賑やかな学園祭
そんな中においても、彼女、拝戸 純は、どこか孤独だった
自分は、ここにいる
けれど、いないような、錯覚
それでも、賑やかで華やかな学園祭の雰囲気は、居心地悪いものではない
お兄ちゃんと慕う上田にも、学園祭に来てね、とお誘いはしていたし
仕事の都合なのか、少し後の時間になってから来る、との事で、純はそれまでに、上田が喜びそうな出し物とかはないかな、とふらふらとあちこちの教室の出し物を見て回っていた
彼女の通う中央高校は、やたらめったら生徒の出し物に賞を与えるせいか、全てのクラスの出し物に異様に気合が入っている
クラスの出し物だけではなく、各クラブ活動の出し物も同様である
そんな中においても、彼女、拝戸 純は、どこか孤独だった
自分は、ここにいる
けれど、いないような、錯覚
それでも、賑やかで華やかな学園祭の雰囲気は、居心地悪いものではない
お兄ちゃんと慕う上田にも、学園祭に来てね、とお誘いはしていたし
仕事の都合なのか、少し後の時間になってから来る、との事で、純はそれまでに、上田が喜びそうな出し物とかはないかな、とふらふらとあちこちの教室の出し物を見て回っていた
彼女の通う中央高校は、やたらめったら生徒の出し物に賞を与えるせいか、全てのクラスの出し物に異様に気合が入っている
クラスの出し物だけではなく、各クラブ活動の出し物も同様である
そうやって、あちこち、見て回っていた時だった
----にゃあん、と
聞こえてきた、猫の鳴き声
聞こえてきた、猫の鳴き声
「あれ?」
「にゃ??」
「にゃ??」
ちょこーん、と
とある教室の出入り口のところに、一匹の猫が座っていた
若干デ………大柄な、ふわふわした長毛種の猫
首元に、蝶ネクタイがつけられているところを見ると、オスなのだろうか?
その猫は、純に見られている事に気づいたのだろう
にゃにゃ?と首を傾げてきた
とある教室の出入り口のところに、一匹の猫が座っていた
若干デ………大柄な、ふわふわした長毛種の猫
首元に、蝶ネクタイがつけられているところを見ると、オスなのだろうか?
その猫は、純に見られている事に気づいたのだろう
にゃにゃ?と首を傾げてきた
…と、言うか
校内に、猫がいてもいいのだろうか?
そう考えつつも、何となく、その猫に近づいていってみる純
校内に、猫がいてもいいのだろうか?
そう考えつつも、何となく、その猫に近づいていってみる純
にゃんにゃん
近づいてきた純に…猫は、ころん、と腹を見せてきた
撫でろという事か
愛でろと言う事か
どうしようかな、と純が思っていると
近づいてきた純に…猫は、ころん、と腹を見せてきた
撫でろという事か
愛でろと言う事か
どうしようかな、と純が思っていると
「お帰りになられますか?お嬢様」
「………え?」
「………え?」
声を、かけられて
きょとん、と顔をあげる純
きょとん、と顔をあげる純
…とある、特殊な才能に恵まれながらも、しかし、それを完全にコントロールできず、存在感が希薄になってしまっている純
そんな彼女を、あっさりと見つけて
あっさりと、声をかけてきた、誰か
そんな彼女を、あっさりと見つけて
あっさりと、声をかけてきた、誰か
見ると、どうやら、ここの教室で……「執事&メイド喫茶」と言う、色々狙いまくりの模擬店を開いていて、そこのクラスの人間のようだった
若干、見覚えのあるようなないような顔
………あぁ、そうだ
学園祭の準備期間に、試食を頼んできた男子生徒だ
若干ぽっちゃり気味以外、特に特徴もないような男子生徒だが、何となく辛うじて覚えていた
若干、見覚えのあるようなないような顔
………あぁ、そうだ
学園祭の準備期間に、試食を頼んできた男子生徒だ
若干ぽっちゃり気味以外、特に特徴もないような男子生徒だが、何となく辛うじて覚えていた
黙っていた純の様子に、その男子生徒は首を傾げつつ
「お帰りになられますか?純お嬢様」
と
今度は、名前付で、そう言ってきた
今度は、名前付で、そう言ってきた
「ぁ……うん」
店内に、招いてくれる様子だったので
せっかくだから、入ってみようかな、という事にした
……自分を
きちんと、「拝戸 純」であると認識して、声をかけてきた
その、稀有な事実に、驚きながら
せっかくだから、入ってみようかな、という事にした
……自分を
きちんと、「拝戸 純」であると認識して、声をかけてきた
その、稀有な事実に、驚きながら
……なお、この後
一緒に学園祭を周らないかとナンパしてきたその男子生徒…真樹に対し
一緒に学園祭を周らないかとナンパしてきたその男子生徒…真樹に対し
「お兄ちゃんと一緒に周るから」
と、純が即効で断り
orz状態になった真樹が、あの猫によってぺふぺふ、慰められて(馬鹿にされて?)いたのだが、それはどうでもいい話である
orz状態になった真樹が、あの猫によってぺふぺふ、慰められて(馬鹿にされて?)いたのだが、それはどうでもいい話である
終われ