「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 悪意が嘲う・悪意が消えたその後に・元悪魔の囁き-03

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だれでも歓迎! 編集
 かたかたと震えながら、それでも沙々耶は必死に、メイの体を抱きしめていた

 ……嫌だ
 失いたくない
 家族というものなど存在しない自分が、手に入れる事ができた家族
 それを、絶対に失いたくない……!!

 荒れ狂う熱線の乱舞が気合で吹き飛ばされた直後、逃げなければ、と思った
 メイを連れて、逃げるべきだと

 しかし……体が、動かない
 足が、動かない
 自分の無力さが恨めしい

 せめて、自分も、何かと契約していれば
 家族を、護れるだけの力があったならば………!!

 沙々耶が己の無力さを嘆いていた、その時


 ----ぉぉぉん、と
 遠吠えが、聞こえた


「………っひ!?」
「げ」

 びくん!と恐怖に体を弾ませる沙々耶と、心の底から嫌そうな声を出したアンネローゼ

 っとん、と
 黒い影が、沙々耶とメイの前に着地した

「…クールトー?」
「な、ななななな、なんで、お前がここに…っ」

 ぐるるる、とうなり声をあげ、アンネローゼを睨みつけるクールトー
 じゃり、と呂布の横に並んだ

「…何だ、邪魔をするのか?」

 呂布の言葉に、知るか、とでも言うように、クールトーはイライラした様子で地面をかいてみせる
 ばぅっ!と一声吼えると……辺りに、犬が集まりだした

 クールトーの能力が、発動したのだ
 彼女の吼え声が届く範囲の犬が……主に、野良犬達が、その呼び声に反応する

「犬を使ったら、そっちの総統さんが怒るんじゃない?」

 アンネローゼの言葉にも、クールトーはただ、睨み返すだけだ
 駆けつけた犬たちの内……大柄な犬が、沙々耶とメイを担ぎ上げる

「あ……」
「い、いいいいいい、犬の背中ーーーーっ!?」

 あっけにとられるメイと、犬という存在に怯える沙々耶
 その二人を背負い、犬は駆け出す

「逃がさな…」

 ------ぉおおおおおおおおん!!

 アンネローゼが攻撃するよりも先に、クールトーが遠吠えした
 ビリビリと空気が震え……さらに、犬が集まりだす

「…ちょっと、しゃれになんなくない?」

 呂布に加えて、犬達も相手にしろと?
 いや、犬は蹴散らせばいいのだが、問題は

「…これってさー。個人…ってか個犬の判断?それとも、朝比奈 秀雄の命令?」

 アンネローゼの言葉に、やはり、クールトーは答えない
 ただただ、遠吠えを続けて…



「……む」
「…これ、あんたの犬の声だよね?」

 学校街中に、クールトーの遠吠えが響き渡る
 それは、当然、クールトーの契約者たる朝比奈 秀雄にも届き

「………緊急事態か」

 プールで回収した変態共を連行している最中な上、マドカもいるのだがどうしたものか
 己の契約都市伝説の吼え声に、秀雄は思案をはじめた



 そう
 その声は、学校街中に響き渡る

「…何だ?」
「クールトー?…何かあったのか?」

 パスカルとヘンリーにも、その声は届いた
 そして、朝比奈 秀雄の部下であるヘンリーは気付く

 …クールトーの、この声は
 緊急事態を告げる声だ、と



 学校街中に響き渡るがゆえに
 それは、余計な人物にも、聞き届けられる

「む、この声は……聞き覚えがありマス。確か、クールトーの声なのデス」

 もぞもぞ
 テントから出てくる、カソック姿の少女
 「教会」所属の契約者、ニーナである

「クールトーは悪魔デス。あんな恐ろしい悪魔も、このガッコーチョーにいるなんて……私が、神の使途として、殲滅しなければいけないのデス」

 拳を握り締め、駆け出すニーナ
 声からして、距離は近そうだ…間に合う!

 …己が介入して、どう言う結果に転ぶかなど、考えもせず

 ただ、悪魔を殲滅するという目的の為だけに、彼女は動くのだ






to be … ?






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