アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 厨二病コンビ-01

最終更新:

hollow

- view
だれでも歓迎! 編集
「くそっ…静まれっ……!」

ときおり何かつぶやきながらひとり歩いているのは
邪気眼よろしく左腕に包帯を巻いている中学生。

「まだだ…、まだはやい…。くっ…。」
言動からもわかるが、学年にたがわず厨二病である。
見るからに根暗な容姿は日の暮れかけた街並みに
ひっそりと似合っていた。
わざわざ包帯を巻いた腕を押えて歩く必要は感じないが。


「坊や…ちょっといいかしら?」

どこからともなく女性の声が聞こえる。
ここが人通りの少ない郊外で、(しかも学校町で)
それなりに日も暮れていて、少年が一人で歩いている。
こんな状況に出くわすのはたいていの場合…


「わたし…きれい?」

大きなマスクをしている女性が少年に声をかける。
言わずもがな、口裂け女である。

少年はというと状況が分かっているのかいないのか、
不敵な笑み(と本人が思っているもの)を浮かべている。

「ようやくお出ましってわけか…。
 いいだろう、我が力を解放するときが来たようだな。」

左腕の包帯を解き始める少年。もちろん不敵な笑み(と本人が思ry)は忘れない。

「おらおら!待ってたぜぇ!かかってこいよ口裂けさんよぉ!!」

包帯をほどきおわるとあからさまに口調が変わる少年。
不敵な笑み(と本人がry)も消えて、なぜか満足げな表情である。
そして走り出したくてうずうずしているようだ。

「どぉした?口裂けさんよ!足速いんだろ?なら勝負だ!」
あっけにとられている口裂け女を前に、一目散に走り出す少年。

逃げられたことにきがついてあわてて後を追う口裂け女。

口裂け女は油断していた。たかが中学生に脚で負けるはずがないと。
しかし、少年の脚は意外なほどにはやかった。

「風が気持ちいいぜ!!なぁ、口裂けさん!」

どうやら少年は逃げたのではなく、勝負を挑んでるつもりのようだ。
あるいは別の目的かもしれないが。
しかも妙なテンションだ。さっきまで何かつぶやいていた根暗な少年とは思えない。
しかし、これは厨二病的な二重人格ごっこではない。本物の二重人格。
少年は都市伝説との契約者だったのだ。



〈臓器の記憶〉
臓器移植を受けたものが臓器提供者の記憶や習慣を受け継ぐことがあるという都市伝説。


〈臓器の記憶〉は厨二病の少年と契約することにより、提供者の人格と入れ替わる二重人格へと変貌を遂げていた。

少年の体には熱血スポーツ馬鹿の心臓が入っている。
体は少年のままでも筋肉の使い方を心得たものが使うと全く違った。
普段使わない筋肉も含め、全身の筋肉を最も効率よくフル回転させることができる。
おまけにかなりの強心臓である。

そんなわけで少年は口裂け女相手の追いかけっこでそれなりに接戦を繰り広げてた。

「ひゅー、さすが口裂けさん、なかなかやるな。」

しかし、相手は都市伝説。
こちらがいくら強心臓とはいえ、生身の人間。
口裂け女が少年の変貌に驚いている間にできた相当なリーチも
徐々に詰められていた。

口裂け女の手が少年を射程圏内にとらえたそのときだった。

バシャッ!!

口裂け女の顔に液体が降りかかる。

「まったく、口裂け女くらい一人で倒せないもんか…。」

そこにはペットボトル片手にクールにたたずんでいる(つもりの)
もう一人の少年がいた。
さほど身長があるわけでもない中学生がトレンディドラマの如く
壁に寄り掛かっている姿は、むしろ滑稽だったが。TVの見すぎである。

「おぉ!遅かったじゃないか!いやぁ、間に合わないかと思ったぞ!」
「うるさい。もう少し静かにできないもんか…。」
「はっはっは!いい汗をかいたがこれで終わりかぁ!」

「ずいぶんと余裕なのね、ガキが一人増えたくらいで。」
「おっと、まだいたのか。さっさと帰りな、低俗都市伝説さん。」
「あらぁ?水を引っ掛けただけでもう勝ったつもり?
 それとも私は水に溶けるとでも思ったのかしらぁ?」
「なら、終りにしてあげよう。」

パチンッ!
「ぐっ…あがぁ…ぐぁ…。」

ペットボトルの少年が指をならすと、
口裂け女の口を中心にフジツボが驚異的スピードで繁殖をはじめた。
そう、この少年もまた契約者。



〈フジツボ〉
海で負った切り傷を放置していると、
入り込んだフジツボの卵が体内で孵り膝の皿の内側にびっしりとフジツボが…という都市伝説。


契約により、傷口と海水さえあればそこに自由にフジツボを繁殖させられるものになった。

もとも顔面の半分以上が傷口でできてるような口裂け女など、この能力の敵ではなかった。
筋肉バカを使いおびき寄せ、確実に海水を顔にかけることさえできればその時点で勝負はついていたのだ。

「はっはっは!いつ見ても恐ろしいなぁ!フジツボ攻撃!」
「うるさいから早く元に戻れ。」
「仕方ないなぁ…。」

もはや顔面をすべてフジツボにおおわれ倒れている口裂け女を尻目にしぶしぶ包帯を巻きなおす少年。

「くっ…畜生、あいつまた無茶しやがって…。
 これが代償か…」

ふたび厨二病に戻った少年は全身の痛みに襲われた。
自分じゃ使えないほどの筋肉をフル活用したのだから無理もない。

「仕方ない、これも試練か…。とにかく、乾きだけでも潤すか…。」
「あ…それ!飲んじゃ…。」

フジツボ少年の制止も聞かずにペットボトルをひったくり
一気に飲み干す。

ブーーッ!!

…そして一気に噴き出す。

「それ、海水だよ…だから飲んじゃだめって言ったのに…」


のどの渇きどころか塩辛い思いをしている厨二病と
クール気どりのキャラも忘れておろおろするへたれが
日の暮れた街並みに消えていった。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー