「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-76

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だれでも歓迎! 編集
 梅雨時
 じとじとしとしと、くそ暑いうえに湿度も高い

「暑ぃ~」
「大丈夫か?」
「…何とか」

 「首塚」所属の「死人部隊」の契約者が、住居として使っている幽霊マンションにて
 ぐってり、翼が力尽きかけていた

 「顎砕き飴」の騒動以降、「死人部隊」の元に週一で家事をしに行っている翼
 この日も、いつも通り掃除洗濯料理をしに来たのだが
 …本日の夕食分を除いた料理を終えた時点で、暑さでダウンしかけていた

 ……何せ、翼は「日焼けマシンで人間ステーキ」の契約者
 その影響でか、若干、体温が高いのだ
 冬はそのお陰で薄着でも平気なのだが、逆に夏場は暑さに弱い
 調理中など、火を使うのだからただでさえ暑いのだ
 ぐったり、安らかになりかけている翼に、「一年生になったら」が「飯ー?」と近づいていっている
 うん、弱っている所を狙おうとするな

「翼、冷蔵庫にアイス入ってるから、それでも食べておけ」
「え?いいのか?」

 むくり
 ソファーにうつ伏せで横たわっていた翼が、ぱっ、と顔をあげた
 むー?と、「一年生になったら」も、真似して顔をあげる

「週一に家事やらせてる礼…には、安っぽいが。それくらい構わないから、食べておけ」
「…そうか、ありがとな」

 もそもそと、翼は起き上がり、キッチンに向かう
 「アイスー」と言いながら、てちてちと「一年生になったら」がその後に付いて行っている
 ……あぁ、これは、一箱全部なくなるな
 ついでに、「私もー!」とか言いながら、何時の間にかやってきていた女幽霊もついていっているのだが…相変わらず、幽霊の癖に平気で飲食するようだ

「アイスの半額セールあったから、買っておいて良かったですね」
「まぁな」

 新聞読みつつ、女死人の言葉に適当に相槌をうつ中年
 …学校町でスコールなど、これも都市伝説の影響だろうか
 相変わらず、都市伝説事件の多い街だ

「…それにしても」
「何だ?」
「買って来たアイスが、練乳アイスだったのは、ちょっと不味いと思いませんか?」
「別に」

 何を言い出すのだ
 それが安かったから、買ってきただけだ
 問題はあるまい

「でも、あれ棒アイスですよ?」
「うわー、すっげー、エロい食べ方」
「女幽霊ちゃんも同じように食べてるはずなのに、翼の方がエロく見えるとかどうよ?」
「何これ?これがBL腐ィルター効果?俺達も毒された?」

 ………
 死人達が何かほざいているが、聞えない
 中年は、全力で死人達の言葉を無視した

 …ちらり、翼と「一年生になったら」、それに女幽霊が、アイスを食べている様子を見たところ
 本人にはそんな意識ないだろうが(むしろ、あっても困る)、翼の食べた方が確かに一番エロく見えなくもない気がしたのだが

 が、死んでいるが為、この暑さで頭が湧いている死人達ならともかく
 自分まで、頭がわいた状態になる訳にはいかない為
 中年はその光景を、見なかった事にしたのだった




 なお
 後で死人達の会話が全て翼にバレ、翼が死人達を軽く焼いた為、余計に暑くなったりもしたのだが
 それは、どうでもいい話である





終われ





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