体が持ってかれるんだぞ?!

「理由は分からないが、何も出てこないんだ……」
「何だよ! ちくしょう!」

 おっさんが役に立たないだと?!

「残り10秒! 10秒!」
「くそっ!」

 考えろ、考えろ俺!! このままだと体が!

「残り5秒! 5秒!」

 ……ん? 体? 体……。

「そうか……」
「時間切れ! 時間切れ! 答えろ! 答えろ!」

 単純なことだったんだ……。

「お前も、意地の悪いことするよなあ。……答えてやるよ」

 アンサーに指を突きつけて言ってやる。

「お前にスリーサイズなんてない、だろ?」
「……!!」

 怪人アンサーは頭だけの奇形児として生まれてきてしまったため、完全な人間の体を手に入れるため人の体を奪っている。
 ……つまり、奴に体なんてないんだ。したがってスリーサイズも存在しない。

「ほら、さっさと帰れ。もう人に絡んだりするなよ」

 家に帰ろうとした、が。

「ちょっと待て。待て」
「ん?」

 アンサーに呼び止められた。

「俺は帰りたいんだけど……」
「私の質問に答えられた奴は初めてだ! 初めてだ!」
「そりゃよかったなー」

 棒読みで答えてやる。だって俺には関係ないもん。

「お前は契約者だろ? 契約者だろ?」
「まあそうだが……」
「俺と契約してるな」

 役に立たないおっさんが話に入ってきた。そしてなんだか嫌な予感がする。

「私も契約させろ! させろ!」
「あー聞こえない聞こえない」

 耳をふさいで聞こえないふりをする。ふざけるな! これ以上俺を巻き込まないでくれ!!

「契約しなければまた人を追いかけて体を狙うぞ? 狙うぞ?」

 脅しかよ!! 少しだけ期待をこめておっさんのほうを見る。

「……追い払うのは無理だ」

 そういって目をそらしやがった。この役立たずが。

「……わかった、契約してやる。もう人は襲うなよ?」
「わかった、もう人を襲わない! 襲わない!」

 うれしそうな声を出して喜んでいるアンサー。俺はまた厄介ごとが増えて落ち込んでいる。せめてかわいい女の子だったら……! と思ってみるがどう見ても男です。深くフードをかぶっていて良く見えないが、なかなかハンサムだと思う。頭しかないけど。

「で、どうしたら良いんだ?」
「俺の質問に答えろ! 答えろ! 契約するか? するか?」
「してやるしてやる。……で、お前は何が出来るんだ?」

 このおっさんだったら質問に答えてくれると言うような感じで。まあ今回は役に立たなかったが……。

「私は質問をする! する! 相手が答えられなかったら体を貰う! 貰う! 答えられたら契約者の体を相手にやる! やる!」
「……いやいやいや、ちょっと待て!!」

 今ちょっと聞き捨てならないことがあったぞ。

「なんだ? なんだ?」
「もし答えられたら俺の体をやらなきゃなんないのか?」
「そうだ。そうだ」

 それは、困る。もし答えられたら俺の体が減る、だと? ……アンサーにはもっと難しい問題を教えてやろう。

「もうちょっと抑えられないのか? その条件」
「んー……じゃあでかい切り傷が出来るくらい? くらい?」
「それくらいそれくらい」

 正直、他人の体を貰っても困る。切り傷ぐらいでいい。

「契約者、よろしく! よろしく!」
「ああ……」

 アンサーには手がないので握手は出来ないが、俺の周りをくるくる回っている。これで女の子だったら幸せなのに……。
 くそっ、俺の周りには男しか集まらない運命なのか……!!


FIN



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