「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-61

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 …それは天倉 紗江と天倉 紗奈が、「組織」の仕事をやっている最中の事だった

「逃がさないっ!」

 二人は、とある都市伝説を追っている最中だった
 捕獲命令が出ている、少々凶暴らしい都市伝説だった
 …もっとも、戦況が不利、と判断したとたん、こうやって逃げに出ているのだが

 歩道橋近くを通り過ぎようとしているターゲット
 逃げ足が速い
 このまま、では、逃げられ…


 ……しゅるり


「え?」

 何か、黒い、ものが
 ターゲットに…絡みついた
 それは、ぽ~ん、とターゲットを歩道橋の階段……下から数えて、「13段目」に放り投げる

「行ったぜ」
「わかってる…………引きずり込め、「13階段」」

 聞こえて来た、二人の男性の、声
 後から聞こえて来た声の直後…階段から、無数の手が、伸びて
 ターゲットはあっけなく……それに、引きずり込まれていった

「………うん?誰だ?」

 ゆらり
 闇から、人影が現れる

 黒いスーツを着て、サングラスをかけた、短髪の……20代前半と思わしき、男性だ
 しゅるりっ、と
 紗江と紗奈の姿を見た瞬間…髪が、一瞬、伸びたようにも見えた

「彼女いるんだから自重しろ、そこのど変態」

 もう一つの声は、歩道橋の上から聞こえて来た
 月明かりをバックに立っていて、顔はよく見えないが……肩の少し上まで伸びた髪に、真っ黒なコートを着た、青年のようだった
 耳元で、銀のピアスが月明かりを浴びて光る

(…あれ…?)

 ふと、紗奈はその青年に、見覚えがあるような気がした
 学園祭の時、姿を見た…ような…?

「わかってるっての。ちゃあんと、俺の心は彼女で埋め尽くされてるさ」
「惚気んな……とりあえず、そっちの処理はお前に任せたぞ。面倒だし」

 っとん、と
 青年が、歩道橋から飛び降りる
 ぁ……と、思ったが、軽々道路に着地して、すぐに走り去ってしまった

 …さて、と
 黒スーツの男が、紗江と紗奈に視線を向ける

「さぁて…どうしてこんな真夜中に、あんな化けモンを追いかけてたかな?嬢ちゃん達は?」

 くっく、と笑ってくる黒服
 紗奈は、紗江の犬神と共に紗江を護るような位置に立ちつつ…伺うように、尋ねる

「えっと……「組織」の黒服さん……ですか?」
「あん?……あー、こっちの関係者かよ」

 参ったな、という表情の黒服
 …自分達の担当の黒服とは、ずいぶん印象が違うな、と双子は感じる

「…お前ら、担当黒服の名前は?」
「え…A-No.666、って名乗ってました、けど」

 名前、といわれても
 そう言えば、聞いてなかったような…

「………よりによって、アレか」

 っち、と
 目の前の黒服が、舌打ちしたように見えた
 どうしたのだろうか?
 まだ少し警戒したまま、紗奈は黒服の様子をうかがう
 紗江も、犬神に指示を出すべきか否か悩みつつ、黒服を伺う

「あの…?」
「………お前ら、A-No.666を、あんま信用すんな」

 え、と
 突然の言葉に、きょとんとする二人
 紗江の様子に引っ張られたのか、犬神もくぅん?と首をかしげる


「どう言う…意味ですか?」
「言った通りの意味だよ。あの野郎は、ロクな噂を聞かねぇ……実験材料にされる前に、とっとと「組織」と縁を切るか、どうにかして担当を替えてもらった方がいいだろうな」

 どこか、吐き捨てるように言ってくる黒服
 その言葉には…A-No.666への露骨な嫌悪が、見え隠れしていた

「担当さんって…替えられるん、ですか?」
「時と場合によるけどな……ま、一番簡単なのは、その担当が「行方不明」になる事だが」

 やや、物騒な気配をにじませる言葉
 双子の警戒を感じ取ったのか、くっく、と黒服は笑う

「…ま、心の隅に止めておけや。中央高校の生徒が、「組織」絡みで何かあった日にゃあ……特に、「アレ」の生徒に何かあった日にゃあ、「組織」最強候補のヤンデレが煩いんだよ」

 警告であり、忠告である言葉を吐いて
 黒服は、闇の中に身を翻す
 その姿は、一瞬で闇の中に溶け込んで


 どこか、不吉な気配と共に
 その姿は、あっという間に見えなくなってしまったのだった



to be … ?



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