「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 悪意が嘲う・悪意が消えたその後に・水の変態-01b

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 ぽ~ん
 ぽ~ん、と飛び跳ねるビーチボール

「ほらっ、望」
「OKっ!」

 ばしっ!!
 友美がトスしたボールをアタックする望
 飛んでいったビーチボールを

「ちゅーーー!」

 ばしぃっ!!

「ノロイが返したっ!?」
「どこまでハツカネズミを超越し続ける気、ノロイ!?」
「ちゅっちゅー」

 ノロイが、水面からジャンプして返した
 本当に、どこまでもハツカネズミを越えている
 これでいて、まだ完全に都市伝説化していないと言うのだから不思議である

「うー!滝夜叉、ボールこっち来たー」
「ふん、任せるが良い」

 飛んできたビーチボール
 うーうー言う幸太に、滝夜叉はそう答え

 っぽん!!
 出現した大髑髏が、ボールを返す!!

「アウトー」
「何故じゃ?」
「いやいや、滝夜叉様。ちょうど一般人の人目がなかったからさておき、そうじゃなかったら見られたらヤバイから」

 詩織と望の突っ込みに、首をかしげる滝夜叉
 やはり、彼女も将門の娘と言うべきか
 微妙に大雑把で困る

 あぁ、向こうで裂邪達が、突然出現した髑髏に驚いている驚いている
 ま、都市伝説関係者だとバレているらしいから、いいか
 一応、敵でもないようだし

 そう判断した望
 滝夜叉(の、髑髏)が返して、誰にも触れられずプールに落ちたビーチボールを回収しようとして


「-----------!!」


 ぞくり
 迫る気配に、気づいた

「望?どうし…」

 迫る気配に対し
 望は慌てず騒がず、手身近に居た詩織を引っつかみ

「詩織バリアー!!」
「っちょ!?」

 迫る気配に対し、詩織を盾にする!!!

 直後
 水の流れが、速くなって

 すぽーーーーーん!!

「へ?」

 詩織が着ていた、ワンピースタイプの、水着が
 どうやってか脱げて、プールの流れに持っていかれる!!!

「ご、ご主人様、見ちゃ駄目ですっ!!」

 っば!!と、ミナワが慌てて裂邪の目を塞いでいる声が聞こえてきた
 詩織は、水着が脱げただけで…ひとまず、肉体的被害はなさそうである

「何、どうしたの!?」
「…水の中、何かいる!」

 友美の言葉に、そう答える望
 水の中に、何か……都市伝説が、いて
 それが、詩織の水着を剥ぎ取ったのだ

「うー………いる、いる……一人じゃない、うーうー!!」

 幸太も、何か感じ取ったのだろう
 滝夜叉にくっつき、うーうー言い出す

「…とにかく、バリアは有限だから。慎重に扱わないとね」
「と、言いながら、なんで私を掴むの!?」

 引っつかんだ友美が何か言ってくるが、気にしない
 とにかく、水着を剥かれないよう、気をつけないと………

「望!?」
「どうした!?何があった!?」

 と
 騒ぎを聞きつけたのか、大樹達が駆けつけた
 ……って

 ざぱっ!!

「うぉっ!?」
「翼は見るなっ!?」

 自分の裸じゃなくて、詩織の裸だけど
 自分と同じ体型なのだから、自分が見られているようで恥ずかしいっ!?
 大樹には、いくらでも見られていいし、虎吉は何かもうどうでもいいけどっ!?

