それは、とある平和な夕暮れ時のこと
「翼、ちょっといい?」
「ん?どうした?」
「ん?どうした?」
部屋に望が入ってきて、翼は作業の手を止めて顔をあげた
望は、何か手に持って……てとてと、勝手に翼のベッドに近づくと、そこに腰掛
望は、何か手に持って……てとてと、勝手に翼のベッドに近づくと、そこに腰掛
「来なさい」
と
命令口調で言ってきた
命令口調で言ってきた
「…?何をするんだ?」
あまりに、突然の事なので
翼が、ただ首をかしげていると
翼が、ただ首をかしげていると
「あぁ、もう。いいからさっさと来なさい。買って嬉しいはないちもんめ」
「っちょ!?」
「っちょ!?」
いまだ、望の「はないちもんめ」の効果発動条件をクリアしてしまっている翼
あっと言う間に体の自由を奪われ、ベッドに腰掛けた望に近づかされ
あっと言う間に体の自由を奪われ、ベッドに腰掛けた望に近づかされ
ぱふん
望の膝の上に、頭を置いた体勢
すなわち、膝枕させられている体勢になる
望の膝の上に、頭を置いた体勢
すなわち、膝枕させられている体勢になる
「痛い目みたくなかったら、動かないでよ?」
「動きたくても動けねぇよ!?っつか、本当に何する気だ!?」
「耳掃除」
「動きたくても動けねぇよ!?っつか、本当に何する気だ!?」
「耳掃除」
………
は???
「大樹さんにしてあげたいんだけど、他人の耳掃除なんて経験ないし。痛い目あわせたくないから」
そう言って
もそもそ、翼の耳掃除を開始する望
手に持っていたのは、耳かきだったようだ
もそもそ、翼の耳掃除を開始する望
手に持っていたのは、耳かきだったようだ
そろり、そろり
恐る恐るといった感じで、耳かきが耳に入ってくる
恐る恐るといった感じで、耳かきが耳に入ってくる
「…ようは、俺は実験台か?」
「えぇ。でも、大丈夫よ。詩織と友でも、ちょっと練習した後だから」
「2人で練習したんなら、もう十分じゃ…」
「でも、二人とも悶絶しちゃって。感想も聞けなかったから」
「うぉい!?」
「えぇ。でも、大丈夫よ。詩織と友でも、ちょっと練習した後だから」
「2人で練習したんなら、もう十分じゃ…」
「でも、二人とも悶絶しちゃって。感想も聞けなかったから」
「うぉい!?」
それは、思い切り痛くしたと言う事では!?
と、言うか、大丈夫なのか2人とも!?
若干、身の危険を感じ始めた翼だったが……そろり
もそもそもそ
…力が、全く入っていなく
何というか、くすぐったい
……流石に、二人を悶絶させた後となると、慎重になるのだろうか?
と、言うか、大丈夫なのか2人とも!?
若干、身の危険を感じ始めた翼だったが……そろり
もそもそもそ
…力が、全く入っていなく
何というか、くすぐったい
……流石に、二人を悶絶させた後となると、慎重になるのだろうか?
「もう少し、力入れても問題ないぞ」
「…そう?」
「っつか、自分の手の平とかで、力加減確かめてみればいいんじゃないか?」
「…そう?」
「っつか、自分の手の平とかで、力加減確かめてみればいいんじゃないか?」
…………
ぽん
ぽん
その様子は見えないが、手を打った音が聞えてきて
一旦、耳かきが耳から離れる
一旦、耳かきが耳から離れる
………
っす、と
改めて、耳かきが入り込んできて
っす、と
改めて、耳かきが入り込んできて
カリ、カリ、カリ
ちょうど良い力加減で、かかれていく
「これなら、問題ない?」
「あぁ」
「…なるほど」
「あぁ」
「…なるほど」
カリ、カリ
一つ一つ、確かめるように作業していく望
……大樹にしてあげたいのだ、と
そう言っていた
その為の練習に、手段を選ばないのはどうかともちょっと思うのだが
そう言っていた
その為の練習に、手段を選ばないのはどうかともちょっと思うのだが
(……それだけ、大樹の為に気持ちよくしてやりたい、って思ってるんだしな)
それだけ
望が、大樹の事が好きだと言うのだから
自分は、望のその恋を、少しでも応援して、力になってやれればいい、と
翼は、そう考えるのだった
望が、大樹の事が好きだと言うのだから
自分は、望のその恋を、少しでも応援して、力になってやれればいい、と
翼は、そう考えるのだった
fin
おまけ
なお、同時刻、リビングにて
「あー、さっきは痛かった…………っん、そこ、気持ちいい」
「ちゅー」
「ちゅー」
カリ、カリ、カリ
詩織の頭に乗っかって、耳掃除してやっているノロイの姿があったそうな
今度こそ終われ