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連載 - 花子さんと契約した男の話-52e

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だれでも歓迎! 編集
 賑やかな学園祭
 そんな中においても、彼女、拝戸 純は、どこか孤独だった
 自分は、ここにいる
 けれど、いないような、錯覚
 それでも、賑やかで華やかな学園祭の雰囲気は、居心地悪いものではない
 お兄ちゃんと慕う上田にも、学園祭に来てね、とお誘いはしていたし
 仕事の都合なのか、少し後の時間になってから来る、との事で、純はそれまでに、上田が喜びそうな出し物とかはないかな、とふらふらとあちこちの教室の出し物を見て回っていた
 彼女の通う中央高校は、やたらめったら生徒の出し物に賞を与えるせいか、全てのクラスの出し物に異様に気合が入っている
 クラスの出し物だけではなく、各クラブ活動の出し物も同様である

 そうやって、あちこち、見て回っていた時だった

 ----にゃあん、と
 聞こえてきた、猫の鳴き声

「あれ?」
「にゃ??」

 ちょこーん、と
 とある教室の出入り口のところに、一匹の猫が座っていた
 若干デ………大柄な、ふわふわした長毛種の猫
 首元に、蝶ネクタイがつけられているところを見ると、オスなのだろうか?
 その猫は、純に見られている事に気づいたのだろう
 にゃにゃ?と首を傾げてきた

 …と、言うか
 校内に、猫がいてもいいのだろうか?
 そう考えつつも、何となく、その猫に近づいていってみる純

 にゃんにゃん
 近づいてきた純に…猫は、ころん、と腹を見せてきた
 撫でろという事か
 愛でろと言う事か
 どうしようかな、と純が思っていると

「お帰りになられますか?お嬢様」
「………え?」

 声を、かけられて
 きょとん、と顔をあげる純

 …とある、特殊な才能に恵まれながらも、しかし、それを完全にコントロールできず、存在感が希薄になってしまっている純
 そんな彼女を、あっさりと見つけて
 あっさりと、声をかけてきた、誰か

 見ると、どうやら、ここの教室で……「執事&メイド喫茶」と言う、色々狙いまくりの模擬店を開いていて、そこのクラスの人間のようだった
 若干、見覚えのあるようなないような顔
 ………あぁ、そうだ
 学園祭の準備期間に、試食を頼んできた男子生徒だ
 若干ぽっちゃり気味以外、特に特徴もないような男子生徒だが、何となく辛うじて覚えていた

 黙っていた純の様子に、その男子生徒は首を傾げつつ

「お帰りになられますか?純お嬢様」

 と
 今度は、名前付で、そう言ってきた

「ぁ……うん」

 店内に、招いてくれる様子だったので
 せっかくだから、入ってみようかな、という事にした
 ……自分を
 きちんと、「拝戸 純」であると認識して、声をかけてきた
 その、稀有な事実に、驚きながら



 ……なお、この後
 一緒に学園祭を周らないかとナンパしてきたその男子生徒…真樹に対し

「お兄ちゃんと一緒に周るから」

 と、純が即効で断り
 orz状態になった真樹が、あの猫によってぺふぺふ、慰められて(馬鹿にされて?)いたのだが、それはどうでもいい話である






終われ



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