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連載 - 花子さんと契約した男の話-52b

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だれでも歓迎! 編集
 ようやく、休憩時間
 ……だが、執事服姿から解放される訳ではない
 うちのクラスは、休憩時間も「宣伝をかねて着替えない事」と言う事になっているからだ
 ………この格好のまま校内回るとか、一種の罰ゲームとしか思えないのだが
 まぁ、仕方ない
 学園祭の最中だから、あまり目立たないと思っておこう

「けーやくしゃ、お仕事終わったの?」
「仕事とは違うが……とりあえず、休憩時間だ」
「み!じゃあ、一緒に行こう!」

 きらきら、わくわく
 何とも無邪気に瞳を輝かせている花子さん
 …あぁ、去年の学園祭も、楽しんでいたからな…
 今年も、色々見て回りたいんだろう
 どこまで回れるか、わからないが

 わかった、と頷き、教室の外に出ると

「お待ちしてました、先輩」
「何故」

 雨村が、そこにいた
 …お前がうちのクラスの店を出たのはだいぶ前だったと思うんだが
 み?と、花子さんも首をかしげている

「せっかくですので、先輩と一緒に学園祭を見て回ろうかと」
「……クラスメイトと回ったらどうだ」
「ぶっちゃけ、赤い悪魔の騒動とかそう言えばこの学校お化け屋敷禁止だったとか色んなことで若干、顔をあわせにくいです。夏休みを挟んでほとぼり冷ますまで」

 …そう言えば、禁止だったな、お化け屋敷
 うっかり本物呼び寄せたら困るとかそう言う理由で

「……それで、本音は」
「今までの本音ですが、ぶっちゃけると見て回るにも懐が寂しいので、可愛い後輩に何か奢ってくれるとありがたいです」
「お前が可愛い後輩かどうかについては激しくどうでもいいとして………花子さんがいいと言うなら」

 俺がそう言うと、メイド服を着たままの花子さんは、み?と首をかしげ
 そして、きらきらと雨村を見上げ、答える

「一緒に行くの?」
「はい」

 じーーーーっ、と
 しばし、二人は見詰め合う
 …周りの連中には花子さんは見えないから、雨村が俯いているようにでも見えるんだろうか

「うん、いーよ!」

 び!と元気に答える花子さん
 ぱっ、と雨村が明るい表情を作る
 ……まぁ、いいか

「…それで、どこを回りたいんだ」

 俺としては、花子さんが何か食べられるよう、テイクアウトできるもんを販売しているクラスに行きたいんだが…

「写真部が、手芸部と合同でコスプレ写真を撮れる店をやっているらしいので、そこに。ぜひ先輩の写真を」
「俺にこれ以上コスプレしろとでも言うのか」

 今の格好が充分にコスプレ状態だよ畜生、と
 雨村のボケた発言に、俺はそう突っ込んだのだった





「………」

 獄門寺君が、雨村 在処という後輩に連れられていく姿を
 私は、見送ることしかできなかった

 …一緒に、学園祭を回ろう、と 
 どうして、もっと早く、言い出せなかったのだろう


 わかっている
 怖かったのだ
 獄門寺君の周りに、いつも、小さな女の子の姿が見える事が
 おかっぱ頭の、あの女の子の姿を見ていると……無償に怖くてたまらない


 きっと、あれは人間ではない
 馬鹿らしい考えだとわかっている
 でも、私には、あれが人間とは思えなかった


 …お化けが、彼のそばにいつもいる
 その事実が、私は恐ろしくて恐ろしくて、たまらないのだ




to be … ?



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