ぱしゃぱしゃと
相手を警戒させないよう、ゆっくりと近づいていく
相手を警戒させないよう、ゆっくりと近づいていく
「うー!影のお兄ちゃん。しゃぼん玉のおねーちゃん、久しぶりー!」
「よぉ、また会ったな」
「よぉ、また会ったな」
さて、向こうはこちらを覚えているだろうか?
そう考えつつ、声をかける
すると
そう考えつつ、声をかける
すると
「お久しぶりです…この間は、幸せのおすそわけ、ありがとう」
と、少女の方が、幸太にそう声をかけた
ん?と翼は首をかしげる
ん?と翼は首をかしげる
「幸太?あの時以外にも、会ってたのか?」
「うー!」
「うー!」
元気に答えてくる幸太
なるほど、それで覚えていたのか
なるほど、それで覚えていたのか
すすす、と
少年の方が、翼達に近づいてきて…幸太の手を、がし、と握る
少年の方が、翼達に近づいてきて…幸太の手を、がし、と握る
「ありがとう……!お前のおかげで、俺は極上の夢という名の現実を手に入れた…!」
「???うー?」
「???うー?」
少年の言葉に、かっくん、と首をかしげる幸太
本当に、どう言う意味だろう
…まぁ、幸太が「幸運の眉毛コアラ」の力で幸運を分け与えたというのだから、何かしら良い事が起きたのだろう
ささやかな幸運を与える力
…その「ささやか」の範囲は、今もって不明なままである
本当に、どう言う意味だろう
…まぁ、幸太が「幸運の眉毛コアラ」の力で幸運を分け与えたというのだから、何かしら良い事が起きたのだろう
ささやかな幸運を与える力
…その「ささやか」の範囲は、今もって不明なままである
「うー?影のお兄ちゃん、幸せになれた?」
「あぁ…って、影のお兄ちゃん、って呼び方はちょっと。俺には黄昏 裂邪、って名前があるんだよ」
「うー、わかった、影のお兄ちゃん!」
「あぁ…って、影のお兄ちゃん、って呼び方はちょっと。俺には黄昏 裂邪、って名前があるんだよ」
「うー、わかった、影のお兄ちゃん!」
…駄目だこりゃ
翼は、小さく苦笑する
翼は、小さく苦笑する
「悪いな、こいつ、こういう呼び方が癖なんだよ」
「いや、いいけど」
「いや、いいけど」
何せ、幸太のおかげで、ミナワとにゃんにゃんできたのだから…!
そんな裂邪の想いは…まぁ、翼達が気づくはずもない
裂邪は、見た目も中身も中学生だし、少女…ミナワの外見は小学生
そんな事をやったなど、翼が想像するはずないし…幸太が想像しても困る
そんな裂邪の想いは…まぁ、翼達が気づくはずもない
裂邪は、見た目も中身も中学生だし、少女…ミナワの外見は小学生
そんな事をやったなど、翼が想像するはずないし…幸太が想像しても困る
と、ふと、翼はミナワからの視線を感じた
いや、正確には、翼にむけられた視線ではない
翼の、肩の上にいる
いや、正確には、翼にむけられた視線ではない
翼の、肩の上にいる
「ちゅ?」
ノロイに向けた、視線だ
ちゅちゅちゅ?とノロイが首をかしげる
ちゅちゅちゅ?とノロイが首をかしげる
「えっと…その、ネズミちゃん。お兄さん達のペットなんですか?」
「ノロイの事か?いや、ペットじゃなくて、家族だな」
「ノロイの事か?いや、ペットじゃなくて、家族だな」
迷い無く、翼はそう言い切った
人間と都市伝説を、あまり区別しない翼
ノロイの事も、ペットというよりは大切な家族の一員としてみているのだ
翼の言葉に、ノロイが嬉しそうに翼に擦り寄る
そのラブリーな様子に、ミナワはメロメロなようだ
人間と都市伝説を、あまり区別しない翼
ノロイの事も、ペットというよりは大切な家族の一員としてみているのだ
翼の言葉に、ノロイが嬉しそうに翼に擦り寄る
そのラブリーな様子に、ミナワはメロメロなようだ
「あの…そ、その、ノロイちゃんを、触らせてもらってもいいですか?」
きらきらと、期待を込めた眼差しで翼を見上げるミナワ
ロリコンならば一発ノックアウトといったところだが、残念ながら、翼にロリコンの気は一切ない
まぁ、ミナワの横で、裂邪がその表情にメロメロになっているのはさておきだ
ロリコンならば一発ノックアウトといったところだが、残念ながら、翼にロリコンの気は一切ない
まぁ、ミナワの横で、裂邪がその表情にメロメロになっているのはさておきだ
「ノロイ、いいか?」
「ちゅー」
「ちゅー」
ぴょ~ん!!
ミナワに向かって飛び降りたノロイ
ミナワが慌ててキャッチすると、その手の上にちょこん、と座った
ミナワに向かって飛び降りたノロイ
ミナワが慌ててキャッチすると、その手の上にちょこん、と座った
「ちゅっちゅー」
さぁ、撫でるがいい
そうとでも言うように、ミナワを見上げた
ミナワはきゅん、としながら、ノロイの頭を撫でる
ちゅちゅちゅー、とノロイは心地よさそうだ
…裂邪が、ちょっと悔しそうだ
そんな悔しさを、プライドなのかぐぐぐっ、と押さえ込みつつ、気をそらしたいのか、翼に尋ねる
そうとでも言うように、ミナワを見上げた
ミナワはきゅん、としながら、ノロイの頭を撫でる
ちゅちゅちゅー、とノロイは心地よさそうだ
…裂邪が、ちょっと悔しそうだ
そんな悔しさを、プライドなのかぐぐぐっ、と押さえ込みつつ、気をそらしたいのか、翼に尋ねる
「えぇと、お兄さん方、名前は」
「あ、まだ名乗ってなかったな…俺は、日景 翼だ。宜しくな」
「うー!僕、幸太ー!鮫守 幸太ー!」
「あ、まだ名乗ってなかったな…俺は、日景 翼だ。宜しくな」
「うー!僕、幸太ー!鮫守 幸太ー!」
名前を名乗った二人
それに習い、裂邪も改めて名乗る
それに習い、裂邪も改めて名乗る
「俺は、黄昏 裂邪。宜しく」
「あ…わ、私は、ミナワです。名前は、ご主人様につけていただきました!」
「あ…わ、私は、ミナワです。名前は、ご主人様につけていただきました!」
ミナワも、裂邪の後に次いで、名乗った
こうして
黄昏 裂邪は、「首塚」と薄いものではあるものの、「縁」ができた
それが、良い方向に転がるか、悪い方向に転がるか
それは、まだ、誰にもわからない
黄昏 裂邪は、「首塚」と薄いものではあるものの、「縁」ができた
それが、良い方向に転がるか、悪い方向に転がるか
それは、まだ、誰にもわからない
to be … ?