「詩織ちゃん、ほら、タオル!」
「ありがと、虎吉さん……ノロイ、水着お願い!」
「ちゅちゅー!」

 ばっちゃばっちゃばっちゃ
 クロールで泳いでいくノロイを見送りながら、望は警戒を続ける

 すぅ、すぅ、と
 水の中で蠢く、何か
 明らかに、都市伝説の気配

「……誰よ、出てきなさい!」

 果敢に、叫ぶ望
 すると

『----くっくっく』
『くすくすくすくすくすくす……』
『見つかった?見つかった?』
『まぁ、ここまで派手にやればなぁ』

 聞こえてきた、複数の声
 …複数?
 そう言えば、幸太が「一人じゃない」と言ったよう、な……


 ざぱんっ!!と
 水から姿を現した、それ

 …それは、水、そのものに見えた
 水そのものが………人の形を、とっている 
 それが、4体
 水から姿を現し、半ば水と同化した状態で、はっきりとした異形が現れる


「水関係の都市伝説……?………いえ、その実体がはっきりしない気配、プールに出現したところから……「プールの排水溝に吸い込まれて死んだ子供の幽霊が、新たな被害者を生み出す」と言う系列、ですか?」

 現れた異形を見据えながら、大樹がそう発言する

 くすくすくす
 異形達が笑う

『あぁ、バレた?バレた?』
『そこまで推理できるもんなんだね』
『そうだよ、僕らはそう言う都市伝説』
『でも、心配しないで、僕らは人間殺さない』

 楽しげに、動く異形
 人形でありながら、不定形に姿を変え続けるそれは、幻想的であると同時に、酷く不気味だ

『だって、人間を殺したら、「組織」とかに目をつけられるから』
『だから、殺さない』
『でも、僕らの本能は、何かを吸い寄せたくなる』
『でも、人間を排水溝に吸い込んだら死んでしまうしね』

 だから、と
 4体の異形が、不気味に、不気味に……笑った

『よって!!僕らは、女性の水着を剥く事にした!!!』
『目の保養にもなっていいよね!』
『巨乳ひゃっほぅ!!!』
『ぼくはロリの方がいいなー』

 ………
 …………
 ……………

「変態ね」
「そうだな」
「…そうですね」

 うん
 変態だ
 間違いなく、変態集団だ
 人間を殺さないという方向性はいいが、どうしてこうなった

『一般客相手には、自然と脱げそうな水着しか剥かないが…』
『都市伝説相手とか、契約者相手なら、別にいいよね!』
『ちょっとくらい不自然でも、この街どうにかなるし!』
『……と、言う訳で』

 ずるり
 異形達が…水へと、帰っていく!!!

『『『『止められるものなら、止めてみろ!!!』』』』
「---っしまった!?」

 相手の姿は、ほぼ水そのもの
 …プールの水に入られては、その姿を視認するのは、困難
 止める間もなく、異形達はプールの水に入っていってしまった!!

「っく…あまりに堂々とした変態発言に、うっかり聞き入ってしまった自分が憎い…!」
「望!とにかく、プールからあがってください。恐らく、相手の能力を考えれば、水に入っていなければ効果は及びません!」

 大樹の言葉にわかったわ、と頷き、プールから上がろうとする望
 あの変態を警戒し、友美を掴んだままである。いつでも身代わりに出来るように

 と

「翼?」

 ざぱ、と
 代わりに、翼がプールに入っていった

「あいつらが狙うのは女だろ?俺なら平気だし、何とか相手の姿見る事ができりゃ、あんな水の体、蒸発させて……」

 見る事さえできれば、翼はいつでも戦える
 警戒するよう、辺りの水を見回す翼だった、が

 直後
 翼の周りの水の流れが、速くなって

「………へ?」
「あ、あれ」

 …ぷかぷか
 ……翼の、水着が
 思い切り、脱げて、流された

「っちょ!?」

 さすがに、慌てる翼

 ……ざわり
 水が、人の形を作る!!

『はははははははは!!!我が同胞4人は女性狙いだが、俺は男以外に興味がなくてうぎゃあ!!??』
「やかましいっ!?死ね、この、ど変態っ!!!』

 ……姿を現した、最後の変態は
 姿を現したが故に、翼の「日焼けマシンで人間ステーキ」の能力を食らって
 その熱さに悶え、慌てて水の中へと避難したのだった








 なお
 翼の水着は

「ちゅちゅー」
「あ、ありがとな、ノロイ」

 ノロイが無事回収して、翼に手渡したそうな




困った事だが、続くんぢゃ










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